アズールレーンT   作:BREAKERZ

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さぁ、反撃だっ!!


【絆】輪の如く繋がる奇跡

アズールレーン艦隊がメガオロチ討伐に参戦する少し前に遡る。

 

「エンタープライズ。これを君に」

 

艦隊に指示を伝え終えたカイン指揮官は、エンタープライズに『ある物』を託した。

 

「指揮官・・・・これは?」

 

「必ず、君の力になってくれる。そして、綾波」

 

「はいです」

 

「加賀を正気に戻したら、『これ』を渡してくれ」

 

綾波にも『ある物』を二つ託した。

『友』が『先輩達』から与えられた力を。

 

 

 

 

ー綾波sideー

 

そして時は戻り。

 

「えっ、えぇっ!?」

 

「お、お兄ちゃん・・・・!」

 

「おぉ~」

 

「そう、だったのか・・・・」

 

「驚いた、わね・・・・」

 

「し、指揮官がーーーーウルトラマン!?」

 

「やっぱり、です」

 

カイン指揮官の近くにいたジャベリン達と加賀達が愕然となる。今まさに、カイン指揮官が、ウルトラマンフーマへと変身したのだから。

ただ、ラフィーと綾波は何となくそう思っていたようで、あまり驚いていなかった。

 

「加賀さん」

 

「?」

 

綾波がカイン指揮官に託された物を、加賀に渡した。

 

「綾波、これは・・・・」

 

「指揮官から、これの片方を加賀さんに、もう片方はーーーー分かりますです?」

 

「・・・・無論だ」

 

加賀は、『二つのブレスレット』の内、『青いブレスレット』を右手首に着け、もう片方の『赤いブレスレット』を着ける艦船<KAN-SEN>を見上げる。メガオロチの頭頂部にいる姉に。

 

 

 

 

ー赤城sideー

 

『・・・・・・・・『オロチ』。戦闘は少し待ちなさい』

 

オブザーバーは、メガオロチの頭頂部に行き、『オロチ』に向かってそう言った。メガオロチは身体を覆うようにバリアが張られており、重桜も鉄血も、アズールレーン艦隊も傷一つ付けられないのだ。

 

「あら。それはどうして?」

 

『見てみたいのよ。“私達セイレーンが知らない存在”であるウルトラマン。そして、カイン・オーシャン、いえ、海守トモユキ指揮官。彼が何を見せてくれるのか、ね』

 

オブザーバーは、“イレギュラーであるウルトラマンと、海守トモユキ”の動向に興味津々であるようだ。

 

「・・・・・・・・・・・・(指揮官、様)」

 

虚ろだった赤城の瞳がフーマを捉えると、その姿が、愛しい愛しい指揮官の姿に変わって見えた。

そして、オブザーバーと『オロチ』は気づいていない、足元の戦況が、少しずつ動いている事に。

 

 

 

 

ートレギアsideー

 

『やはり現れたね。では、そろそろエンディングと行こうか』

 

現れたフーマを見て、トレギアが含み笑いをあげると、指をパチンッ! と鳴らした。

 

『うぅ・・・・!』

 

すると、カラータイマーが真っ赤に染まったタイガが、立ち尽くしていた。

 

 

 

 

ーカインsideー

 

『「このブレスレットから、タイガの鼓動を感じる・・・・」』

 

インナースペースにて、新たなブレスレットを見てカイン指揮官が言う。

 

『「これを媒介に、俺達とタイガの魂を繋げる事ができるかも知れない!」』

 

『アイツの頭の中にカチコミを入れるのか? 面白れぇ!』

 

『しかし危険な賭けですが、それでもやりますか? カイン指揮官殿?』

 

『「・・・・タイタス」』

 

『ん?』

 

『「俺達は仲間だ。畏まった言葉は無用だ」』

 

タイタスは一瞬呆気に取られたが、すぐに気を取り直す。

 

『・・・・ふっ、そうだった。では、やるかカイン?』

 

『「あぁ。俺は子供の頃、タイガに命を救われた。今度は俺が、タイガを助ける番だ!」』

 

『よっしゃぁ! 行くぜ兄ちゃん!!』

 

『「ああ!」』

 

フーマが構えると、ヘルベロスとナイトファング、ゴロサンダーにギガデロスが立ち塞がる。

 

『来やがったな! 俺のスピードに付いてこれんのかよっ!?』

 

『ーーーー!!』

 

フーマが加速して近づこうとするが、その前にギガデロスも加速して、フーマに追い付いた。

 

『ちっ! コイツがいたかっ!』

 

フーマは加速しながらギガデロスと戦う。

 

『グワァァァァッ!』

 

『ヒィエエエエッ!』

 

『ゴロロロロロッ!』

 

ヘルベロスは背中の棘を、ナイトファングは頭の目玉から音波を、ゴロサンダーは金棒から稲妻を放ちながら、ギガデロスを援護する。

 

『うわっ! おっと! セェヤッ!』

 

攻撃を回避するフーマだが、ギガデロスと交戦しながら、身体を回転させて竜巻を起こし、攻撃を防ぐが、戦い辛そうにしていた。

が、

ヘルベロス達に砲撃と艦載機が一斉に攻撃し、三体の怪獣の妨害をする。

 

『「っ! 皆!」』

 

カイン指揮官が目を向けると、アズールレーン艦隊の一部と重桜艦隊の一部が、フーマを援護した。

 

 

 

ージャベリンsideー

 

「いっけーーーー!」

 

「攻撃開始」

 

「ゆーちゃん!」

 

「行くわよ夕立! 雪風!」

 

「ガルル! 噛みついてやる!」

 

「雪風様に任せるのだっ!」

 

「何で俺らまで!」

 

「レーベ! 文句は後にしてください!」

 

ジャベリン達と合流した時雨達、そしてレーベとニーミも参戦し、フーマを援護する。

他の艦船<KAN-SEN>達はメガオロチとセイレーン艦隊と交戦していた。

 

《皆! よく来てくれた!》

 

「指揮官! ご指示を!」

 

《あぁ。皆はウルトラマンフーマを援護しつつーーーー》

 

 

 

 

ーフーマsideー

 

フーマは艦船<KAN-SEN>達に援護されながら四体の怪獣と戦い、ブレスレットを通してタイガに呼び掛ける。

 

『(タイガ。オメェと初めて会った時は、生意気な、イケすかねぇ野郎だと思ってたけどよ・・・・! 今じゃ俺とお前は一心同体! オメェ一人が欠けても駄目なんだ! 俺達はこれまでも! これからも! いつも一緒だぜ!)』

 

『「フーマ・・・・!」』

 

『フッ! 『極星光波手裏剣』!!』

 

巨大な光の手裏剣を投げ放つフーマ。その手裏剣は回転しながら、四体の怪獣を切る。

 

『ヒィエエエエエッ!』

 

ナイトファングが反撃と言わんばかりに光線を放つ。

 

『ん! 忍っ!』

 

フーマが力を込めると、その身体が黄色に輝く。

そして光線が当たると、水蒸気爆発が起こり、姿が隠れる。そしてその中からーーーー。

 

『ヌゥゥゥゥゥゥゥゥッ!』

 

ウルトラマンタイタスが飛び出した。

 

 

ータイタスsideー

 

『ソォラッ!』

 

タイタスはアックスボンバーをナイトファングに叩きつけ、ナイトファングは退かせると、ゴロサンダーが振り下ろす金棒を受け止め、拳をゴロサンダーに叩きつける。

 

『ヌゥンッ!』

 

そして次にヘルベロスとギガデロスが迫るが、タイタスは二体の頭を掴んで押し出し倒れさせると、タイガに呼び掛ける。

 

『君の無駄な熱さに呆れながらも、その心に胸うたれた! タイガ! 私達は信じてる! 君はこんな闇に屈したりはしないっ!!』

 

『「タイタス・・・・!」』

 

タイタスはショルダータックルでナイトファングを倒す。

 

『思い出せ! 私達の出会いを! 私達の旅路を! そしてーーーー私達との、誓いの言葉をっ!!』

 

起き上がったヘルベロスにタックルするタイタスは、その勢いでタイガに迫り、後一歩で手が届きそうになる。

しかし、

 

『光の国へ攻め込む第一歩だ。やれ、タロウの息子』

 

トレギアがそう呟くと、

 

『タイガ!』

 

『フゥ!』

 

届きそうになったタイタスの手を振り払い、タイガがタイタスの首を掴んだ。

 

『ぐぅぅぅぅっ!』

 

『ぁぁぁぁぁっ!』

 

『目を覚ませタイガ・・・・!』

 

『うぅっ! うぐぅぅぅぅっ!!』

 

タイガはタイタスの手を払い、タイタスの腹に膝蹴りを叩き込む。

 

『グワァァァァッ!』

 

『ゴロロ!』

 

ヘルベロスとゴロサンダーがタイタスを攻撃しようとするが、

 

『うぁぁぁぁぁっ!!』

 

タイガはヘルベロスとゴロサンダーにも攻撃した。

 

『ウォオオオオオッ!!』

 

『ヌゥアッ!』

 

タイガはタイタスに蹴りを何度も叩き込み、タイタスを倒れさせる。

 

『ウゥオアアアアアアアアアッ!』

 

『ーーーー諦めんぞ! 諦める訳には!』

 

四体の怪獣の後ろにいるタイガを見据える。

 

『私達は一つ!』

 

『『『「トライスクワッドだっ!! うおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!」』』』

 

カイン指揮官とタイタスとフーマ、三人の声が重なる。

 

『ぬおおおおおおおおっ!!』

 

『ウァアアアアアアアッ!!』

 

タイタスがタイガに向かって駆け出すと、タイガは闇が混ざった光線を放つ。

 

『ふん! ぬああああああああっ!! たぁあっ!!』

 

が、タイタスが光を纏った拳でそれを防いだ。四体の怪獣が、タイタスに迫ってくる。

 

『後は頼んだぞ! カイン!!』

 

タイタスがフーマにチェンジした。

 

『セヤッ!』

 

フーマが上空に飛ぶと、カラータイマーから、カイン指揮官を発射した。

 

『俺達の熱い想いを! タイガにぶつけてやれ!』

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」

 

 

 

ーカインsideー

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」

 

落下しながら、カイン指揮官はタイガへと向かっていく。

 

『おいおい、邪魔しないでくれよ』

 

「トレギアっ!!」

 

『たかが人間と艦船<KAN-SEN>ふぜいが、思い上がっていたようだね。で・も、物事は思い通りにはいかないよ!』

 

カイン指揮官を見上げるトレギアの瞳に、妖しい光が灯り破壊光線『オプトダクリス』を放とうとした。絶対絶命な状況でカイン指揮官は・・・・

 

「・・・・ふっ」

 

笑っていた。

 

『ん?』

 

トレギアは、この状況で笑っているカイン指揮官を訝しそうに見ながら、自棄になったのかなと、思った。

が、

 

「分かっていたよトレギア。お前なら、このタイミングで仕掛けてくるってな!」

 

『何?』

 

カイン指揮官の両隣に、タイタスとフーマの思念体が現れる。

 

『我々がタイガに近づく寸前、やっと手が届くギリギリの状況を潰し、希望を絶望にひっくり返す!』

 

『底意地の悪い陰険陰湿なテメェなら、ここで来るって兄ちゃんは織り込み済みよ!』

 

『何をーーーー』

 

「その狡猾さが、お前の弱点だっ! 皆ぁ! 今だっ!!」

 

『〈ノブレス・ドライブ〉!!』

 

トレギアが声を発するのを遮るように、カイン指揮官が叫ぶと、トレギアの顎の下、トレギアの足元に、目映い光が起こる。

 

『なっ!』

 

トレギアが視線だけを向けると、顎の下を狙うようにゆーちゃんに乗ったユニコーンとラフィーが。足元には丁度膝の裏にジャベリンとーーーー綾波が、〈ノブレス・ドライブ〉状態でソコにいた。

 

 

 

ー綾波sideー

 

ほんの少し前。カイン指揮官が綾波達に指示を出すと綾波に話しかけた。

 

《綾波。君が〈ノブレス・ドライブ〉を発現するんだ!》

 

「綾波が、です・・・・」

 

《大丈夫だ。君なら必ず発現できる! 俺は信じる!》

 

「私もだよ綾波ちゃん!」

 

「綾波ならできる」

 

「頑張ろう、綾波ちゃん・・・・!」

 

「「「綾波!」」」

 

「・・・・綾波!」

 

ジャベリン達や時雨達だけでなく、ニーミまでも、綾波に声を発した。

 

「(・・・・・・・・不思議、です。指揮官が、皆が信じてくれるなら、綾波は何でもできる気がするです。何でもやれる気が、するです・・・・!)」

 

綾波が決意を込めて頷き、カイン指揮官がタイガの真上から落下し、トレギアがそれを遮ろうとした瞬間、綾波達はすぐに行動に移した。

時雨達やニーミ達に怪獣の足止めを任せ、トレギアの近くに進む。

トレギアは艦船<KAN-SEN>など眼中に無いと言わんばかりだ。しかし、それが狙いである。

 

「(指揮官が信じてくれる。皆が信じてくれる。綾波は必ず、皆と帰るです。指揮官が、友達が、仲間が、大切で、大好きな皆がいる母港に、誰一人欠ける事なく、皆でーーーー)帰るです!」

 

そう叫ぶと、綾波の身体から、金色の光が漏れ出す。そしてーーーー。

 

「皆ぁ! 今だっ!!」

 

カイン指揮官の叫びと共に、綾波達が叫ぶ。

 

『〈ノブレス・ドライブ〉!!』

 

と。その瞬間、綾波の身体が金色のオーラに包まれた。

 

「やったぁ! 綾波ちゃん!」

 

「(コクン) ユニコーン! ラフィー!」

 

「うん! ラフィーちゃん!」

 

「了解。合わせよう」

 

ユニコーンとラフィーが心を重ねる。

 

「「『共鳴<レゾナンス>!!』」」

 

ゆーちゃんに乗った二人が同時に叫ぶと、二人の周囲の宙に光の艦船が幾つも現れ、トレギアの顎を目掛けて、一点集中の総攻撃を放った。

 

『ぐあぁっ!』

 

突然の顎からの強烈な攻撃に、さしものトレギアも軽い脳震盪を起こす。只でさえ見上げていた体勢で顎からの予想外の一撃で、身体が仰け反りそうになる。

 

『く、くだらーーーー』

 

くだらない真似を! と、叫びそうになるトレギアに、更なる攻撃が来た。

 

「行くよ綾波ちゃん!」

 

「思いっきり、行くです!」

 

ジャベリンが槍を、綾波が対艦刀を、トレギアの膝の裏に力の限り叩きつけた。

 

「「せーの! 両足膝カックン!!」」

 

またもや不意討ちの攻撃に、トレギアは完全にバランスを崩し、仰け反りながら倒れそうになる。

 

『ば、馬鹿な! こんな、くだらないやり方で!』

 

トレギアは首だけでもカイン指揮官を向き、『オプトダクリス』を放ったその刹那、トレギアの視界の端に、信じられない『二人』がいた。

 

『え、エンタープライズ!? 加賀!?』

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

艦載機に乗ってトレギアの横面目掛けて弓を引くエンタープライズと、艤装を展開する加賀。そして二人のその手首には何とーーーーエンタープライズが『オーブレット』を、加賀が『ブルレット』を着けていた。

 

 

 

 

ーエンタープライズsideー

 

カイン指揮官から指示が来て、加賀と合流したエンタープライズ。

お互い言いたい事があったが、今はトレギアを優先するべきと、共に艦載機に乗り、指揮官から託された『オーブレット』と『ブルレット』を着け、弓を構えると、自分の弓矢の前に光の輪が展開され、トレギアの横面に向け矢の照準を合わて弦を引いたその瞬間、

 

「っ!」

 

エンタープライズの意識が真っ白になる。

 

 

 

 

 

 

 

「ここは・・・・」

 

視界が晴れたソコは夕暮れのアズールレーン母港の海岸。

エンタープライズはソコで艤装もなく、帽子も脱いだ状態で佇んでいた。

そして目の前の海に佇むのは、以前『オロチ』が化けた自分そっくりの艦船<KAN-SEN>だった。

 

「『オロチ』・・・・いや違う。あなたは?」

 

『私の名はーーーー『コードG』。鏡のようなモノだ』

 

「鏡・・・・」

 

振り向いたコードGのその顔は、エンタープライズと瓜二つだった。

 

『あなた達は、人の想いが形を成したモノ。あなたが見ているモノは、その想いが写し出す『影』だ。『オロチ』も同じだ。人々の共通認識が写し出す『鏡像』。『オロチ』は闘争を目的とするが、それが人類の歩みその物だからだ』

 

「・・・・戦いは、いつの世も変わる事のない」

 

『あぁ。だから、あなたはもうこの航海を終えても良い』

 

「終えたら、どうなる?」

 

「『未来』を見ずに済む・・・・」

 

「・・・・・・・・一つ、聞かせてくれないか」

 

『何だ?』

 

コードGの言葉に、エンタープライズは一瞬目を閉じるが、すぐに開き、ある事を聞いた。

 

「あなた達セイレーンは、『未来』から来たのか?」

 

『・・・・それを聞いてどうしたい?』

 

「教えてほしい。あなた達が『未来』から来たならば、その『未来』に、カイン指揮官はいたのか?」

 

『・・・・・・・・』

 

ソコで始めて、コードGが言葉を紡がなかった。

 

「ウルトラマンは? 怪獣達は? ヴィラン・ギルドは?」

 

『・・・・怪獣達は現れた。しかし、光の戦士達は、現れなかった』

 

「つまり、『あなたの知る過去』と、『私達の現代<今>』は、違う流れになっていると言う事か?」

 

『誤差の範囲だ。この程度では、流れが変わった事にはならない』

 

「・・・・・・・・いや」

 

エンタープライズは、コードGの言葉を否定する。

 

「流れは変わる、変えられる。戦いは続くかも知れないが、その先に必ず、『違う未来』が見つかるかも知れない」

 

『無駄だ。あなたに流れを変える事はできない。あなた自身も、そう思っているのではないか?』

 

「それは・・・・」

 

エンタープライズが、コードGの言葉に黙りそうになる。その時、

 

ーーーー♪~♪~♪~♪~♪~♪~・・・・。

 

エンタープライズは後ろから聞こえる美しくも悲しい旋律に振り向くと、浜辺に重桜の刀や槍らしき武器が無数に突き刺さっており、その中心に重桜陸軍の軍服らしき服を纏った、指揮官と同い年くらいの青年が、ハーモニカを吹いていた。

 

「あなたは・・・・?」

 

「俺はーーーーただの風来坊さ」

 

風来坊と名乗る青年は演奏を止めると、エンタープライズに視線を向けて、フッと笑みを浮かべる。

 

「・・・・その剣や槍は、墓標か?」

 

「墓標なんて随分な言い方だな。コイツらはまだまだ現役なんだぜ」

 

「コイツら? まるで人間のような物言いだな?」

 

「そうだ。コイツらもアンタらと同じように、人の想いが形を成した存在さ。コイツらも、長い、長い年月を生きてきて、時に悲しい思いも、辛い思いもした。が、今もこうして生きて、それを楽しんでいるのさ」

 

エンタープライズは、その風来坊から滲み出る雰囲気が、まるで歴戦の勇士のように感じ聞き入っていた。

風来坊が一振りの刀の柄に手を置くと、その刀が淡く光り、いや、周囲の刀剣が光り始める。

 

「あなたは、迷ったりしたのか?」

 

「あぁ。長い間迷い、惑い、時には何もかも捨て去ろうとした。だが、彼女達が、そんな俺の手を握ってくれた」

 

風来坊がそう言った瞬間、何と触れていた刀や周囲の刀剣が人の姿へと変わった。重桜の趣向のある服装を着た少女達を、まるで自分達艦船<KAN-SEN>のような少女達に、エンタープライズは目を見開く。風来坊は言葉を続ける。

 

「彼女達が俺の手を握ってくれる。そして、彼女達が他の誰かと手を繋ぎ、そうして繋いだいった手は、紡いだ絆は、やがて大きな『輪』となり、世界を、宇宙を、未来を照らす光となる」

 

「未来を照らす、光・・・・」

 

「アンタのその手も、誰かと繋がっている筈だ」

 

エンタープライズは自分の手を見る。ほんの少し前の自分であれば、この風来坊の言葉を聞いても、何も見えなかっただろう。しかし、今ならば。

 

「ーーーー!!」

 

自分の片手が、カイン指揮官、ベルファスト、ジャベリン、ラフィー、ユニコーンと、アズールレーン艦隊の皆と繋がっている。そしてもう片方の手には、ホーネット、ハムマン、ヴェスタル、グリーブランド姉妹、ユニオン艦船の皆、そしてーーーーヨークタウンと、繋がっていた。

 

「そうか・・・・私も、繋がっていたのだな・・・・」

 

「それが分かったら進め! 闇を抱いて、光となれ! 揺るがぬ強い意思が、勝利への鍵だ!」

 

「・・・・ああ!」

 

エンタープライズは再びコードGを向いた。コードGは顔を俯かせ、目元は見えなくなっていた。

 

「私は行く。この航海の先にある『未来』を、掴む為に!」

 

そう言ったエンタープライズの身体から、光が立ち上る。

 

『その航海の先にある『未来』が、『絶望』である可能性も否定できない』

 

「しかし、立ち止まっていても、何も変わらない。まだ見ぬ『未来』を『希望』とする為に、私は進む!」

 

『そうか・・・・ならばーーーー』

 

コードGが言葉を囁くと、エンタープライズの視界が光り輝いたーーーー。

 

 

 

ー加賀sideー

 

「ここは・・・・?」

 

加賀は腕に着けた『ブルレット』から青い水が生まれ、それが九尾狐の形となり、トレギアに放とうとした瞬間、意識が真っ白に染まり、目を開けると、家屋のような部屋に机に座って何やらパソコンを弄っている、青い髪に眼鏡を掛けた少年がいた。

 

「お前は一体・・・・?」

 

「お互い、苦労するよなぁ。上の兄弟が無茶やると、下が貧乏クジを引く事になるんだからさ」

 

少年は眼鏡を外すと、髪の色と同じ青い瞳を加賀に向けてた。

 

「まぁちょっとした世間話だけどさ。アンタ、お姉さんに色々言いたい事あるか?」

 

「・・・・・・・・あるな」

 

「最後に、お姉さんと喧嘩したのはいつだ?」

 

加賀は何故かその少年の言葉に、素直に応じていた。

 

「天城さん、・・・・姉の大切な人がいなくなってからは、しなくなったな」

 

「大人になった、って言えば聞こえは良いが、お互い気を遣ってばかりじゃ疲れるぜ。兄弟姉妹なんだからさ。たまには喧嘩するするのも悪くない」

 

「そう、だろうか・・・・」

 

「俺なんて兄貴とたまに、いや、良く喧嘩するけどさ。それでも、一緒に戦って、支えあって、腹割って話して、語り合って、笑い合って、そうやって俺達は大切な人達を守り抜いてこられた。お互いの気持ちをぶつけ合うのも、大切な事だぜ。俺達兄弟なら、何だってできるって、思えるからさ」

 

「支え合う、か・・・・」

 

「俺達兄弟がそうだったように、アンタとお姉さん、二人の声が重なり合えば、どんな戦いだって乗り越えられる。固く結んだ手と手は、絶対に離すな!」

 

「・・・・ああ!」

 

加賀が少年の言葉に力強く答えると同時に、目の前が光り輝いた。

 

「「っ!」」

 

加賀とエンタープライズの視界に『オプトダクリス』を放った瞬間の、トレギアの顔が見えた。

先ほど見たのは、夢か幻だったのか、時間にすれば瞬きにも満たない時間、二人は意識が遠退いていたようだが、その眼には、最早一点の曇りのない光が宿っていた。

 

「利用してくれた借りを・・・・!」

 

「たっぷりと返してやる・・・・!」

 

エンタープライズが矢を放つと輪をくぐった矢が極大な光の矢となり、加賀が流水の九尾狐を突撃させた。

 

『な、何だとぉっ!?』

 

「諦めない! 前を見て! 限界を越える! 何度倒れても! 立ち上がる!」

 

「決して絆を諦めない! 決して明日を諦めない! この瞬間に起こった奇跡を!」

 

「「未来への希望を!!」」

 

『ぐはぁあああああああああああああああっ!!』

 

二人の放った攻撃が、トレギアの横面に叩き込まれ、トレギアの顔面が横に動き、『オプトダクリス』が放たれた。

 

『こ、この程度・・・・なっ!?』

 

『オプトダクリス』の発射された先にある物を見て、トレギアが驚愕した。

 

その先にーーーーアズールレーン艦隊と戦っていたセイレーン艦隊が、縦列に並び、尚且つそのさらに向こうに・・・・メガオロチがいたから。

 

 

 

ーオブザーバーsideー

 

『こ、これは・・・・!』

 

「まさか・・・・!」

 

オブザーバーと『オロチ』も、ウルトラマンと怪獣達の戦いに目が行っていて気付かなかった。

トレギアがエンタープライズと加賀によって顔をこちらに向けたその時、足元を見て驚愕した。

メガオロチの足元、 アズールレーン艦隊と交戦している筈の自分達の艦隊が、トレギアとメガオロチの間を、縦列になるように追い込まれていたのだ。

 

『まさか、ここまでもが作戦だったと言うのっ!?』

 

ウルトラマンタイガとメガオロチが並ぶように立ち回るようにタイタスとフーマが動き、それに合わせるようにアズールレーン艦隊とレッドアクシズ艦隊が戦いながら、セイレーン艦隊を誘導していた。

オブザーバーが驚愕の声をあげると同時に、トレギアが放った『オプトダクリス』が、メガオロチに向けて放たれた。

そして、その破壊光線の射線上にいたセイレーン艦隊も、空中にいるテスター達とピュリファイアー達も撃破されていき、破壊光線がメガオロチに当たりそうになる。

 

「む、無駄よ。メガオロチの障壁が「『共鳴<レゾナンス>』!!」何ですって!?」

 

今度は『オロチ』が驚愕の声をあげた。

トレギアの破壊光線が直弾するその刹那、足元の〈ノブレス・ドライブ〉を発動させた艦船<KAN-SEN>達が、『共鳴<レゾナンス>』を発動させたのだ。しかも、ロイヤルだけでなく、ユニオン艦船<KAN-SEN>の何人かも。

 

 

 

 

ークリーブランドsideー

 

「こ、こんな事が・・・・!」

 

クリーブランドと妹達は、バリアで守られたメガオロチをどうすればと迷っていた時に、カイン指揮官の指示を聞いた。

カイン指揮官からの指示はーーーーウルトラマンが現れた際、ウルトラマンタイガとメガオロチの間にセイレーン艦隊を縦列に並ぶようにしろ、だった。

始めは訳の分からない指示だと思ったが、この状況を見て、始めてその異図を理解した。

 

「指揮官は、これを狙っていたんだ・・・・!」

 

「姉貴! 仮面のウルトラマンの攻撃で、あのバリアが破られるのっ!?」

 

「アイツの攻撃が当たる寸前、ロイヤル艦船<KAN-SEN>が一斉に『共鳴<レゾナンス>』を放って威力を増大させるって言ってたけど!」

 

「これじゃ、足りないんじゃない?」

 

「・・・・そうだね、じゃぁ、私達も越えよう! 限界を!」

 

「「「っ! おー!」」」

 

クリーブランドの言葉に妹達が手を上げて答えると、クリーブランド姉妹の身体が光り輝く。

 

「こ、これって・・・・っ!」

 

周りを見ると、ホーネットとハムマンとヴェスタル、セントルイスにホノルル、ノースカロライナにワシントンの身体も、光り輝く。

 

「行ける・・・・! 皆! 行くよ!!」

 

『〈ノブレス・ドライブ〉!!』

 

全員がそう叫んだ瞬間、ユニオン艦船<KAN-SEN>達も、光のオーラを纏いそして・・・・。

 

「『共鳴<レゾナンス>』!!」

 

光の艦隊を出現させ、トレギアの破壊光線が当たる瞬間に砲撃を放つと、バリアに『オプトダクリス』と光の砲撃が、同じ箇所に同時に当たり、

 

ーーーーギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!! バリーーーーーーーーン!!!

 

と、激しい音を響き、バリアはガラスが砕けるような音を響かせながら砕け散ると、その光線はメガオロチの腹部に当たり、

 

『ヒギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!』

 

メガオロチは後ろに押し出されて行った。

 

 

 

ー加賀sideー

 

「っ! 加賀!!」

 

「言われずとも!」

 

バリアが砕けようとした瞬間、加賀は艦載機を動かし、メガオロチにいる姉の元へと飛んでいった。

 

「姉様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

そして、バリアが砕け散り、メガオロチの頭頂部に至ると、『オロチ』に捕らわれた赤城<姉>に、『ロッソブル』を投げ渡した。

すると、『ロッソブル』はまるで意志があるように赤城の手首に嵌められ、赤城の身体が、真っ赤な紅蓮の炎に包まれた。

 

「あ、赤城、ああああっ!!」

 

『オロチ』は赤城から離れた。

 

 

 

ー赤城sideー

 

赤城は炎に包まれかと思ったら、桜が満開に咲き乱れた並木道にいた。

 

「私、は・・・・」

 

「何やってんだよアンタ!」

 

「え・・・・?」

 

赤城が桜を見上げて黄昏ていると、赤い髪を逆立たせた、赤い瞳をした少年が立っていた。

 

「妹や仲間に、あんなに悲しそうな顔をさせて! そんな事が、アンタのやりたかった事なのかっ!?」

 

「わ、私、は・・・・」

 

「アンタの姉の言葉を、思い出して見ろ!」

 

「っ!」

 

赤城の脳裏に、天城の言葉が甦った。

 

【二人で力を合わせて、重桜を守るのよ】

 

そうだ。天城は、加賀と力を合わせろと、言っていた。こんなやり方じゃない。

 

「私は、何て事を・・・・!」

 

加賀を取り残し、重桜を裏切り、尚且つ、愛しい指揮官の信頼に泥土を塗って蹴ってしまった。

自分のやってしまった事に、赤城は絶望しそうになる。が、少年は声を張り上げる。

 

「アンタに俺達兄弟の言葉を教えてやる。【兄弟、力を合わせれば、何でもできる!】だ! アンタには妹だけじゃなくて、あんなに仲間達がいるんだ! アンタを助けようと戦おうとしている人だっているんだ! アンタは、皆に愛されているんだ!」

 

「私が、皆に・・・・ならば、私のやるべき事は一つ!」

 

そう言った赤城の目の前が光り輝くと。

そして、『オロチ』が赤城に近づく、

 

「赤城・・・・」

 

「・・・・つまでも・・・・」

 

「えっ?」

 

「いつまでも、天城姉様のフリをするつもりなの、『オロチ』!!」

 

「っ!」

 

赤城が艤装を展開されて燃える札を放つと、『オロチ』はそれを手で払った。

 

「あらあら赤城。正気に戻っちゃったのね」

 

「・・・・加賀を取り残した事を悔いるのも、重桜を裏切った事を嘆くのも、指揮官様の信頼に泥土を塗って踏みにじった事を慚愧するのもーーーーあなたを始末してからよ。『オロチ』!!」

 

「姉様!」

 

『ダァメ』

 

「っ、邪魔だ!」

 

加賀が赤城の元に行こうとするが、オブザーバーが立ち塞がり、空中で戦う。

 

「加賀!」

 

「あらあら、余所見は駄目よ赤城」

 

「っ!」

 

赤城が『オロチ』を睨むと、『オロチ』は天城の姿から、その様相を変えていく。

セイレーンらしく青白い肌、白髪の髪を後ろにストレートに流し、衣服は身体にピッチリしたボロボロのレザースーツに、天城や赤城に負けず劣らずのプロポーションと高雄や愛宕位はある大きな胸をした、二十代前半の成人女性。

が、その背面には、九尾の尻尾ではなく、八頭の蛇の機械が動いており、まるでヤマタノオロチのような艤装を付けた姿。

 

「それが『オロチ』、あなたの本当の姿・・・・!」

 

『ウフフフ・・・・』

 

『セイレーン オロチ』は、艤装の蛇達の口からレーザーを放ち、赤城は宙を飛んで回避した。

メガオロチの頭頂部で、赤城とオロチ、加賀とオブザーバーの戦いが繰り広げられる。

 

 

 

 

 

 

ートレギアsideー

 

『バ、馬鹿な!? こんな・・・・!』

 

加賀が赤城に『ロッソレット』を渡すのとほぼ同時の頃。

トレギアは、目の前の現実が信じられなかった。トレギアのように計算高く、狡猾な相手ほど、自分にとって想定外の事態に直面するのが苦手なのだ。

すぐに『オプトダクリス』を解除すれば良かったのに、状況に困惑した思考が邪魔になり咄嗟の判断が遅れてしまうと判断したカイン指揮官の読みがズバリ的中したのだ。

 

『き、貴様ぁ!』

 

 

トレギアはせめてもの抵抗に、腕を伸ばしてカイン指揮官の妨害をしようとするが、その伸ばした腕の指先も僅かに届かず、カイン指揮官はトレギアにまるで目を向けず、タイガのカラータイマーへと向かう。

 

『無駄だトレギア。我々はお前の相手をしている暇はない!』

 

『俺達の目的は、ただ1つ!』

 

「タイガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!」

 

カイン指揮官が叫ぶと、腕に付けた『新たなブレスレット』が光り、タイガのカラータイマーの中へと入っていった。

 

『お、己ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』

 

トレギアは呪詛のような声を叫びながら、海面へと仰向けに倒れた。

 

 

 

 

ーカインsideー

 

そして、血のように赤黒い空間になったタイガのインナースペースに到達したカイン指揮官は、力なく佇むタイガを見つけると、

 

「目を覚ませぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」

 

ーーーーバキッ!

 

『っっ!!!???』

 

タイガの頬に拳を叩き込んだ。

 

『ぁ・・・・ぁぁ・・・・』

 

倒れたタイガにカイン指揮官はゆっくりと近づき、腰を下ろして目線を合わせる。

 

「お前の求めていた力はこれか!? 闇の力なのかっ!?」

 

『・・・・・・・・(コクン)』

 

タイガは小さく頷く。が、カイン指揮官は声を発する。

 

「こんな力で親父さんに勝てると思うな! 本当の力には、『誰かを助けたい』と言う強い想いが籠っているんだ! だからこそ! ジャベリンもラフィーと、綾波も! 新たな可能性を引き出せたんだ!」

 

『・・・・・・・・』

 

カイン指揮官はタイガの両腕を掴んで立たせた。

 

「ーーーーお前は一人じゃない! 俺がお前で! お前が俺だ!」

 

『・・・・トモ、ユキ・・・・?』

 

タイガがそう呟いた瞬間、インナースペースが光に満たされ、真っ白い空間になり、カイン指揮官の腰に、『タイガキーホルダー』が戻った。

すると、カイン指揮官の後ろから、タイタスとフーマが現れた。

 

『・・・・ぁ・・・・トモユキ・・・・! タイタス・・・・! フーマ・・・・!』

 

そして、フーマとタイタスとトモユキの三人が、タイガを真っ直ぐ見据えて声を張り上げる。

ーーーー誓いの言葉を。

 

『生まれた星は違っていても!』

 

『共に進む場所は一つ!』

 

「永遠の絆を胸に!」

 

『我ら四人ッ!』

 

『『『「トライスクワッド!!」』』』

 

[カモン!]

 

タイガとタイタスとフーマが手を重ねると、カイン指揮官がタイガスパークを起動させ、スパークの結晶部分が碧色の光を灯し、新たなブレスレット、『トライススクワッドレット』を嵌めた手をタイガ達に重ね、タイガスパークで読み込む。

 

[トライスクワッドレット! コネクトオン! トライスクワッドミラクル!]

 

すると、タイガとタイタスとフーマの手から、赤、黄、青の光が結晶部分に集まり、光が飛び出すと、光が弾け、炎の刀身をした剣が現れ、カイン指揮官が握った。

 

 

 

ータイガsideー

 

『なっ!? い、今のは・・・・!!』

 

漸く起き上がったトレギアが目にしたのはーーーー。

四体の怪獣とメガオロチ、そしてセイレーンの残存艦隊と戦うエンタープライズ達、アズールレーン艦隊と瑞鶴達レッドアクシズ艦隊が目にしたのはーーーー。

メガオロチの頭頂部でオロチに追い詰められた赤城と、その周囲でオブザーバーと戦い、赤城から離されていく加賀が目にしたのはーーーー。

長門とQ・エリザベス率いる増援艦隊が目にしたのはーーーー。

戦闘を中断したセイレーン達が目にしたのはーーーー。

 

『・・・・・・・・』

 

右手にタイガスパークを出現させ、カラータイマーが赤から青に変わった、ウルトラマンタイガだった。

 

『シャァッ!!』

 

タイガが飛ぶと、メガオロチの頭頂部でオロチに追い詰められた赤城と加賀をその手に掴まえた。

 

「姉様!」

 

「加賀・・・・ごめんね」

 

「いえ、いえ、姉様・・・・!」

 

タイガの手の平の上で、お互いに目に涙を浮かべて喜び合う。

そして、赤城と加賀がタイガを見上げる。

 

「あっ・・・・・・・・指揮官、様?」

 

赤城のその目には、タイガの姿がカイン指揮官に見えたのだ。

 

「そうーーーー指揮官様が、助けに来てくれたのね・・・・?」

 

「ええ・・・・!」

 

タイガは二人を瑞鶴達、重桜艦隊に預け、メガオロチと四体怪獣に向き直る。

そして、その場にいる全員が、タイガの声を聞いた。

 

『俺はタイガ! ウルトラマンタイガだっ!!』

 

『~~~~!!!』

 

トレギアが忌々しそうに身体を震わせた。

 

『「行くぜタイガ!!」』

 

『ああ! トモユキ!!』

 

『「タイガトライブレード!」』

 

トモユキが『トライブレード』のスイッチを押して起動させると、柄の回転盤に手を添える。

 

『「燃え上がれ! 仲間とともに!!』

 

回転盤を回すと赤い火花が飛び散り、刀身内で炎が渦を巻くように先端へ上っていき、頂点に到達した。

 

『『『「バディ・・・・ゴーーーー!!!!」』』』

 

トモユキの動きに合わせて、タイガとタイタスとフーマが、トライブレードを天に掲げ、スイッチを押した。

 

『ふざけるなぁ!!』

 

トレギアがタイガを捕まえようと迫ったその瞬間、タイガの身体が紅蓮の炎に包まれ、空高く飛び上がる。

 

『なにッ!? ぐぁああああああああああああああああああああああっっ!!!』

 

炎を受けたトレギアは全身が燃え、海面に倒れ込んだ。

そしてーーーー赤と黄と青の光が合わさり、タイガが新たな姿へと変わった。

 

『セヤッ!』『フンッ!』『シャァッ!!』

 

三人の声が交互に発し、タイガの身体が炎の渦に包まれ、海面に舞い降りた。

 

『っ!!』

 

その場にいた艦船<KAN-SEN>達もセイレーン達も目を見開いた。炎の渦の中から現れたのは赤い身体に銀と青の炎のような形のプロテクターを纏い、ウルトラホーンが伸び赤くなり、その手にはトライブレードを出現させて手に持つ、新たな光の戦士の姿をーーーー。

 

『俺は、ウルトラマンタイガーーーー『『「トライストリウム!!」』』』

 

今、三人の光の戦士と、一人の人間の友情の絆が爆熱し、紅蓮の戦士が誕生した。

 




次回、クライマックス!


ー『セイレーン オロチ』ー

CV.早見沙織(鬼滅の刃・胡蝶忍 魔法科高校の劣等生・司波深雪)

容姿は、スーパーロボット大戦30のミツバ・グレイヴァレーの髪を下ろしセイレーンの様にして、バストサイズがベルファストに高雄に愛宕に翔鶴くらいにした容姿。

機械でできたヤマタノオロチのような艤装をし、噛みつきは勿論、口からレーザー、目から機関銃を放つ。
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