ーヨークタウンsideー
『うわぁああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!』
「っ!」
ウルトラマンタイガがキングマイラの炎に包まれる姿を、指揮官専用艦の上で見ていたヨークタウン達が目を見開いた。
「は、ハムマン! ウルトラマンが!!」
「お、おおお、おちおちおち、落ち着きなさささいいよよよよよ、シシシシムススススス!!」
シムスがハムマンの両肩を掴んでグワングワン揺すり、ハムマンは目を回しながらシムスを落ち着かせようと声を発した。
「大丈夫よシムスちゃん。指揮官とタイガさんなら」
ヴェスタルがにこやかにそう言ってシムスの両肩に手を置いて落ち着かせると、ヨークタウン達は再びタイガに目を向けた。
ータイガsideー
『「た、タイガ・・・・! こんな炎なんかに、負けないよなぁっ!?」』
『当たり、前だぁっ!!』
タイガが両足を上げて、キングマイラの鳩尾に両足蹴りを叩き込んだ。
『ギシャァァッ!』
『はぁっ!』
一瞬、手の力が緩み、炎に包まれたタイガはキングマイラの両手から手を脱出させた。
『トモユキ!』
『「ああ! 『ロッソレット』だな!」』
[カモン!]
カイン指揮官はタイガスパークを起動させ、左手首に『ロッソレット』を召喚し、タイガスパークに読み込ませた。
[ロッソレット! コネクトオン!!]
『ロッソレット』から3筋の赤い色の光がタイガスパークの中心に集まり、ウルトラマンロッソ・フレイムの幻影が現れタイガと重なった。
『フッ、倍返しだッ! 『フレイムブラスター』!!』
構えるタイガは、身体を包んだ炎の全てを『フレイムブラスター』に乗せて放った。
『ーーーーギシャアアアアアアアアアアッ!!』
キングマイラは炎の光線をその身に受けて、逆に炎に包まれ、海に倒れて鎮火させた。
『「攻めろ! タイガ!」』
『はぁっ!!』
カイン指揮官の指示に動くように、タイガは起き上がったキングマイラに近づくと、ローリングソバットを叩き込んだ。
『ギハァッ!!』
キングマイラ少し後ろに後退すると、尻尾を振り、三股の尻尾がタイガの腕と首に巻き付いた。
『くぅぅっ!』
『ギィィィィ、ギシャァァァァァ!』
『うわぁっ!』
キングマイラが尻尾を振ると、腕と首に引っ張られ、タイガは海面に転ばされる。
『くそっ!』
『ギィィィィ!』
『のわっ!』
両腕に巻き付いた尻尾を取ろうとするが、キングマイラは、そうはさせまいと、尻尾を振り回し、タイガを転げさせる。
「タイガっ!!」
タイガの足元から、クリーブランドの声が響くと、艦船<KAN-SEN>達が砲撃を三股の尻尾の根元を攻撃した。
火花が散ると、ブチッと言う音と共に、三股の根元から切れた。
『ギシャアアアアアアアアアアッ!!』
キングマイラが尻尾が切れた痛みに悶え、タイガは首と両腕に巻き付いた尻尾を外して海面に叩きつけると、三つの尻尾はグネグネと動いていた。
『「ありがとう皆!」』
『助かったぜ、サンキュー!』
『(グッ!)』
カイン指揮官とタイガが礼を言うと、クリーブランド達はサムズアップして答えた。
『ギシャァァッ!!』
キングマイラは口と両肩の触手から、炎を放射するかのように構えた。
『トモユキ! 今度は『ブルレット』だ!』
『「ああ!」』
カイン指揮官は『ブルレット』を召喚してタイガスパークに読み込ませた。
[ブルレット、コネクトオン]
青い光が迸り、タイガの身体がウルトラマンブルの幻影と重なった。
『グゥゥゥゥゥ・・・・! ギシャアアアアアアアアアアッ!!』
再び口と両肩の触手から火炎を放ったキングマイラ。口からの火炎と両肩の触手の火炎が重なると、更なる熱量と大きさの炎がタイガに迫った。
『「全力で行くぞタイガ!」』
『炎には水だっ! 『アクアブラスター』!!』
水を纏った光線を最大出力で放ち、キングマイラの火炎とぶつかり合うと、ジュワァァァァ・・・・! と音をたてながら、『アクアブラスター』が火炎を突き抜けて、キングマイラに放たれた。
『ギシャアアアアアアアアアアッ!!』
キングマイラの口と触手の口が水の光線を受けて炎が消えた。
『トモユキ! 最後は『オーブレット』だっ!!』
『「ああ!」』
[カモン!]
カイン指揮官は、今度は『オーブレット』を召喚して、カインはタイガスパークをオーブレットに翳す。
[オーブレット! コネクトオン!!]
タイガの姿がウルトラマンオーブの幻影と重なった。
『フッ!ハァァァァァ・・・・『スプリウムブラスター』!!』
前方に光の輪を展開させると、『スプリウムブラスター』を放った。
『ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』
『スプリウムブラスター』を受け、連続の光線技による攻撃で、キングマイラは盛大に水飛沫を上げながら倒れる。
『よっしゃ!』
『「タイガ! コイツは時間を掛ければ掛けれる程、成長して巨大になる。手がつけられなくなる前に、一気に終わらせるんだ!」』
『よしっ! 『トライストリウム』だっ!』
≪うむ!≫
≪応よ!≫
『「ああ!」』
[カモン!]
カイン指揮官がタイガスパークを起動させ、『トライススクワッドレット』を召喚し、タイガスパークで読み込む。
[トライスクワッドレット! コネクトオン! トライスクワッドミラクル!]
トライブレードが現れ、カイン指揮官は握ろうとした次の瞬間ーーーー。
ー霧崎sideー
ユニオン保養地の島の一角、断崖絶壁の丘の上でタイガとキングマイラの戦いを眺めている人影があった。
ーーーー霧崎だ。
「ふふふ・・・・」
そして、霧崎はトレギアアイを展開して目に翳し、トレギアに変身し、回転盤を回そうとするタイガに向けて。両腕から放つ十本のカッター光線、『トレラテムノー』を放った。
ータイガsideー
『「っ! タイガ! 右だ!!」』
『えっ? うわぁあああっ!!』
タイガは、何かに気づいたカイン指揮官の言葉に、思わずトライブレードを盾にするように構えて振り向くと、十本のカッター状の光線が迫りトライブレードの刀身で防ぐが、技の威力に倒れ、トライブレードは近くの砂浜に突き刺さった。
『なっ!』
が、タイガもカイン指揮官も、タイタスもフーマも、そして、アズールレーン艦船<KAN-SEN>達も、砂浜に突き刺さったトライブレードよりも、カッター状の光線を放った相手を見て、驚愕に目を見開いて声を発した。
『と、トレギアっっ!!?』
『メガオロチ戦役』から一ヶ月以上、行方を眩ませていた、否、一部艦船<KAN-SEN>達からは死んだとも思われていた存在、ウルトラマントレギアの姿に驚きを隠せなかった。
『フフフフ、お久しぶり・・・・私にまた会えて嬉しいだろう?』
そんな一同の様子を見て、トレギアは嘲弄するように肩を震わせていた。
ーヨークタウンsideー
「と、トレギア・・・・!!」
「・・・・やっぱり生きてた」
「・・・・!」
ジャベリンとラフィーと綾波が、生きていたトレギアに驚愕に目を見開いて睨んでいた。
「と、とととと、トレギアなのだぁっ!!」
「そんな・・・・!」
「あれで終わったとは思わなかったけど・・・・!」
「指揮官の言うとおり、死んではいなかったか・・・・!」
ハムマンとヴェスタルも驚きを隠せず、ホーネットは帽子を少し上げて、エンタープライズも視線を鋭くして、トレギアを見上げて睨んだ。
「え、エンタープライズ、あのウルトラマン、は?」
「奴はトレギア・・・・セイレーンと並ぶ、我々の敵だっ!」
ヨークタウンはトレギアから醸し出る禍々しいオーラに身構えながらエンタープライズに問うと、エンタープライズは臨戦態勢になる。
ータイガsideー
『やっぱり生きていたのか!』
『フフフフ、可愛いなぁ。あの程度で私が死んだとおもっていたのかい?』
≪キングマイラをこの星に連れてきたのはお前か!?≫
≪テメェ、またタイガを使って陰険な事を企んでんのか!?≫
トライスクワッドが、トレギアに厳しい視線を向けた。勿論カイン指揮官もだ。
トレギアはそんな視線に気にする素振りを見せず、ゆっくりと歩きながら言葉を発する。
『フッ、あの怪獣がこの星に来たのは偶然さ。私も驚いたよ。ソーキン・モンスターの中でも特に凶暴かつ残忍な怪獣が、こんな辺境の星にやってきたのはね。あぁ、それと、もう私はそのボウヤには何もしないよ。ーーーー“別のヤツに興味を抱いたんだ”』
トレギアはタイガをジッと見据えて言った。否、正確には、“タイガの中にいる人間に向かって”。
『誰を狙っているんだ!?』
『それを言っては面白くないだろう? さて、これからの展開を見物させてもらうよ』
トレギアはそう言うと、魔法陣を展開し、その中に入り、戦場から去っていった。
『待てトレギア! お前は何を・・・・!』
『ギシャアアアアアアアアアアッ!!』
『「タイガ! キングマイラが起き上がった!」』
『っ!』
タイガが目を向けると、キングマイラが起き上がり、雄叫びを上げた。
しかも、トライブレードの突き刺さった砂浜を背にして。
≪野郎! これじゃトライストリウムになれねぇ!≫
≪ヤツの身体の傷も少しずつ癒されている! 何と言う回復速度だ!≫
『「仕方ない。・・・・タイガ! フォトンアースで決めるよ!」』
『分かった!』
[カモン!]
カイン指揮官は『フォトンアースキーホルダー』を手に取り、タイガスパークを翳した。
[アース!][シャイン!]
『「輝きの力を手に!」』
キーホルダーを握ると上部が二又に開いて光り輝く。
『はぁぁぁぁぁっ!!』
タイガの身体に、フォトンアースの鎧が纏う。
「バディーーーーゴー!」
[ウルトラマンタイガ フォトンアース]
『はぁっ!!』
『ギシャアアアアアアアアアアッ!』
キングマイラがタイガに迫る。
『『スワローバレット』!!』
タイガも進みながら『スワローバレット』でキングマイラを攻撃すると、電光を纏ったストレートパンチにボディブロー、回し蹴りにドロップキックを叩き込み、キングマイラを怯ませ後退させると、必殺光線の構えを取り、頭上にオーロラを形成した。
『はぁぁぁぁぁ・・・・『オーラムストリウム』!!』
タイガは金色の長剣の形状をした光線を、キングマイラに放った。その時。
『ギィィィィィィィ・・・・!!』
キングマイラの血のように真っ赤な瞳が点滅するかのように光ると、『オーラムストリウム』が当たった。
だが・・・・。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
何と、『オーラムストリウム』が、キングマイラの身体をすり抜けてしまった。
『なっ!?』
≪≪「っ!?」≫≫
タイガとカイン指揮官達はそれを言っては見て、『オーラムストリウム』を中断すると、キングマイラの身体が徐々に薄れていき、完全に姿が消えてしまった。
ー綾波sideー
「キングマイラが・・・・!」
「き、消えちゃった・・・・!?」
「・・・・テレポート?」
綾波にジャベリンにラフィー、さらにヨークタウン達も驚きに目を見開く。
戦場にいるエンタープライズ達も同様であった。
ータイガsideー
『っ・・・・何処に行ったんだ!?』
『「・・・・ん?」』
タイガが辺りを見回すが、キングマイラの姿形も無い。
と、その時、カイン指揮官は視界の端に、ビクッビクッと動いていたキングマイラの三つの尻尾が突如として消えたのを捉えた。
『「・・・・尻尾が・・・・まさか! タイガ!」』
カイン指揮官がタイガに指示を出そうとしたその瞬間、背後から大きな黒い影が現れ、タイガが振り向いたソコにはーーーーキングマイラがいた。
『なっ!』
『ギシアァァァァァァァァァァっ!!』
キングマイラが尻尾を振るうと、三つの尻尾の内二つがタイガの両足を、残った一つが腰に巻き付くと、キングマイラは瞬時にタイガを引き寄せる。
タイガはキングマイラの背にして、両腕をキングマイラの豪腕に捕まれ、磔にされたかのように両腕を上げられ、首を胸元の小さな手に絡まれ、キングマイラは片足でタイガの背中を押し出す。
『ぐぅ・・・・うぉああああああああ・・・・!!』
ギチギチギチギチと、背骨折りをように身体を極められたタイガが悲鳴を上げる。
ーーーーピコン! ピコン! ピコン! ピコン! ピコン! ピコン! ピコン!・・・・。
カラータイマーを鳴り響き出した。
『指揮官! タイガ!!』
クリーブランド姉妹とセントルイスとホノルル、ボルチモアとプレマートン達が助けようと動くが・・・・。
『ギィィィィィィィ!!』
『『カァァァァァァァァァァ!!』』
キングマイラの両肩の触手が火炎放射を放ち、クリーブランド達の行く手を遮った。
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』
全員が炎に遮られ、その場に止まった。
『「み、皆・・・・!!」』
≪兄ちゃん! タイガ! 俺と交代しろ! こんなデカブツの極技なんて簡単に脱出してやるっ!≫
『「そ、そうしたいけど・・・・! だ、駄目だ・・・・! 俺の身体も、固定されて、動けないんだ・・・・!」』
『く、くそぉ・・・・! ああああぁっ!!』
タイガとカイン指揮官も、タイタスとフーマに交代する事ができず、キングマイラは更に力を込めると、フォトンアースの鎧にビキビキっ、とヒビが走っていった。
ーヨークタウンsideー
「指揮官!」
「綾波ちゃん! 私も!」
綾波が艤装を展開して、キングマイラに捕らわれたタイガの元へと向かい、ジャベリンも艤装を展開してそれに続いた。
「・・・・・・・・」
「待ってラフィー!」
「・・・・ん?」
勿論ラフィーも艤装を展開して向かおうとすると、ヨークタウンが声をかけて止めた。
「どうして、ソコまで戦うの?」
「?」
ヨークタウンの言葉の意味が分からず、首を傾げるラフィーに、ヨークタウンは話を続ける。
「あれほどの戦いができるウルトラマンと怪獣、それにーーーー指揮官の為に、あなた達は何故戦うの?」
ヨークタウンは、本心ではカイン指揮官の事をーーーー信じられないのだ。それは自分のカンレキが由来しているのだ。
ホーネットとハムマンから、何度もメールでその人柄を伝えられても、心の何処かで信じられなかった。だから、ラフィーに聞いてみたのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ラフィーはタイガを一瞥してから、ヨークタウンに話しかけた。
「ラフィー。指揮官が好き」
「えっ?」
『えぇっ!?/////』
こんな時に愛の告白的な台詞を言ったラフィーに、ヨークタウンだけでなく、他の艦船<KAN-SEN>達も頬を赤らめた。
「タイガも好き」
『は?』
「タイタスも好き。フーマも好き。ラフィーは指揮官達が好き。だから、指揮官達が危ないなら助けたい。それだけ・・・・」
「それだけ、なの?」
「ヨークタウン。指揮官達の事、良く分かってない」
「えっ?」
「だからね、これから知って欲しい。指揮官達の事。じゃあね」
ラフィーはそう言い残すと、今度こそ艤装を展開して、綾波とジャベリンを追いかけた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・知る、指揮官の事を・・・・ウルトラマン達の事を・・・・」
ヨークタウンは、ラフィーに言われた事を復唱しながら、キングマイラに捕らわれたウルトラマンタイガとカイン指揮官を見上げた。