ータイガsideー
『ギィィィィィィッ!!』
『うわっ! くっ! うぉっ!』
タイガはエンマーゴの剣を回避し続けながら後退するしかなかった。フォトンアースのアーマーを傷をつける程の切れ味のエンマーゴの剣とマトモに相手をするのは危険である上に、タイガの必殺光線も弾き飛ばす盾に攻めあぐねていた。
最強形態・『トライストリウム』になりたくても、この隙のない剣戟に邪魔されている。
『ちっ! 『スワローバレット』!!』
『ギィィィィッ!』
『スワローバレット』で牽制するが、盾によって防がれる。
『ギィィィィッ!』
『やっぱりダメか! うわぁっ!!』
再びエンマーゴが剣を振り、時には突き刺そうと剣を突き立てて来て、タイガは後退しながら回避するが、アーマーに少しずつ刃が掠り、フォトンアースのアーマーは細かい傷だらけになっていった。
『ギュワワワ! ギュワワワ!』
≪野郎! 笑ってやがるぜ!≫
フーマの言うとおり、エンマーゴは防戦一方のタイガを嘲笑うかのように身体を震わせていた。
そしてエンマーゴは、重桜母港に向けて口から、『黒煙ブラックスモーク』を吐き出した。
それを浴びた瞬間、艶やかに咲き誇っていた重桜の桜が、朽ち果てていった。
≪なんと! あれほど美しかった桜を枯らすなど!≫
『「風情もへったくれもない怪獣だっ!」』
カイン指揮官とタイタスが憤慨する。
ー赤城sideー
と、タイガを援護しようと駆けつける艦船<KAN-SEN>達では。
「あの閻魔大王擬き! せっかくの桜になんて事をしやがる!」
「風情と言う物を知らない怪獣だな」
伊勢と日向がカイン指揮官とタイタスと同じような台詞をエンマーゴに向けて毒づいていた。
「綾波! どうすんの!? 指揮官達ピンチじゃない!」
「落ち着くです時雨。綾波達にもできる事はあるです」
時雨を落ち着かせようと、綾波が宥めると、翔鶴と瑞鶴の五航船姉妹が前に出る。
「タイガが攻めきれないのは、あの盾が邪魔だからなのは明白ね。私達でどうにかあの盾を破壊できれば、反撃の糸口が生まれる筈だと思うけど」
「でも翔鶴姉ぇ。あの盾って、タイガの光線を弾き飛ばしちゃうよ? 私達が〈ノブレス・ドライブ〉しての〈共鳴<ハウリング>〉でも壊せるかどうか・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
妹の瑞鶴の言葉に、翔鶴は顎に手を当て難しい表情を浮かべながら思案を巡らせる。
と、ソコで。
「ーーーー策ならあるわ」
「・・・・・・・・」
「赤城先輩! 加賀先輩!」
赤城と加賀。『メガオロチ戦役』から作戦会議にも口を出さずにいた二人が、遂に前に出た。
瑞鶴や他の重桜艦船<KAN-SEN>達も顔に喜色を浮かべるが、ただ1人、翔鶴は訝しそうに眉根を寄せて口を開く。
「今まで何にも言わず、命令待ちだった先輩方が、一体どういう風の吹き回しですかぁ?」
「ち、ちょっと翔鶴姉ぇ!」
姉の言いように瑞鶴が声を発するが、赤城と加賀はエンマーゴに苦戦するタイガを見上げてから、翔鶴達に目を向けた。
「確かに我々が口を出す資格はない。どんなに取り繕っても、重桜を裏切った事には変わりないからな」
「しかし、重桜や指揮官様への想いは本物よ。重桜母港を汚し、指揮官様に害となるならば、『ソウジ』しなくてはね。勿論、指揮官様にくっついている『三馬鹿』も、ついでに助けましょう」
『さ、三馬鹿って・・・・』
恩人であるトライスクワッドの三人に対する言いように、ジャベリン達ロイヤル&ユニオンはヒクついた笑みを浮かべ、重桜艦船<KAN-SEN>達は、漸く赤城が本調子に戻ってきた事に苦笑する。
赤城はそんな一同に向けて『策』を伝え、全員が頷くと行動を開始する。そして赤城が通信機でカイン指揮官へと通信した。
「指揮官様」
《赤城か、 “何か『策』があるんだな”?》
「っ・・・・はい」
すぐに赤城の意図を察してくれた。それは赤城の事を信頼してくれている証である。その事に赤城は嬉しい感情を抑え『策』を伝えた。
《分かった。タイミングは赤城に任せる。信じるよ赤城》
「はい」
赤城は通信を終えると、加賀と頷き合い共に動いた。
ーカインsideー
『「と言うわけだ! やるぞタイガ!」』
『たくっ、赤城さんって本当に人使いが荒いな!』
『ギィィィィッ!』
等と会話していると、エンマーゴが剣を上から切り下ろし、タイガの頭から真っ二つにしようとしたーーーー。
『グッド、タイミング!!』
ーーーーパシッ・・・・!
が、タイガはエンマーゴの剣を、両手で真剣白羽取りをした。
『ギィッ!?』
『へっ! どんな物だ!』
『ギィィィィッ!』
『ぐはっ! ぐっ! まだまだぁっ!!』
エンマーゴは離せと言わんばかり盾でタイガを殴り付けるが、タイガは怯まず剣を離さんとばかりに力を込めた。
『ギィーーーーッ!』
エンマーゴが口に大きく息を吸い込む。『黒煙ブラックスモーク』を吐き出そうとしているのだ。
だが、その瞬間。
『〈ノブレス・ドライブ〉!!』
『っ!?』
エンマーゴの上空から、金色の光が降り注ぐと、艦載機に乗った赤城と加賀、翔鶴と瑞鶴、四人の艦載機に乗せて貰っている綾波とジャベリン、時雨と夕立と雪風、伊勢と日向、ゆーちゃんに股がるユニコーンとラフィーがいた。
『〈共鳴<ハウリング>〉!!』
ーーーーバシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
『ギィイイイイイイイイイイッ!!』
上空からの光の砲撃が降り注ぎ、それを受けてエンマーゴは悲鳴を上げて後退しそうになるが、タイガに剣を取られており動けないでいた。
『ギィィィィッ!』
剣を離して攻撃の手段が無くなる事を恐れ、エンマーゴは盾で防御すると、艦船<KAN-SEN>達はその盾に向かって光の砲撃を一点集中で砲撃を繰り返す。
『ギュワワワワワワワ!!』
攻撃が通じないと思ったのか、エンマーゴは高笑いをする。しかし、赤城達の攻撃を一向に止まず、それどころか、光の砲撃が勢いが、ドンドン上がっていった。
『ギ、ギィィィ?』
エンマーゴは艦船<KAN-SEN>達の攻撃が分からずにいたが、砲撃を浴び続けている盾は、徐々に真っ赤に熱していった。
『ギギ、ギギィィィィィッ!!』
熱された盾が高温を発するようになり、盾が真っ赤に膨張し、エンマーゴの腕が熱で焼けているのに気づき、悲鳴を上げた。
《指揮官様!》
『「良し! タイガ!!」』
『おう!ーーーー『ウルトラブリザード』!!』
赤城の声でカイン指揮官がタイガに叫ぶと、タイガは手のひらを突きだし、ソコから水色の光線、冷凍光線『ウルトラブリザード』が放たれ、エンマーゴの熱で膨張した盾に当たった。
ーーーージュワァァァァァァァァァァァ・・・・!!
盾から熱が冷めて水蒸気の煙が立ち上がる。
『ギュワワワワワワワ!!』
『シャァッ!!』
冷凍光線によって熱が冷めていき、エンマーゴは高らかに笑い声をあげるが、タイガはエンマーゴの上空に飛び上がると、回転しながらエンマーゴに向かって、回転しながら両足キックを繰り出す。
『『フォトンアースキック』!!!』
『ギギィィィィィッ!!』
エンマーゴは盾で防ごうと構え、受け止めとうとした。
ーーーービギッ!
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
タイガ、エンマーゴ、艦船<KAN-SEN>達、その場にいる全員が固唾を飲んだその時、
『ギ、ギギギギィィィィ・・・・ッ!?』
ーーーービギ、バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ・・・・バカァァァァァァンンッッ!!
何と、エンマーゴの盾が音を立てて砕け散った。
『ギギィィィィィッ!?』
エンマーゴは盾が砕けた事に動揺を隠せないようであった。
≪よっしゃぁっ!! 赤城の姐さんの作戦通りだぜっ!≫
≪艦船<KAN-SEN>のお嬢さん方の攻撃で盾を熱膨張させ、タイガの『ウルトラブリザード』で急速冷凍させてから、すかさずの重い一撃を叩き込む! これによる分子を脆くさせる策! 見事だっ!≫
『ああ! 流石赤城さんだっ!』
『「ふっ」』
タイガが、カイン指揮官が、赤城に加賀に向かってサムズアップをした。
「「・・・・!」」
赤城に加賀も、それに答えてサムズアップする。そしてそれを見て、綾波達も笑みが生まれた。
するとその瞬間ーーーー。
ーーーーポゥ・・・・。
『?』
綾波とジャベリン、ユニコーンとラフィー、そして赤城と加賀の胸元から『光の球体』が飛び出ると、タイガのカラータイマーの中に吸い込まれていった。
『「っ、これは・・・・!?」』
カイン指揮官がその『光』を手に取ると、六つの光がーーーーリングへと変貌した。
一つは、綾波の対艦刀の周りに鬼の角が伸びたリング。
一つは、赤い炎を纏う九尾の狐のリング。
一つは、青い炎を纏う九尾の狐のリング。
『トモユキ! これってーーーー』
『「あぁ。『怪獣リング』と違う新たなリング、『艦船リング』だっ!」』
『ギギィィィィィッ!!』
と、ソコで漸くエンマーゴが起き上がり、自分の刀に『黒煙ブラックスモーク』を吐いて浴びせると、刀身が太刀ぐらいに太く大きく伸び、さらには真っ黒になり、手近の岩場を切り捨てると、斬られたその場が朽ちていく。
『「皆! 一気に攻めるぞ!」』
『≪≪おう!≫≫』
[カモン!]
カイン指揮官がタイガスパークを起動させ、『トライススクワッドレット』を嵌めた手をタイガスパークで読み込む。
[トライスクワッドレット! コネクトオン! トライスクワッドミラクル!]
トライブレードが現れ、カイン指揮官は握り、柄のスイッチを押して起動させると、柄の回転盤に手を添える。
『「燃え上がれ! 仲間とともに!!』
回転盤を回すと赤い火花が飛び散り、刀身内で炎が渦を巻くように先端へ上っていき、頂点に到達した。
『『『「バディ・・・・ゴーーーー!!!!」』』』
カイン指揮官の動きに合わせて、タイガとタイタスとフーマが、トライブレードを天に掲げ、スイッチを押すと、赤と黄と青の光が合わさり、タイガの姿が変わった。
『セヤッ!』『フンッ!』『シャァッ!!』
三人の声が交互に発し、タイガの身体が炎の渦に包まれ、ウルトラマンタイガ・トライストリウムへと変身し、右手にトライブレードを持った。
『トモユキ!!』
『「ああ! 行くぜ!」』
綾波のリング、『綾波リング』を中指に嵌め込むと、タイガスパークに読み込ませた。
[カモン! 綾波! エンゲージ!]
ーーーーふっ!
カイン指揮官の隣に綾波の幻影が現れると、その幻影が粒子となり、タイガのトライブレードを持っていない左手に何とーーーー綾波の対艦刀が握られた。
ー綾波sideー
「えぇっ!? タイガさんが、綾波ちゃんの刀を持ったよ!?」
「これはビックリ・・・・」
「すごい、ね・・・・!」
「指揮官・・・・」
綾波達も、この現象に驚きを隠せなかった。
ータイガsideー
『こっからが、本番だっ!!』
『ギィィィィィッ!!』
エンマーゴが雄叫びを上げて太刀を振るうが、トライブレードで塞がれ、対艦刀に斬られる。
『ギワッ!!』
『はぁぁぁぁぁっ!!』
タイガは一瞬怯んだエンマーゴにトライブレードと対艦刀で何度も斬り込んでいく。
『ギワァァァァァァァァァァ!!』
大きく後退したエンマーゴは、太刀にさらに『黒煙ブラックスモーク』を吐きかけ、自分の身の丈以上に刀身を大きくすると、振り下ろし、黒煙が真っ直ぐにタイガに向かってくる。
『「何のっ!」』
が、カイン指揮官は今度は、『赤い炎を纏う九尾の狐のリング』を読み込ませる。
[カモン! 赤城! エンゲージ!]
ーーーーっ!
カイン指揮官の隣に赤城の幻影が現れると、幻影赤い粒子となり、対艦刀の刀身に纏うと、赤い炎が刀身を包む。
『「もう一丁!」』
[カモン! 加賀! エンゲージ!]
今度は、『青い炎を纏う九尾の狐のリング』を読み込ませると、加賀の幻影が現れ、青い粒子となってトライブレードの刀身に纏った。
『ハァァァァァァァ・・・・!!』
タイガは赤と青の炎を纏った対艦刀とトライブレードを舞うように振るうと、炎の勢いはさらに増しーーーー。
『『双弧紅蓮擊』!!』
ーーーーコォォォォォォォォォォォォォォンン!!
二振りの剣を振り下ろすと、赤い炎を纏った黒い九尾と、青い炎を纏った白い九尾が飛び出し、『黒煙ブラックスモーク』を焼き消しながら突き進み、エンマーゴを引っ掻き、噛みつき、最後に回転しながら突進した。
『ギワァァァァァァァァァァ!!』
エンマーゴは二体の九尾の攻撃に倒れると九尾は回転しながら、ドロンッ! と消えた。
ー赤城sideー
「ええっ!? 今の狐って、赤城先輩と加賀先輩!?」
「まさか、あの二人のリングにはこんな力が・・・・!」
「・・・・勝ちましたね」
「ええ・・・・」
瑞鶴と翔鶴が驚くが、加賀に赤城は勝利を確信した。
ータイガsideー
『「タイガ! 決めるぞ!」』
『ああ!』
カイン指揮官がトライブレードのボタンを長押しすると、タイガはトライブレードを逆手に持ちかえ、対艦刀の刀身に回転盤を滑らしながら回すと、トライブレードに真紅の炎が、対艦刀には桜色の炎が発生し、刀身に纏った。
『ギギィィィィィッ!!』
エンマーゴは太刀を振り上げてタイガに迫る。タイガはまるで摺り足のように海面を滑りながら、二振りを構えてエンマーゴと肉薄し、両者の間に閃光が閃いた。
『シュワッ!!』
振り下ろされる太刀の刀身をトライブレードで切り捨てると、対艦刀でエンマーゴの身体を斬る。
『ギァァァァァァァァァァ!!』
タイガはエンマーゴをさらに切りつけると、二振りの剣で、エンマーゴを十字に切り捨てた。
『『鬼神炎舞』・・・・!!』
タイガが呟くと、エンマーゴの斬られた傷口から、真紅の炎と桜色の炎が吹き出し、二色の火の粉が飛び散り、あたかも真紅の花びらと桜の花びらが舞っているかのような、幻想的な姿を見せーーーー。
ーーーードガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンンン!!!
エンマーゴの身体は爆散した。
『・・・・・・・・』
タイガは二振りの剣を下ろした。
『やったぁぁぁぁぁっ!!』
近くでジャベリン達が歓喜の叫びを上げるのであった。
ーカインsideー
変身を解除したカイン指揮官の元に、艦船<KAN-SEN>達が集まった。
「指揮官! 凄かったですね! こう、燃える狐さんを二匹も出したり! 綾波ちゃんの刀を出してズバッと斬っちゃったり!」
「お兄ちゃん、あれどうやって出したの?」
「・・・・多分、この指輪のお陰だと思う」
カイン指揮官が手のひらにある、綾波と赤城に加賀をイメージさせる意匠がされた三つの指輪を見せた。
「この指輪って・・・・赤城先輩に加賀先輩?」
「・・・・こっちの指輪は綾波」
「『怪獣リング』とは違うリング、『艦船リング』って所かな?」
瑞鶴とラフィーが、指輪を見てそう言うと、一同は綾波達に目を向ける。
「綾波! これってどうやったんだ!?」
「スゴいのだ! 雪風様にもどうすれば良いのか教えるのだ!」
「赤城に加賀! こんな隠し玉を持っていたのかよ!?」
「どうせならもっと早く出して欲しかったですねぇ~」
「そう言うなよ翔鶴。二人のお陰で、勝てたような物だしさ」
カイン指揮官が毒を吐く翔鶴にそう言うと、赤城と加賀の肩に手をおいた。
「ありがとな、赤城、加賀」
「「っ・・・・はっ!」」
口元に小さな笑みを浮かべた二人が頷いた。
「さて、と。伊勢、日向。酒は見つかったか?」
「応よ指揮官!」
「純米酒がこんなにズラリとな」
二人は何十本もの一升瓶の重桜産の純米酒を持った。
「翔鶴、瑞鶴。和菓子の方は?」
「今丁度、物資船が来たそうよ」
「和菓子や材料もいっぱいあるって!」
「良し、それじゃアズールレーン母港に帰るのは明後日にして、今日は重桜母港でゆっくりするぞ!」
『おおー!』
カイン指揮官の言葉に、その場にいる艦船<KAN-SEN>達が喜びの声をあげたその時ーーーー。
「指揮かーん! 大変にゃ! マグマ星人とマーキンド星人がどさくさ紛れに逃げたにゃ!」
『あらっ!?』
明石の慌てた声に、全員がカクンッとなった。
ーマーキンドsideー
マグマ星人とマーキンド星人は、エンマーゴとウルトラマンタイガの戦いで艦船<KAN-SEN>達の監視が弛んだ隙に、明石の潜水艦を使って逃げたのであった。
『逃げたのは良いですけどマグマ。これからどうしましょうか? まだヴィラン・ギルドにも戻れませんし』
『取り敢えず海だとあの連中に見つかるかも知れねぇしよ。『サディア帝国』って所に行ってみるか? 上手い飯がいっぱい有るって言うしよ』
重桜母港から数キロ離れた海上に浮上させた潜水艦から顔を出して、『サディア帝国』に向かおうかと相談する二人。
「サディアに向かうなら、私とも一緒に来てくれるかしら?」
『『っ!!?』』
突然声をかけられ、ビクッとした二人が声がした方に目を向けるとーーーー。
『あぁっ! あの銀髪と赤メッシュは!』
『あの見えそうで見えない際どい下半身の服装は!』
『『て、鉄血の・・・・!!』』
二人は、鉄血の艦船<KAN-SEN>、プリンツ・オイゲンとその姉のアドミラル・ヒッパーともう一人、Z1<レーベ>がいた。
「ヴィラン・ギルドのお二人さん。うちの総統閣下が、あなた達をお呼びよ」
『『へ?』』
オイゲンの言葉に、二人は間の抜けた声を発した。
ーカインsideー
重桜母港の浜辺で綾波とジャベリンとラフィーとユニコーンが、時雨と雪風と夕立とビーチバレーをしている(ちなみにタイタスは審判役、フーマは得点役)のを眺めながら、カイン指揮官は赤城に酌をされながら酒を呑んでいた。
「指揮官様。あの二人は放置しておいて宜しいので?」
「ま、逃げられたのは仕方ないさ。明石もあの潜水艦に発信器を付けておいたから、彼らの動きはある程度分かるよ」
「そうですか」
「ほら、赤城も」
今度は赤城に酌するカイン指揮官。
「はい。では」
「うん」
ーーーーちん。
二人は小さく乾杯しながら、酒を飲んだ。純米酒と米で作ったおはぎが意外にも合って酒が進む。
そしてーーーー。
「指揮官様~~~~~♥️ 赤城はとっても寂しかったんですのよぉ!♥️♥️♥️♥️♥️」
「うわぁ! 赤城が元に戻ってくれて嬉しいけど、暑苦しいぃぃ! 「「指揮官(様ぁ)~」」っ!! た、『大鳳』! じ、『隼鷹』」
ソコに新たに現れたの艦船<KAN-SEN>は。
濁った血のような紅い目に黒い長髪をツインテールにし、手には鉄扇を持ち、服装は羽織りと上着を一体化させ全体的に赤黒く禍々しい。黒ニーソとミニスカートの絶対領域をそして、重桜でもトップレベルの圧倒的なバストサイズをした『重桜所属 空母 大鳳』。
紫色のショートヘアーに牛のような角が伸び、袖の広い着物にミニスカートを着用し、大きな胸にメリハリのあるプロポーションをした、カイン指揮官を『オササナジミ』と呼ぶ『重桜所属 軽空母 隼鷹』だった。
「せっかくのお酒なのに、赤城先輩に絡まれては指揮官様もお酒を楽しめませんわぁ。ここは、この大鳳が指揮官のお相手を♥️」
「いいえ。ここは、『オササナジミ』である私と、一緒お酒を楽しみましょう♥️」
二人共、アズールレーン母港で留守番をしている愛宕や今まさに指揮官にベッタリと抱きついている赤城に負けず劣らずカイン指揮官への想いが重い艦船<KAN-SEN>ばかりである。
「退きなさいあなた達。指揮官様は私とお酒を飲むのよ」
「いいえ、指揮官様はこの大鳳と飲むのです」
「『オササナジミ』の私を差し置いて良くいえるわねぇ」
三人の間に不穏な火花が激しく飛び散った。
「加賀! 助けてくれぇ!」
「はぁ・・・・分かった分かった」
伊勢と日向に絡まれて酒を飲んでいた加賀も、三人に囲まれたカイン指揮官を、苦笑しながら助けに向かった。
≪へへっ、懐かしい光景だぜ≫
その姿を眺めながら、タイガは楽しそうな声をあげるのであった。
そしてその後、今回のように怪獣が現れる危険性があるので、重桜上層部は母港を全線基地として配置する事を決め、封鎖を取り消した。
ーユニオンsideー
ソコは、ユニオンの領海にある保養地の島。負傷した艦船<KAN-SEN>達の治療が行われているそこに、一人の艦船<KAN-SEN>が末妹から送られた写真を見て、笑みを浮かべていた。
「ふふふ。エンタープライズちゃんも元気そうね・・・・」
その写真には、書類仕事に頭を悩ませているエンタープライズの姿が写されていた。
「さぁ、私もリハビリを頑張らなくっちゃ」
“新しい足”で身体を支えながら、『ユニオン所属 空母 ヨークタウン』は歩き出した。
ー霧崎sideー
そして、その保養地の島のとある研究施設。広いドーム状の研究場にて、霧崎はドーム中央に置かれた機材の上にあるーーーー『隕石』を見上げる。
「ふぅん。これは、面白いヤツか来たねぇ・・・・!」
“隕石の中にいる生物”を透視して、霧崎は、ウルトラマントレギアは、不気味な笑みを浮かべながらその場を去る。
『・・・・・・・・・・・・・・・・』
“隕石の中の生物”は、うっすらと目を開くと、不気味な光を放っていた。
『艦船リング』はこれから続々出てきます。
鉄血に連れていかれたマグマとマーキンドの運命は?
そして次回、ユニオンが見つけた隕石から、とんでもないモンスターがっ!