ーセイレーンsideー
『大魔機獣 メガオロチ』は重桜母港を離れ、洋上をゆっくりとした足取りで進んでいく。
通常の怪獣よりも一回りも巨大なその体躯での一歩は、セイレーン艦隊の速度とほぼ同じである。
メガオロチのすぐ近くにいるセイレーン量産艦の一隻にて、メガオロチの頭の上で、呆然と海を眺めている加賀を見上げていた『テスターα』が『オブザーバー』に話しかける。
『重桜艦隊を振り切ったわ。混乱で抵抗らしい抵抗も無かったけれど、いよいよね』
『それにしても随分と手の込んだこと。あのトレギアがオロチをここまでにしたのかしら?』
『戦いはドラマチックでないといけないわ。より刺激的に、より衝撃的に、より感動的に、ね。トレギアは中々のプロデューサーだわ。艦船<KAN-SEN>達は『想い』が形を成したモノを、ここまでに仕上げた。そうーーーー『想い』こそが、彼女達の力の源なのだから!』
『あなたの言う事は感傷的で理解し難いわ』
『あっはははは! どうせ自分に酔ってるだけでしょう?』
身体に刀傷がある『テスターβ』がそう言うと、アズールレーン母港から戻ってきた『ピュリファイアー』が戻ってきて、今ここに、セイレーン上位個体が集まった。
『あら、手酷くやられたようね?』
『激しくされるのは嫌いじゃないさ! それに、βの気になる重桜の子がいたからねぇ』
『ふぅ~ん。あの子、アズールレーンにいるのね・・・・』
『テスターβ』が、自分に傷を負わせた艦船<KAN-SEN>、綾波の事を思い返しながら、刀傷を指でなぞった。
それを横目に見て、『ピュリファイアー』は『黒いメンタルキューブ』を『オブザーバー』に渡した。
『オブザーバー』が手にした瞬間、『黒いメンタルキューブ』が凄まじい光を放った。
『では始めましょう。“過去の再演”を、或いは“未来の演算”を・・・・』
『オブザーバー』が『黒いメンタルキューブ』を天に掲げると、キューブは更に光を放ち、天へと昇っていきーーーー。
『チックタック♪ チックタック♪ お目覚めの時間だよー!!』
メガオロチへと向かって光は堕ちていき、その巨体を包み込んだ。
『ヒギァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!』
「くっ!・・・・はっ!」
赤い炎に包まれたメガオロチから宙に飛んで離脱した加賀の目の前に、炎の中からーーーー狐面を被った赤城が現れた。
「・・・・・・・・・・・・」
「ね、姉様・・・・?」
加賀の問いに答えるように、狐面を外した赤城は笑みを浮かべる。
「・・・・・・・・」
「姉様・・・・? 赤城姉様!!」
感極まった加賀が赤城に抱きついた。赤城も加賀を抱き返す。
「無事だったのですね!」
「ええ。これこそ神の思し召しよ。見なさい加賀。これが、私達が求めたオロチの、いえ、それを上回る力よ」
『ヒギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』
赤城の言葉のすぐに、メガオロチの頭部の角から、小さな赤い光が、まるでミサイルのように天高く発射されーーーー。
ートレギアsideー
『フフフフ。“彼女”も出てきたか。ーーーーさらに面白くなってきたよ。君も行こうね、タロウの息子・・・・』
『ぁ・・・・ぁぁ・・・・』
深海から状況を見ていたトレギアが、タイガにそう呟いた。
『(ト、トモユキ・・・・! トモユキ・・・・! あ、赤城、さんが・・・・)』
タイガは途切れそうになる意識を必死に保ちながら、カイン指揮官に必死に呼び掛けていた。
ーカインsideー
「・・・・加賀が、巨大な機械の怪獣を連れて行った? 本当か瑞鶴?」
《うん。遠目だったけど間違いないよ。あれは、加賀先輩だった!》
そしてその頃カイン指揮官は、加賀の突然の行動に混乱状態に陥っている重桜の皆から報せを受けていた。
「・・・・翔鶴。蒼龍。すぐに長門に連絡を繋いでくれ」
《・・・・その前に、本当に指揮官は記憶が戻ったの?》
《ええ。先ずはその辺りをハッキリさせたいのですが?》
「あぁたくっ! 去年の秋! 翔鶴と瑞鶴と一緒に露天風呂に入った時、瑞鶴が翔鶴特性の海老天を食い過ぎて喉に詰まらせて暴れた際に倒れて、俺の顔面に股間を押し付ける形で騎乗してーーーー」
《わー! わぁー!! わわぁー!!!》
通信越しで瑞鶴が顔を真っ赤にして大声を上げているのが分かる。
「飛龍が蒼龍の代わりに睦月型の皆に勉強を教えようとしたけど、飛龍ったら勉強ができないから体育の授業で誤魔化して、後日睦月達と一緒に蒼龍に勉強を教えてもらっていたり!」
《わわわわわわぁーーーー!!》
今度は飛龍が慌てているのが分かった。
「伊勢と日向が酔って俺の服を無理矢理脱がそうとした事があったなぁ?」
《あぁ、そう言えばそんな事あったなぁ!》
《酔った勢いだ》
伊勢と日向が笑ったりソッポを向いているのが分かる。
「愛宕が高雄を騙して俺の寝室に良く夜這いに来て、同時に夜這いに来ていた赤城や『大鳳』と『隼鷹』と、毎度のようにドカドカとドンパチを始めて、俺の寝室を良く吹っ飛ばしていたよなぁ?」
《あらあら、記憶が本当に戻っているわぁ》
《ち、違うのだ! 拙者は愛宕に騙されて!》
愛宕が朗らかに笑い、高雄が慌てて重桜の皆に弁解しているのが分かる。
カイン指揮官が語る、海守トモユキ指揮官としての重桜の皆との過去の思い出の数々。当人達には黒歴史を暴露され、通信機の向こうから騒がしい声が響いていた。
《ーーーー確かに、記憶は戻っているようね? ちなみに、蒼龍先輩が仕事をサボろうとする指揮官に、艦載機を使って監視していた回数は覚えてる?》
「えっ、それは・・・・・・・・蒼龍が秘書艦をやる日は毎度のように監視されていたから、覚えてない」
《・・・・どうやら本当に戻っていますね》
翔鶴の問いに少し思案してから答えると、小さくため息を吐いてから、蒼龍が声を発してきた。
「分かってくれたなら翔鶴。すぐに長門に繋いでくれ」
《了解よ。指揮官》
一時通信を切ったカイン指揮官の元に、アズールレーン艦隊と綾波が戻ってきた。
「皆。ご苦労様。早速で悪いんだが、これから全体会議を行う。ロイヤルとユニオンの皆を集めてくれ」
『了解!』
カイン指揮官の言葉に、全員が頷いた。
「お、雪風! 夕立! 時雨か!?」
通信機から、三人の声が聞こえてきて、カイン指揮官が声を発する。
《指揮官! 夕立の事思い出したか!?》
「ああ思い出したよ。夕立の頭の感触やスベスベとしたお腹の感触までな」
《雪風様の事もなのか!?》
「ああ」
《ふっふ~ん! この時雨様の幸運ね!》
《雪風様なのだ!》
通信機越しから、雪風と時雨の口喧嘩が聞こえ、口元を緩ませるカイン指揮官。
「それで、何かあったのか?」
《ああそうだったんだぜ! 指揮官! オロチが出てきた洞窟ドックから、変なのを見つけてきたんだぜ!》
「へんなの?」
《ぎゃぁぁぁぁ離せぇぇぇぇぇぇ!!》
《私達は無害な宇宙人ですよぉぉ!!》
≪・・・・おい兄ちゃん。この声って≫
≪・・・・聞いた事がありますね?≫
「・・・・あぁ。まさか」
通信機から聞こえる聞き覚えのある二人の声に、カイン指揮官は半眼になり、フーマとタイタスも呆れた声をもらした。
◇
「トモユキ指揮官としては、半年以上ぶりだな長門。と言っても、カイン指揮官としてはほんの1ヶ月と少しぶりだけど」
《うむ。記憶が戻り、安心したぞ指揮官。しかし、喜んでもおられん状況だ》
そして少し経ち、無事だった広場でアズールレーン艦船<KAN-SEN>達が集まり、大きめの立体通信機で会話できるように明石が急遽改造し、現れた長門達重桜艦船<KAN-SEN>達と会談を始めるカイン指揮官。
「さて、先ほど哨戒に出ていた潜水艦の子から報告があがってきたがーーーー哨戒中、突然赤い光が天から落ちて、海をこんな風にしたらしい」
長門の映る画面の隣に、巨大なクレーターができた海面が表示された。
それだけではなく、以前フーマと初めて一緒に戦った時の廃墟の島も、他にも多くの無人の島や海面が攻撃され、無惨な姿を晒していた。
そう、重桜とユニオンの領海の境目付近の無人島が遠距離により攻撃を受け、爆発をしたのだ。
「これは、『核』とは違うようだが・・・・」
昔、士官学校で習った人類が生み出した『兵器』を連想したカイン指揮官。
《いや、指揮官。これはセイレーンの、加賀が連れ出した怪獣となったオロチの仕業じゃ》
「そうと考えて間違いないわね」
長門の言葉に、Q・エリザベスが折り畳み式テーブルセットに腰掛けながら、紅茶のカップを回しつつそう答える。
「ですが、陛下。事態は深刻です。もしもこれで基地を攻撃されたら・・・・」
「ドッカーン! ひとたまりもないね」
深刻なフッドの言葉に続きながら、軽くも重く答えるホーネット。
「明石。俺達の母港にこれが撃たれればどうなる?」
「にゃ~。これまでの被害の範囲から計算するとにゃ・・・・最悪、母港本島どころか、半径数キロは巻き添えで消滅するにゃ」
「関連性はまだ分かりませんが、島の消滅より数時間前。重桜から巨大な怪獣が現れました。今まで確認されてきた怪獣達のほぼ二倍近くの体躯です・・・・!」
カイン指揮官の問いに、明石はタブレットを操作して計算すると、袖で口元を隠しながら渋面を作っていた。
更にヘレナもタブレットを操作して表示させたのは、セイレーンの量産型艦隊に守られながら海を闊歩する巨大な、本当に巨大な異形とも言える機械の怪獣ーーーー『メガオロチ』が写っていた。
「シェフィ。エディンバラ。これって、オロチなのかな?」
「わたくし達が見たオロチは、巨大な艦のようでした。こんな怪物ではなかった筈です」
「こ、こんなとてつもなく大きな怪獣だったら、私気を失ってましたよぉ!」
≪こいつはーーーー『マガオロチ』かよっ!?≫
「(フーマ。知っているのか?)」
≪俺と同じ、『O-50』のウルトラマン、『ウルトラマンオーブ』がかつて戦った、大魔王獣だ! 星をも喰らい尽くす伝説の魔王獣だ!≫
≪おそらくあれは、そのマガオロチのロボット怪獣タイプ、名付けるならばーーーー≫
「・・・・『メガオロチ』、か」
「っ、指揮官。メガオロチとは?」
「あぁ、今名付けたあの怪獣の名称だ。あれは、星をも喰らい尽くす大魔王獣と呼ばれる、マガオロチのロボット怪獣タイプだ」
「星をも、喰らい尽くす・・・・!」
『っ!?』
『星をも喰らい尽くす』、と言う言葉に、エンタープライズ達、アズールレーン艦隊も、長門達重桜艦隊も戦慄したように目を見開いた。
「これは恐らく、セイレーンの技術に、宇宙人の技術がプラスされた事で生み出されたんだろう。ーーーーその辺りの事をどれだけ知っている? マーキンド星人。マグマ星人?」
長門の隣から縄で縛られ、時雨と夕立と雪風に連れられたマーキンド星人とマグマ星人が映し出された。
「あ! あの人(?)達!」
「逃げたと思ったら、重桜に隠れていたのですか・・・・」
エディンバラとシェフィールドが、呆れたような顔になった。
《何も知らねぇよ! 俺らにこんなとんでもねえ事なんてできねぇって! ちくしょー! 重桜の奴等にコッソリ引っ付いて、暫く自給自足の自由気ままな生活を送っていただけなのに・・・・!》
《私達だって『マガオロチ』の恐ろしさは重々知っていますよ! そんな宇宙の大災害を、『ヴィラン・ギルド』の下部構成員の私達に、そんな大それた事なんてできませんよ!!》
「・・・・それで、あの洞窟ドックに潜んでいたんなら、何か知らないか? 『オロチ』の事について」
《ってもなぁ・・・・。『セイレーン』って奴等が『オロチ』って戦艦にいたってのと・・・・》
《あっ! そう言えば、長い黒髪に、黒い狐の耳と尻尾をした赤い服を着た艦船<KAN-SEN>が、『オロチ』の中に吸い込まれた時がありました!》
《っ! それは、まさか・・・・!》
「ーーーー赤城かっ!?」
『っ!?』
《『っ!?』》
長門とカイン指揮官の声に、アズールレーン艦隊と重桜艦隊が驚愕した。
「成る程。加賀がこんな行動を起こしたのは、『セイレーン』に唆され、赤城を失い、弱った心に付け込まれたのか・・・・だとすれば、何としても止めなければならない。あの『メガオロチ』の存在は、アズールレーンにとっても、重桜にとっても、いや、この星にとっても、危険極まりない。そして、そのさらに背後にはーーーートレギアが絡んでいる」
「トレギアが、と言う事は、ウルトラマンタイガも」
「トレギアに連れられ、『メガオロチ』の元に現れるだろうな」
エンタープライズの問いに、カイン指揮官は視線を鋭くする。
「赤城と加賀、そしてタイガを助け出す。これ以上、トレギアの思い通りになんてさせない!」
「セイレーンの野望を打ち砕くためにも、だな?」
「ああ!」
カイン指揮官とエンタープライズは決意を固め、アズールレーン艦隊、そして通信機越しだが、重桜艦隊に向けて声を発する。
「皆。聞いての通りだ。これよりアズールレーン艦隊は、重桜艦隊と協力し、識別名称『メガオロチ』の殲滅に向かう! そして恐らく、赤城と加賀も『メガオロチ』の元にいる。皆。この事態になったのは、赤城と加賀のせいだと思っていると思う。だが、赤城と加賀も、やり方を間違えてしまっただけなんだ。元重桜指揮官の俺の言葉なんて、説得力が無いと思う・・・・。それでも! 俺は皆に頼みたい! 頼む皆! 赤城と加賀を! 俺の大切な仲間を! 俺の相棒<バディ>、ウルトラマンタイガを助ける為に、力を貸してくれ!!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・』
カイン指揮官はアズールレーン艦船<KAN-SEN>全員に頭を垂れた。
アズールレーン艦隊は、若干戸惑いがちになる。が、その時ーーーー。
「指揮官! 私、行きます!」
「ユ、ユニコーンも、行くよ、お兄ちゃん・・・・!」
「ラフィーも、行く・・・・」
綾波と一緒にいたジャベリンとユニコーンとラフィーが、挙手して参加の意思を示した。
「ジャベリン・・・・ユニコーン・・・・ラフィー・・・・」
「綾波ちゃんのお友達なら、ユニコーン達にとっても、お友達、だから・・・・!」
「ラフィー達、ウルトラマンタイガに何度も助けてもらった。恩返し、したい・・・・」
「私達艦船<KAN-SEN>の力は、『セイレーン』を倒すだけじゃないです! 多くの人達を守る力です! だったら、敵だった人達だって、守る事ができる筈です!!」
駆逐艦と軽空母の少女達の言葉に、アズールレーン艦隊がフッと笑みを浮かべる。
「ふん。このロイヤルの女王の前で良く言ったわ。ジャベリン。ユニコーン。私の威光を重桜やウルトラマンに見せてやろうじゃない!」
「お供します、陛下!」
「ウルトラマンタイガにも色々助けられたからね! 受けた恩は返さないと、ユニオンの名が廃るよ!」
「「「おー!」」」
クリーブランドの言葉に、妹達も拳をあげた。
それに続くように、アズールレーン艦船<KAN-SEN>達が、声をあげてくる。
「・・・・皆」
「ご主人様。後は、重桜のご返答だけです」
「ああ」
ベルファストにそう言うと、カイン指揮官は、映像の長門達に視線を向ける。
「と、言う訳だ長門。重桜指揮官皆の意見は?」
《・・・・本当に、赤城と加賀を助けるのに、力を貸してくれるのか?》
「勿論だ! 赤城と加賀は必ず助ける! その為にもお前重桜艦隊も協力してくれ」
《・・・・・・・・皆、余はこれより赤城と加賀の救出の為に、アズールレーン艦隊と協力する。これはレッドアクシズから言わせれば裏切り行為となるだろう。しかし、余は失いたくないのじゃ。大切な仲間である、赤城と加賀を》
長門がそう言うと、画面が重桜艦船<KAN-SEN>達となり、すぐに瑞鶴の声が響いた。
《勿論です長門様! 赤城先輩も加賀先輩も! 必ず助け出します!》
《一航戦の先輩達ってば、本当に面倒ばかり押し付けてきて、文句の一つや二つや三つは言わないと気がすまないわ》
《夕立も行くぜ!》
《雪風様の幸運パワーを見せてやるのだぁ!》
《この時雨様の幸運パワーも使ってあげるわ!》
《指揮官からのお願いなら、お姉さんも一肌脱いじゃうわ!》
《拙者も力を貸すぞ!》
次々と、重桜艦船<KAN-SEN>達から参戦の声があがってきた。
《指揮官。これが重桜の総意じゃ。我らの指揮、頼むぞ》
「ありがとう、皆。・・・・良し! 赤城と加賀を助け出して! 叱ってやろうか!」
《このような事態を起こしたのですから、当然ですね》
カイン指揮官の言葉に、蒼龍が同意を示すように、片手で眼鏡を押し上げる。
「その後は、皆の文句を聞かせてやろうぜ!」
《うふふ、先輩達には言いたい事が山のようにありますから♪》
翔鶴が意地の悪い笑みを浮かべる。
「その後は、苦労をかけた事を労ってやろうぜ」
《あやつらも、重桜を思っての行動じゃったのだからな》
長門が頷く。
「その後は、ご馳走で宴会だ!」
《肉が良いぞ!夕立は肉が食べたい!》
《雪風様はお菓子が良いのだぁ!》
夕立と雪風がそう伝えた。
「お酒もいっぱい出してやろうぜ!」
《お! 良いね! 赤城と加賀が酔い潰れるまで飲ましてやるっ!》
《前から一航戦とは飲み比べ勝負をしてみたかったからな》
伊勢と鈍い日向が上機嫌で同意した。
「そしてーーーー【おかえりなさい】って言って、【ただいま】って言わせてやろう!」
《うん!・・・・って、えぇっ!? 何よそれっ!? 暑苦しい! 青春臭い!》
時雨が嫌そうな顔をした。
「では、時雨はやらないようなので、綾波が言うです」
《『綾波(ちゃん)!』》
「にゃ~。皆、お久しぶりにゃ」
《『明石(ちゃん)!』》
「よしっ! アズールレーン艦隊! 重桜艦隊! 我々はこれより、『メガオロチ殲滅作戦』を決行する! 各自、準備を進めるようにッ!!」
『了解!』
《『了解!』》
アズールレーン艦隊が各々の準備に取り掛かろうと、動くと、綾波と明石が重桜艦隊に話しかける。
「お久しぶり、なのです」
「にゃ~」
《二人とも、無事でなによりだ》
《綾波! 肉とか食べさせて貰ったか?!》
「美味しいケーキを食べさせて貰ったです」
《意地悪されなかったのだ!?》
「皆、親切にしてくれたです」
《明石。こっちでの仕事をサボって、そっちで商売しているようですね?》
「に”ゃー! 不知火<ぬいぬい>!!」
仲が良かった時雨達と談笑し、明石は不知火に睨まれ、顔を青ざめていた。
懐かしい光景に笑みを浮かべるとーーーー。
≪ーーーーモ・・・・キ・・・・!≫
「ん!?」
≪ーーーートモ、ユキ・・・・!≫
≪・・・・っ! この声はっ!?≫
≪まさか・・・・!≫
「タイガ・・・・?」
突然聞こえたタイガの声に、タイタスとフーマ、トモユキは戸惑いの声をあげる。
≪ト、トモユキ・・・・! トモユキ・・・・! あ、赤城、さんが・・・・『オロチ』・・・・に・・・・!≫
と、そこでタイガの声が途絶えてしまった。
「タイガ・・・・!」
≪彼も、抗っているようですな≫
≪必ず助けようぜ、兄ちゃん!≫
「ああ。当然だ!」
決意を固めたカイン指揮官のタイガスパークの宝石部分が、翠色の光を放っていた。
次回、アズールレーンと重桜が力を合わせる!