アズールレーンT   作:BREAKERZ

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【風呂】嫌いにならない

ージャベリンsideー

 

「はぁ・・・・」

 

カイン指揮官が借金取り<明石>から逃げていたその頃。

ジャベリンはラフィーと共に艦の清掃をしていたが、物思いに耽っており、掃除に身が入って無いようだった。

 

「はぁ・・・・」

 

「ふぅ、ピカピカ・・・・」

 

ラフィーが汗を拭う仕草をすると、ジャベリンに目を向けた。

 

「・・・・私たち敵同士、でも・・・・!」

 

ジャベリンの頭には、敵同士となっている綾波の事を考えていた。

 

「でも、後悔はしたくないから! わぷっ!!」

 

決意を新たにしたジャベリンの頭に、ラフィーがホースで水をかけた。

 

「・・・・ジャベリン、サボらない」

 

「・・・・ふふ、もう! お返しだよ!!」

 

ラフィーの行動に笑みを浮かべたジャベリンもホースを持って、ラフィーに水をかけようとするが、ラフィーは回避した。

 

「当たらなければどうと言う事はない。全力でいく」

 

二人は仲良く水の掛け合いをしていた。

 

 

 

ーユニコーンsideー

 

その夕方。

ユニコーンは大浴場に続く脱衣場で、他の艦船<KAN-SEN>達の着替えの様子を隠れて見ていた。

 

「・・・・・・・・」

 

何故か脱衣場に入ろうとしないユニコーンの後ろから、ジャベリンが声をかけた。

 

「あれ、ユニコーンちゃん?」

 

「ぁっ・・・・?」

 

振り向くと、ずぶ濡れのジャベリンとラフィーがいた。

 

「どうして濡れてるの?」

 

「あははは・・・・。これは、あぁ、ユニコーンちゃんもお風呂? じゃあ一緒に入ろ?」

 

「えっ? ユニコーンは・・・・」

 

「ヘクチッ、寒い・・・・」

 

「このままじゃ風邪ひいちゃう。ささ、早く早く!」

 

「うぅっ・・・・!」

 

「???」

 

ジャベリンとラフィーはユニコーンの様子に首を傾げていると、ラフィーがポンッと手を叩いて、ユニコーンの手を取って脱衣場から離れると、“別の浴場へと向かった"。

 

「じゃ、アッチにいく・・・・」

 

「え、えぇっ!?//////」

 

「ラ、ラフィーちゃん! あそこって!?//////」

 

ユニコーンとジャベリンが顔を赤くし、その浴場が何か知っているが、ラフィーの勢いに流され、そのまま歩いていった。

 

 

 

 

ークリーブランドsideー

 

クリーブランドは妹達と脱衣場で着替えをしていると、ロイヤル勢の下着に目を向けていた。

ロイヤル艦船<KAN-SEN>はみんな、派手なフリルや刺繍が施された所謂大人の下着を着用し、スポーツ系のランジェリーを着用しているクリーブランド達には物珍しかった。

 

「うわ~お、スゴいなぁ!」

 

「姉貴! ロイヤルの人は皆、ああいう大人の下着を着ているのかな?」

 

「っっ/////」

 

顔を赤くするクリーブランドの隣に、ロイヤルメイドのシェフィールドが着替えようとしていたので、クリーブランドは声を潜めて話しかける。

 

「・・・・ねぇ、ソコんとこどうなの? やっぱりパンツとかも拘ってるの?」

 

「いえ、私は履いていませんが」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

シェフィールドの言葉にクリーブランド姉妹は一瞬、言葉の意味が分からずフリーズした。

クリーブランドが正気に戻ると、もう一度聞いた。

 

「・・・・・・・・ゴメン、よく聞こえなかった」

 

「ですから、履いていません」

 

シェフィールドがいつも通りの冷静な無表情で、スカートをあげるとーーーー。

 

「「「「うぅっ!!!!??」」」」

 

クリーブランド姉妹は、ソレを見て仰天し、クリーブランドに至っては顔を真っ赤にして、息を呑んでしまった。

 

「あ、あぁ・・・・! ゴクリ・・・・!//////」

 

「あっちゃ~~」

 

ソレを見て、エディンバラも頭を抑えてため息を溢した。

シェフィールドの名誉の為に言うが、これは機動力を損なわない為に履いていないだけであり、けっしてシェフィールドが特殊な趣味嗜好をしている訳ではないのだ。

 

 

 

ーユニコーンsideー

 

ユニコーンとジャベリンはラフィーに連れられた浴場の脱衣場に着く。

 

「ラ、ラフィーちゃん、ここではちょっと・・・・//////」

 

「//////」

 

ジャベリンとユニコーンが顔を赤くして言うが、ラフィーは構わず。

 

「ユニコーンも“一緒にお風呂入りたいと思っている筈"」

 

「ふぇっ//////」

 

ユニコーンがさらに顔を真っ赤にすると、否定も肯定もせず、俯いてしまい、そのままラフィーに連れられて脱衣場で服を脱ぎ始めた。

 

 

 

 

 

 

ー明石sideー

 

「にゃ~、指揮官には逃げられたけど、いずれは借金を返してもらうにゃ~。それにしても・・・・」

 

浴場では複数ある温泉の一つで寛いでいる明石は、湯船から顔を上げながら周りを見渡した。

ソコはーーーーまさに桃源郷だった。

重桜でも、赤城や加賀、翔鶴と瑞鶴、高雄に愛宕と、豊満で抜群にスタイルの良い艦船<KAN-SEN>がいたが、ロイヤルもユニオンも、負けず劣らずの豊満かつ抜群のプロポーションをした子達がいた。

そんな中、サンディエゴが湯船に飛び込み、まるで感電したかのように痺れて倒れた。湯船の中から『ユニオン所属 駆逐艦 エルドリッジ』が出てきた。エルドリッジは何故か放電体質であり、彼女が入った為に強烈な電気風呂となっていた。

何故かクリーブランドが湯船に潜水したりしていたが、とりあえず無視する明石。

 

「温泉は最高だにゃ~・・・・!」

 

ノンビリしている明石の近くに温泉に浸かっていたQ・エリザベスが得意気に立ち上がり、

 

「ふふっ! 我がロイヤルの手による、テルマエ式大浴場よ! 温泉が重桜だけの物だとは思わないでね!!」

 

「流石です陛下!」

 

ウォースパイトも立ち上がり、Q・エリザベスにパチパチと拍手するが、他の艦船<KAN-SEN>達はその様子に唖然とした貌を浮かべていた。ただ一人、Q・エリザベスの裸体を見て、鼻血を流している艦船<KAN-SEN>がいたが。

そんな中、明石がふとした疑問点をあげた。

 

「それはそうとにゃ、指揮官は別の浴場にいるのかにゃ?」

 

「ええそうよ、下僕は別の浴場で温泉に浸かっているわ!」

 

 

 

 

 

ーカインsideー

 

その頃。緑色のタオルを折り畳み頭に乗せたカインは湯船に浸かりながら、疲れを癒していた。

 

「あぁ~、いい湯だ。なぁ皆?」

 

≪そうだなぁ・・・・≫

 

≪ふん! 確かにいい湯加減だな! おかげでトレーニングに役立つ!≫

 

≪暑苦しいぜダンナ・・・・≫

 

思念体となったタイガとフーマは湯船に浸かっていたが、タイタスは浴場の床に座ってストレッチをしていた。筋肉ムキムキのタイタスが気合いを込めた声をあげてストレッチする姿は、たしかに暑苦しい雰囲気だった。

 

「ソレにしても、明石に借金していたって、海守トモユキってどんな人だったんだタイガ?」

 

≪う~ん。ムッツリスケベのカインをオープンスケベにしたような奴だったな≫

 

「ムッツリスケベって・・・・」

 

記憶を失う前の自分の性格と、スケベである事はある程度の自覚はしていたが、改めてムッツリスケベと言われたカインはガックリと肩を落とす。

 

≪ま、あんまり気にするなよトモユキ!≫

 

≪そうそ、スケベなのは男としては正常だって言うしな!≫

 

タイガとフーマは湯船に浮かした桶の中から、赤いタオルと青いタオルを取り出すと、タイガは角を、フーマはトサカを丹念に拭いていた。

 

≪しかし、女王陛下も『指揮官専用の温泉』を用意してくれるとは、我が儘なお方に見えて、気遣いができるようだ≫

 

タイタスがストレッチを終えると、黄色のタオルを桶から取り出し、自分の頭のアストロスポットを丹念に拭いた。

 

「ん? 何か脱衣場から声が・・・・」

 

脱衣場から聞こえる物音に、カインが眉をひそめると、ガラッと扉が開きーーーー。

 

「指揮官、一緒にお風呂入ろ・・・・」

 

「ラフィーちゃん! ちゃんとタオルを巻いてッ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」

 

ソコから現れたのは、裸体を晒したラフィーと、慌ててラフィーの身体にタオルを巻くジャベリン(タオル装備)とオズオズと出てくるタオルを巻いたユニコーンだった。

時が凍りついたように固まったカインとトライスクワッド。ーーーーが、ピチョンと、水滴が滴り落ちる音が響いた瞬間。

 

≪きゃあああああああああああああっ!!!≫

 

≪ぬぅおおおおおおおおおおおおおっ!!!≫

 

≪うぉあああああああああああああっ!!!≫

 

「(うわぁビックリ!)」

 

悲鳴をあげそうになったカインだが、タイガ、タイタス、フーマがそれ以上の悲鳴を上げたおかげ逆に冷静になれた。

 

≪な、なななななな! なんでジャベリン達が男湯にっ!?≫

 

≪はっ! こらっタイガ! フーマ! お嬢さん達の柔肌を見てはならん!!≫

 

≪おとととととと!!≫

 

ウルトラマン達は湯船に身体を隠し、両手で目を塞いで背中を向けた。

 

「(・・・・・・・・いや、皆いつも裸みたいなモノじゃなかったか?)」

 

同じくジャベリン達に背を向けたカインが冷静に三人に突っ込む。

 

≪いや、こう言うのは、その、気分的に・・・・!≫

 

≪我々も、一応紳士としての礼儀と言うのか・・・・≫

 

≪つーか兄ちゃん! なんで嬢ちゃん達がここに来たのか聴いてくれよっ!≫

 

「(あぁハイハイ)・・・・あのさ、ジャベリン、ラフィー、それにユニコーン、一応ここ男性と言うか、指揮官専用お風呂なんだけど、どうしたの?」

 

「あ、あのですね! ラフィーちゃんが、脱衣場に行かないユニコーンちゃんの為に? ここに来ちゃいまして・・・・!」

 

「・・・・ユニコーン。みんなとお風呂に入るのが恥ずかしい。だったらお兄ちゃんである指揮官と一緒なら恥ずかしくない」

 

ラフィーが親指を立ててドヤッと擬音を出した。

 

「(そう言えば、ユニコーンはロイヤルにいた頃から皆とお風呂に入ろうとしなかったな)・・・・まぁ来たものは仕方ないか。僕も今から上がるから」

 

「指揮官も一緒の方が良い」

 

逃げようとするカインだが、ラフィーがダメと言った。

 

「・・・・・・・・はぁ、仕方ない。背中越しでなら一緒に入って良いよ」

 

「了解・・・・」

 

「は、はい・・・・//////」

 

「//////」

 

根負けしたカインが了承すると、ジャベリン達は浴場の洗い場で身体を洗い出した。

 

≪それじゃトモユキ。俺達はここで・・・・!≫

 

≪失礼させていただく・・・・!≫

 

≪頑張れよ兄ちゃん・・・・!≫

 

「(お前らな・・・・!)」

 

そそくさと光の球体となってキーホルダーへと立ち去るトライスクワッドを恨みがましく睨んだカインは、やれやれと肩を落とした。

そしてふと、身体を洗っていたジャベリンがユニコーンに向けて口を開いた。

 

「うわ~、ユニコーンちゃん、胸大きい!」

 

「ぶほっ!」

 

そんな声が聞こえ、カインは顔を赤くし、顔の半分を沈めるがーーーー。

 

「クスン・・・・クスン・・・・!」

 

「えぇっ!? どど、どうしたのユニコーンちゃんっ!?」

 

「?」

 

「っ!」

 

ユニコーンの啜り泣く声が聞こえ、カインは赤くなった顔が冷静になる。

横目で後ろを見ると、ユニコーンの背中をジャベリンがさすり、ラフィーも近くにより慰めていた。

 

「・・・・ジャベリン、ラフィー」

 

「は、はい」

 

「ん」

 

カインから静かに、それでいてよく聞こえる声にジャベリンとラフィーが反応した。

 

「ユニコーンをこっちに」

 

「わ、分かりました!」

 

「了解」

 

ジャベリンとラフィーが、ユニコーンを慰めながら湯船に入ると、カインと背中合わせにし、自分達も湯船に浸かった。

 

「ユニコーン」

 

「うぅ、お兄ちゃん・・・・」

 

「どうしたの? お兄ちゃんに聞かせてみ?」

 

「でも、お兄ちゃん、ユニコーンの事、嫌いになっちゃう・・・・」

 

「どうして? 言ってみて、大丈夫だからさ」

 

「・・・・ユニコーン、背低いのに、胸だけこんなで、凄く変、だから・・・・!」

 

どうやらユニコーンは背は低いが、胸は大きい自分の体型にコンプレックスが抱いているようだ。

普段はユーちゃんで隠れて分かりづらいが、カインは知っている。

ユニコーンが実は、Q・エリザベスやウォースパイトの3倍のバストサイズをしており、イラストリアスの妹を名乗るのも納得する程である事を。

 

「そうか、僕に嫌われると思っていたんだね?」

 

「うん・・・・」

 

「ユニコーン」

 

「・・・・なに?」

 

「僕はそんな事で、可愛いユニコーンを嫌うなんてしないよ」

 

「え?」

 

「誓うよ。僕はユニコーンを嫌いにならない」

 

背中越しからのカインの言葉に、ユニコーンは戸惑いがちに声を発して振り向くと、カインも振り向いて、ユニコーンを真っ直ぐ見つめ頭を撫でる。

 

「・・・・本当?」

 

「ああ、間違いないよ。“ユニコーンが僕を嫌いになる事はあっても"、“ユニコーンを僕が嫌いになる事は絶対に無い"、からね」

 

「///////ゆ、ユニコーンも・・・・!」

 

「??」

 

「ユニコーンも、お兄ちゃんの事、嫌いにならないから!」

 

「本当?」

 

「うん!」

 

「ありがとう。ユニコーン」

 

「っ・・・・お兄ちゃん!」

 

ユニコーンに向けて優しい笑みを浮かべたカインに、ユニコーンはたまらず抱きつき、フニョンッと胸元が押しつぶれた。

 

「(ぬぁっ! なんと幸せな感触・・・・!!)」

 

「いいなぁ~ユニコーンちゃん・・・・」

 

「・・・・ラフィーも指揮官に抱きつきたいと思ってない、思ってないかも・・・・」

 

羨ましそうに見つめるジャベリンを余所に、ラフィーがカインの左腕に抱きつき、以外と膨らんでいる胸元を、ムニンッ、と押し付けた。

 

「うおぅっ! (以外とラフィーもある・・・・!)」

 

「ラ、ラフィーちゃんまで・・・・!」

 

「ジャベリンも抱きつけば良い・・・・」

 

「で、でででででも・・・・!/////」

 

「お兄ちゃん、ジャベリンちゃんも、良いよね?」

 

「えっ? まぁ、その、ジャベリンが良いなら、僕もやぶさかでは・・・・」

 

「そ、それでは・・・・/////」

 

ジャベリンが右腕に抱きつき、ポニュンッと、膨らんだバストがカインの右腕を挟んだ。

 

「(こ、ここは天国か、地獄か・・・・!!)」

 

見目麗しい美少女三人に裸で挟まれ、カインは理性と煩悩が激しくせめぎあっていた。

 

ーーーーザバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン・・・・!!!!

 

ーーーーピギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッ!!!!

 

「っ、なんだっ!?」

 

「「っ!!?」」

 

「おぉ~・・・・」

 

突然母港の外から聞こえた水飛沫の音と、それとは違った雄叫びに、カインは正気に戻り、ジャベリンとラフィーとユニコーンも肩を揺らした。

 

 

ー霧崎sideー

 

「さぁ~て、新しいオモチャをプレゼントしなければね」

 

霧崎は母港に現れた、体長よりも長い尻尾をした、黄色の白地に黒の模様が付いた体色に、横一文字に伸びて光る口、眼の部分は三日月の角がクルクルと回転している怪獣、『宇宙怪獣 エレキング』だ。

 

「そして、もう一体・・・・」

 

霧崎が見上げると、空に暗雲が立ち込め、ゴロゴロと雷が迸っていた。

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