アズールレーンT   作:BREAKERZ

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地獄に落す。



【暴露】明かされる真実

ーアイゼーンsideー

 

その日、〈鉄血〉の総統の執務室で仮眠を取っていたアイゼーン・マコットラー、否、『精神寄生体チェレーザ』は夢を見ていた。

この『世界』に来る前に、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの伝説を作ろうとした『ルーブ世界』でのーーーー屈辱的な敗退の記憶を。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

いつの間にか自分は『偽トラマン兄弟』に倒され、ボロボロの状態で自分の会社の社長室に戻ると、『ペテン師小娘』と用済みとして切り捨てた筈の『蟲型宇宙人』が手を組み、自分の会社を乗っ取っていた。

さらには、宇宙人達を使って回収してきた『ウルトラマンオーブの愛刀達と同じ名前の刀剣』を、全て元の持ち主に返したと言うのだ。

これに怒り心頭のチェレーザは小娘に襲い掛かろうとした。しかし、社長室にいつの間にか設置されていた『超強力空気清浄機』によって、寄生していた人間、『愛染マコト』から引き剥がされてしまった。

その後、泣く泣く地球を去った自分に手を差し伸べたのがーーーーウルトラマントレギアだった。

 

【ーーーー私が君を、『真の光の戦士』となれる『世界』に連れて行ってあげるよ】

 

トレギアにそう言われ、こんな戦争の真っ只中の世界に連れられてしまった。

しかし、“こんな世界”にも怪獣が潜んでいると聞き、今度こそ自らの計画を成功させる為に『四大国家』で最も科学力が高い〈鉄血〉に行き、『偽トラマン兄弟の世界』で自分の依り代となった『愛染マコト』と良く似たこのアイゼーン・マコットラーの身体を手に入れ、あらゆるコネクションや上役の弱味を握って、それらを駆使し、遂に鉄血総統閣下にまで登り詰めた。

後は向こうの世界に置いてきた『AZジャイロ』を取り戻し、ウルトラマンとして活躍すれば良かったのだが、この世界でも、ウルトラマンが現れた。

ウルトラマンオーブに比べれば劣る組織である〈宇宙警備隊〉の『親の七光りでウルトラマンになった『光の国』の面汚し』。

マイナーな〈U40〉出身で『裏切り者の血を受け継ぐ汚らわしい賢者気取りの筋肉達磨』。

ウルトラマンオーブと同じ〈O−50〉出身の癖に、『負け犬の息子であるウルトラマンの名を語るのもおこがましいゲス』。

どいつもコイツも、『ウルトラマン』の名を冠しているだけの『偽トラマン』ばかり。

しかもあろう事か、ウルトラマンの事を全く理解していない無知蒙昧な人間が、『偽トラマントリオ』と共に、この世界で最高戦力と言われている〈アズールレーン〉の指揮官として活躍しているのだ。

 

ーーーーこのままでは、ウルトラマンの『品位』と『品格』が汚される!

 

そして、トレギアが持ってきた『AZジャイロ』を以て、再び自分がウルトラマンとなって、勝利を収めた。

勿論、同じ轍を踏まないように、いつ裏切るか分からない〈鉄血〉艦船‹KAN-SEN›達にも『首輪』を付け、トレギアも排除した。

後は自分の活躍を積み重ね、『偽トラマントリオ』を粉砕し、無能指揮官を完膚無く叩きのめせば、自分がこの世界の『真の希望』となるのだ。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・漸くだ」

 

鉄血の総統室で優雅にお昼寝をしていたアイゼーン・マコットラーが、過去から目を覚ますと、ガバっと立ち上がり、大仰に両手を広げて、天井に、否、その向こうの空の彼方の星の海にいるであろうーーーー『憧れのウルトラマン』に向けて声を発する。

 

「見ていて下さい『ウルトラマンオーブさん』! 『巫剣の皆さん』! この私が! 皆様の『真の後継者』たるこの私が!」

 

アイゼーン・マコットラーは頭の中で、『ウルトラマンオーブさん』と『巫剣の皆さん』が、自分を後継者であると認めてくれている妄想に浸りながら、機嫌良く歌を唄う。

 

「せ〜かい中が〜♪ 俺を待〜っている〜♪ 闇を砕け光の戦士よ〜♪ せ〜かい中が〜♪ 俺を信じてる〜♪ 無敵の力で♪ 戦えウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ〜!♪」

 

〈鉄血〉総統アイゼーン・マコットラーは、自分ことウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの主題歌(自作)を小さく口ずさみながら、タブレットに表示されているオーブダークの活躍を気分良く眺めていた。

既に〈鉄血〉の軍事力を使って、各メディアに根回しをし、自分に不利になる情報は全てシャッタアウト、代わりにウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツをカッコよく報じるようにしている。

全てにおいて、自分は『理想のウルトラマン』となっている。

後の問題はーーーー。

 

《ーーーー失礼します。総統》

 

と、そう考えていると、ビスマルクが映像通信をよこしてきた。

 

「何だねビスマルク?」

 

《アズールレーン指揮官、カイン・オーシャンが、我が〈鉄血〉の領海付近に進行。総統との会談を望んでいます》

 

「ふむ。来たか。ーーーー良いだろう。そろそろハッキリさせようと思っていた所だ。誰がこの星の『真の希望』に相応しいのかを、ね」

 

《了解しました》

 

そう言って、ビスマルクが通信を切ると、アイゼーン・マコットラーはクツクツと、笑みを浮かべる。

 

「ーーーーさぁ、来るなら来い『偽トラマントリオ』に『愚かな指揮官』! 今日こそ貴様らを完膚なく叩きのめし! ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの伝説の1ページとしてくれるっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーカインsideー

 

首に包帯を巻き、服の裏の身体にも包帯を巻いたカイン指揮官は、『鉄血所属 潜水艦 U−556』に鉄血の司令部に案内され、エンタープライズとベルファストを控えさせながら、次にアドミラル・ヒッパーに案内されて執務室へと向かっていた。

 

「・・・・もうすぐ、総統の執務室よ」

 

「ーーーーあぁ。・・・・アドミラル・ヒッパー、って呼んでいいかな?」

 

「ええ。構わないわ」

 

「君の妹のオイゲンとニーミは二人共無事だ。一応捕虜として丁重に扱っているよ」

 

「ーーーーそう」

 

ツンとして態度だが、その顔にはホッとしているのが分かった。

しかし、ヒッパーの顔色は悪く、捕虜となったオイゲンとニーミと同じように疲弊の色が目に見えており、首には件のチョーカーが巻かれている。

ほぼ二週間の内に、何度も怪獣が現れ、その度にオーブダークが戦い、怪獣の攻撃を無謀に受け止め、自分は無敵のヒーローを気取っているようだが、そのダメージは全て〈鉄血〉艦船‹KAN-SEN›達が肩代わりしているだけなのだ。

如何に人間よりも遥かに頑丈な彼女達でも身が持たない。

 

「ーーーー着いたわ。ここに総統がいるわ」

 

ヒッパーは手元にある紙をソッとカイン指揮官にだけ見えるように見せた。

 

【気をつけなさい。『アレ』は身体の大きいだけのワガママな子供よ。話し合いなんて通じないわ】

 

と、記されており、カイン指揮官は小さく頷くと、

 

「ーーーーあぁ。ありがとう」

 

自軍の艦船‹KAN-SEN›に『アレ』と称されるとは、アイゼーン・マコットラーへの信頼度の低さが窺えた。

ヒッパーが執務室の扉を開けると、無駄に豪奢な本棚やカーペット、カーテンや執務机は勿論、部屋の中心には、無駄に豪奢なテーブルがドンと置かれ、その上座には、更に無駄に豪奢な椅子が置かれ、その椅子にふんぞり返って座っているアイゼーン・マコットラーがいた。

 

「やぁ! ようこそカイン・オーシャン指揮官! 歓迎しよう! さ、座り給え!」

 

ヒッパーが扉を閉めて部屋から退室する。

カイン指揮官が勧められた椅子は、アイゼーン・マコットラーが座る椅子や、この部屋に置かれた、無駄に豪奢な家具類に合わないーーーーそう、まるで聴取を受ける者が座る、簡素な折りたたみ式パイプ椅子がポツンと置かれていた。

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

後ろからエンタープライズとベルファストの静かな怒気を感じた。会談をする場でここまで露骨なまでに相手を下に見る態度に、怒りを抱いたのだろう。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

カイン指揮官は、怒りを出さず、堂々とパイプ椅子に座る。それを確認して、アイゼーン・マコットラーは余裕綽々な笑みを浮かべる。

 

「ーーーーいやぁ〜。生きていてくれて本当に良かったよ! もしもの事が起こったら、我々〈鉄血〉はアズールレーンと戦争になっていただろうからねぇ」

 

自分がやった癖に、いけしゃあしゃあと言うものである。後ろに控えるエンタープライズとベルファストの怒気がさらに上がるのを感じる。半眼になりながらカイン指揮官は、努めて冷静に話を始める。

 

「ーーーー俺が、『誰かさん』のお陰でベッド生活をしている間、各国に怪獣達が出現したようですね?」

 

「ウム! しかぁし! その怪獣達は全て! ウルトラマンオーブダークノワールシュバルツによって討伐されていった!」

 

「・・・・随分と、都合よく怪獣が現れたものですね? しかも、コチラで調べてみた処、貴方が各国に、再び〈レッドアクシズ〉を結成するから自分達に付いて欲しい、と会談をする為に訪問した日にだけ」

 

「・・・・うぅ〜ん。そうだったかなぁ? 記憶に無いなぁ?」

 

すっとぼけた態度のアイゼーン・マコットラー。しかし、カイン指揮官が、その態度で確信を持った。

 

「調べて見たら、アンタが持っているジャイロ。それには、『怪獣を召喚して使役する機能』が付いているんですよね?」

 

「・・・・・・・・ほぅ、良く調べたねぇ?」

 

ニンマリと笑みを濃くしたアイゼーン・マコットラーは、懐から『AZジャイロ』と、これまでオーブダークが倒してきた怪獣達の『怪獣クリスタル』を取り出す。

 

「そう! この『怪獣クリスタル』を『AZジャイロ』に嵌め込んで! 私は怪獣達を呼び出し! ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツと戦うようにしていたのだ!」

 

「隠す気はない、って事ですか?」

 

「別に隠すつもりは無いよ。それに君には、“アズールレーンの指揮官の座を私に譲り、『偽トラマントリオ』と縁を切ってくれないといけないからね”」

 

「・・・・は?」

 

「「っ・・・・!」」

 

アイゼーン・マコットラーの言葉に、カイン指揮官は目をパチクリさせ、エンタープライズとベルファストの怒気がまた更に上がった。

 

「だってそうだろう? この混沌とした星を救う『真の希望』であるオーブダークノワールブラックシュバルツが率いる部隊が、〈鉄血〉だけとはあり得ない! アズールレーン全軍が、新たな〈レッドアクシズ〉、〈ノイレッドアクシズ〉として参加するのは当然ではないか?」

 

「ーーーーあなたは〈鉄血〉艦船‹KAN-SEN›達に、オーブダークが受けるダメージを全て彼女達に肩代わりさせていますよね?」

 

「ああ。世の中にはこう言う格言がある! 『英雄は皆の矛に! 皆は英雄の盾に!』 オーブダークノワールブラックシュバルツが『希望』の矛であるならば、艦船‹KAN-SEN›の彼女達はオーブダークノワールブラックシュバルツの守る盾になるのは当然だろう!」

 

明らかに自分が作った格言だろうが、ソコを言及しないでおく。

 

「つまり、エンタープライズやベルファスト達も、オーブダークの盾として使おうと言うのか・・・・! しかも、自分が召喚した怪獣達をオーブダークに倒させるなんて八百長のようなマッチポンプをして・・・・!!」

 

業腹を気持ちを必死に抑えて声を弱冠震わせるカイン指揮官にアイゼーン・マコットラーはまたもいけしゃあしゃあとした調子で言葉を発する。

 

「それもこれもこの世界の人間達に、愛と正義を伝導する為さ。ウルトラマンを知らない無知な君達にも教えてあげよう。ーーーーいいかい? ウルトラマンは人々に希望を与える、『正義の味方』だ! しかぁし! 『正義の味方』には必要なものがある。それは・・・・活躍の場だよ! 何の事件もない場所では、どんな正義も無意味な物。世の人間が『希望』という光の尊さを知るには、必要なのだよーーーー『絶望』という暗闇がね」

 

「その為に、各国の人々を危険に晒し、街を破壊し、艦船‹KAN-SEN›達を苦しませる・・・・! アンタは、それが正義だと言うのか・・・・!」

 

「私は“皆が欲している『ヒーロー』を演じているだけだ”」

 

カイン指揮官が非難するが、アイゼーン・マコットラーは表情を崩さない。

 

「そもそも『危険』っていうけどさぁ。そんなものはないんだよ最初から。何故ならーーーー“この私に助けられるというのが決まってるんだから”。ちょっと怖い思いをするだけで、彼らは『大いなる希望』をその身で感じられたんだ。何の問題がある?」

 

「『大いなる希望』? それが、オーブダークだと言うのか? アンタはその為なら犠牲を出しても良いと言うのか?」

 

「・・・・さっきから聞いていて思っていたんだが」

 

アイゼーン・マコットラーはゆっくりと立ち上がり、カイン指揮官を指差す。

 

「君はオーブダーク、オーブダークと、勝手に省略しないで貰えるか? 『真のウルトラマン』の名はちゃんと言うべきだ」

 

そして、アイゼーン・マコットラーはバッと両手を広げて、宣言した。

 

「ーーーーそう! “このアイゼーン・マコットラーが変身する”! この星の『真の希望』である光の戦士! その名を尊き! ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの名をっ!!」

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

アイゼーン・マコットラーが叫ぶと、その場にいた一同は沈黙した。

 

「ーーーーんん? どうしたのかなぁ? 私の見事過ぎる演説に何も言えなくなっちゃったのかなぁ? え? どうなんだい? ちゃんと相手の顔を見なさい、カイン・オーシャン指揮官?」

 

何も言い返してこないで顔を俯かせるカイン指揮官に、論破したと思ったアイゼーン・マコットラーはニマニマとした顔で近づき、その負け犬の顔を拝んでやろうとその頭を掴んで顔を上げさせ、悔しさで泣いている顔がーーーー。

 

「ーーーーふっ」

 

が、カイン指揮官の顔はしてやったりと笑みを浮かべているだけであった。

 

「は?」

 

アイゼーン・マコットラーは何故笑みを浮かべているのか分からず、『頭でも狂ったか?』と思ったその時、カイン指揮官の首に巻かれている包帯に目が行くと、“淡く光っているのが分かった”。

 

「な、何だそれは?」

 

「・・・・・・・・やっと喋ってくれたな。くだらなさ過ぎる話を聞いて、耳も頭も可笑しくなりそうだったよ」

 

戸惑うアイゼーン・マコットラーの手を払い、ゆっくりと立ち上がりなから首の包帯を解いていくカイン指揮官。

そして、その包帯の下から出てきたのはーーーーオイゲン達に巻かれているのと同じチョーカーだった。

 

「なっ!? そ、それは・・・・!!」

 

「〈鉄血〉艦船‹KAN-SEN›達とお揃いのチョーカーさ。ま、コッチには爆弾は無いけど、“盗聴機能の他にカメラ機能が付いているがな”!」

 

「か、カメラ? 盗聴?ーーーーっ! ま、まさか・・・・!?」

 

「アンタのさっきまでの話は全部、このチョーカーを通じてーーーー〈鉄血〉だけでなく、各国に絶賛配信中さ!!」

 

「ーーーーな、なな、なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!!????」

 

アイゼーン・マコットラーが目をひん剥いて叫ぶとほぼ同時に、執務机に置かれた映像通信機から、〈鉄血〉の情報官が慌てた様子で報告に現れた。

 

《大変です総統!》

 

「『偉大なる総統閣下』だろう!?」

 

《い、偉大なる総統閣下! 先程の会談の総統閣下の姿が、全世界に配信されています! 各国からの問い合わせが殺到していて、手が足りません!》

 

「なにぃっ!?」

 

《ーーーーん? 何だ!? 総統閣下と通信中・・・・なにぃっ!? 大変です総統閣下! 今まで各国のメディアを抑えていた我が方の軍が、暴徒と化した市民達に抑えられ、メディアが今までウルトラマンオーブダークの「ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ!!」〜〜〜〜! ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの戦いによる被害を大々的に放送されていますっ!!》

 

「なぬぃっ!!??」

 

アイゼーン・マコットラーが壁に設えられたテレビをつけると、ニュースにウルトラマンオーブダークと怪獣戦いにより、無駄に出ていた被害が報道されていた。

 

《よくも俺達の街を滅茶苦茶にしやがったな!》

 

《私達の家や学校を破壊したヤツが、『正義の味方』な訳ないでしょう!》

 

《我々の国の重要文化財を傷つけやがって!》

 

《何が『真の希望』だ! このペテン師め!》

 

「・・・・・・・・・・・・!!」

 

それだけでなく、各国の市民達からの避難が物凄く、ニュースキャスターもタジタジになっていた。

アイゼーン・マコットラーは、その映像を見て、アワアワと顔を引つらせる。

 

ーーーーワー! ワー! ワー!

 

「ん? 外が何か騒がしいな?」

 

ーーーーバタン!

 

「総統閣下!」

 

「こ、今度は何だ!?」

 

カイン指揮官が外から聞こえる叫び声に首を傾げると、執務室に〈鉄血〉の将校が慌てた様子で入ってきた。

 

「さ、先程の映像を見て、我が〈鉄血〉の市民がこの本部に大挙して押し寄せて来ているのです!」

 

「ぬぁんだとぉっ!!!???」

 

アイゼーン・マコットラーは将校を連れて慌てて執務室を出ていき、残されたカイン指揮官とエンタープライズとベルファスト、そしてビスマルクが取り残された。

 

「ーーーーさて、こっちも仕上げだ。ベル」

 

「はい」

 

ベルファストはその豊満な胸の谷間から、折りたたみ工具袋を取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーアイゼーンsideー

 

アイゼーンが軍本部の前に出ると、軍人達に遮られている多くの市民からの非難轟々が待ち構えていた。

 

「この! 我ら〈鉄血〉の『面汚し』め!!」

 

「俺達のアイドルである艦船‹KAN-SEN›ちゃん達も酷い目にあわせやがって!」

 

「ビスマルクお姉様達は私達女性の憧れなのよ!」

 

「アンタを信じていたのに、『裏切り者』!!」

 

「テメェと怪獣に戦いに巻き込まれて、俺と嫁の新築の家がペシャンコにされたんだぞ!」

 

「何が『皆が欲しているヒーロー』、よ! 私達がいつそんなの求めたのよ!」

 

「この『ゲス』が! 我ら〈鉄血〉を貶める疫病神め!!」

 

市民から放たれる『面汚し』、『裏切り者』、『ゲス』。『偽トラマントリオ』が受ける筈である罵倒を自分が受けているのに、アイゼーン・マコットラーは茫然自失となる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「何とか言いやがれこの野郎!」

 

何も言わないアイゼーン・マコットラーに、業を煮やした市民の一人が空き缶を投げると、それがアイゼーン・マコットラーの顔に当たった。

 

「・・・・・・・・っ!!・・・・・・・・」

 

「総統閣下! ご無事で「もういい・・・・」えっ?」

 

将校が口を開くが、アイゼーン・マコットはボソッと呟くと、『AZジャイロ』と『オーブリングNEOⅡ』を取り出した。

 

「ーーーーもうこんな国どうなろうが知った事かぁ! この私を! この世界の『真の希望』! 『真のヒーロー』である私を! よくも『面汚し』だの! 『裏切り者』だの! 『ゲス』だのとぉぉっ!! 許さん! 許さん! 許さんぞぉおおおおおおおおっ!!」

 

アイゼーン・マコットラーの両目が赤く光ると、『オーブリングNEOⅡ』を『AZジャイロ』の中心に嵌め込んだ。

 

[オーブリングNEO!]  

 

そしてジャイロのグリップを一回引いていく。

 

「真‹マコト›の正義をッ!」

 

左を向いて一回引く。

 

「真‹マコト›の希望をッ!」

 

右を向いて一回引く。

 

「理解できない愚民共めッ!!」

 

そして正面を向いて一回引き、エネルギーフルチャージされた。闇に染まったリングを手にし、中心のボタンを押して円を描くようにリングを振って高々と掲げた。

 

「絆の力・・・・お借りしまぁすっ!!」

 

アイゼーン・マコットラーの左右と正面に『オーブリングNEOⅡ』のビジョンが現れて彼を囲み、漆黒の巨人の姿に変える。

 

[ウルトラマンオーブダーク!]

 

『デュワッ!』 漆黒の巨人が両手でハートマークを作りながら、右腕を振り上げて飛び出し、その姿を露わにした。

 

『うわぁああああああああああああああ!!!』

 

『きゃあああああああああああああああ!!!』

 

それを見るや否や、市民達処か、軍人達も逃げ出した。

 

『今更後悔しても襲いぞ非国民共! この私を蔑んだ事! 地獄でたっぷり後悔するが良い!!』

 

オーブダークが、オーブダークカリバーを市民に向けて振り下ろした。

がーーーー。

 

ーーーーシュルルルル・・・・ギュンッ!

 

と、カリバーの刀身に光の蛇複剣が巻き付き引っ張れる。

 

『ぬぉあっ!?ーーーーき、貴様ぁ!』

 

『ーーーーお前の相手は、〈Oー50〉のウルトラマン代表として!ーーーー俺だろうが!!』

 

[ウルトラマンフーマ!]

 

『「行くぞフーマ! 決着だ!!」』

 

偽りの漆黒の巨人と、青い旋風の巨人が、再びぶつかる。

 

 




次回、フーマがオリジナルパワーアップ!
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