ーコロンビアsideー
ドゴォオオオオオオオオオオオンンッ!!
突然起こった襲撃に、アズールレーン母港は所々に火が上がっていた。
「重桜の襲撃か!?」
「違うよ! 襲撃者は『セイレーン』だっ!」
「何だって! 姉貴達は!?」
コロンビアやモントピリアやデンバーが突然の『セイレーン』の襲撃に驚いていた。
と、ソコでヘレナからの通信が入る。
《『セイレーン』の上位個体、『ピュリファイアー』が母港に侵入! 皆! 気を付けて!》
「全く! 姉貴は、指揮官達はどうしたんだ!?」
ーカインsideー
「いててて(ムニュン♪)(ポニュン♪)何だ? この柔らかい感触と弾力のある感触は? (ムニムニ♪)(フニュフニュ♪)ん? 左右の手にも何やら素晴らしい感触が・・・・!」
「ひゃんっ!!/////」
「あんっ♪」
「し、指揮官・・・・/////」
「ご主人様、お戯れをしている場合ではありませんよ」
カイン指揮官の頭を大きく柔らかい感触と、大きさは柔らかい感触に少し劣るが、弾力がある感触が包み込み。左手にスベスベと肌触りの良い感触が、右手に手に収まらない大きく張りのあるゴム毬のような感触があり、意識がハッキリとした視界にはーーーーおそらく爆風で吹き飛んだ自分を抱き止めたであろうベルファストとエンタープライズの豊満なバストに頭を埋め、右手にはホーネットのエンタープライズにも負けず劣らずの大きさと張りのある大きなバストが、左手にはクリーブランドのキュッと引き締まったスベスベとした美尻を掴んでいた。
「おお~。これはなんと言うマーベラスな(ジャキッ!)・・・・んん?!」
男として幸せな展開に喜びを感じていると、後頭部に銃口らしき物が押し付けられた。背後から感じる気配と声に、カイン指揮官は先ほどまで感じていた春のような幸せな気分が一気に、真冬になった冷たい気分へとなった。
「こんな時に何をしているのですかご主人様、いえ、害虫」
銃口を向けているのは、絶対零度もかくやと言わんばかりにカイン指揮官を見下ろす、シェフィールドだった。しかもご主人様ではなく害虫呼びで。
その後ろではエディンバラがアワアワと顔を赤くして、両手で覆っていたが、指の隙間からチラ見していた。
「ははははは、シェフィーさんや。これは不可抗力と言いますか、嬉しい事故なので・・・・」
「最後の言葉をそれで良いですか?」
「待って待って待って! 本当にわざとじゃないし! 今はそんな場合じゃないって・・・・!」
「お、落ち着いてシェフィ!」
「シェフィ。ご主人様へのお仕置きは後にしましょう。今はそれよりも」
ベルファストが止めると、シェフィールドは仕方なく銃口を下げ、ホッとするカイン指揮官は起き上がり、改めて部屋を眺める。
爆発ではなく、爆風によって窓ガラスやベッドの毛布等や部屋の小物が散乱していた。窓ガラスが自分達に突き刺さらなかったのは不幸中の幸い、いやーーーー。
「(タイタス。フーマ。助かったよ)」
≪ギリギリ、だったけどな・・・・!≫
≪だが、皆に怪我が無くて何よりです・・・・≫
直前に、タイタスとフーマがウルトラ念力を放出して、窓ガラスが当たらないようにしてくれたのだ。しかし、ウルトラ念力でかなりの力を消費したのか、疲弊したようである。
Q・エリザベスはウォースパイトが庇い、床に二人とも倒れているが、負傷はないようだ。ウェールズとイラストリアスも倒れていたが彼女達も傷はあまりないようでたった。綾波とジャベリン、ユニコーンとラフィーも無事のようだ。近くでは、明石が目を回していたが無事だ。
そしてカイン指揮官が外を睨むと、
『キャハハハハハハハハハハハ!!!!』
『セイレーン ピュリファイアー』が高笑いをして、母港を爆撃しながら飛び回っていた。
「(ここで『セイレーン』、それも上位個体が襲撃。目的は恐らく・・・・!) 明石! いつまで目ぇ回してるんだ!?」
「にゃにゃにゃ~・・・・。世界が回るにゃ~・・・・」
床に倒れて目を渦巻きに回している明石の肩を掴むカイン指揮官。
「おい明石! 呑気に目を回している場合じゃないだろ! 何回りだっ!?」
「にゃ~左回りだにゃ・・・・」
「良し。なら右に回せば元に戻るな」
そしてカイン指揮官は明石の頭を掴むと、右に回した。
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「し、指揮官・・・・そんな事で戻る訳が「戻ったにゃ!」戻ったのっ!?」
クリーブランドが目が元に戻った明石を見て驚く。
「明石! 『黒いメンタルキューブ』は?」
「にゃ? にゃあああああああ!! しまったにゃ! 教室に置きっぱなしにゃ! 今ラングレー達と、アーク・ロイヤルにダイドーとシリアスが守っているけど・・・・」
「恐らく今から行っても間に合わないだろう。・・・・陛下! ウォースパイト! ウェールズ! イラストリアス! ユニコーンは母港の各所の消火と救助活動を! ベルファスト! エディンバラ! シェフィールド! ジャベリン! ラフィーは『セイレーン』を追跡! エンタープライズ! ホーネット! クリーブランドはコロンビア達と合流しだい、ベルファスト達とは別のルートから向かい、『セイレーン』を挟撃するぞ! 明石は私と一緒に来てくれ!」
『了解(にゃ)っ!』
艦船<KAN-SEN>達が敬礼する。
「あっ・・・・」
その時、綾波が声を上げようとした。
しかし、敵側の自分がアズールレーンの作戦に参加できるのかと、不安になり手を下ろそうとしたがーーーー。
「綾波!」
「っ! 指揮官・・・・」
「何してるんだ?」
「えっ?」
「行きたいんだろ?」
「っ!・・・・はい!」
カイン指揮官の言葉に綾波は一瞬驚くが、肯定するように頷く。
「それじゃ、久しぶりに見せてやれ。『鬼神』の力をな!」
「ーーーー了解なのです」
「にゃ・・・・」
その時、明石はーーーーいや、明石だけではない、その場にいた全員が、カイン指揮官と綾波の間にある、『確固たる絆』を見た気がした。
ーベルファストsideー
『黒いメンタルキューブ』を持ったピュリファイアーを母港近海まで追い詰めたベルファスト達。ベルファストが艤装の砲身をピュリファイヤーを捉えていた。
『あはははっ! あはははっ!! 意外と来たねえ!・・・・で、も』
ピュリファイアーは『量産型セイレーン』だけでなく、“4体の巨大な浮遊体”を召喚した。
『お楽しみはこれからだよ!』
“4体の浮遊体”が、重なるように合体すると、そこに現れたのは。
金色のカラーリングに、胸元がキラキラとした人型巨大ロボット、『宇宙ロボット キングジョー』だ。
「っ! ロボット怪獣ですか・・・・!」
「あわわわわ!」
「皆さん。油断せずに行きましょう」
シェフィールドが目を細め、エディンバラがアワアワし、ベルファストが気を引き締めるように言った。
『前夜祭だよ! 盛り上げていこうかっ!!』
そしてここから一気に、戦闘が開戦された。
ーカインsideー
「皆! 無事かっ!?」
カイン指揮官が、明石とウェールズ、イラストリアスとユニコーンを連れて教室にやって来ると、爆撃で半分が破壊された教室に、アーク・ロイヤル達が倒れていた。
「アマゾン! ラングレー! しっかりするにゃ!」
「大丈夫かっ!?」
「あ、明石・・・・し、指揮官・・・・」
「わ、私達より、ダイドーさんとシリアスさんを・・・・!」
アマゾンとラングレーを覆う形で、ダイドーとシリアスが倒れていた。
「ダイドー! シリアス!」
「ご、ご主人様、申し訳ありません・・・・!」
「黒いメンタルキューブを奪われてしまいました。こんな役立たずの卑しいメイドにどうか罰を・・・・!」
アマゾンとラングレーは二人がとっさに庇っていたようだ。
カイン指揮官は両手で泣きそうになっているダイドーとシリアスを抱き寄せた。
「君達のお陰で、アマゾン達は無事だったんだ。とっさに仲間を守った君達を、私は誇らしく思う。メンタルキューブはこれから取り戻せば良い。力を貸してくれるかい?」
「ご、ご主人様・・・・!」
「あぁ、ご主人様・・・・!」
感極まった二人がカイン指揮官に抱きついた。ウェールズ達やアマゾンとラングレーはその光景に感動するが、その際ちゃっかりカイン指揮官は、二人の豊満なバストが身体にムギュゥと押しつけられ、この世の天国な心地だった。
「と、こんな事している場合じゃない! アーク・ロイヤルは!?」
「指揮官! こっちだ!」
二人は離してから、近くの瓦礫の下に、ウェールズがアーク・ロイヤルが倒れていたのを見つけた。
「アーク・ロイヤル!」
瓦礫を皆で退かすと、アーク・ロイヤルに声をかける。
「アーク・ロイヤル! しっかりするんだ!」
「う、うぅっ、す、すまない閣下。私はここまでのようだ・・・・! せ、せめて最後は、可愛い駆逐艦の妹達に口付けをしてほしい・・・・! もしくは陛下に!」
何やら満身創痍の状態なのに、結構余裕のある願望を口にするアーク・ロイヤルに、全員が訝しそうな顔になる。
半眼になったカイン指揮官は試しに口を開く。
「・・・・あっ、幼い駆逐艦の子が水着姿で歩いている」
「(ガバッ!)何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ!?(バキンッ!)うきゃんっ!」
突然飛び起きると、物凄い勢いで周りを見渡すアーク・ロイヤルに、一発拳骨をおろした。艦船<KAN-SEN>達はホッとしたり、半眼で呆れたり苦笑いを浮かべたりした。
「よし取り敢えず全員無事だな」
足元でコブを作ってピクピクしている変態を無視して、カイン指揮官はその場にいた全員に指示を出す。
「皆、まだ襲撃で怪我をした子達がいるかも知れない。ダイドーとシリアス、アマゾンとラングレーは饅頭達に治療を受けてくれ。他の皆は救助活動を。ダイドーにシリアス、そこで気絶している阿呆も連れていってくれ」
『了解(にゃ)!』
《ご主人様》
耳に付けたインカムから、ベルファストの声が響いた。
「ベル、どうした?」
《『セイレーン』がロボット怪獣を呼び出しました》
「っ!(タイタス! フーマ!)」
≪す、すまないカイン指揮官・・・・≫
≪まだ、戦える程に回復できてねぇ・・・・!≫
「・・・・ベル。“こっち”は少し動けない。手加減は抜きにして、派手にやれ!」
ウルトラ念力でエネルギーを消耗した二人の話を聞いたカイン指揮官は、ベルファストにそう指示した。
ーベルファストsideー
「ーーーーかしこまりました。ご主人様。姉さん、シェフィー、派手に参りますよ!」
「オーケー!」
「承知しました」
「「「〈ノブレス・トライブ〉!!」」」
ベルファスト達が金色に輝くと、高速で動き、一分もかからず、『量産型セイレーン』を撃破した。
『うわぉ! 話には聞いてたけどスゴォい! で・も、この子にはどうかなぁ?』
『ピュリフォイアー』はキングジョーを指差すと、キングジョーはグワングワン! と、鳴き声なのか駆動音なのか分からない音を立ててベルファスト達に襲い来る。
「・・・・」
《ベル》
「ご主人様・・・・」
ベルファストの通信機に、カイン指揮官の声が響いた。
ーカインsideー
カイン指揮官は母港の港から、キングジョーを見ていた。
≪あれは、『ペダン星人』の侵略兵器、『キングジョー』です≫
≪四つの宇宙戦が、合体するロボット怪獣だぜ≫
「(合体・・・・ロボット怪獣、か・・・・)ベル。その怪獣が合体した時は見たかい?」
《はい。脚部、腰、胴体、そして頭部が重なるように合体しました》
「・・・・・・・・良し。ベルファスト。エディンバラ。シェフィールド。これから指示する場所に、攻撃を集中させてくれ」
「ジャベリン。ラフィー。綾波」
《はい!》
《んー・・・・》
《はい》
「ベル達と協力して、キングジョーを撃破するんだ」
《で、できるんでしょうか指揮官・・・・! いつもみたいにウルトラマンさん達が来てくれるかも知れないし・・・・》
艦船<KAN-SEN>だけでロボット怪獣に戦う状況に、ジャベリンが弱音を漏らした。
が、カイン指揮官は優しく諭すように声を発する。
「ジャベリン。ウルトラマンタイガの事は君も知っているだろう。彼は今、闇に囚われて動けない。ウルトラマンタイタスとウルトラマンフーマも、タイガを助ける為に力を温存している。彼らが動けない以上、私達が何とかしないといけないんだ」
《は、はい・・・・》
「ジャベリン。隣を見ろ」
《えっ・・・・》
「君の隣には、誰がいる?」
《ラ、ラフィーちゃんと、綾波ちゃんです・・・・》
「確かに、ウルトラマン達は来られないけど、君の隣には仲間が、友達がいる。それじゃ心細いかい?」
《ぁ・・・・!》
ジャベリンがカイン指揮官の言葉に小さく声を上げる。
《・・・・いいえ! 凄く心強いです!》
そして、迷いなくそう答えると、カイン指揮官は満足そうに頷く。
「よし。それじゃ1つ、派手に行こう! 策はちゃんとあるからさ!」
《はい! ジャベリン! 行っきまーすです!》
「ラフィー。本気出していってくれよ」
《了解。やってみる・・・・》
少々抑揚がないが、これがラフィーの通常運転なので頷く。
「綾波」
《・・・・・・・・》
綾波は答えない。ただ、指揮官からの言葉を待つ。
そして、カイン指揮官がただ一言ーーーー。
「頼むぞ」
《参ります》
そのたった一言に短く答える綾波。しかし、カイン指揮官は分かっていた。綾波が気合い十分だと言う事を。
「皆、作戦はこうだーーーー」
カイン指揮官がキングジョーと相対する艦船<KAN-SEN>達に指示を飛ばした。
次回、ペダン星人の最強兵器に、艦船<KAN-SEN>達が挑む。