アズールレーンT   作:BREAKERZ

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オーブダークが戦っている間、周りは何をしていたのか。


【幕間】巻き込まれる人々

ー赤城sideー

 

「加賀! 急ぐわよ!」

 

「ああ!」

 

赤城と加賀が、ウルトラマンフーマが、カイン指揮官がやられた地点に急いだ。がーーーー。 

 

『ギュワァァァァァっ!!』

 

グルジアボーンが口から火炎を放ち、オーブダークは剣を盾にするように防ぐと、火炎が辺りに飛び散り、赤城と加賀にも飛び火してくる。

 

「くっ!」

 

「邪魔をするな!」

 

赤城の加賀が飛び火する炎を回避し、加賀が聞こえないだろうが、オーブダークに向けて叫び声を上げた。

 

「加賀! あそこよ!」

 

「指揮官!」

 

赤城が指差した方に目を向けると、海面に上半身だけで浮いているカイン指揮官がいた。動いている様子がなく、気を失っているのは明らかだった。

このままではオーブダークとグルジオボーンの戦いに巻き込まれると思い、赤城と加賀は急いで向かおうとした。 

 

『ギュワァァァァァァァッ!!』

 

『デェイッ!!』

 

「「なっ!? あぁっ!!」」

 

オーブが剣でグルジオボーンが斬りつけ、グルジオボーンが倒れた拍子にザバァァァァンンと、大きな波と水飛沫と波が赤城と加賀を襲った。

 

「邪魔を・・・・!」

 

「っ! 指揮官は!?」

 

赤城がギロッとオーブダークを睨み、加賀も睨みそうになったが指揮官を優先と考え、今さっきまで指揮官が浮いていた地点には指揮官がおらず、目を動かすと波に流され離された位置にいた。

加賀が舌打ちをすると、綾波とベルファストが指揮官の元に向かっていた。

 

ーーーージュワァ〜〜〜〜〜〜〜・・・・。

 

「「なっ!?」」 

 

オーブダークが熱で真っ赤になった剣を海面に押し当てると、焼けた鉄を冷やした音と水蒸気が上がり、風で周りに広がって、綾波とベルファスト、赤城と加賀の視界を白く塗り潰した。

 

『フゥ~・・・・!』

 

視界が水蒸気に包まれてしまった艦船‹KAN-SEN›達の耳に、オーブダークの息を吐く声が聞こえた。

 

『ギュワァァアアアアアアアアアアアアっ!!』

 

すると加賀の視界に、水蒸気の隙間からグルジオボーンが起き上がり、目を真っ赤に光らせてオーブダークにタックルをしてくる姿が見えた。

 

『ムゥ!』

 

が、オーブダークは巴投げの要領で倒れると、またも水飛沫と波が広がり、

 

「わぷっ!?」

 

「うっ!?」

 

「くっ!?」

 

「あぁっ!?」

 

そしてまたも水飛沫と波に呑まれ、ずぶ濡れになる綾波とベルファスト、赤城と加賀。

ベルファストと赤城が身体に張り付いた髪を払い、綾波と加賀も海水で張り付いてくる衣服に僅かな不快感を感じていると、

 

『綾波! ベルファスト! こっちだ!』

 

『赤城殿! 加賀殿! 急いでくれ!』

 

タイガとタイタスの声が聞こえ、ソチラに目を向けると、波に流されていくカイン指揮官の胸元にタイガとタイタスの思念体がいた。

急いでカイン指揮官の元に向かい、脈と心音を調べると、正常に動いていた。しかし、意識がない状態である。赤城とベルファストがカイン指揮官を二人で支えながら抱え、綾波と加賀が誘導して避難した。

 

 

 

 

 

 

 

ークリーブランドsideー

 

オーブダークがグルジオボーンと戦っている間。

 

「急いで! でも慌てないで! 押さず、走らず、喋らず、戻らずだよ!」

 

「皆、騒がなくて良いからな。落ち着いて移動するんだ」

 

エンタープライズはクリーブランドと共に、ウルトラマンオーブダークとグルジオボーンが戦っている地点から離れた島で、島民達を海岸町から近くの山に避難させていた。

 

「すみません!!」

 

「っ、どうした?」

 

と、ソコで、エンタープライズ達に近づいてくる年若い夫婦がいた。

 

「う、ウチの娘が! 避難する途中でハグレてしまって!」

 

「なんだって!?」

 

「ーーーークリーブランド。ここは任せる。私が町の方を見てくる」

 

エンタープライズが艦載機を呼び出して乗り込む。

 

「エンタープライズ! 私も!」

 

「まだ避難は終わっていない。艦載機を使える私の方が適任だ」

 

「うっ・・・・そりゃあ、そうだけどさ・・・・」

 

「大丈夫だ。すぐに戻る」

 

そう言って、エンタープライズを載せた艦載機が飛んでいき、クリーブランドは若夫婦を近くにいさせ、そのまま避難を続けた。

漸く避難が終わったと思い、クリーブランドは町の方を見ると、幼い女の子を抱えたエンタープライズを乗せた艦載機がコチラに向かってきた。

若夫婦を見ると、安心しきった顔をしており、クリーブランドはホッと一息吐いた次の瞬間ーーーー。

 

『ギュワァァアアアアアアッ!』

 

ーーーーザパァァアアアアアアアン!

 

「なっ!!?」

 

投げ飛ばされたグルジオボーンが倒れた拍子に大きな波が島にある港町の船や町を、エンタープライズと少女を乗せた艦載機を飲み込み、水浸しになった。

 

「エンタープライズ!!」

 

「あぁっ! 儂の船がぁっ!!」

 

「ウチの家がぁっ! まだローンが残ってるのにっ!!」

 

漁師らしいおじいさんと、何人かが自分の船と家が被害に遭い、悲鳴を上げた。

 

『フン!』

 

オーブダークカリバーを引き抜いたオーブダークが、悠然とグルジオボーンに近づく。

クリーブランドはオーブダークよりも、エンタープライズを探そうと視線を動かしていると、ギリギリで回避したようで、少女を抱えたエンタープライズが艦載機に乗ってコチラに向かってきていた。

エンタープライズはキッとオーブダークを睨むと、すぐに視線を戻し、港町から離れた丘に避難した島民達とクリーブランドの元に戻って来た。少女は両親を見つけて、泣きながら抱き合っていた。

 

『ギュワァァッ!!』

 

『フン!』

 

ーーーーピコン! ピコン! ピコン・・・・。

 

すると、起き上がったグルジオボーンにオーブダークが構えるが、カラータイマーが激しく点滅し出したのが見えた。

 

『うぅっ!』

 

『ギュワァァァァァァァァッ!!』

 

『ぐぁぁぁぁっ!』

 

カラータイマーが点滅し、苦しそうになるオーブダークに、グルジオボーンが腕を振り下ろして殴りまくる。

 

『ギュワァァァァァァッ!!』

 

止めを刺そうとしているのか、口から火炎を放とうとするグルジオボーン。

苦し紛れに、オーブダークがグルジオボーンの胸元に手を押し当てた。

その瞬間ーーーー。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

「何だ? 怪獣の動きが、止まった・・・・?」

 

エンタープライズは、否、クリーブランドや他の島民達も、訝しげな視線を向けた。何と、グルジオボーンがまるで時が止まったかのように動かなくなったのだ。

 

『デュワァ!』

 

その隙にオーブダークは距離を開けると、オーブダークカリバーを地面に突き刺しと、力を込めて、光のエネルギーが迸っていく。

 

『フン!』

 

オーブダークは腕を広げるように動かすと、光の軌跡が紫色のハートマークを描き、両手十字になるように合わせるとハートマークが両手に吸い込まれ、紫色の光波熱線を放った。

 

『『ダークオリジウム光線』!!』

 

必殺の熱光線を受けたグルジオボーンの身体に、凄まじい勢いで亀裂が走っていってそして・・・・。

 

ーーーーチュドォォォォォォォォォォォォォォンン!!

 

大爆破した。そして近くにあった港町の建物の一部や窓ガラスが全て爆風で破壊された。

 

『あぁ・・・・っ!!』

 

島民達が、破壊されていく自分達の町を見て、愕然と悲鳴を上げた。

 

『・・・・・・・・』

 

オーブダークが島民達を見ると、島民達は唖然とした顔を見ていた。その際に、鋭い、責めるような視線を向けているエンタープライズとクリーブランドの視線に気づかず。

 

《エンタープライズ様。クリーブランド様》

 

と、ソコでエンタープライズとクリーブランドの耳に、ベルファストからの通信が入った。

 

「ーーーーベルファストか? 指揮官は?」

 

《救助を終えました。フッド様達はプリンツ・オイゲンとニーミを捕虜として連れて行くそうです。鉄血総統に、ご主人様が生きている事を知られる訳にはいきませんから、別地点で合流する事になりました》

 

「えっ? 何でそんな事を?」

 

《ご主人様が無事だと知られれば、あの男が何をするか分かりません。今はこの場を離れなければなりません》

 

「・・・・分かった。指揮官は無事か?」

 

《・・・・脈も呼吸もありますが、負傷が大きいです。母港の方で救援部隊を編成し、コチラに向かわせようと思います。お二人も合流してください》

 

ベルファストの話を聞いて、エンタープライズとクリーブランドはお互いに目配せをすると、コクンと頷きあった。

 

「すまないベルファスト。私達は島民達を放っておけない。救援部隊が来るまでの間、この島で島民達を助けたいのだが・・・・」

 

「私も残るよ! この島の人達を放っておけないよ!」

 

《・・・・分かりました。しかし、何かあったら、すぐに連絡を》

 

「「了解!」」

 

エンタープライズ達の話を聞いて、ベルファストが了承し、通信を切った。

 

 

 

 

ージャベリンsideー

 

ベルファストがエンタープライズ達に通信を送る少し前。ジャベリン達がいる小島では、

 

「うっ・・・・ううっ・・・・!」

 

「くっ・・・・!」

 

「あぁ・・・・!」

 

オーブダークがダメージを受ける度に、何やら苦痛で悶絶している鉄血艦船‹KAN-SEN›達の様子を心配し駆け寄っていた。

 

「ニーミちゃん!」

 

「ち、ちか、づかないで、と・・・・言った、で・・・・」

 

「そんな場合じゃない」

 

ジャベリンとラフィーがニーミの腕を肩に回して、連れて行こうとする。

 

「フッドさん!」

 

「・・・・皆。鉄血の子達を母港に連れていきましょう。流石に放ってはおけないわ。シグニットちゃん。プリンツ・オイゲンをお願い」

 

「は、はい! フッドお姉様!」

 

シグニットがオイゲンを支えると、フッドはビスマルクに近づき、手に差し伸べた。

 

「・・・・ビスマルク」

 

「・・・・っ・・・・!」

 

ーーーーパシッ!

 

「っ」

 

ビスマルクはその手を叩くように振り払うと、フッドは一瞬目を見張った。

 

「わ、私は・・・・〈鉄血〉の旗艦だ・・・・! 敵に情けをかけられる、言われは、無い!」

 

ビスマルクはキッとフッドを見据える。

ビスマルクはフッドに死出の旅をさせられた『カンレキ』があるので、フッドを嫌っているのだ。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

フッドは叩かれた手を一瞬見ると、ビスマルクから離れる。

 

「ーーーー分かりました。あなたは“偉大なる鉄血総統閣下”の元にいれば良いです」

 

フッドはそれだけ言うと、シグニットに手を貸すようにオイゲンの腕を肩に回して、ビスマルクをその場に置いて、指揮官専用艦にジャベリン達と乗り込み、ベルファストに連絡を入れてその小島から去っていった。

 

「フッドさん! ビスマルクさんを置いてきて良かったんですか!?」

 

「・・・・・・・・・・・・仕方ないのよ。本人が行きたくないと言ったからには、ね。とりあえず、プリンツ・オイゲンとニーミ。彼女達を一応捕虜として連れていきます」

 

ジャベリンが声高に言うと、フッドはビスマルクに叩かれた手の中にある一枚の紙を見せながら、人差し指を立て口に当て、シーっと言うジェスチャーをする。

ジャベリン達の視線は、フッドの手の中の紙に注がれていた。鉄血の文字で書かれており、ジャベリンが紙の事を聞こうと声を上げそうになったが、ラフィーが止めた。

オーブダークが追って来ないかと一同が目を向けると。

 

『・・・・フハハハハハ! アーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!』

 

オーブダークはこちらを一瞥してから、海に刺したオーブダークカリバーを肩に担いで、高笑いを上げていた。

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

ジャベリン達は、そんなオーブダークに鋭い視線を向けるしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

ービスマルクsideー

 

「やぁビスマルク!」

 

「・・・・・・・・」

 

漸く身体の痛みが収まり、海水と汗でずぶ濡れになった服を少し絞り、水気を抜いていたビスマルクに、アイゼーン・マコットラーと霧崎がやって来る。

 

「・・・・・・・・」

 

「そんなに怖い顔しないでくれたまえ! これも全ては、我ら〈鉄血〉が、この星の頂点に立つ為の大事な布石なのだよ!」

 

ビスマルクの責めるような視線を受け、アイゼーン・マコットラーはいけしゃあしゃあと弁解する。

 

「本当に、コレが〈鉄血〉の為になるのか? あなたがウルトラマンに「ノンノン! ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ!!」・・・・ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツになっただけで」

 

「なれる!」

 

ビスマルクの言葉に、アイゼーン・マコットラーは大仰な身振り手振りで断言する。

 

「この混沌とした世界に必要なのは、闇を討ち破り、光をもたらすヒーローなのだ!」

 

しかぁし! と、アイゼーン・マコットラーがその言葉を止める。

 

「我々にとって強大な障害となる存在がある! 先ずは、その存在を排除しなくてはならない!」

 

「・・・・それは、アズールレーンのウルトラマン達か?」

 

ビスマルクが言うと、アイゼーン・マコットラーは、ハッと鼻を鳴らして嘲弄に満ちた笑みを浮かべる。

 

「あ~んな偽トラマン共など、私の敵ではない! その証拠に、この真のウルトラマン! ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの前に、無様な敗北を喫したのだからな!」

 

そう言うと、アイゼーン・マコットラーは懐に手を突っ込むとーーーー。

 

「そう、君だよーーーーウルトラマントレギア!」

 

ーーーーダァン!

 

「っっ!?」

 

取り出した金色の拳銃で霧崎の心臓に弾丸を撃ち込んだ。

 

「ーーーーき、貴様・・・・!」

 

ーーーーダァン! ダァン! ダァン! ダァン! ダァン!

 

苦しむ霧崎の身体が、ウルトラマントレギアに変わると、アイゼーン・マコットラーは躊躇も情けもなく、次々と弾丸をトレギアの身体に撃ち込んでいく。

トレギアはヨロヨロとおぼつかない足取りで動きながら、海に落ちそうなる。

 

「Mr.霧崎。嫌、ウルトラマントレギア。君のおかげで私の『AZジャイロ』を取り戻し、さらに修理までしてもらったが。ーーーーもう邪魔なんだよ君は。私がコレから作る英雄譚、『ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ THE ORIGIN SAGA』には、ね」

 

ーーーードォォン!!

 

「っっっ・・・・!!!」

 

ーーーーザパァァァァァァァァァァァンン!!

 

最後の一発でトレギアの眉間にあたる部分を撃つと、トレギアは海の中に消えていった。

 

「くくくくく・・・・これで私の邪魔になる者はいない! 私こそが! 真の光の戦士! 真のウルトラマンだっ!! アーハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハっっ!!」

 

ビスマルクは、高笑いを繰り広げるアイゼーン・マコットラーを見て、危機感を感じてならなかった。

 

「(この男に付き合っていては、〈鉄血〉は滅びる・・・・。望みがあるもすれば、あなた達だけだ。頼んたぞ。カイン・オーシャン指揮官。アズールレーンの艦船‹KAN-SEN›達。そして、トライスクワッドよ!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ージャベリンsideー

 

後に、オーブダークの姿が見えなくなり、プリンツ・オイゲンとニーミを営倉に入れた後に、フッドが紙に書かれていた文字を訳した。

 

【我々のチョーカーに秘密がある。チョーカーには発信機と盗聴機能があるから注意せよ】

 

と。

 




コレからオーブダークが戦う度に、二次被害に合う人達が現れるでしょうね・・・・。
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