ーエンタープライズsideー
『ピギュウウウウウッ!!』
「あれはっ!」
「怪獣、ですね」
風呂に向かっていたエンタープライズとベルファストが巨大な物体が見えたのでその場に向かうと、エレキングが雄叫びを上げている姿を見た。
「指揮官達は?」
「まだ入浴中でしょうが、すぐに来られるでしょう」
「では、我々で足止めするぞ」
「はい」
エンタープライズとベルファストは海に出ると艤装を展開させて、エレキングへと向かった。
ーカインsideー
カインは湯船を出ると、服を着こんで、タイガスパークを着け、ウルトラキーホルダーを持って外に出ると、髪を下ろしたまま服を着ただけのジャベリンとラフィーとユニコーンも到着した。
「また怪獣かっ! まったく入れ替わり立ち替わりで!」
≪あれは『宇宙怪獣 エレキング』。電流を放出する怪獣だ。海は電気を通しやすいから、艦船<KAN-SEN>達には相性が悪い相手だ≫
「(確かに、戦場が海である艦船<KAN-SEN>達には、厄介な相手だな・・・・!)」
「下僕っ!」
「あ、陛下!」
タイタスからの情報で渋面を作るカインだが、声がした方に目を向けると、髪の毛が濡れて肩にタオルをかけ、服も少々濡れていたQ<クイーン>・エリザベス達だった。
全員、入浴中に怪獣が現れて、ろくに身体を拭けずに来たのだろう。服が汗や風呂の水分で湿り、透けていた。
「わおっ! 刺激的っ!」
「なんて言ってる場合じゃないって指揮官っ!」
「ああそうだな・・・・。さて、どうやってアイツを片付けるか」
「指揮官!」
「指揮官様!」
「ウェールズ・・・・! イラストリアス・・・・!」
思わず片手で顔を隠したカインに、クリーブランドがツッコミ、改めてどうしよかと考えていると、まだ風呂に入っていなかったのであろうウェールズとイラストリアスが通信インカムを持ってやって来た。
「指揮官様、これを」
「あぁ、ありがとう」
「今あの怪獣には、エンタープライズとベルファストが向かい、交戦を開始しました」
「うん」
イラストリアスからインカムを渡されミミに付け、ウェールズの言葉に頷くと、二人に連絡した。
「エンタープライズ。ベルファスト。聞こえるか?」
《はい、ご主人様》
《・・・・・・・・》
「エンタープライズ」
《・・・・ああ。聞こえている》
「だったらちゃんと返事をしろ」
《済まないな。怪獣に攻撃を開始しようとしていたので、な!》
最後の部分が力強い声で発すると、エレキングの身体の回りを艦載機が飛び回り、機銃による攻撃を開始した。
「エンタープライズ。ベルファスト。奴を沖に誘導してくれ」
《この場で戦えば良いのではないか?》
「ここで戦えば、母港にも甚大な被害がでる。他の艦船<KAN-SEN>の皆も向かわせる。ソイツは電流を流す怪獣だから、君達艦船<KAN-SEN>と相性が悪い! なるべく距離を置いて戦うんだ!」
《承知しました》
《・・・・了解》
エンタープライズとベルファストに指示を出したカインは、他の皆に目を向ける。
「ウェールズ。イラストリアス。出撃可能な艦船<KAN-SEN>達を連れてエンタープライズ達の元へ向かってくれ」
「了解!」
「はい!」
「陛下達は・・・・」
「言わなくても良いわよ下僕」
「ん?」
「身だしなみを整え次第、私達もベル達の援護に回るわ! アンタはやるべき事をしなさいっ!」
「分かりました陛下。ユニコーン。ジャベリン。ラフィー。三人も来てくれよ」
「うん!」
「はい!」
「了解・・・・」
カインはその場から駆け出すと、ウェールズとイラストリアスも、エンタープライズ達の方へと駆け出した。
ークリーブランドsideー
「所でジャベリン。アンタ達どうして指揮官と一緒にいたのだ?」
ハムマンが問いかけると、ユニコーンとジャベリンが顔を赤らめ、ラフィーはいつも通りの貌でーーーー。
「ラフィー達、指揮官と一緒にお風呂に入ったよ」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
ラフィーの言葉にその場にいた艦船<KAN-SEN>達は一瞬、言葉の意味が分からずフリーズした。
クリーブランドが正気に戻ると、代表してもう一度聞いた。
「・・・・・・・・ゴメンねラフィー、よく聞こえなかったんだけど、もう一度言ってくれないかな?」
「ラフィーとジャベリンとユニコーン、指揮官と一緒にお風呂に入った、よ・・・・」
『・・・・・・・・えぇえええええええええええええええええええええええっ!!!!???』
ーカインsideー
人気のない場所に到着すると、人目が無いのを確認し、『タイガスパーク』を起動させた。
「行くぞタイガ!」
≪ああ!≫
[カモン!]
腰につけた『タイガキーホルダー』を掴み、赤いインナースペースが展開される。
「光の勇者! タイガ!! バディィィィゴーーーー!!」
[ウルトラマンタイガ!]
『シュアッ!!』
光の勇者、ウルトラマンタイガへと変身した。
ーエンタープライズsideー
「ふんっ!」
「はぁっ!」
エンタープライズが艦載機を発進させ、ベルファストが魚雷を発射し、上と下からの攻撃でエレキングを攻め立てる。
『ピギュゥゥゥゥゥッ!!』
エレキングは攻撃をしてくるエンタープライズとベルファストを狙って、口から『放電光線』を放つが二人は回避する。しかし、放電光線が当たった海面から、バチバチッ、電気が迸り、二人の艤装も僅かに流電した。
「っ、確かに、電撃を放つようだな・・・・!」
「長引けば、私達の艤装にも影響を及ぼしかねませんね」
カインの言う通り、エレキングは艦船<KAN-SEN>と相性が悪いようだ。
ベルファストが〈ノブレス・ドライブ〉を発動させようかと思考した瞬間、
『シェァッ!』
『ピギュゥゥゥゥ!』
ウルトラマンタイガがエレキングの長い首にヘッドロックをした。
「ウルトラマン、タイガ・・・・!」
「やはり現れましたね・・・・っ!」
タイガに鋭い視線を向けるエンタープライズを訝しそうに見たベルファストが、不意に夕焼けの空に現れた不気味に黒い雷雲を見つけ、警戒するような光が宿らせると、ウェールズとイラストリアスと合流し、後方に下がると同時に、黒い雷雲から稲妻が迸り、
ーーーーゴロゴロ・・・・ピシャァァァァァァァァァァァァンッ!!!
雷雲から雷が落ちると、海面に当たり、高い水柱をあげるとそこには。
『ゴロロロロロ・・・・』
両肩に発電機のような突起物の装甲と、胸には重桜や東煌の楽器である太鼓のような丸いパネルを二つ付けた赤い体色に、手には木を削ったような棍棒を持ち、頭部には3本の角が生えており、口には牙を生やしている怪獣ーーーーが、
ーQ<クイーン>・エリザベスsideー
「・・・・何、あのマヌケそうな怪獣は?」
衣服を整え、母港の港に来たQ・エリザベスがボソリっと言い、他の艦船<KAN-SEN>達も白い目で半眼になったり、苦笑いを浮かべたり、同意するように頷く。
でっぷりとしたお腹のヘソにカラータイマーのような器官を付け、アヒルのような口が目立つ、間抜けそうな顔つきが特徴的な怪獣、『雷撃獣神 ゴロサンダー』だ。
ーカインsideー
『「・・・・あれも、怪獣なのか?」』
≪カイン指揮官。見てくれに惑わされてはなりません≫
≪アイツは宇宙にその名を轟かせる雷神、ゴロサンダーだ!≫
『出会った者には必ず死が訪れると、恐れられている厄災の神とも呼ばれているんだ!』
トライスクワッドが警戒心を高めにカインに注意を促した。
『ゴロロロロロ!』
ゴロサンダーは自身の武器、『ゴロン棒』を振り回すと、エレキングをホールドしているタイガに棍棒を叩きつけた。
ーーーーピシャァンッ!
『うぉああああっ!!』
棍棒の衝撃と共に電撃が流れ、タイガをエレキングを離して吹き飛び、海面に倒れる。
『ゴロロロロロ!』
ゴロサンダーは笑い声のような声をあげる。
≪タイガっ! パワーで攻めてくる相手ならば、私と交代だっ!≫
『分かった! トモユキ!』
『「ああっ!」』
[カモン!]
『「力の賢者! タイタス!」』
『ぬぅあああっ!!』
『「バディ、ゴー!」』
[ウルトラマンタイタス]
タイガからタイタスにチェンジすると、ゴロサンダーがゴロン棒を振り上げ、タイタスもそれに応戦するように拳を突き出したがーーーー。
『ぐぁあっ!!』
なんと、タイタスの拳が押し負けてしまい、さらに電撃を浴びてしまう。
『「(タイタスのパワーを上回って、イヤ、電流のせいのようだな・・・・!)」』
態勢が僅かに崩れるタイタスに、胸の太鼓のような器官を叩き、エネルギーを充電すると、片腕の吸排口から『サンダースパーク』を放つ。
『ぬぅぉぉっ!!』
『ピギュゥゥゥッ!!』
今度はエレキングがその長い尻尾でタイタスの身体に巻き付け、電流を流す。
『ぐぁああああああっ!!』
タイタスが悲鳴を上げる。
ー霧崎sideー
「ははははは! 良いぞゴロサンダー、想像以上だ!」
母港の丘の上から戦況を眺めていた霧崎が楽しそうな声をあげる。
ーカインsideー
『「くっ、どうすれば・・・・っ!?」』
インナースペースにいるカインは、勝利を確信したのか、笑い声をあげているゴロサンダーのヘソと、電流を流すエレキングの回転する角を見据えると、
『「もしかしたら・・・・! ベル! ベルファスト!」』
耳に付けていたインカムでベルファストに連絡をする。
ーベルファストsideー
「っ! ご主人様?」
ベルファストがインカムを押すと、エンタープライズとウェールズとイラストリアスがベルファストに目を向ける。
《ベル! ウェールズと一緒にウルトラマンを拘束している怪獣の角を攻撃してくれ! イラストリアスとエンタープライズは艦載機で援護を頼む!》
「承知しました」
「了解」
「分かりました」
「・・・・指揮官。ウルトラマンを助けろと言うのか?」
エンタープライズが訝しそうに聞いてきた。ウルトラマンの正体がカイン指揮官である事を知っているウェールズとイラストリアスが苦々しそうに顔を歪める。
《・・・・あぁ。ウルトラマンは何度か艦船<KAN-SEN>達を助けてくれた。僕は彼らを信じたい。・・・・だから、彼らを援護してくれ!》
《お兄ちゃん・・・・!》
《ユニコーン?》
カインの通信に、ユニコーンも入ってきた。
《ユニコーンも、助けたい・・・・! ウルトラマンさんは、ユニコーンとジャベリンちゃんやラフィーちゃんを守ってくれたから、ユニコーンも、ウルトラマンさんを助けたいの・・・・!》
《分かった。ユニコーンはゴロサンダーの足止めを任せる。無理はするなよ》
《うん!》
《エンタープライズ。頼む・・・・》
「・・・・了解した」
「では、参りましょう・・・・〈ノブレス・ドライブ〉!」
「〈ノブレス・ドライブ〉!!」
ベルファストに続き、ウェールズの身体が金色のオーラを纏い、イラストリアスが頷くが、エンタープライズはスッと目を細めた。
ーユニコーンsideー
「ユニコーンちゃんっ!?」
ユニコーンの突然の言葉に、ジャベリンや他の艦船<KAN-SEN>達も驚きの声をあげる。
「大丈夫・・・・! ユニコーンだって、ウルトラマンさんを、助けたいから・・・・! 〈ノブレス・ドライブ〉!」
ユニコーンの身体が金色のオーラを纏い、
「ユーちゃん!」
なんと、同じく金色のオーラを纏ったユーちゃんが大きくなり、ユニコーンを乗せ高速で飛翔していった。
「えぇっ!? ユーちゃんってあんな事ができるのッ!?」
ーカインsideー
『「ぐぅぅぅっ!!」』
『ピギュゥゥゥゥゥッ!!』
『「あっ!」』
電流に耐えているカインとタイタスが、エレキングの悲鳴に目を向けると、エレキングの頭の周りを艦載機が飛び回り、光線で応戦していた。
『「よし、頼むぞ皆・・・・!」』
ーエンタープライズsideー
「・・・・指揮官の指示では、あの怪獣の角を狙えと言っていたが、あんなに距離があるのにできるのか?」
エンタープライズは隣にいるイラストリアスに聞くが、イラストリアスはたおやかな笑みを浮かべる。
「大丈夫ですよ。ウェールズさんとベルファストがやってくれますわ」
イラストリアスの視線の先、エレキングに向けて艤装の砲口を向けるベルファストとウェールズがいた。
ーベルファストsideー
「行くぞベルファスト!」
「参りましょう、ウェールズ様」
「「『共鳴<レゾナンス>』・・・・!!」」
二人の声が重なると、身体がさらに輝き、自分達の周りに『光の艦船』が出現し、ソコから光の光線が幾つも発射され、エレキングの頭の角を破壊した。
『ピギュゥウウウウウウウウウウウッ!!』
エレキングは角を破壊され、痛みに悶える。
ージャベリンsideー
「な、なんなんですかっ! あれっ!?」
「あれは『共鳴<レゾナンス>』よ」
「『共鳴<レゾナンス>』・・・・?」
驚くジャベリンやクリーブランド達に、Q・エリザベスが教え、ラフィーも首を傾げる。
「〈ノブレス・ドライブ〉した艦船<KAN-SEN>の心を共鳴させ、1つにして放たれる必殺技よ。でも、〈ノブレス・ドライブ〉出来た子なら誰でもできる訳じゃないの。心を1つにしやすい相手、私ならウォースパイト、イラストリアスならユニコーンと妹達、ってね。ベルは誰とでも『共鳴<レゾナンス>』ができるのよ!」
「流石は陛下。見事な説明です!」
ウォースパイトがQ・エリザベスに拍手を送った。
ーカインsideー
「ピギュィィィィィッ!!」
『「今だっ!」』
『ヌンッ!』
エレキングの高速が緩んだ隙に、タイタスは尻尾から脱出した。
『カイン指揮官、エレキングの角がセンサーの役目を持っている事を知っていたのですか?』
『「イヤ、何となく勘でな・・・・」』
≪スゲェ勘だな・・・・≫
≪トモユキ! もう一度俺だ!≫
『「良し!」』
[ウルトラマンタイガ!]
タイタスからタイガにチェンジした。
『トモユキ! 怪獣リングを使うぞ!』
『「・・・・分かった」』
カインはギャラクトロンMK2のリングを召喚しタイガスパークに読み込ませると白い光が発光する。
[カモン! ギャラクトロンMK2! エンゲージ!]
カインの隣にギャラクトロンMK2の幻影が現れると、タイガはエレキングに光線を発射した。
『『モンスビームレイ』!!』
放たれた白い光線がエレキングに当たると、エレキングの身体に魔法陣が展開され、エレキングの身体が爆散した。
『よしっ!』
『「(タイタスの時は使えなかったのに、タイガだと使えた? どういう事だ?)」』
≪カイン指揮官! ユニコーン嬢が危険だ!≫
『「っ! ユニコーン!」』
目を向けると、ユニコーンがゴロサンダーのゴロン棒を回避していた。
[トモユキ! セグメゼルのリングだっ!]
『「ああ!」』
今度はセグメゼルのリングを召喚した。
[カモン! セグメゼル! エンゲージ!]
カインの隣にセグメゼルの幻影を浮かぶと、タイガの腕から掌から毒々しい紫色の火炎『セゲルフレイム』が現れる。
『「ユニコーン! 離脱するんだ!」』
《うん!》
『『セゲルフレイム』!!』
ユニコーンがゴロサンダーから離れるのを確認したタイガは、火炎をゴロン棒へと放った。
『ゴロロロロロッ!!』
『セゲルフレイム』を浴びたゴロン棒が、まるで溶けたアイスのように溶解した。
『やったっ!』
『「タイガ! フーマと交代だ!」』
[カモン!]
『「風の覇者! フーマ!」』
[ウルトラマンフーマ!]
『セイヤッ!』
ゴロン棒を失ったゴロサンダーは、『サンダースパーク』をフーマに放つが、フーマは高速移動で回避した。
『ヘヘッ、俺のスピードは雷よりも速いぜっ!』
『ゴロロロッ!』
ゴロサンダーは連続で『サンダースパーク』を回避していく。
ージャベリンsideー
『おぉ~!』
艦船<KAN-SEN>達、それもスピードに拘りのある子達は、フーマのスピードに目を輝かせる。
ーカインsideー
『兄ちゃん! 『ビクトリーレット』を使ってくれ!』
『「ああ!」』
カインは左手に意識を集中させると、黄色のV字型の宝石を付けたブレスレット・『ビクトリーレット』が召喚した。
[カモン! ビクトリーレット! コネクトオン!]
カインはタイガスパークを装着した右手に左手を重ねると、『ビクトリーレット』の黄色の光のエネルギーが、タイガスパークに吸い込まれると、『地底世界の勇者 ウルトラマンビクトリー』が姿が合わさると、フーマの右腕にV字型の光の手裏剣を発生し、矢尻のような形に変化させ、弓矢を放つ要領で撃ち出す。
『『鋭星光波手裏剣』!』
放たれたV字型の矢はゴロサンダーのヘソの宝石を撃ち抜いた。
『ゴロォアアアアアアアアアアア!!!』
ゴロサンダーは腹部を抑えて痛みに悶えると、カインは艦船<KAN-SEN>達に指示を飛ばした。
『「今だ皆っ! ヤツの急所はヘソだっ! 砲撃を撃ち込めっ!!」』
ーベルファストsideー
「はっ! ウェールズ様!」
「ええ!」
「イラストリアス姉ちゃん!」
「行きましょう!」
「「「「『共鳴<レゾナンス>』!!」」」」
ベルファストとウェールズ、ユニコーンと〈ノブレス・ドライブ〉したイラストリアスが放つ『共鳴<レゾナンス>』の砲撃が、ゴロサンダーの身体を貫いた。
『ゴロロ・・・・・・・・ッ!!』
ゴロサンダーは身体の内側から漏電が出て来て・・・・。
ーーーードゴォォオオオオオオンンッ!!
ゴロサンダーの身体は爆散し、ゴロサンダーの怪獣リングがカインの手に入った。カインは怪獣リングを訝しそうに見ると、インカムを操作する。
ージャベリンsideー
「やったぁっ!!」
ジャベリンは大手を降って喜ぶと、他の艦船<KAN-SEN>達のインカムに、カイン指揮官の声が響く。
《皆、見ていたかい》
「指揮官!」
《艦船<KAN-SEN>だって、力を合わせればウルトラマンと一緒に戦えるし、あんなに大きな怪獣とだって渡り合えるんだ》
『・・・・・・・・』
艦船<KAN-SEN>達は、カインの言葉を耳に聞き入れ、「私達も、ウルトラマンと一緒に戦える」と、確信したように思えた。
◇
そしてその夜、艦船<KAN-SEN>達はそれぞれが自由時間を過ごしていた。
「綾波、ちゃん・・・・?」
ジャベリンの自室に集まり、パジャマに着替えたジャベリンとラフィーとユニコーンは、ジャベリンの決意を聞いていた。
「私達、敵同時だけど、こんな事間違っていると思うけど・・・・。でも、諦めたくない! 私、あの子と友達になりたいっ!」
「・・・・ユニコーン、あの子の事まだなにも知らない。だから、このまま戦うのはイヤ」
「ラフィー達、まだ何も始まってない・・・・」
「っ・・・・うん!」
ジャベリンは笑みを浮かべて頷いた。
ータイガsideー
カインは、怪獣の出現に関しての本部への報告書、被害の報告書に目を走らせていた。
そんな中、タイタスはゴロサンダーに後れを取った事を気にしてトレーニングに勤しみ、フーマも自主トレをする中、タイガは怪獣リングの事を考えていた。
≪(あんなに凄い怪獣達と戦える怪獣リング・・・・あれをもっと集めれば、どんな相手でも・・・・!)≫
ーエンタープライズsideー
エンタープライズは、姉のヨークタウンとの事を夢で見ていた。
【人が、貴女の名前に込めた想いを、いつかきっと思い出せる日が来るわ・・・・】
そこで目を覚ましたエンタープライズは、片足を失った姉の言葉を考える。
「・・・・っ」
机の上に置かれた『エレキングの怪獣リング』を見つけたエンタープライズは、それを持って着替え、外へと向かった。
「・・・・・・・・」
海岸に佇むエンタープライズに、ベルファストが暖かい飲み物が入ったポットとコップを2つ持ってきた。
「エンタープライズ様、寝付けませんか?」
「指揮官の手伝いは良いのか?」
「ご安心を。エンタープライズ様の面倒を見るようにと言われていますので」
「そうか・・・・」
「静かですね」
「ああ。静かな海は、嫌いじゃない」
二人は静かな夜の海を眺める。
ー加賀sideー
加賀は1人、夜の母港を眺めながら酒を飲んでいた。
自分と赤城は、同じ物を見ているのだろうかという不安を、酒と一緒に飲み込むように。
ー赤城sideー
「指揮官様を取り戻すわ、絶対に・・・・。そしてーーーーもうすぐ会えますわ。『天城』お姉様」
赤城は、狂気を宿した瞳で虚空に手を伸ばした。
ー綾波sideー
「・・・・・・・・」
そして綾波もまた、虚空に手を伸ばし、あの時、手を掴まなかった事に思いを馳せていた。
ーカインsideー
それから数日。ユニオン寮にて、『ユニオン所属 軽巡洋艦セントルイス』と『ユニオン所属 軽巡洋艦ホノルル』と談笑していたカインに、ウェールズが慌てた様子で、報告が入った。
ーーーーレッドアクシズが、アズールレーン母港へと進行を開始した、と。
ー『共鳴<レゾナンス>』ー
〈ノブレス・ドライブ〉をした艦船<KAN-SEN>達の心が共鳴し合う事でできる必殺技。発動すると、光の艦が現れ、一斉砲撃を放つ。しかし、発動には〈ノブレス・ドライブ〉と、その艦船<KAN-SEN>と共鳴しやすい艦船<KAN-SEN>でなければ威力は半減する。
次回。ついに2つの陣営がぶつかり合い、その海域に封印された怪獣が目を覚ます。