アズールレーンT   作:BREAKERZ

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【信頼】信じて頼るは己から

ーカイン指揮官sideー

 

空が明るくなり始める時。カイン指揮官と艦船<KAN-SEN>達は氷付けになったキングマイラを見上げていた。

 

「ヴェスタル。ヤツの状態は?」

 

カイン指揮官が指揮官専用艦の艦橋からヘレナに通信で聞くと、ホーネットと艦載機に乗り、キングマイラの上に降り立ち、氷越しだが状態を検査していた。

明石が機械系に強ければ、ヴェスタルは医療系に強く、最近ではタイタスから知識を借りながら怪獣の精神状態の解析作業の道具を明石と、『重桜所属 軽巡洋艦 夕張』が作ったアズールレーンの新兵装や道具を作る〈アズールレーン・科学部〉に依頼して造り上げたのだ。

 

《・・・・・・・・バイタルが少しずつ安定してきてるわ。多分後四十分・・・・イエ、三十分で目を覚ますわね・・・・》

 

「・・・・分かった。すぐにホーネットとその場を離脱。ヴェスタルは艦に戻ってくれ。ホーネットはヴェスタルを戻したら所定位置へ」

 

()()

 

二人の返事を聞いた後、カイン指揮官は此方の海域に向かっているアズールレーン母港の増援部隊に連絡を入れた。

 

「ベル。聞こえるかい?」

 

《はい。ご主人様》

 

勿論、増援部隊の旗艦は、ロイヤルでカイン指揮官が最も頼りにしているベルファストだ。

 

「もうすぐ怪獣が目を覚ます。後どの位だい?」

 

《ーーーー申し訳ありません。全員全速力で向かっているのですが、まだ後五十分は掛かります》

 

「分かった。が、四十分で来てくれ。此方も手が足りないんだ」

 

《承知致しました》

 

カイン指揮官も無理な指示を言っていると言う自覚はある。しかし、目の前の強敵を相手に甘い事を言っていられない。ベルファストはそんな主の心中を理解しているから、了承したのだ。

連絡を切ったカイン指揮官は、近くの砂浜で突き刺さったままになったトライブレード(巨大サイズ)を見据える。

 

「(『トライストリウム』になる事ができれば、勝機はあるかもしれないが・・・・タイガ、どうだ?)」

 

≪ぜ、全然よゆぐぁっ!!≫

 

余裕だと言いそうになるタイガだが、やはり身体のダメージが消えておらず、悲鳴を上げた。

 

≪無理をするなタイガ。今のお前のコンディションでは、トライストリウムになる事はできん≫

 

≪俺らで何とかすっから、お前は身体を癒やす事に専念してな!≫

 

『トライストリウム』はトライスクワッドが合体する形態。が、チームの一人でもコンディションが悪くなれば変身する事ができないのだ。

先日の戦いのダメージがまだ抜けきれていないタイガは、タイタスとフーマに押さえられ、大人しく引っ込んだ。

それを確認したカイン指揮官は、艦船<KAN-SEN>達に指示を飛ばした。

 

「よし、皆頼むぞ! 作戦名はーーーー『ストップ・エヴォリューション』! 開始!」

 

《『了解!!』》

 

『進化を止める』と言う意味の作戦名に、異口同音でイントネーションもかなり違う返答が返ってくると、即座に艦船<KAN-SEN>達が行動を開始するのとほぼ同時にーーーー。

 

ーーーーピシッ! ビギビギビギビギビギビギビギビギビギビギ・・・・!!

 

キングマイラを包んでいた氷塊に、一筋の罅が入ると、ソコから連鎖するように罅が広がっていき、遂には氷塊全体が罅に覆われた。

そして・・・・。

 

ーーーーグワシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンッッ!!!

 

『ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!』

 

氷塊をぶち破り、海溝からも脱出したキングマイラが、復活の歓喜か、コケにされた憤怒か判断しづらい雄叫びを上げた。

 

 

 

ークリーブランドsideー

 

『っっっ!!!!』

 

大気が震え、海面も波打ち、身体もビリビリと振るえる程の大音量が、怪獣との戦闘が乏しいユニオン艦船<KAN-SEN>達の身体をすくませる。

が、アズールレーン母港出身である艦船<KAN-SEN>達が背中を押して、正気に戻ると、再び行動に出る。

まずは攻撃力と機動力があるクリーブランド姉妹とボルチモアとブレマートン。

 

「行くよ皆!」

 

『オーケー!』

 

『〈ノブレス・ドライブ〉!!』

 

一斉に声を上げて金色のオーラを纏うと、一気に加速し、光弾と光線の砲撃をキングマイラに浴びせていく。

 

『ギシャァァァァァァァァッ!!』

 

身体に火花を散らすキングマイラは、踏み潰そうと足を伸ばすが、〈ノブレス・ドライブ〉をした艦船<KAN-SEN>達はすぐに回避していき、口や肩の触手からの火炎放射、三股の尻尾を使って捕らえようとする。

 

 

 

 

ーホーネットsideー

 

《航空部隊、発進!》

 

『了解!』

 

すると次にカイン指揮官からの指示が飛ぶと、エンタープライズとホーネットだけでなく、『ユニオン所属 空母 サラトガ』とロング・アイランドも共に艦載機に乗って空から迫った。

 

「ふぇぇ~! 『幽霊』さんはこんなアグレッシブな事したくないよぉ~!」

 

《文句言うなロング・アイランド。コレが終わったら新作ゲームをユニオンから大量に取り寄せてやる》

 

「ホント! じゃあ頑張る!」

 

干物なロング・アイランドがボヤくがユニオンの新作ゲーム欲しさに着いてきたので、カイン指揮官から言われた言葉でやる気を出した。

サラトガは近くを飛んでいるエンタープライズとホーネットの大きく、形も整っている美巨乳を横目で見ると、

 

「・・・・何であんなに育ってるのよ・・・・」

 

と、ボソリと呟いた。

 

《何か言ったかサラトガ?》

 

「っ、な、何でもないわ指揮官! サラトガちゃんの活躍、見せて上げるんだから!」

 

カイン指揮官に聞かれたと思い誤魔化すと、四機の艦載機は旋回しながら、キングマイラに迫り。

 

『〈ノブレス・ドライブ〉!』

 

四人の身体も金色に光る。

 

「はぁっ!!」

 

「ゴーゴー!」

 

「行っくよー!」

 

「よっと」

 

エンタープライズがアーチェリーを引くと、光が凝縮された矢が放たれ、キングマイラの肩の触手を攻撃する。

ホーネットが更に艦載機を発進させると、光に包まれた艦載機が蜂の形になり、光の軌跡を描きながら凄まじい速度でもう片方の肩の触手を攻撃する。

サラトガも加速すると、キングマイラの火炎を回避し、顔面に向けて機銃で光弾を放っていく。

ロング・アイランドは一瞬姿が消えると、キングマイラの真正面に着き、キングマイラの目に光の弾丸を放った。

 

『ギシャアアアアアアアアアアッ!』

 

顔に放たれた攻撃のよるダメージで顔を押さえると、キングマイラはその血のように真っ赤な両眼で、ギロリッとサラトガとロング・アイランドを睨んだ。

 

「ひっ!」

 

「ふぇえ、じゃ幽霊さんはこれで~」

 

「あっ! ロング・アイランドズルい!」

 

ロング・アイランドがス~・・・・と、姿を消すと、一人残されたサラトガに、キングマイラと触手が口から炎を溜め始めた。

 

「サラトガ!」

 

「今行くよ!」

 

エンタープライズとホーネットが援護に向かおうとするが、尻尾に遮られ、旋回して回避せざる得なく、中々向かえなかった。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 指揮かーーーーんっ!!」

 

サラトガが漫画のような涙の滝を流しながら叫んだ。

 

 

 

ーカインsideー

 

サラトガの声が聞こえたのか、戦況を見て判断したのか、カイン指揮官は迅速に行動した。

 

「行くぞフーマ!」

 

≪応よっ!≫

 

[カモン!]

 

タイガスパークを起動されると、フーマキーホルダーを掴む。

 

「風の覇者! フーマ!」

 

≪はぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・セヤッ!≫

 

「バディィィィ・・・・ゴーーーー!!」

 

[ウルトラマンフーマ!]

 

『セイヤッ!』

 

青い光に包まれたカイン指揮官の姿が変貌し、旋風を纏ったウルトラマンフーマが飛び出すと、『極星光波手裏剣』を展開し、サラトガとキングマイラの間に入ると、キングマイラの火炎放射を極星光波手裏剣を盾にして防いだ。

 

『アチチチチチチチチチチチチチッ!!ーーーー忍っ!』

 

ーーーーポンッ!

 

火炎放射の熱気に悲鳴を上げるフーマが印を結ぶと、その場から小さな煙を出してサラトガも連れて少し離れた位置に離脱した。

 

『サラトガ嬢ちゃん、少し離れてな』

 

「うん!」

 

サラトガは艦載機を旋回させ、エンタープライズ達と合流する。

 

『『光波剣』!!』

 

右手のタイガスパークから光の剣を生み出し、加速してキングマイラの周りを駆け抜ける。

 

『ギシャァァァァ・・・・!!』

 

『へっ! どうしたよデカブツ! 俺のスピードには着いて来られないってか!? オリャッ!!』

 

『ギシャァァァ!?』

 

駆け抜けながら、フーマは光波剣でキングマイラの身体を切りつけていく。

 

『ギシャァァァァァァァァッ!!』

 

『よっ! はっ! おっと! わっと! そらよっと! あらよっと!』

 

フーマに向けて火炎放射を放つが、フーマは緩急を着けながら回避する。

そして・・・・。

 

『『光波剣・大蛇』!! セヤッ! デヤッ!!』

 

『光波剣』を蛇腹剣のように伸ばし、鞭のようにしならせ振り回すと、キングマイラの両肩の触手を根元から切り捨てた。

 

『ギシャァァァァァァァァッ!!』

 

出血する両肩を押さえて激痛に身悶えるキングマイラ。二つの触手はーーーー。

 

『『共鳴<レゾナンス>』!!』

 

〈ノブレス・ドライブ〉した綾波にジャベリン、ラフィーにハムマンによって破壊された。

 

『よっしゃ!』

 

フーマが触手が破壊されたのを見たほんの刹那の瞬間、キングマイラは尻尾を振り、三股の尻尾がフーマの両手と腰に巻き付いた。

 

『うわっ!』

 

『ギシャァァァァァァァァッ!』

 

タイガと同じように捕らえ、再び背骨折りでもしようと考えているのか、フーマの身体を引き寄せた。

 

『へっ! 同じ手に掛かるかよ! ダンナ!!』

 

≪うむ! トモユキ!≫

 

『「よしっ!」』

 

[カモン!]

 

『「力の賢者、タイタス!」』

 

[ウルトラマンタイタス!]

 

『ヌウゥンッ!!』

 

フーマが交代の合図をすると、カイン指揮官はタイタスキーホルダーを握って、ウルトラマンタイタスへと変わった。

 

『ムゥンッ!!』

 

『ギィィィィィィィィィッッ!!』

 

両手で捕まえようとするキングマイラの手を掴んだタイタスが、逆に力比べを始めた。

パワーに優れたタイタスを相手にし、キングマイラはその場から動けなくなった。

 

『ヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!』

 

『ギィィィィィィィィィッッ!!』

 

タイタスとキングマイラの力が拮抗させると、カイン指揮官が声を張り上げた。

 

『「耐えろよ・・・・! タイタス・・・・! 今だっ! ーーーーヨークタウンっっ!!」』

 

カイン指揮官が頭上を見上げると、青空の雲から、艦載機である爆撃機に乗ったヨークタウンが急降下しながらやって来た。

 

 

 

 

 

ーヨークタウンsideー

 

「・・・・・・・・」

 

爆撃機に乗ったヨークタウンは、無言でキングマイラの頭上に向かいながら、先刻の作戦会議を思い出していた。

 

 

 

***

 

 

キングマイラの弱点を突く作戦の中、カイン指揮官はヨークタウンに向けて声を発した。

 

【今回の作戦の要であるキングマイラの頭上への攻撃を決めるのはーーーーヨークタウン。君だ】

 

【えっ!?】

 

ヨークタウンは突然重要な役割を与えられて、一瞬だけ間の抜けた顔をするが、すぐに顔を戻して、カイン指揮官に問いかけた。

 

【し、指揮官! 何故そのような重要な役目を私にっ!? 私より全然優秀なエンタープライズか、ホーネットの方が・・・・!】

 

【今回の戦闘には、あのトレギアが一枚噛んでいます】

 

【私もエンプラ姉も、空から攻めるならアイツに注意されているからさぁ。ヨークタウン姉ならまだ警戒されてないから意表を突けるでしょ】

 

【で、でも・・・・私なんかが・・・・】

 

【ヨークタウン姉さんなら大丈夫なのだ!】

 

弱気になるヨークタウンに、ハムマンが声を張り上げた。

 

【ヨークタウン姉さんは、ユニオンの英雄であるエンタープライズにだって負けないくらいすっっごく強いのだ!】

 

【・・・・・・・・】

 

【私も、ハムマンに賛成です】

 

【エンタープライズ・・・・】

 

【ヨークタウン姉。もっと自信持ちなって。私達の一番上の姉は、とっても頼りなる姉なんだよ】

 

【ホーネット・・・・】

 

妹達にまで言われ、ヨークタウンは困った顔になると、カイン指揮官が声を発した。

 

【ヨークタウン。エンタープライズに艦載機に乗っての戦闘と操作技術を叩き込んだのは君だって聞いている。だからこそ、任せたい】

 

【ですが・・・・】

 

【君を信じている】

 

【っ】

 

ヨークタウンはカンレキから、指揮官に信じられない。だが、カイン指揮官はそれでも声を発する。

 

【君が俺を信じていないのは分かっている。だからーーーー先ずは俺の方が君を信じる】

 

【えっ・・・・?】

 

意外な言葉に、ヨークタウンはまた一瞬、間の抜けた顔を晒した。

 

【相手に信じて貰う為には、先ず自分から相手を信じる事から。ヨークタウンが俺を信じなくても良い。だが、俺はヨークタウンを信じる。ーーーーヨークタウンなら、できると信じる】

 

【指揮官・・・・】

 

【ヨークタウン。自分ができるか不安なら、自分を信じるな】

 

『【えっ?】』

 

ソコは自分を信じろと言うだろう。と、全員がツッコミを入れそうになるが、カイン指揮官は言葉を続ける。

 

【君ならできると信じているーーーー皆を信じろ】

 

【っ・・・・】

 

ヨークタウンが周りを見回すと、ヨークタウンを信じていると言わんばかりの視線を向けるアズールレーンの仲間達がいた。

 

【私達もバックアップをするから!】

 

【やってやろうよヨークタウン!】

 

【ヨークタウンさん!】

 

口々にヨークタウンを応援する仲間達の声に、ヨークタウンは少しの間目を閉じると、すぐに開いた。その眼には、確かな『覚悟』が備わっていた。

 

【ーーーーやらせて下さい、カイン指揮官!】

 

【ああ。次いでに、コレも持っていけ】

 

カイン指揮官がヨークタウンに『ウルトラマンエックスレット』を渡した。

 

 

 

***

 

 

 

「・・・・“相手に信じて貰う為には、先ず自分から相手を信じる”、か。・・・・不思議ね。あの人がそう言うと、何でもできる気がしてくるわ・・・・」

 

ヨークタウンの身体から、金色の光が漏れ出してくると、ヨークタウンは顔を上げて、『エックスレット』を構えたその瞬間、脳裏に一人の青年と、メカメカしい身体をしたX字のカラータイマーを着けたウルトラマンの姿が浮かび、彼ら二人が腕を合わせている姿が浮かんだ。

その姿は、誰よりもお互いを信頼している事を表していた。

 

「私も信じて見ますーーーー指揮官、あなたを!」

 

その瞬間、ヨークタウンの身体が金色に輝き始めた。

 

「〈ノブレス・ドライブ〉!!」

 

光輝いたヨークタウンの身体と連動するように、爆撃機も金色に輝き、更に緑色の雷を迸らせていた。

 

『ギィィィィィィィィィッッ!?』

 

キングマイラが頭上が光ったのを見て、ヨークタウンの存在に気付くがもう遅かった。

 

 

 

 

 

ートレギアsideー

 

『へぇ~。考えたねぇ。で・も、それで上手く行く訳が』

 

トレギアがタイタスとキングマイラの力比べしている所に近づき、ヨークタウンを妨害しようとしたその時。

 

「うわ~・・・・やっぱり出たよ」

 

『ん?』

 

後ろから声が聞こえ振り向くと、ロング・アイランドが滞空しながらトレギアを見据えている姿だった。

 

『あれ、お嬢ちゃん。私の相手をするのかね? 君ごときが?』

 

随分と舐められた物だと思うトレギアだが、ロング・アイランドはベーと舌を出した。

 

「まさか。幽霊さんは、この子を連れてきただけ!」

 

ロング・アイランドがそう言った瞬間、ロング・アイランドの背後から頭上を飛び越えて、ある駆逐艦が現れた。

 

『っ! ジャベリンっ!?』

 

「邪魔させません! 『ジードさん』っ!!」

 

何と、〈ノブレス・ドライブ〉したジャベリンの腕に『ウルトラマンジードレット』が巻かれており、ソコから紫色のオーラがジャベリンの槍に纏い、ジャベリンの後ろに、ウルトラマンジードの幻影が現れた。

 

『ウルトラマンジード・・・・! 暁月、理巧・・・・!!』

 

トレギアは一瞬、その幻影を忌々しそうに睨んで、その名を呟いた。

トレギアはウルトラマンジードが気に食わなかった。何が不愉快に感じると言われれば、彼のーーーー光も闇も混合しているのに、僅かな光明でも貫き進む意志の強さが宿る瞳が、トレギアは果てしない不快感を感じてならなかった。

が、ジードの幻影に意識が向きすぎていたのが、敗因であった。

 

「いっけーーーー!」

 

ジャベリンが槍を槍投げのように投擲すると、紫色の力の奔流に包まれた槍が、凄まじい勢いで突っ込んでくる。

 

ーーーードシュンッ!!

 

『ぐああああああああああっ!!』

 

それをマトモに受けたトレギアは、海に盛大に倒れ、凄まじい水飛沫を上げた。

 

 

 

 

 

 

ーヨークタウンsideー

 

「ーーーー行きなさいっ!!」

 

トレギアが綾波の斬撃を受けるのとほぼ同時に、ヨークタウンが電撃を纏った爆撃をキングマイラの脳天に叩き落とした。

 

『ーーーー!! グギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっっ!!』

 

キングマイラはタイタスを離すと、頭を押さえて凄まじい声量の悲鳴を上げると、身体に異変が起こった。

ちょうど成長する時間だったのだが、キングマイラの全身から血管が浮かび、骨が軋むような音が鳴り、筋肉がボコボコと蠢くように動く。

 

『ギャアアアアアアアアアアアアアアッッ!!』

 

『やはり、キングマイラの弱点は角に覆われた頭部だったか』

 

解放されたタイタスは少し距離を空け、自分の周りを滞空するヨークタウン達にも聞こえるように声を発した。

 

『生物の進化は緩やかなに行われる物。だが、キングマイラは急成長し過ぎている。その急成長に肉体が耐えられる筈がないのだ。成長する肉体の破壊と再生がコントロールできず、とてつもない激痛に襲われているのだ』

 

「人間で言う所の成長痛のような物ね」

 

医療に詳しいヴェスタルが補足した。

それを聞いて、トレギアがゆっくりと身体を起こし、身悶えているキングマイラを一瞥してから、タイタス達を見据える。

 

『ふっ。これもカイン・オーシャンの指示って訳か・・・・だが、代償もあったな?』

 

『ーーーーぐぅっ!!』

 

『タイタス(さん)!!』

 

ーーーーピコン、ピコン、ピコン、ピコン、ピコン、ピコン・・・・。

 

タイタスの身体が膝を付き、カラータイマーが点滅を始めた。

 

『キングマイラのパワーは凄まじい。流石の力自慢も形無しだったようだねぇ?』

 

言われて艦船<KAN-SEN>達も気づいた。タイタスより一回りも巨体のキングマイラをあの場に留めていたのだ。タイタスにだって相当の疲労と負担があった筈だ。

 

『ーーーーまだだっ!』

 

『っ!』

 

か、それでもタイタスは立ち上がり、身体の成長の暴走で身悶えるキングマイラに立ち向かおうとする。

 

『「タイタス・・・・! 諦めないよな!」』

 

『当然だ! ヨークタウン嬢が作ってくれたこの勝機! 決して無駄にはしない!』

 

『クククク、賢者と呼ばれるにしては、愚かだねぇ? そんな満身創痍で何ができる?』

 

『愚かなのは貴様だトレギア!』

 

『何?』

 

言い返されたトレギアに、タイタスは毅然と叫ぶ。

 

『戦いの流れは確実に変わった! この流れを逃さず、勝利と未来を掴み取る! ソレがーーーー『力の賢者』の戦いだっ!!』

 

タイタスがそう叫んだのと同時に、空の彼方から『光の流星』が落下してきた。

 

『むっ!』

 

『流星』はタイタスのカラータイマーに吸い込まれるように入り込むと、赤く点滅していたカラータイマーが、元の青に戻った。

 

 

 

 

ーカインsideー

 

そして、流星はカイン指揮官の腰のベルトに光が収まり、『タイタスの顔と星型の黄色の宝石を付けた五角形のバックル』になった。

 

『「これは・・・・」』

 

≪まさか、新しい力かよっ!?≫

 

≪タイタスのか・・・・!≫

 

『トモユキ! これを使おう!』

 

『「ああ! 行くぜタイタス!」』

 

[カモン!]

 

『「煌めきの力を拳にっ!!」』

 

[スターライト!]

 

タイガスパークをバックルに翳すと、バックルから光が放出され、タイガスパークの水晶がオレンジ色に輝く。

 

『ムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンッ!!』

 

タイタスの頭にヘッドギアが、胴体にアーマーが、両肩に大きなショルダーが、背中に小さなバーニアが、両手に手甲が、両足にグリーブか装備された。

 

[ウルトラマンタイタス ファイティングノヴァ]

 

『フンンッ!!』

 

ーーーープシュゥゥゥゥ・・・・!

 

オレンジ色の鎧を纏った『力の賢者』は、仁王立ちをすると、鎧のアチコチから蒸気が噴射された。

 




次回、新たな姿となったタイタスが、キングマイラに立ち向かう。
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