ーカインsideー
「んーーーー!! やっと着いたかぁ・・・・!」
カイン・オーシャン特務中佐が新たに新設された、ユニオンとロイヤルの艦船<KAN-SEN>で構成された『アズールレーン母港』の港に船が接岸して船から下りると、風が運ぶ潮の香りを吸い込みながら身体を伸ばした。
「カイン・オーシャン特務中佐。我々はこれから補給を受けた後、ロイヤルへと帰還します」
「はい。ご苦労様でした。お世話になりました」
船の船長が代表してカインに敬礼し、カインは自分を送ってくれた船長に返礼し、船長が船に戻るのを見送ったカインは、荷物が入ったボストンバッグを担ぎ直した。
「さて、『ウェールズ』が来るまで少し暇だし・・・・。ちょっと母港を散歩してみるかな。・・・・それにしても流石は南の島だ。眩しいし、暑いなぁ・・・・」
そう呟いて、カインは懐から日差し避けのサングラスを掛けて、母港へと歩を進めた。ユニオンとロイヤルの艦船<KAN-SEN>達が笑いあっているのを見て笑みを浮かべる。
しかし、これから自分は『指揮官』として、この娘達を指揮し勝利へと導き、無事に帰還させるという責務がある事を自覚した。
「(“記憶がない僕”が、彼女達の指揮官として相応しいのだろうか・・・・?)」
そう。『カイン・オーシャン』と言う若者には“過去の記憶が無い”。
半年ほど前。自分はロイヤルの基地にて目を覚まし、それまでの過去の記憶がまったく無く。途方にくれていたが、試しに指揮官として演習をしてみれば、まるで昔からやっていたかのように的確な指示を出し、その演習で『女王陛下』が率いる艦隊を敗北させてしまった。
そしてその指揮能力を『女王陛下』に見込まれ、さらに他に適任がいなかった事もあり、新設させた母港の指揮官を任命された。ロイヤル艦隊の『女王陛下』の推薦もあっただろうが。
≪くよくよしたってしょうがないぜトモ・・・・カイン。とりあえずやってみようぜ!≫
「(っ!? まただ。一体誰なんだ・・・・)」
頭に響いた声にカインは怪訝そうに周囲を見渡すが、誰もいなかった。
すると、ポスンッと、自分の腰に誰かがぶつかったような軽い衝撃がして、見下ろすとそこにはーーーー。
「お・・・・お兄、ちゃん・・・・っ!」
藤色の長い髪と竜胆色の眼をし、左側をシュシュで結ってサイドテールにして、アホ毛が前に跳ねている。服装は白いワンピースに白いニーソックス、白いロンググローブを着ており、清純と清楚さを魅せる少女だった。
「『ユニコーン』? 『ユニコーン』だな!」
「うん。ユニコーンだよ、お兄ちゃん・・・・!」
少女の名前は『ユニコーン』。『ロイヤル所属 軽空母』である。本人は『支援空母』と言っているが。
カインが演習で指揮した艦船<KAN-SEN>の1人で、演習後にカインの事を、【お兄ちゃんって・・・・呼んでも、良い?】と聞いてきて、カインは了承し、以来カインをお兄ちゃんと呼んで慕い、なついている。
「あれ、ユニコーンちゃんその人誰? 艦船<KAN-SEN>ではないようだけど??」
「・・・・眠い・・・・」
「『ジャベリンちゃん』、『ラフィーちゃん』・・・・」
「(あぁ、ロイヤルのジャベリンとユニオンのラフィーか・・・・)」
ユニコーンが呼んだ名前から、カインはこの母港に来るまで母港に着任する艦船<KAN-SEN>達の名簿を見ていたので、理解した。
1人はエメラルドグリーンの瞳に紫の髪をリボンで束ねフワリとしたポニーテールに王冠のような髪飾りを着け、紫のタータンチェックのスカートを身に着け、青いスカーフを巻いている。ロイヤルレディとしては少々落ち着きが足りないようだが、それが魅力とも言える少女が、『ロイヤル所属 Jクラス駆逐艦ジャベリン』。
もう1人はボサボサな銀髪をツインテールにまとめ、白いウサミミのようなカチューシャを着けた、ウサギのように赤く眠そうな目、ノースリーブのシャツ一枚に、サイズの合ってないモコモコしたピンク色の上着を羽織った今にも眠ってしまいそうにウトウトしている少女は、『ユニオン所属 ベルソン級駆逐艦ラフィー』。
「はじめまして。僕は本日からこのアズールレーンの指揮官を務める事になったカイン・オーシャン特務中佐だ。よろしくね」
「ええっ!? 貴方が噂の指揮官さんですか!? お会い出来て光栄です! あ、私はJクラスの駆逐艦のジャベリンって言います!! よろしくお願いします指揮官!」
ジャベリンはカインの手を取って上下にブンブンと振る。艦船<KAN-SEN>は人間よりも身体・戦闘能力が高いので、振り回されるカインの腕が悲鳴を上げる。
「こちらこそよろしくジャベリン。でも、そろそろ手を離してくれないかな? 正直腕が痛い・・・・」
「あ、ごめんなさい! つい私ったら・・・・!」
ジャベリンはカインの手を離し、気遣う様に言った、元気とやる気が有りすぎると思うが、根は思いやりのある優しい娘なんだな、とカインは思った。
「・・・・ラフィー・・・・終わり・・・・ZZZzzz」
「眠そうだね。あと服が崩れているよ」
カインは立ったまま寝そうになっているラフィーのはだけている服を直した。
内心、以外と発育しているラフィーの胸に目が行きそうだったが、何とか視線を向けないようにした。
「これで良し。そういえばユニコーン、お友達の『ゆーちゃん』はどうしたんだい? いつも一緒にいるのに?」
「あっ・・・・! お兄ちゃん、『ゆーちゃん』知らない? 探しているんだけど・・・・」
そう言って、ユニコーンは1枚の絵が描かれた紙を見せた。
「ああ、ユニコーン。これじゃゆーちゃんじゃなくて『ペガサス』に見えるよ。あと絵凄く上手だね・・・・」
描かれているのは、に角と翼が生えた凛々しい馬は、『ユニコーン』と言うよりも『ペガサス』と言っても良かった。その絵のクオリティの高さに感心してしまう。
「ゆーちゃん、何処かに行っちゃって探してるの、お兄ちゃん知らないかな?」
「んー。僕もここに来たばかりだから、ゆーちゃんは見ていないな。『饅頭』なら見たけど」
『饅頭』。アホ毛が付いた黄色いひよこのようや生物で、艦船<KAN-SEN>達のサポートをこなす謎の生命体である。
「そう、なんだ・・・・」
「大丈夫だよユニコーンちゃん! 次だよ次!」
「頑張ればきっと見つかる・・・・」
シュン、と顔を下げるユニコーンをジャベリンとラフィーが慰める。それを見てカインもうん、と頷き。
「よし、僕もゆーちゃんを探すのを手伝うよ」
「ええ!? 良いんですか指揮官??」
「ま、後で『ウェールズ』に怒られるだろうけど、泣いている女の子を見過ごすような男にはなりたくないからね。一緒にゆーちゃんを見つけようユニコーン」
少し泣きじゃくんだユニコーンの頭を優しく撫でると、ユニコーンは顔を上げて笑顔を浮かべた。
「ありがとう・・・・! お兄ちゃん!」
「まぁまぁ良いて事さ♪」
≪ナイスだぜカイン!≫
可愛い妹分の笑顔に笑みを浮かべるカインに、『謎の声』がサムズアップしたような声が響いた。
すると、背中に何やら柔らかく軽めの重さがのし掛かった。背中を見ると、眠そうなラフィーがカインの背中におぶさった。
「・・・・ラフィー、指揮官におんぶして欲しいって思ってない、よ・・・・ZZZzzz」
「おんぶして欲しいならそう言えば良いのに、仕方ないなぁ・・・・」
カインは背中に感じるラフィーの以外な膨らみや柔かさを感じながらしっかりと背負い、落とさないように姿勢を正しくした。
「あれ? 指揮官。そのブレスレットって何ですか?」
ジャベリンは、カインの右手首に巻かれた、『三本の角に青い水晶が嵌められたブレスレット』が目に入り、聞いてみた。
「あぁこれか。何か良く覚えていないけど、とても『大切な物』なんだ。気にしなくて良いよ」
「あ、はい。じゃぁ、次はあっちでゆーちゃんを見ていないか聞いてみましょう!」
「うん・・・・!」
「では行きますか」
ジャベリンの号令を聞きながら、カインはラフィーを担いでゆーちゃんを探しに出かけた。
≪・・・・・・・・・・・・ありがとう≫
『謎の声』は、ブレスレットを『大切な物』と言ったカインに、小さな声でお礼を言った。
ー船長sideー
「これはこれは『プリンス・オブ・ウェールズ』殿。『イラストリアス』殿。それにユニオンの『クリーブランド』殿ですね。どうなされました?」
補給を受けている船長の前に、三人の艦船<KAN-SEN>が近づいた。
1人は真っ赤な貴族のような制服とマントを羽織った優雅な佇まい、ミニスカートと白いニーソから生み出される絶対領域と腰に巻いたサーベルを携えた。黄金色のショートヘアーに編み込みを施し、キリっとした深紅の瞳を持つ凛々しい麗人の女性は、『ロイヤル所属 戦艦プリンス・オブ・ウェールズ』。
もう1人は、キャペリンハットを被り、豊満な胸元と豊かなプロポーションを白いドレスで優雅に身に纏う貴婦人。左目の下の泣きぼくろが特徴的な、清楚で優雅な大人の女性の余裕と魅力と包容力が溢れる淑女は、『ロイヤル所属 空母イラストリアス』。
最後は、ブロンドのロングヘアのサイドテール、勝ち気な表情を際立たせる真っ赤な瞳を持った女の子。白のクロークとミニスカートが特徴的で、男勝りな雰囲気と活発さを醸し出しているボーイッシュな少女は、『ユニオン所属 クリーブランド級軽巡洋艦一番艦クリーブランド』である。
「・・・・船長殿。我々の指揮官は何処にいるのでしょうか? もう来ている筈なのですが?」
「オーシャン中佐ならば、先ほどまでいらしたのですが、母港の方に行ってしまいましたよ・・・・」
「えええぇぇっ!? 指揮官、どこかに行っちゃったんですかっ!?」
船長がそう言うと、クリーブランドは驚きの声を上げ、ウェールズは頭痛を堪えるように人差し指を額に当て、イラストリアスは頬に手を当て困った笑みを浮かべた。
「また指揮官の気まぐれ行動が起こったか・・・・!」
「まぁまぁウェールズさん。指揮官様の気まぐれはいつもの事ですし・・・・」
「えっ? 指揮官って、気まぐれで行動したりするの?」
「ああ。優秀な人なのは確かなのだが、普段はボーッとしているし、時々『メイド隊』ですら手を焼く行動を起こしてしまうのだ」
『女王陛下』が我が儘な猫なら、指揮官は気まぐれな猫だな。と、内心ボヤいたウェールズの心情を察したのか、イラストリアスも苦笑を浮かべた。
ーカインsideー
カイン達はそのまま母港の色々な所に赴いたり、他の艦船<KAN-SEN>達と出会い、自己紹介や言葉を交わしたりしていると、ゆーちゃんは母港の丘の上に向かうのを見かけたと聞いてそこに向かった。するとーーーー。
「あっ、ゆーちゃん居たね。・・・・それに、あの娘、は・・・・?」
≪はっ!・・・・・・・・あの娘は、まさか!?≫
絵に描かれている馬ではなく、ぬいぐるみのような姿をしたゆーちゃんが、外套を纏ったクリーム色の髪をポニーテールに纏め上げ、瞳は血のような紅色であり、頭からは赤と白の装甲板で出来た耳か角のような物が生えている艦船<KAN-SEN>らしい少女がゆーちゃんを抱き抱えていた。
それを見たカインは、何故か分からなかったが、その少女をジッと見ていた。
≪『綾波』・・・・? 『綾波』なのかっ!?≫
「あや、なみ・・・・??」
「???・・・・・・・・っ!!!」
カインは『謎の声』が驚きながら呟いた名前を発すると、『綾波』と呼ばれた少女は、カインを訝しそうに見つめ、驚愕したように目を見開いた。
「ぁ・・・・あぁ・・・・!」
『綾波』と呼ばれた少女は、カインをまっすぐ見つめ、手が緩んだのかゆーちゃんを落とした。
「ゆーちゃん! ゆーちゃん見つけた! 良かったぁ・・・・!」
「っ!」
ユニコーンがゆーちゃんに駆け寄ると、『綾波』と呼ばれた少女はハッとなって、我に返った。
「ゆー、ちゃん・・・・?」
「ユニコーン、その娘にお礼を」
「うん! ありがとう!」
「・・・・いえ、お礼言われること、何もしてないです・・・・あ、あの・・・・」
ラフィーを下ろしたカインに言われ、ユニコーンが『綾波』にお礼を言うと、『綾波』と呼ばれた少女はカインをチラッ、チラッと見ながらそう言って、カインに向けて口を開こうとしーーーー。
「うわぁ~! こんな凄い場所があったんですね!」
「っ・・・・・・・・」
ようとしたが、ジャベリンの声に振り向くと、丘の上からの広く透き通るような空と海に思わず息を呑んだ。
「あぁ、とても素晴らしい景色だな」
「・・・・風、気持ちいい・・・・ウトウト」
カインも景色に見惚れ、コーラ瓶のような飲み物を持ったラフィーが立ったまま寝そうになる。
「こんな穴場を知ってるなんて、貴女中々やりますね!」
「ど、どうも・・・・」
「あっ、私ジャベリンです!」
「ラフィー・・・・」
「ユニコーン・・・・」
「僕はカイン・オーシャンって言うんだ。ユニコーンのお友達を見つけてくれて、ありがとう」
「カイン、オーシャン・・・・ですか?」
「ん?」
『綾波』と呼ばれた少女は、カインをジッと見つめていた。
「あの~、貴女のお名前聞いても良い?」
ジャベリンが前に出て、『綾波』と呼ばれた少女に向けて握手を求めるように手を差し出した。
「・・・・・・・・えっと・・・・」
『綾波』と呼ばれた少女は惑うようにその手を見つめると。
≪「っ! なにか来るっ!!?」≫
カインと『謎の声』の声が重なると、ビュン!と音と共に、何かが近づいて来た。
「みんな頭を押さえて!」
「うわぁ・・・・!」
「うぅ・・・・!」
カインが叫ぶと、ジャベリン達を庇い、ジャベリン達も頭を下げて身を屈めると、『物体』が通り過ぎ、巻き起こる風圧に飛ばされまいと足を踏ん張った。
「鳥・・・・?」
「いや、チラッと見たが鳥ではなかった。『青い紙飛行機』のような物体だった・・・・。そう言えばこの間資料で・・・・」
カインを顎に手を置いて、思考を始める。
「お兄ちゃん・・・・?」
「あれ? あの子は?」
ジャベリンの声で周りを見ると、確かに『綾波』と呼ばれた少女の姿が何処にも無かった。
「(嫌な予感がする・・・・)みんな、戻るぞ。ウェールズ達と合流する」
「お兄ちゃん・・・・?」
「急いで。最悪な事態になるかもしれない・・・・」
「最悪って・・・・?」
「・・・・戦闘が起こるかもしれない」
「せ、戦闘・・・・!?」
カインの一言にジャベリンが驚き、ユニコーンは身体を強ばらせ、ラフィーは、相変わらず眠そうにウトウトしていた。
≪(あの紙飛行機・・・・まさか、『あの人達』も来てるのか?)≫
『謎の声の主』も、見覚えのある紙飛行機を見て、嫌な予感を感じていた。
ー綾波sideー
「はい。こちら綾波・・・・」
《作戦中だぞ、コードネームを使え》
綾波は丘から離れた森の中で、一本の木に登り、先ほどの『青い紙飛行機』を通信機のように使っていた。
「あっ、ごめんなさい。こちら『ユズ』。基地の構造は大体把握した、です」
《良し。こちらもそろそろ仕掛ける。状況を見て合流しろ》
「・・・・了解」
通信を切った綾波は、先ほど出会った『カイン・オーシャン』と名乗る若者の顔が浮かんだ。サングラスを掛けていたし、肌も浅黒く、髪型も違っていたが、記憶の中にいる人物とほぼ合致していた。
「・・・・・・・・トモユキ、指揮官・・・・」
綾波は、『生死不明・行方不明となってしまった指揮官』の名を、ボソッと呟いた。
ー???sideー
そしてここは、『アズールレーン母港』から少し離れた海域にある岩礁海域。
その中の岩礁の上に立つ二人の女性。
黒い長髪の頭の上に狐の耳に生やし、裏地が赤の雀色の羽織を肩にかけ、胸元を大きく開き、肩を丸出しにし、白い肌を晒した露出度の高い格好で、その目元に赤い化粧が施され、艶やかかつ蠱惑的で自虐的な印象を受ける美しい女性の背面からは狐のような黒い尻尾が九本生えていた。
もう一人の女性は、白銀の狐耳が生やし、白銀の髪を肩口まで伸ばしており、スラッとした高い背丈、同じく露出の高い青い着物からは白い胸の谷間が見え、氷を思わせる眼差しは気高く、背面から覗くは白い九本の尻尾を生やしていた。
白銀の女性が、黒髪の女性に向けて口を開く。
「何時でも行けるぞ、『オオトリ』」
「『加賀』ぁ? 戦いの本質とはなんだと思う?」
「あの『赤城姉様』・・・・コードネームを・・・・」
『加賀』と呼ばれた女性は、自分なりに考えたコードネーム方式を使って欲しいと、『赤城』と呼んだ女性に伝えるが、『赤城』は構わず『戦いの本質』について語り始める。
「戦いとは傷つけること。戦いとは傷つくこと。戦いとは、痛みを交換することよ」
『赤城』は『加賀』に後ろからしなだれるように『加賀』にお互いの温もりも確かめるように触れる。
「痛みを通じて、互いの思いに触れ合うの。すなわち、『愛』に他ならないわ」
「・・・・・・・・」
『加賀』は『赤城』の手を外した。
「加賀には、姉様の言うことが良く解りません。私はただ、討ち滅ぼすだけ・・・・“アイツ”が、『帰ってくる場所』を守る為にも・・・・!」
『加賀』は手にした青い紙飛行機を構えると、紙飛行機が青い炎に包まれ、二人の後ろの空に暗雲が立ち込める。
「ウフフ、連れない子ね。でも、その通りね。“あの方”が『帰ってくる場所』を、誰にも汚させたりはしないわ」
『赤城』が、『黒い箱』を取り出すと、暗雲の下の海から、『赤い光を放つ黒い艦隊』ーーーー『人類の敵』、『セイレーン』が現れた。
「さぁ、戦争を始めましょう・・・・」
『重桜所属 空母赤城』。
『重桜所属 空母加賀』。
今、火蓋が切って落とされる。
ー???sideー
「・・・・・・・・・・・・」
半分黒に半分白のモノクロのブラウスを着用した無表情ながらも、不気味な雰囲気を漂わせた青年が、先ほどまでカイン達がいた丘の上に立ちながら、海の向こうから広がる暗雲と、迫り来る『セイレーン』の艦隊を見つめながら、これから起きる事を楽しみにしているように笑みを浮かべた。
「よき旅の終わり、そして・・・・始まり」
さんさんと照り付ける太陽に映し出された“影”が、人間の形をしていなかったーーーー。
『カイン・オーシャン』
階級:『特務中佐』
容姿:『うたの☆プリンスさまっ♪』 の『皇綺羅』を茶髪にし、浅黒い肌に半年前の傷痕か、右手に薔薇のような模様の傷痕がある。
年齢:18歳くらい。
備考:半年前にロイヤル近海の小島に意識不明ならびに、全身に軽い火傷を負った重体で発見され、それから1週間後に目を覚ます。
しかし、名前やそれ以前の記憶をすべて失っていた。
ロイヤル艦船<KAN-SEN>の旗艦である『女王陛下』より『指揮官役』で演習をし、その卓越した指揮を見せ、新設される『アズールレーン母港』の『指揮官』を任命される。
次回。艦船<KAN-SEN>達が戦闘開始。