アズールレーンT   作:BREAKERZ

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【成長】変貌するその姿

ーカインsideー

 

「全艦に通達! 前方の怪獣は『超変身怪獣 キングマイラ』と呼称! 奴の進行を止めるんだ! 全艦、攻撃開始!」

 

『了解!!』

 

カイン指揮官が指示すると、クリーブランド姉妹、『海上騎士団<ソロモンネイビーキャバリアーズ>』が先陣を切って、砲撃をキングマイラを叩きつけた。

 

『ギシャァァァァァァァッ!!』

 

キングマイラは砲撃のダメージで悲鳴を上げる。

 

「行くわよセントルイス!」

 

「ええ、ホノルル!」

 

クリーブランドに続くようにセントルイスとホノルルが続いて攻撃を繰り出す。

さらに、右サイドに編み込まれた茶髪のショートヘアーに金色の瞳をし、頼れるお姉さんな雰囲気をした『ユニオン所属 重巡洋艦 ボルチモア』と、黒いメッシュがついたピンク色のツインテールにスポーツ用のサングラスを頭に掛け、何処と無くギャルの雰囲気をした『ユニオン所属 重巡洋艦 ブレマートン』も、遅れてなるものか、と駆け出し、砲撃を放つ。他のユニオン艦船<KAN-SEN>達も参加していく。

 

「エンタープライズ! ホーネット! ハムマン! ヴェスタル! 向こうにいる艦船<KAN-SEN>達と救援に向かってくれ」

 

《『っ、了解!』》

 

ソコにいるのはヨークタウンである事を察していたカイン指揮官は、エンタープライズ達を向かわせると、隣にいるラフィーの肩に飛び移ったタイタスに目を向けた。

 

「タイタス。あの怪獣、キングマイラってのは一体なんなんだ?」

 

『惑星ソーキンに生息している怪獣で、ウルトラ戦士の間では、その惑星で独自に進化した怪獣達を『ソーキン・モンスター』と称されているのだ。中でもキングマイラは数十分毎に成長する特異な怪獣だ』

 

「成長する怪獣・・・・です?」

 

「どんな成長をするんですか?」

 

そのラフィーの隣に立つ綾波とジャベリンが首を傾げながら聞くと、タイタスは難し気に息を吐き出しながら答える。

 

『ただ、身体が大きくなるだけではない。見て見なさい』

 

『グゥゥゥ・・・・ギシャァァァァァァァッ!!』

 

タイタスがキングマイラを指差すと、キングマイラの身体が弱冠大きくなり、筋肉も肥大化したのが分かる。

 

「成る程。成長と言うよりも、進化する怪獣って訳ね・・・・」

 

《指揮官。こちらヘレナ》

 

「ん、どうした?」

 

通信インカムから、キングマイラが現れた研究所に向かわせた部隊に編成されたヘレナの声が聞こえてくる。

 

《研究所の方に、着きました》

 

「っ、そうか。職員達は?」

 

《・・・・・・・・・・・・》

 

索敵能力のあるヘレナが無言になり、その意図を汲み取ったカイン指揮官は一瞬悲痛な顔になると、すぐに顔を引き締めた。

 

「ーーーー分かった。ヘレナ達も戻って来てくれ。相手は数十分毎に成長する怪獣だ。放っておけば、数日後にはこの星よりも巨大になってしまうかも知れないからね」

 

《『了解!』》

 

カイン指揮官の指示に、ヘレナ達は力強く返答した。

 

 

 

ーヨークタウンsideー

 

「皆・・・・来てくれたんだぁ・・・・!」

 

シムスが、嬉しそうに呟くと、

 

「シムスー! ヨークタウン姉さーん!!」

 

「「ハムマン(ちゃん)!」」

 

感極まったハムマンが、ヨークタウンに抱きついた。

 

「ヨークタウン姉さん! また動けるようになったのだ! 良かったのだー!」

 

「ハムマンちゃん」

 

ハムマンが泣きながら喜ぶ姿を見て、ヨークタウンも笑みを浮かべると、エンタープライズとホーネットが近づく。

 

「エンタープライズ。ホーネット」

 

「ーーーー久しぶりだな。ヨークタウン姉さん」

 

「ヨークタウン姉、ひっさしぶり~♪」

 

久しぶりに出会った姉妹達、特にエンタープライズが気がかりだったのだが、目を見た瞬間、ヨークタウンは察したように笑みを浮かべる。

 

「『迷い』、晴れたの?」

 

「・・・・ああ、心配をかけてすまなかったね姉さん。指揮官と、仲間達のお陰で、私の『戦う理由』ができた」

 

小さく笑みを浮かべて答えるエンタープライズ。

がーーーー。

 

『ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!』

 

そんな空気を打ち砕くように、キングマイラが雄叫びを上げた。

 

『っ!』

 

それを見上げて、エンタープライズ達は目を鋭くする。

 

「姉さんはまだリハビリ中だ。無理はしないでくれ。指揮官の艦に退避を。シムスもな。ヴェスタルとハムマンは二人を護衛を」

 

「「了解(なのだ)!」」

 

「ちょっーーーーエンタープライズにホーネットは!?」

 

「私達は、あの怪獣と戦うよ。指揮官からの連絡だと、あの怪獣放っておくと、この星よりも大きくなっちゃうようだからね」

 

「行くぞ、ホーネット!」

 

「OK! エンプラ姉!!」

 

エンタープライズとホーネットが艦載機を飛ばすとその操縦席の上に立ち乗りし、キングマイラを上から機関銃で攻撃した。

 

「さ、ヨークタウンさん。シムスちゃん。こっちよ」

 

「急いで離れるのだ!」

 

ヴェスタルとハムマンに連れられ、ヨークタウンとシムスは、カイン指揮官の艦に向かった。

 

 

 

 

 

ーエンタープライズsideー

 

『ギシャァァァァァァァッ!!』

 

「っ!」

 

「アタック!」

 

エンタープライズがアーチェリーを放ち、キングマイラを攻撃し、ホーネットは巧みな操作で艦載機を動かして、撹乱し機銃で攻撃する。

キングマイラの足元では、他のユニオン艦船<KAN-SEN>達が砲撃を放ち続けていた。

 

『グゥゥゥゥ、ギシャァッ!!』

 

鬱陶しく感じたのか、キングマイラが唸ると、長く太く伸びた尻尾を上げた次の瞬間、尻尾が三股に裂け、その先端にキバを生やした口が現れた。

 

「「!?」」

 

エンタープライズとホーネットが驚くと、キングマイラは三股となった尻尾を動かし、エンタープライズ達を捕らえようとした。

 

「ホーネット!」

 

「オーライ!」

 

エンタープライズが声を掛けると、ホーネットの乗る艦載機が迫り来る尻尾のキバから回避した。

その時ーーーー。

 

ーーーーグチュグチュグチュグチュ・・・・グパァッ!

 

『『シャァァァ・・・・!』』

 

なんと、キングマイラの両肩の筋肉がうねるように動くと、肩を突き破って、キバのある口が着いた触手が伸び、更に両肩の周り、脇腹、太ももにも小さな角が生え、頭の角も左右の角が枝分かれし、前頭部にまで湾曲して生え、さらに胴体の胸元に、爪が生えた小さな手まで現れた。

 

『ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!』

 

『うわあぁっ!?』

 

更に禍々しい姿になったキングマイラに、艦船<KAN-SEN>達はドン引きした。

 

『ギシャァァァァァァァッ!!』

 

キングマイラは口から、肩の触手から火炎を放射し、口から、たの火炎を空中のエンタープライズとホーネットに、触手の火炎をクリーブランド達に放つ。

 

「くっ!」

 

「わぉっ!」

 

エンタープライズとホーネットは艦載機を操作して火炎を回避すると、海面にいるクリーブランド達も回避すると、海面に火炎が当たり、ジュワァ~・・・・と言う音ともに、白い煙が辺りに立ち込めた。

 

「うわっ! 何これ!?」

 

「海面が炎に蒸発されて、水蒸気を生み出したんだわ!」

 

煙、水蒸気に視界を奪われ、驚くクリーブランドに、セントルイスが声を発した。

 

「エンプラ姉! 皆が!」

 

「っ!」

 

エンタープライズとホーネットは、水蒸気に包まれてしまったクリーブランドに目を向けたその瞬間。

 

『ギシャァァァァァァァッ!!』

 

「「はっ!」」

 

二人は自分達に襲いくるキングマイラの三つの尻尾から、艦載機を動かして回避した。

が、三つの尻尾は鞭のように撓りながら、エンタープライズとホーネットに襲い掛かる。

 

『ギィィィィィィィィ!』

 

キングマイラはエンタープライズとホーネットの相手を尻尾にさせながら、水蒸気に包まれたクリーブランド達の元へと歩みだした。

 

「アイツまさか! エンプラ姉! アイツ、水蒸気で視界が封じられた皆の所にいくつもりだよ!」

 

「っ!」

 

今クリーブランド達は水蒸気で視界が聞かない。セレナのような索敵能力があれば、風上に逃げて水蒸気から逃れられるだろうが、その前にキングマイラに踏み潰されてしまう。

 

「不味いな・・・・! 指揮官!!」

 

エンタープライズは、カイン指揮官に連絡をいれた。

 

 

 

 

ーカインsideー

 

「分かっている! クリーブランド! キングマイラがそっちに向かっている! 風の動きを読んで、風上に逃げて水蒸気から脱出するんだ!」

 

エンタープライズの通信に返答したカイン指揮官が、クリーブランド達に脱出を指示するが。

 

《了解・・・・って言いたいけど! 私達が脱出する前に怪獣の方が来ちゃうかも!》

 

「分かった! それならーーーー」

 

「「指揮官!!」」

 

「ととっ!ハムマン! ヴェスタル! それに・・・・」

 

タイガスパークを起動させようとするカイン指揮官の後方から、ハムマンとヴェスタルの声が響いて後ろを振り向くと、ソコにはヨークタウンとシムス、それに保養地ですいた艦船<KAN-SEN>達が、指揮官専用艦に避難したようだ。

 

「こんな形だが、はじめましてヨークタウン。俺がアズールレーン母港の指揮官。カイン・オーシャンだ」

 

「はい。お名前は、ハムマンちゃんからのメールでご存知ですよ」

 

「ハムマンちゃんが?」

 

ジャベリンとラフィーと綾波がハムマンに半眼でジト目になる。普段からカイン指揮官への態度は、お世辞にも良いとは言えないハムマンのメールだ。カイン指揮官のあらぬ事を言いふらしている可能性があると思ったのだろう。

 

「ち、ちゃんと事実を報告しているのだ!/////」

 

綾波達の視線の意味を察したのか、ハムマンは頬を紅潮させながらそう声を上げた。

 

「・・・・まぁ、今はそれよりも、アイツをどうにかしないとな(だが・・・・)」

 

「安心して指揮官。ハムマンちゃんが、“彼ら三人の事”もメールで話しちゃっていたみたいだから」

 

『ハムマン(ちゃん)・・・・』

 

「あうぅぅぅ~・・・・」

 

ヴェスタルの言葉に、カイン指揮官に綾波達、さらにタイガ達からもジト目を向けられたハムマンは、バツが悪そうにヨークタウンの背中に隠れた。

カイン指揮官はやれやれと肩を落とすと、気を取り直した。

 

「ーーーー全くもう。・・・・行くぞタイガ!」

 

≪ああ!≫

 

カイン指揮官はタイガスパークを起動させる。

 

[カモン!]

 

腰につけた『タイガキーホルダーを左手に掴むと、赤い宇宙のようなインナースペースが広がる。

 

「光の勇者! タイガ!!」

 

カイン指揮官は左手に持ったタイガキーホルダーを突き出すと、右掌に翳すように持ってくると、タイガキーホルダー』の中心の水晶から、赤いエネルギーが右掌を通して、手甲の水晶に吸収されると、水晶が赤く輝き、タイガキーホルダーを握る。

 

「バディィィィィィィゴーーーーーー!!」

 

[ウルトラマンタイガ!]

 

『ーーーーシュアッ!!』

 

ウルトラマンタイガが飛び出していった。

 

 

 

 

 

ーエンタープライズsideー

 

カイン指揮官がタイガスパークを起動させてすぐの時、キングマイラの尻尾から回避していたエンタープライズとホーネットは。

 

「ーーーーっ、しまった!」

 

「エンプラ姉うわっ!?」

 

二人の艦載機が、とうとう捕まってしまい。キングマイラがニヤリ、と笑みを浮かべるように口の端を小さく上げると、

 

『ギシャァァァァァァァッ!!』

 

尻尾を大きく振って、エンタープライズとホーネットを振り下ろした。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

悲鳴を上げる二人。その時ーーーー。

 

『タイガキック!!』

 

丁度駆けつけたタイガが二人を両手で優しく受け止めると、そのままキングマイラに向けて蹴りを叩き込んだ。

 

『ギシャァァァァァァァッ!?』

 

ーーーーザパァァァァァァァァァァァァンンッ!!

 

キングマイラは突然の攻撃にバランスを崩して倒れると、大きな波を上げた。

 

『っと、エンタープライズ! ホーネット! 大丈夫か!?』

 

タイガが掌に乗せたエンタープライズとホーネットに声をかけると、二人とも頭を数回横に振ると、顔を上げてきた。

 

「あぁ・・・・大丈夫だタイガ」

 

「アタシ達の事よりも、アイツを!」

 

『ああ!』

 

タイガはエンタープライズとホーネットを、水蒸気から脱出したクリーブランド達に任せると、起き上がったキングマイラを見据えた。

 

『ギシャアアアアアアアアアアッ!!』

 

『シャッ!』

 

キングマイラが両手を上げてタイガに突き出しながら迫りくると、タイガもキングマイラの両手を掴んで押し合いを始める。

 

『くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・!!』

 

『ギィィィィィィィィィ・・・・!!』

 

お互いにグググググっと、音を鳴らしながら力比べをする。

 

 

 

 

 

ーヨークタウンsideー

 

「あれが・・・・ウルトラマン・・・・!」

 

「そうなのだ! ハムマン達と一緒に戦ってくれる仲間なんだよ!」

 

ヨークタウンが生で初めて見るウルトラマンの姿に、少し目を見開いて見ていた。シムスに他のユニオン艦船<KAN-SEN>達も、ウルトラマンタイガを見据えていた。

 

「・・・・・・・・・・・・駄目かも」

 

「えっ? どうしたのラフィーちゃん?」

 

ラフィーがボゥと呟くと、ジャベリンがどういう事なのかと聞くと、ラフィーが淡々と答える。

 

「・・・・そろそろあの怪獣、また成長する」

 

『えっ!?』

 

ラフィーの言葉に一同が目を向けたその瞬間、

 

『ギシャアアアアアアアアアアッ!!』

 

『っ!』

 

キングマイラの雄叫びが聞こえ、再び目を向けると、タイガと同じくらいの大きさだったキングマイラの身体が、タイガよりも一回りも大きくなった。

 

 

 

ータイガsideー

 

『うおっ!? こ、コイツ・・・・!!』

 

『「また成長したか!?」』

 

『ギシャアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

タイガも、突然大きく成長したキングマイラに驚きを隠せなかった。

 

『ギシャアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

すると、キングマイラは口と触手から火炎をタイガに向けて放った。

 

『なっ!? うわぁあああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!』

 

炎に包まれたタイガの悲鳴が、ユニオン海域の空に響いた。

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