アズールレーンT   作:BREAKERZ

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【蠢動】動く鉄血

ー???sideー

 

ここは、トライスクワッドがいる宇宙とは別の平行宇宙にある『地球』と言う銀河の辺境。その星の『日本』と言う重桜に良く似た国で怪獣や異星人と戦う『光の戦士』がいた。

 

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「うん。そうなんだ」

 

リモート通話でその話を聞いて驚いたのは、“アメリカに留学している長兄”と、“オーストラリアに留学している次兄”に話をする“末妹”。

この末妹こそ、外交官になる為に留学した長兄と、宇宙考古学を学ぶ為にオーストラリアに留学した次兄、『二人の兄達』が不在の間、宇宙と地球の友好の要となっている日本で戦う『光の戦士』となって戦っているのだ。

 

《あのジャイロって確か、故障して『愛染』が、と言うか、『彼女』が倉庫に捨て置いてあったんだよな?》

 

「うん。あれでも、一応宇宙人の技術で作られているから、『伯父さん』が研究に使おうと保管していたの。でも、いつの間にか無くなっていたんだ」

 

《あんな物、一体何処の誰が欲しがるって言うんだ?》

 

『光の戦士』となる三兄妹が、首を傾げていた。

何故なら件の『ジャイロ』は、自分達の住む街を、“自分のウルトラマンごっこの為に散々利用した男”が、『偽物の光の戦士』となる為に必要なアイテムなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーカインsideー

 

そして、場所はウルトラマンタイガ達のいる平行宇宙。

 

『シャァッ!!』

 

『ピギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!』

 

アズールレーン母港から四十キロ程離れた無人島でタイガが戦っているのはーーーー。

頭と鼻に赤い大小の角が生え、右手のムチ、左手の鎌、腹部には巨大な花が胴体その物のようになり、その花から出される液が、無人島の森や援護している艦船<KAN-SEN>達の艤装の一部を溶かす程に強力な溶解液となっている怪獣ーーーー『宇宙大怪獣 アストロモンス』である。

 

『ピギュウウウウウッ!!』

 

何故こんな状況になっているのかと言うと、ほんの五時間前。

ヨークタウン達ユニオン艦船<KAN-SEN>達がアズールレーン母港に着任してから一週間が経ち。

哨戒任務に出ていた夕立と時雨と雪風、シリアスとダイドー、そしてダイドーとシリアスの姉妹艦である、銀色の長髪に豊満な胸元の上が大きく開いている以外は正統派のメイド服を着た緩やかな雰囲気の艦船<KAN-SEN>『ロイヤル所属 軽巡洋艦 ハーマイオニー』が、無人島を発見した。

その時、浜辺から島の動物らしき猿が、“ナニか”から逃げるように粟食って飛び出してきた。何事かと思った一同だが次の瞬間、森から木のように太くて長い、蔦のようなモノが鞭のようにしなりながら飛び出してきて猿を捕獲し、そのまま森へと引きずり込んでいった。

ギョッ、と目を見開いた夕立達は、急いでその後を追うと、無人島の中心らしき一角にたどり着くとソコにはーーーー見た事の無い美しい赤い花が幾つも咲き誇る花畑だった。

その美しさに一瞬見惚れた一同だが、突如、猿を捕まえた蔦が飛び出し、夕立を捕まえた。そのまま引きずり込まれそうになった夕立を助けようと、時雨と雪風が枝にしがみつき、シリアスとダイドーが剣を使って枝を切り裂きハーマイオニーが救出した。

助けられた夕立が涙目で、拳大の石を花畑に思いッきり投げ込むと、花畑の中央から“ナニか”が吐き出されるように飛び出し、夕立達の前に落ちてきたそれを見た瞬間、夕立達は背筋が凍った。

何故ならそれはーーーー先ほどの猿が、全身の体液が抜かれたような、干からびた状態になって死んでいたからだ。

顔面蒼白になった夕立達は、それはもう、全力全開の全速力で逃げて、母港に戻ると大急ぎで、執務室にて蒼龍と飛竜に監視されながら山のような書類を片付けていたカイン指揮官にその島と花の事を報告し、全員の証言から花の絵を作って、タイタスに見せると、その花が宇宙の植物である『吸血植物 チグリスフラワー』であると知った。

放っておけば辺り一体の生物を全て喰らい、怪獣を生み出してしまう、怪獣の幼体であるとと知ったカイン指揮官は、ただちに艦隊の編成を行い、その島に急行し到着すると、花畑からアストロモンスが出てきた。

『チグリスフラワー』は、アストロモンスが生まれる為の幼体であったのだ。アストロモンスは自分の鞭『スネークビュート』で近くにいた鯨を一本釣りすると、腹部の巨大なチグリスフラワーが捕食器官にもなっているようで、そのまま一飲みで鯨を飲み込んでしまった。

ギョッと艦船<KAN-SEN>達の大半が目を見開き、このままでは被害が増えると見たカイン指揮官がウルトラマンタイガに変身して、現在に至った。

 

『ピギュウウウウウッ!!』

 

『ぐぉぉぉっ!!』

 

タイガはアストロモンスの鎌で身体を斬られ、火花を散らせて倒れる。

 

『っ~~! このっ!ーーーー『ストリウムブラスター』!!』

 

タイガが『ストリウムブラスター』を放つが、アストロモンスは、その鈍重そうな見た目からは想像できない程の俊敏な動きで回避すると、『スネークビュート』でタイガの首を締め上げる。

 

『グゥゥゥゥゥゥゥ・・・・!!』

 

≪タイガ! まだ本調子ではないのに、無茶をしてはいけない!≫

 

≪俺かダンナに任せろ!≫

 

タイタスとフーマがそう言うが、タイガはズルズルと引っ張られると、アストロモンスの腹部の『チグリスフラワー』が呼吸をするように動いた。

 

≪げぇっ! あのヤロウ! 俺らを喰うつもりだぜっ!?≫

 

≪カイン! 君も我々と交代するように、タイガを説得してくれ!≫

 

『「ーーーータイガ・・・・」』

 

『トモユキ・・・・! やらせてくれ・・・・! キングマイラの時、俺はほとんど何もかもできなかった・・・・! ここで挽回させてくれ・・・・!』

 

『「・・・・・・・・分かった」』

 

≪カイン!!≫

 

≪良いのかよ兄ちゃん!≫

 

『「男が自分の意地を張ろうと挑んでいるんだ。野暮な事は言えないさ。それに、戦っているのは俺達だけじゃない!」』

 

カイン指揮官がそう言うと、足元にいる艦船<KAN-SEN>達に目を向けた。

 

 

 

 

 

 

ー綾波sideー

 

「た、タイガさん、苦戦してる、ね?」

 

「・・・・タイガ、何か不調、っぽい?」

 

「まだキングマイラとの戦いでのダメージが抜けきれてないです?」

 

ユニコーンとラフィーと綾波が、心配するような顔となる。が、後ろから複数の少女の声が聞こえた。

 

「ーーーーならば、余らが出ようぞ」

 

「わぁい! わぁい! 久しぶりにガンバるぞ~!」

 

「まだ傷が癒えてないヤツを選ぶなんて、指揮官の選考ミスね!」

 

「まぁまぁ姉さん。その話は怪獣を倒してからにしましょう」

 

「この日を待ちわびていた。怪獣に我らの力を見せようぞ」

 

「良いぜ! 良いぜ! こんなデカい怪獣<ヤロウ>と戦り合えるなんてよぉ!」

 

「ようやく、私達の実力を見せる時が来たようだ・・・・」

 

「あ、貴女達はっ!?」

 

ジャベリンがオーバーリアクション気味に声を張り上げるが、ある意味では仕方ないと言えるかもしれない。

何故なら、〈重桜〉の旗艦である二人に、ロイヤルの戦艦二人。そしてーーーー先日着任したユニオンの戦艦達が現れたのだ。

一人は左目が前髪に隠れた長い銀髪で、赤いカチューシャを付けており、襟部分に錨状の装飾が付いた衣装を身に着けている艦船<KAN-SEN>の少女。

一人はツリ目でダークレッドの長い髪をポニーテールにし、錨状の装飾が着いた黒を基調とした衣装に身を包み、好戦的な笑みを浮かべる艦船<KAN-SEN>の少女。

一人はハーフアップに結った長い黒髪に、左目には泣きぼくろが付いており、これまた錨状の装飾が着いた黒を基調とする衣装を着る艦船<KAN-SEN>の少女。

 

「わぁー! 凄い凄い! 『ビックセブン』が揃い踏みですねー!」

 

その艦船<KAN-SEN>達を見て、ジャベリンが目を輝かせながら、はしゃいだようにまた声を張り上げたが、それも仕方ない。何故なら、ここにいる艦船<KAN-SEN>達のほぼ全てが、この七人の艦船<KAN-SEN>達に注目しているのだ。

『重桜所属 戦艦 長門』。

『重桜所属 戦艦 陸奥』。

『ロイヤル所属 戦艦 ネルソン』。

『ロイヤル所属 戦艦 ロドニー』。

『ユニオン所属 戦艦 コロラド』。

『ユニオン所属 戦艦 メリーランド』。

『ユニオン所属 戦艦 ウェストバージニア』。

世界でも指折りの戦闘力を持つ戦艦である七人の艦船<KAN-SEN>ーーーーそれが『ビックセブン』である。

長門と陸奥は母港を散歩していると、ちょうどお茶をしていたネルソンとロドニーに出会い、さらに偶然か、綾波達に母港を案内されていたコロラド達と出会ったのだ。

そんな時、夕立と達が慌てた様子で戻ってきたのを見かけて一同が訝しそうにしていると、カイン指揮官が調査の為に綾波達四人に出撃を命じた。

ーーーーのだが、たまには自分達も出撃したいと言った長門と陸奥、周辺の海域を見てみたいと言ったコロラド達、そして自分達も行くと言い出したネルソンとロドニーも来たのだ。

 

「壮観、でございますね。『ビックセブン』が揃い踏みとは」

 

「ああ、頼もしい限りだ」

 

「でもーーーー“ビック”って・・・・」

 

一緒に来たエンタープライズとベルファストも笑みを浮かべた。まあ、ホーネットが苦笑しながら、幼い容姿の長門と陸奥を見た後、“色々な部分が大きい”、ネルソン達、他の『ビックセブン』と比べたのはご愛嬌だろう。

すると、ホーネットの視線に気づかず、長門が前に出る。

 

「では各々がた参ろうぞ。我ら『ビックセブン』の威光を示そうではないか!」

 

『うん!/ええ!/ああ!/(コクン)』

 

長門の号令に、他の『ビックセブン』が頷くと、アストロモンスに引き寄せられるタイガへと向かい、そして艤装の砲口をアストロモンスへと向けーーーー。

 

「てぇーーーーい!」

 

長門の叫ぶと、『ビックセブン』の砲口から火が吹き、

 

ーーーードガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガァァァァァァァァァァァァァァァンンッ!!

 

激しい砲撃の炎がアストロモンスの身体から舞い上がる。

 

『ピギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!』

 

身体から炎の塊を叩きつけられ、元が植物のせいか、アストロモンスは悲鳴を上げると、タイガを捕まえていた『スネークビュート』の力を緩めてしまった。

 

『「っ! タイガ!」』

 

『よぉしっ! 『スワローバレット』!!』

 

好機と見たタイガは光弾を放ち、アストロモンスを後退させる。

 

『「これで決めるぞ! タイガ!」』

 

『よし!』

 

[カモン!]

 

カイン指揮官はタイガスパークを起動させ、『フォトンアースキーホルダー』を手に取り、タイガスパークを翳した。

 

[アース!][シャイン!]

 

『「輝きの力を手に!」』

 

キーホルダーを握ると上部が二又に開いて光り輝く。

 

『はぁぁぁぁぁっ!!』

 

タイガの身体に、フォトンアースの鎧が纏う。

 

「バディーーーーゴー!」

 

[ウルトラマンタイガ フォトンアース]

 

『シャァっ!!ーーーーハァァァァァァァッ!』

 

電光を纏った回し蹴りを叩き込み、更に拳でのラッシュでアストロモンスを後退させると、長門と陸奥、ネルソンとロドニーが。

 

「「「「〈ノブレス・ドライブ〉!!」」」」

 

四人の身体が金色に光り、更に『光の艦隊』を生み出す。

 

「「「「『共鳴<レゾナンス>』!」」」」

 

『光の艦隊』から光線の砲撃がアストロモンスの両腕を粉砕した。

 

『ピギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!』

 

アストロモンスが痛みでそこら辺を走り回る。

 

「・・・・やはり〈ノブレス・ドライブ〉ができる者達は凄いな」

 

「ちっ、あたし達も早く到達したいもんだねぇ」

 

「・・・・いつか必ず到達してみせる」

 

ついこの間着任したばかりだが、〈ノブレス・ドライブ〉の凄まじさを見て、いつか自分もと考えるコロラド姉妹。

と、タイガは必殺光線の構えを取り、頭上にオーロラを形成した。

 

『フゥゥゥ・・・・『オーラムストリウム』!!』

 

タイガは金色の長剣の形状をした光線を、アストロモンスの腹部の『チグリスフラワー』に向けて放った。

 

『ピギュゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

光線を呑み込んだアストロモンスは、身体が膨張していき、空気の入れすぎた風船のように、内部から破壊されそしてーーーー。

 

ーーーーバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンッ!!!

 

大爆散した。

 

『フゥゥゥ・・・・』

 

タイガはアストロモンスを撃破すると、構えを解いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変身を解除したカインは、一同を連れて無人島に上陸すると、アストロモンスが出てきた、『チグリスフラワー』の群生地に赴いた。

 

「これはーーーー酷いな・・・・」

 

ソコは巨大なクレーター、おそらくアストロモンスが誕生した跡であろう。しかし、その場はアストロモンスのような巨大な生物が這い出たせいか、島の大半が巨大なすり鉢状の穴が形成され、もはや島の体裁を保てない状態だった。

さらに悪い事に、僅かに残った近くの森で『チグリスフラワー』が幾つかが発見された。

 

≪カイン。『チグリスフラワー』はたった一輪でも残っていればすぐに成長し、爆発的に増殖する。≫

 

 

「・・・・指揮官。この花は?」

 

「ーーーー全て燃やす。害虫ならぬ、害花は徹底的に駆除だ」

 

『了解!』

 

長門と陸奥は従者の江風を連れて、ネルソンとロドニーも、コロラド達も、エンタープライズとベルファストも、綾波達も、『チグリスフラワー』を燃やしていく。がーーーー。

 

「あの、指揮官さん・・・・」

 

「ん?、『花月』に『オーロラ』?」

 

カイン指揮官に話しかけてきたのは、ピンク髪にエメラルドグリーンの瞳に大きな獣耳に袴姿をし、番傘を手にしている艦船<KAN-SEN>『重桜所属 駆逐艦 花月』と金髪の長髪にリボンを結び、胸元と肩を露出したロングコートの軍服とスカートから伸びる、スラリとした美脚を白いハイニーソックスを着用した艦船<KAN-SEN>『ロイヤル所属 軽巡洋艦 オーロラ』だった。

 

「指揮官さん。このお花、全て燃やすの?」

 

言い淀む花月に変わって、オーロラが一歩前に出てカイン指揮官に声を発した。花を愛するこの二人にとって、危険な『チグリスフラワー』とは言え、花を駆除するのは難色を示しているのだろう。

 

「・・・・・・・・君達の気持ちは分かる。けどな、チグリスフラワーを放っておけば、この島のような惨状がこれからも広がっていく。それにーーーーこれを見てくれ」

 

カイン指揮官は二人の気持ちを汲むが、それでも、厳しい言葉を発しながら、森の木や地面を指差すと、ソコには爪痕や血痕が所々に残っていた。

 

「この痕を見れば分かるだろう。この島に生きていた動物達や、周辺の魚達は悉く、チグリスフラワーに血を吸い付くされていった。ここが動物しかいない無人島だったのが不幸中の幸い、とは言いたくないが、これがもしも、俺達の母港や人が住んでいたりしていたら、どうなっていたと思う?」

 

「「っ!」」

 

想像するのも恐ろしい事態になっていたであろうと考え、オーロラと花月は息を詰まらせた。

 

「俺達がチグリスフラワーを燃やす事は、そんな悲劇が起こらないようにする事だ。それが、力を持った俺達の『責任』だと思う。オーロラ。花月。花が好きな君達には酷な事だろうけど、分かってくれ」

 

カイン指揮官は、二人の肩に手を置いて諭すと、二人は悲痛な顔色を浮かべながらも、決意を込めて顔を引き締める。

 

「・・・・・・・・はい。分かりました」

 

「・・・・私達も、こんな事しては駄目だと思います」

 

「・・・・ありがとう」

 

カイン指揮官は二人にお礼を言うと二人の頭を優しく撫でた。オーロラと花月が顔を赤らめるが。

改めて、チグリスフラワーの焼却処分を再開させて。

ーーーーしかし、カイン指揮官達は気づいていない。自分達の様子を伺っている、ドローンがいた事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーアイゼーンsideー

 

「ダメ! ダメダメダメ! なっちゃいなーーーーい!」

 

ここは鉄血本国にある鉄血軍司令部の総統室。

カイン指揮官達の様子を眺めていたドローンからの映像を見ていた鉄血の総統『アイゼーン・マコットラー』は、ウルトラマンタイガとアストロモンスの戦いを見て、ヒステリックに叫びながらダメ出しをしていた。

 

「何で艦船<KAN-SEN>達に助けられているんだ! あの無人島の近くには人がいる島もあったんだ! その島が襲われてから戦えば良いのに・・・・もう! ダメ! 全然なってない! 〈光の国〉出身の癖に! あの『ウルトラマンタロウ』の息子の癖に! 全くまるでなってない! 『出来損ないの七光りのお坊ちゃん』めがっ!」

 

タイガの戦い方に酷評するアイゼーンが、我慢ならなくなってバッと立ち上がると、総統の執務机の椅子が盛大に倒れ、机をバンバン! と叩きまくった。

 

「ーーーーああもう! 痒い処に手が届かない、あの『偽ウルトラマン兄弟』を見た時と同じか、それ以上のもどかしさッ! もう何て言うか・・・・全てが雑なんだよッ!!」

 

身体中を掻き毟るアイゼーンは、大人げなく、ヒステリックに喚き散らかした。

そして、その背後から、右腕にギブスをし、半眼で冷めた目をした霧崎が現れた。

 

「・・・・Mr.マコットラー」

 

「ん?ーーーーーおおっ! Mr.霧崎! 戻ったのかね!? それでそれで! 『例の物』はっ!?」

 

アイゼーンがまるでオモチャを急かす子供のようにはしゃぎながら両手を差し出すと、霧崎は半ば呆れながら『例の物』を出した。

 

「はい。“君が『向こうの星』に残してきた『AZジャイロ』だよ”」

 

「おぉぉぉぉっ!! やっと・・・・! やっと私の手元に戻ってきてくれたねぇ! あの“卑劣なぺてん師の小娘”のせいで君を手離してしまったが! やはり私には君が必要だっ!」

 

まるで愛しい恋人に再会したような物言いに、霧崎の目はさらに冷めていくが、アイゼーンはそんな視線を全く気にも止めず、さらに言葉を続けながら、執務机の下から大きなアタッシュケースを取り出し、開けると、中から機械的な首輪のような『チョーカー』がズラリと並べられていた。。

 

「さて! 我が〈鉄血〉の世界一の科学力でジャイロを修理し終えたら!ーーーーこの『チョーカー』を我が〈鉄血〉艦船<KAN-SEN>達にプレゼントしようじゃあないか! そしてあの『偽ウルトラマン達』と! そんな奴らに協力している『無知蒙昧なアズールレーン』に教えてやろうじゃあないか!」

 

アイゼーンは机の上に立つと、天に向かって人差し指を立てた。

 

「ーーーー『真のヒーロー』にして! 『真のウルトラマン』が誰であるかを!! アッハハハハハハハ! ハーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

大仰に騒ぎ、更にやかましい程に高笑いを上げるアイゼーンを見て、霧崎は最早相手をするのも面倒臭くなったのか、静かにその場から去っていくのを察したアイゼーンはーーーー。

 

「・・・・・・・・君も、私の力になってくれよ? Mr.霧崎、嫌、トレギア」

 

ピタッと高笑いを止め、ニンマリと口角を上げて、歪んだ笑みを浮かべていた。




次回、〈鉄血〉の総統と対峙する!
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