アズールレーンT   作:BREAKERZ

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【故郷】再び戻った場所

ーカインsideー

 

「ん~~~!! いやぁ! ひっさしぶりの重桜<故郷>の海だなぁ!」

 

「『メガオロチ戦役』以来です」

 

駆逐艦・綾波の船首で潮風に当たりながら、カイン指揮官は身体を伸ばし、記憶が戻ってから漸く帰郷する重桜の潮風を感じており、その隣では綾波が同意していた。

 

「「「綾波(ちゃ~ん)! 指揮官(お兄ちゃん)!」」」

 

と、カイン指揮官と綾波の故郷に行ってみたいと言う事で、ジャベリンとラフィーとユニコーンも一緒に来ていた。

 

「「「綾波~! 指揮官~!」」」

 

さらに時雨に夕立に雪風がやって来た。

 

「ああ皆どうした?」

 

「綾波! 夕立達と組むよな!?」

 

「え?」

 

「綾波ちゃん! 私達と組むよね!?」

 

「え?」

 

「「どっちと組むの!?」」

 

「な、何の事です?」

 

夕立とジャベリンが綾波に向かって良く分からない事を言い出し、綾波も戸惑っていた。

カイン指揮官がやれやれと言わんばかり綾波に詰め寄るジャベリンと夕立の首根っこを掴んで綾波から引き剥がした。

 

「主語を言え二人共」

 

「「わぅ」」

 

首根っこを捕まれ持ち上げられた際、ジャベリンも夕立のような犬耳と尻尾が生えたように見えたが多分気のせいだろう。カイン指揮官はラフィーとユニコーン、時雨と雪風に顔を向ける。

 

「それで、君達は綾波に何をお願いしに来たんだ?」

 

「あぁ実はね。折角久しぶりに重桜母港に戻るんだから、皆でビーチバレーでもしようって言ったんだけど、綾波を私達のチームか、ジャベリン達のチームに入れるかで、夕立とジャベリンがもめちゃったのよ」

 

「綾波は重桜の艦船<KAN-SEN>だぞ! 夕立達のチームに入るべきだ!」

 

「綾波ちゃんも夕立ちゃんだってアズールレーンでしょ! それにバランス的に綾波ちゃんは私達のチームだよ!」

 

カイン指揮官は確かにそうだと思った。ビーチバレーのようなスポーツをやるとしたら、チームのパワーバランスを考えてジャベリンの言う事も一理ある。

夕立は勿論だが、時雨も雪風も運動神経は良い方。だが、ジャベリン達のチームはユニコーンはスポーツ苦手だし、ラフィーもスポーツは乗り気じゃない性格だ。バランス的に考えれば綾波がジャベリンチームに入れば丁度良くなる。

しかしーーーー。

 

「夕立。最近綾波がジャベリン達とばかり一緒にいて、自分達に構ってくれなくなったからって、困らせるのはどうかと思うぞ?」

 

「わ、わうっ!?//////」

 

「え?」

 

カイン指揮官にそう言われて、夕立は顔をほんのり紅くし、時雨と雪風はあちゃーと言わんばかりに片手で顔を覆い、綾波とジャベリン達は目をパチクリさせた。

 

「そうだった・・・・です? 夕立?」

 

「わ、わぅぅぅぅぅぅ~!//////」

 

夕立は恥ずかしそうに顔を真っ赤にすると暴れて、カイン指揮官の手から逃れると、そのまま逃げ出してしまった。時雨と雪風がやれやれと肩を竦めながら追いかけていった。

 

「あらら、行っちゃったか」

 

「夕立ちゃん。私達が綾波ちゃんを取っちゃったって思ったんだ・・・・」

 

「綾波。最近夕立達と遊んだか?」

 

「あう・・・・重桜の他の皆が早くアズールレーンに馴染んでくれるように働いていたら、遊んでいなかった気がするです」

 

「ふむ。じゃ折角重桜母港に戻るんだから、構ってやれよ」

 

「はいです」

 

「えぇ~、でもそれって、ビーチバレーで綾波ちゃんが私達の相手になるって事?」

 

「まぁそうなるな・・・・」

 

「そんなぁ~。指揮官、私達のチームに入って下さいよぉ~」

 

「う~ん、そうしたいのは山々・・・・はっ!」

 

と、ソコでカイン指揮官はある事に気づいた。ビーチバレーと言う事は、ジャベリン達も綾波達もーーーー水着になるかも知れないと言う事だ。

時雨と夕立は小柄だが、ナイスバディと言っても良いくらいのプロポーションだし、雪風はさらに小柄だが、出る所はしっかり出てるし、綾波も胸は平均的だが、均整の取れたプロポーションだ。目の前のジャベリンも綾波に負けず劣らずだし、ラフィーはロリータ体型も悪くない。さらにユニコーンに至ってはロリ巨乳だ。この面子が水着姿でビーチバレーで激しく動く。それはもう色々な箇所が揺れるし弾むだろう。

 

「(これは是非とも拝みたいっ!!)」

 

≪おいおい≫

 

≪コラコラ≫

 

≪しっかりスケベも元通りだな・・・・≫

 

トライスクワッドの三人も呆れながらカイン指揮官を見ていた。

 

「にゃ~! 次は甲板の掃除にゃ! キリキリ働くにゃ!」

 

『『ひぃぇぇぇぇ!』』

 

と、ソコで明石にケツを蹴られながら甲板にモップ掛けをさせられていたマグマ星人とマーキンド星人がやって来た。ついでに、二人の監視役であるシェフィールドとシリアスも。

 

「おいおい明石、あんまり無理に働かせ過ぎるなよ。過労で倒れたらどうする?」

 

『そうそう! そうだよなっ!?』

 

『もっと言ってやって下さいよ! カイン・オーシャン指揮官閣下様!』

 

カイン指揮官を味方に付けようと、カイン指揮官の背中に隠れる、泣く子も黙る〈ヴィラン・ギルド〉の構成員二人。

 

「もうすぐ重桜母港に着くにゃ! 着いたらすぐにコイツらが隠れていた洞窟ドッグに行って、明石の作った潜水艦を探すにゃ! もし潜水艦が壊れていたにゃらコイツらに弁償させるつもりにゃ! だから今の内にジャンジャン働かせて弁償金を稼がせるにゃ!」

 

「だから重桜母港に行くって言い出したのか・・・・それで、シェフィとシリアスも監視役として着いてきたと」

 

「「はい」」

 

「う~む・・・・でもさ明石。まだ潜水艦が壊れていると限らないんだしさ。重桜母港に着くまでは休息を与えてやれば良いんじゃないか?」

 

「何言ってるにゃ! 仕事はまだまだ山積み「それは明石がやれば善いのでは?」明石がサボる為にも、この二人をあくせく働かせて・・・・って、にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 不知火<ぬいぬい>っ!?」

 

「そんな事だろうと思いました。さ、行きますよこの大ウツケ」

 

「にゃぁ~~・・・・」

 

背後からニュッと現れた不知火に仰天する明石。不知火はそんなリアクションに構わず、半泣きになった明石の首根っこを掴んで引きずっていく。

 

「ふぅ~。さて、マグマ星人。マーキンド星人。重桜母港に着くまでーーーー」

 

『おおっ! たっぷり寛がせて貰うぜ!』

 

『いや~! 海風に煽られながらの旅と言うのも乙ですなぁ~』

 

マグマ星人とマーキンド星人は、何処から出したのかビーチチェアに寝そべり、サングラスまでかけて、更に言えばトロピカルジュースを飲みながら寛いでいた。

 

「コイツら・・・・」

 

あまりにツッコミ所満載の姿に、カイン指揮官だけでなく、トライスクワッドも綾波達も、脱力したように肩を落とした。

 

 

 

 

ー瑞鶴sideー

 

「何だか向こうが賑やかだね」

 

「また指揮官の方で皆が大騒ぎしているんでしょう」

 

駆逐艦・綾波の隣で進んでいる空母艦・赤城の甲板で、カイン指揮官達の方を見て、瑞鶴と翔鶴が微笑ましそうに会話していた。

 

「でも、それよりーーーー」

 

翔鶴が笑みを引っ込めると、半ば呆れた顔で前方の水平線に顔を向けている赤城と加賀を見据える。

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

赤城と加賀は、カイン指揮官達の方に見向きもしないで水平線を眺めていた。

 

「赤城せんぱ~い。加賀せんぱ~い。いつまで黄昏ているんですかぁ? 指揮官達の方、楽しそうですよぉ。指揮官が他の子達とイチャイチャしてますよぉ? 何もしなくて良いんですかぁ赤城せんぱ~い」

 

「ちょっと翔鶴姉・・・・!」

 

明らかに煽っている翔鶴に、瑞鶴は押さえようとするが、翔鶴は止まらない。

 

「いつまでもウジウジしてられてもこっちは迷惑なんですよねぇ。もう指揮官も許してくれたし、私達重桜の皆やアズールレーンの皆さんも許してくれたのに、いつまでも引きずっちゃってもう」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

が、赤城はそんな煽りに何の反応も示さず、加賀を連れて甲板から去っていった。

 

「・・・・全く。張り合いが無いわね」

 

「赤城先輩や加賀先輩が、重桜母港に戻って気分晴らしになれば良いと思って、指揮官は二人も連れ出したのに」

 

「あの様子じゃ、逆効果になっちゃうかもねぇ。自分達のやらかした事を直視する事になるから」

 

五航船の二人未だに本調子でない一航船の先輩の事を気にかけていた。

 

 

 

 

ーカインsideー

 

「重桜母港よ! 私は帰ってきた!!」

 

重桜母港に到着し、母港の大地を踏みしめながら、カイン指揮官は大仰に両手を広げて叫んだ。

 

「指揮官。一度は戻ってきたです」

 

「あの時は記憶が無かったからノーカン!」

 

綾波がツッコミを入れるが、カイン指揮官はそう返した。

 

「さて、ここから物資輸送艦から和菓子の材料を受けとる手筈になっているけど・・・・」

 

「まだ来てないみたいね」

 

「それじゃ綾波。ジャベリン達に母港を案内して。時雨、夕立、雪風。綾波だけじゃ大変だろうから手伝ってやれよ」

 

「「「っ! 了解!」」」

 

夕立達は嬉々とした様子で綾波達を連れて母港へと向かって行った。

 

「にゃぁ指揮官。明石達は一足先に洞窟ドッグに行ってるにゃ」

 

「ああ。潜水艦も大事だが気を付けろよ。落盤の危険が無いじゃないからな」

 

「了解にゃ。さぁ! キリキリ歩けにゃ穀潰しコンビ!」

 

『『ぎゃぁっ!』』

 

明石は寛ぎスタイルになっていたマーキンド星人とマグマ星人を引きずって、洞窟ドッグへと向かった。勿論、シェフィールドとシリアスも同行した。

 

「やれやれ。赤城、加賀。俺の執務室にある書類等も持っていこう」

 

「わ、私達が、ですか・・・・?」

 

「重要書類とかもあるんだから、赤城達くらいしか分からないだろう? 俺だけだと夕方になっちまうよ」

 

「了解した」

 

「はい・・・・」

 

カイン指揮官は赤城と加賀を連れて、執務室へと向かった。

 

 

 

ー瑞鶴sideー

 

「指揮官・・・・」

 

「いやぁ~久しぶりだなぁ重桜母港!」

 

「故郷に帰った来たって感じだな」

 

翔鶴と瑞鶴がカイン指揮官と赤城と加賀を見送ると、その後ろから、伊勢と日向、酒飲み姉妹が現れた。

 

「さぁて、行くか伊勢!」

 

「そうだな」

 

「あら、二人とも何処へ?」

 

「いやな、ロイヤルのワインやユニオンのウィスキーとかも良かったけどよ。やっぱ重桜の酒が飲みたくなってさぁ」

 

「こっちに残しておいた酒とかも持って帰ろうと思ってな」

 

「重桜母港に行きたいって言い出したのはそれが理由だったんだ・・・・」

 

「そう言う訳だ。翔鶴達も、こっちに置き忘れていた物があるなら、今の内に持ち出しておけよぉ」

 

伊勢はそう言いながら手をヒラヒラと振り、日向と一緒に酒蔵に向かっていった。

 

「・・・・私達も片付けしとく?」

 

「そう、だね。でも、この母港・・・・“封鎖されちゃうんだよね”」

 

「・・・・そうね」

 

『メガオロチ戦役』の発端となった重桜母港。上層部が他国との対面的にも政治的にも、ここを残しておくのは不味いと考え、封鎖する事にしたのだ。

が、ここで良くも悪くも多くの思い出を作ってきたカイン指揮官<トモユキ指揮官>と重桜艦船<KAN-SEN>達から言わせれば冗談ではない。だが、重桜艦船<KAN-SEN>達はアズールレーン母港にいる上に、重桜軍からは行方不明扱いにされているトモユキ指揮官では意見が中々通らず、取り敢えず『メガオロチ戦役』のほとぼりが冷めきるまでの一定期間の封鎖と言う事で話を通した。

翔鶴と瑞鶴は、封鎖される母港に哀愁を感じていた。

 

 

 

ーカインsideー

 

海守トモユキ指揮官の執務室にて、アルバムやら重要書類を選定しているカイン指揮官と赤城と加賀。さらに饅頭達には家具類等の運搬を任せている。

 

「ふぅ・・・・大分片付いたな」

 

「そうだな」

 

「・・・・はい」

 

加賀もアルバム等を段ボールに詰め終え、赤城も書類を封筒に入れた。

 

「・・・・赤城」

 

「は、はい」

 

カイン指揮官に呼ばれ、弱冠ビクッとなりながら応じる赤城。

 

「『メガオロチ戦役』から一ヶ月あまり、君達二人は重桜の信頼回復の為に怪獣騒動で先鋒を切って戦ったり、仕事の方も朝早くから夜遅くまで他の皆の倍は働いてくれている。重桜の皆もだけど、アズールレーンの皆だって、もう君達を怒っていないぞ。勿論、俺もな」

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

「もう良い加減ーーーー自分を許してやれよ」

 

「「っ・・・・」」

 

そう、赤城と加賀が許しておけないのは、カイン指揮官と重桜の仲間達を裏切った自分達を許せないのだ。

 

「指揮官様・・・・ですが、私達は・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

それでも、自分を許せない赤城と加賀に、カイン指揮官が小さくため息を吐いて話そうとしてその瞬間ーーーー。

 

 

ーーーーギィィィィィィィィィィィッ!!

 

 

「っ! 今の音、嫌、雄叫びか?」

 

「「っ!」」

 

三人は外から聞こえる雄叫びに、窓から外を見るとソコにはーーーー。

 

「え、閻魔大王っ!?」

 

何と、重桜の昔話に出てくる地獄の支配者、閻魔大王に似た巨大な生命体が現れた。

 

 

 

 

 

ー明石sideー

 

数分前。

 

「さ、ここの何処に明石の潜水艦があるにゃ?」

 

『あぁ、確かあの辺りだったかぁ?』

 

洞窟ドッグにやって来た明石達は、艤装を展開して海面を進んでいた。ドッグは最早以前と異なり、天井の岩が全て砕け太陽の光が注ぎ、青空まで見えている。砕け落ちた岩は海に落ちていたりドッグ周辺に散らばっていたりしていた。普通の艦で来ていれば岩礁のようになっている海に足を取られているだろう。

 

『おおっ! 見てくださいマグマ! あれを!』

 

『あん? おおっ!』

 

マーキンド星人が指差す方を見ると、放逐されていた艦が岩に上部がほとんど潰れていたが、船隊の横に空いた小さな穴の中に隠していた小型潜水艦がほぼ無傷の状態で浮いていた。どうやら艦が防護壁になってくれていたようだ。

 

『あったあった! ほぼ無傷であったぜ!』

 

『良かった良かった!』

 

マグマ星人とマーキンド星人、そして明石が潜水艦の状態を確認すると。

 

「やったにゃ! 船体は無傷にゃ! 燃料も十分あるにゃ!」

 

『『いやっほぅ!』』

 

明石がマグマ星人とマーキンド星人とハイタッチする。

 

「良し! ここまで安全に行けるルートも見つけてあるにゃ。明石達か誘導するかにゃ、オミャーら付いて来るにゃ」

 

『『了解!』』

 

明石の指示に従い、マグマ星人とマーキンド星人は潜水艦に乗船した。

さぁ行こうとしたその時、シリアスが顔を上げて別の方に目を向けていた。

 

「シリアス。どうしました?」

 

「シェフィールド。明石さま。アレは何でしょう?」

 

「ん?」

 

「にゃ?」

 

『『あん?』』

 

シェフィールドと明石が目を向け、潜水艦からマグマ星人とマーキンド星人の声が発すると、岩壁の一部が崩れており、ソコからなんとーーーー真っ赤に充血した『眼』が、此方を睨んでいた。

 

『ギィィィィィィ・・・・!!』

 

「や、やな予感にゃ・・・・!」

 

明石がそう呟くと同時に、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・っと、洞窟ドッグが揺れ始め、『眼』がある岩壁が崩れてきた。

 

「た、退避! 退避にゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

『『ぎゃあああああああああああああ!!』』

 

明石の声と潜水艦の二人の悲鳴が重なると同時に、その場にいた全員が逃げ出した。

 

『ギィィィィィィィィィィィッ!!』

 

そして、岩壁を砕いて現れたのはーーーー重桜の昔話に登場する、閻魔大王にそっくりな様相をした怪獣が現れた。

 

 

 

ーカインsideー

 

現在。

 

「何だぁっ!? 閻魔大王が戦争を続ける人類に天誅を下しにやって来たのかっ!?」

 

『違う! あれは閻魔大王ではないっ! 『えんま怪獣エンマーゴ』だ!!』

 

『あの怪獣は! かつて俺の親父、ウルトラマンタロウが苦戦した怪獣だぜっ!』

 

『重桜にあんなのがいたのかよっ!?』

 

驚くカイン指揮官の周りに、小さな思念体となったトライスクワッドが現れて解説した。

 

《指揮かーん!》

 

カイン指揮官の通信端末から、明石の切羽詰まった声が響いた。

 

「明石! 何が起こったんだ!?」

 

《洞窟ドッグの岩壁から、あの怪獣が突然現れたんだにゃ! 何とかしてにゃーーーー!!》

 

「分かった! すぐに何とかしてみる!」

 

[カモン!]

 

カイン指揮官が通信を終えると、タイガスパークを起動させた。

 

「赤城! 加賀! すぐに皆を集めて援護をしてくれ!」

 

「「了解!」」

 

二人が応じると、腰にある『タイガキーホルダー』を掴むと、タイガの象徴たる赤いインナースペースが展開される。

 

「光の勇者! タイガ!!」

 

『ハァァァァァ・・・・ハァッ!!』

 

「バディィィィゴーーーー!!」

 

[ウルトラマンタイガ!]

 

『シュアッ!!』

 

光の勇者、ウルトラマンタイガへと変身した。

 

『シュワッ!!』

 

タイガがタイガキックをエンマーゴに繰り出した。

 

『ギィィィィィィ!』

 

が、エンマーゴの右手に刀が、左手に円形の盾が現れ、盾でタイガのキックを防いだ。

 

『うわっ!』

 

反動で跳ね返ったタイガは海面に着地した。

 

『いってぇ~~!!』

 

『「タイガ! 長期戦は母港にも被害が出る! 一気に終わらせよう!」』

 

『つぅ~! よしっ!』

 

痛みが引いたタイガは、必殺光線『ストリウムブラスター』を放つ。

 

『ストリウム、ブラスター!!』

 

『ギィィィィィィ!』

 

が、盾によって防がれてしまった。

 

『何っ!?』

 

『「ストリウムブラスターを受け止めるとは、なんて強固な盾なんだ!」』

 

『トモユキ! もっと強力な攻撃だぜ! 〈フォトンアース〉だ!』

 

『「ああ!」』

 

[カモン!]

 

すぐに『フォトンアースキーホルダー』を手に取り、タイガスパークを翳した。

 

[アース!][シャイン!]

 

『「輝きの力を手に!」』

 

キーホルダーを握ると上部が二又に開いて光り輝く。

 

『はぁぁぁぁぁっ!!』

 

「バディーーーーゴー!」

 

[ウルトラマンタイガ フォトンアース]

 

『シュアッ!!』

 

フォトンアースとなったタイガは必殺光線を放つ。

 

『『オーラムストリウム』ッッ!!!』

 

腕から放たれる金色の光エネルギーが、エンマーゴに放たれたーーーーが、

 

『ギィィィィィィィィィィィッ!!』

 

またしても盾に防がれ、エンマーゴ自身は少し光線に威力に後退りしてしまっただけであった。

 

≪オーラムストリウムでも効果ないのかっ!?≫

 

≪反則級だな!≫

 

『ギィィィィィィィィィィィッ!!』

 

驚くタイガ達だが、エンマーゴは刀を振り回し、タイガに斬りかかる。

 

ーーーーザシュン!

 

『うわっ!』

 

少し一太刀を浴びて、タイガは後ろに退くと、斬られた箇所を見て、さらに驚く。

 

『フォトンアースに、傷を付けたっ!?』

 

そう、エンマーゴの刀の切れ味は、フォトンアースをも上回っていたのだ。

 

『ギィィィィィィィィィィィッ!!』

 

『「タイガ!」』

 

『くっ!』

 

刀を振り回して迫り来るエンマーゴに、タイガは苦い声を上げて回避するのであった。

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