波動ねじれのヒーローアカデミア 【台本式無しVer】   作:へたくそ

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10 第一歩

土曜の朝5時からの訓練、始まって8ヶ月近くになる。

そして、ねじれが見学に参加して5ヶ月が経った。

 

 

 

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…!」

 

「うむ…、まさかここまでとは思わなかった。10ヶ月もあったとは言え、ギリギリに仕上がると思っていたのだが」

 

「出久君凄い、本当に終わらせちゃうなんて」

 

 

 

海浜公園のゴミ山は、見る影もなかった。

出久は腕を後ろについて、もたれる様に尻餅をつく。

 

 

 

「おめでとう出久君!!本当に凄いよ!私感動しちゃった!あんなにいっぱいあったゴミの山が無くなっちゃうなんて!」

 

 

 

ねじれはもたれている出久に飛びついた。

その勢いに耐えきれなかった出久はとうとう倒れる。

 

 

 

「ちょっ!待ってねじれ先輩!汗かいてるから今はダメですって!」

 

「凄い!やっぱり出久君は凄いよ!」

 

「今は臭いのでやめてくださいってば!」

 

 

 

ねじれは出久に抱きついて離れようとしない。

それどころか出久の胸に頬をすり付けてくる。

出久は汗だくの状態で、自分の匂いを気にしているが、ねじれにその様子はまったく見られない。

いや、見られない訳では無い。どちらかと言うと、嗅がれている気がする。

 

 

 

 

「あの、ねじれ先輩。一つ聞いていいですか」

 

「ん?何?」

 

 

 

 

出久が質問するが、ねじれはすり付けを止めようとしない。

 

 

 

 

「あの、僕の匂い嗅ぐのやめてくれませんか?」

 

「……何の事かな?」

 

 

 

ピクッと反応するねじれを見て、確信した。

まぁ、ねじれが自分から嗅いでるという事は不快ではないという事だろう。なので出久はため息をつき、ねじれのされるがままになっていた。

出久が抵抗しないと分かったねじれは、さっきまでこそこそと嗅いでいたが、堂々と嗅ぎ始めた。

 

 

 

「さて、緑谷少年。君は今日、私の個性を、「ワン・フォー・オール」を受け継ぐ」

 

「はい」

 

「そこで、君に忘れないで欲しい事がある」

 

 

 

出久は緊張した顔でオールマイト見上げる。

ねじれも流石に空気を読んで、出久から離れた。

 

 

 

オールマイト「これは師匠の受け売りだが、最初から運良く授かった者と、認められ譲渡された者では、その本質が違う。肝に銘じておきな。これは、君自身が勝ち取った力だ」

 

「オールマイト…」

 

「良かったね、出久君。おめでとう」

 

 

 

ねじれがさっきまでの様子とは打って変わって、どこか優しい目で出久の頭を撫でる。

出久はそれを照れながらも受け入れる。

ねじれとオールマイト、出久の中で特別な意味を持つヒーローだ。

そんな二人に認められるとは、出久にとってが大きな意味を持っていた。

 

 

 

 

「さて、緑谷出久!授与式だ!!」

 

「はい!」

 

 

 

ここからが本番だ。まだ手放しで喜べる状況では無いだろう。

しかし、これは出久にとっては人生で最も大きな意味を持つ一歩となる。

出久は生涯、今日の事を忘れないだろう。

 

 

 

「さぁ、食え!」

 

「なっ!」

 

 

 

 

オールマイトの髪を食えと言われた事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とかオールマイトの髪を食べた出久は、出久の家でねじれと共に朝食をとっていた。

 

 

 

 

「それにしても、いきなり食えなんて言うからびっくりしちゃったよ」

 

「僕が一番びっくりしましたよ…。『DNAを直接取り込めれば何でもいい』なんてめちゃくちゃな渡し方なんて」

 

「それで、個性の方はどう?何か感じる?」

 

「いえ、昼までには発動できる様になるって聞いたけど、どう何でしょうね」

 

 

 

個性の訓練は来週の土曜日からとなっている。

一週間は休んでもいいとの事だが出久自身、訓練が習慣化しているので基本はやると決めている。

OFA(ワン・フォー・オール)は自分の体を鍛えれば、それに応じて大きな力も使えるとオールマイトが言っていた。

ここで立ち止まっていてはダメだ。試験を受けるみんなは、個性を体の一部として自由に扱う事ができる。

 

 

 

「もっと頑張らないとな…」

 

「ジィー…」

 

「ん?どうしたんですか?」

 

「出久君が最近かまってくれないなぁって」

 

 

 

訓練をしていた8ヶ月間、出久はオールマイトのスケジュールに従って生活してきた。

そこには遊ぶ時間など無い。しかしそれは当たり前の事だ。

無個性という自分が雄英を受けるのだ。遊んでる暇などある方がおかしな話だ。

 

 

 

「出久君の為だって分かってるんだよ?毎日会ってるし、我が儘はあまり言いたく無いけど、それでも少しは構ってほしいなって…」

 

 

 

ねじれは少し控えめに出久に言う。自分が出久の負担にはなりたくはない。

しかし、それでも8ヶ月も我慢もしていれば不安も溜まるだろう。

 

 

 

「そう言えば、この前新しいケーキのバイキングができたってクラスの人が話してました」

 

「え?」

 

「ねじれ先輩の誕生日、何もしてあげれなかったので、もし良かったら一緒に出かけませんか?」

 

 

 

出久は前々から考えいてはいたのだ。

ねじれの誕生日は10月、今は12月でかなり遅れているが、それでもねじれの誕生日を祝いたかった。

ケーキ屋も、クラスメイトの話を聞いたのではなく、出久が調べた情報だった。

ねじれにそんな事は分からないが、出久が誘ってくれた。その事実が嬉しかった。

 

 

 

「うん!!行こう!!私楽しみ!!」

 

「その前にデパートにも行きましょうか」

 

「本当!?それじゃ早く行こう!今すぐ行こう!」

 

「い、今からですか」

 

「だって出久君とのお出かけなんて久々なんだもん!」

 

 

 

ねじれは身を乗り出して出久に迫る。その様子に出久は少し苦笑いするが、ねじれが喜んでいくれている様なので安心した。

ご飯を食べた二人は、街に行く為の準備をする。ねじれは引子の部屋に3着服を置いている。

なので家には帰らず、出久の家から直接行くことができる。

 

 

 

引子とねじれは、二人が出会ってからすぐに顔を合わせている。

ねじれは小さい頃の出久に興味津々で、引子がそれを喜んで話してからは、仲良くやっている様だ。

 

 

 

「出久く〜ん!準備できたよ!」

 

 

 

そう言ってねじれは引子の部屋から出てきた。

その格好は、白のワンピースの上に、黒ニットのアウターを羽織っている。

手にはミニバックを持っており、どこかお嬢様にような雰囲気を感じた。

 

 

 

「ねえねえ出久君、似合ってるかな?」

 

「あ、は、はい。とっても、似合ってます…」

 

 

 

出久は赤面し、ねじれを直視できていない。

それもそうだ。いくら毎日一緒にいるとは言っても、ねじれは美人。

そのねじれが出久だけの為にオシャレをしているのだ。

ねじれ自身、出久に何かしらの反応をしてもらわなければ困る。

 

 

 

「ふふ、良かった!それじゃ行こうか!」

 

「はい!」

 

 

 

出久の手を引っ張り、家を出る。

その時のねじれの顔は、とてもキレだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからは出久にとっても、ねじれにとっても幸せな時間だった。

普通に店をまわり、普通にご飯を食べ、いつもの様に会話を交わす。

それだけでもいつまでも続いて欲しいと思うのは、きっとお互いがお互いを特別に思っているからだろう。

 

 

 

「ねえねえ知ってた?ここのジャスミン茶この前テレビでやってたんだよ!」

 

「それってねじれ先輩がいつも飲んでるブランドですよね?僕も見てました」

 

「そうだよ美味しいんだよ!」

 

「僕もテレビで見てからジャスミン茶飲み始める様になって、ねじれ先輩と同じのを飲んでるんですよ」

 

「そうだったの!?それどうだった!?美味しかった!?」

 

「はい、とても美味しかったです。ねじれ先輩が好きになるもの分かりますよ」

 

「でしょでしょ!?出久くんにも気に入ってもらえて良かったよ!」

 

 

 

ねじれは出久が自分と同じ物を口にしている事が嬉しかった。

年頃の女子だ、こんな些細な事で舞い上がってしまう。それはねじれだ。

そしてねじれは相当嬉しかったのか、外にも関わらず出久に抱きついしまう。

 

 

 

「ねえねえ!出久君!この後何しようか!」

 

「ね、ねじれ先輩。外でくっつくのは…」

 

「家だったらいつもくっついてるのに〜?」

 

「そ、外は人の目があるので…」

 

「仕方ないなぁ〜。それじゃ、家に帰ったらいっぱいくっついてもいいって事だよね?」

 

「そ、それはちょっと…」

 

「…ダメなの?」

 

 

 

ねじれは上目遣いで出久を見る。

 

 

 

「ぅ…。す、少しだけなら…」

 

「やった!出久君大好き!」

 

 

 

出久の承諾がなくても、今まで散々抱きついていたので今更という気もするが、出久の承諾を取れるなら越した事はないだろう。

そんなねじれは、出久の腕に抱きついていたが更に強く抱きしめる。

 

 

 

「ねじれ先輩!だからこういうのは家に帰ってから!」

 

「ええ!少しくらいなら大丈夫!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久々に二人だけの時間を過ごせた出久とねじれは、この後もお互いの誕生日プレゼントを買った後、出久の家でのんびりしてから解散になった。

勿論、ねじれはいつも通り出久にくっついていたという。

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