アズールレーンT   作:BREAKERZ

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奥さんはオリジナルキャラです。


【胎動】己の『願い』

ーカインsideー

 

カイン指揮官は綾波、ジャベリン、ラフィー、ニーミを連れて調査をしていると、『探査デバイス』が反応を検知した。

 

「指揮官! 反応がありました! ここから六百キロの西の島です!」

 

「よし行こう!」

 

カイン指揮官は『指揮官専用艦』を、ニーミが報告した西の島へと向かわせた。

 

 

 

 

 

 

 

ー霧崎sideー

 

「ーーーー黙れ! 俺はそんな事を願っちゃいない!」

 

「だったらどうして! この『ブラックキングの卵』を持っている!?」

 

否定する小田の旦那さん、否、オデッサの言葉をさらに否定するように、霧崎は指をパチンと鳴らした。

その瞬間、旦那さんが持っていた画材がその手を離れ、宙を舞いながら今まで描いていた『絵』を地面にばら撒いた。

そして地面に落ちたその一枚の中に、夕暮れに照らされたーーーー『本当の姿をした自分』と、『相棒の怪獣』の絵が目に入ってしまった。

 

「ーーーーっっ!!」

 

「ブラックキングと共に銀河に名を馳せた最強の暗殺者。それがこんな星で隠遁生活とは余りに惜しい。ーーーー昔のあなたは本当に輝いていた・・・・」

 

「ーーーーやめてっ!!」

 

「『アデル』!」

 

「っーーーー」

 

小田の奥さん、アデルが光線銃を引き金を引いて、霧崎の脳や心臓にレーザーを何発も撃つ。

撃たれた霧崎は、そのまま大きく仰け反りながら地面に倒れーーーーる寸前、まるで映像を一時停止したようにピタッと止まると、そのまま巻き戻しのように起き上がると、レーザーのエネルギーが、自分に当たる寸前で止まって、停止していた。

 

「「っ!?」」

 

「ふふっ・・・・」

 

霧崎が手を振ると、エネルギーが霧散した。

そして自分達にゆっくりと近づいてくる霧崎に、オデッサは口を開く。

 

「・・・・俺はな・・・・! 戦いはもう沢山なんだ!」

 

「・・・・聞こえるだろ? ブラックキングの鼓動が」

 

『ブラックキングの卵』の点滅が、一層激しくなる。

 

「あなた自身の本能の叫びがっ!!」

 

「・・・・・・・・」

 

「ーーーーあなた! こんな奴の言葉に惑わされないで!」

 

「ーーーーうるさい」

 

アデルが止めようとするが、霧崎が掌をアデルに向けると、衝撃波が放たれた。

 

「ーーーーあぁっ!!」

 

「っ! アデル!!」

 

衝撃波で吹き飛ばされ、地面を転がるアデルに、オデッサはすぐに駆け寄ろうとするが、その手を霧崎が掴んだ。

 

「くっ・・・・!」

 

「さぁーーーー自分の本能に従いましょう」

 

そうして、オデッサの『ブラックキングの卵』へと導いた。

 

 

 

 

 

ーカインsideー

 

カイン指揮官達が、宿泊施設の近くにある廃れた倉庫に到着すると、

 

ーーーーグゥゥゥゥ・・・・。

 

何やら辺りに、不気味な音が響き渡っていた。

 

「・・・・何でしょうこれは?」

 

「・・・・何かの唸り声?」

 

《ーーーーこれは、怪獣のうめき声?》

 

『えっ!?』

 

ニーミとラフィーの言葉に、カイン指揮官の肩に現れたは

タイガ(思念体)がそう言った。

 

 

 

 

ーオデッサsideー

 

そしてオデッサは、『ブラックキングの卵』に触れようとしている自分の腕を、もう片方の腕で掴んで抑えていた。

そんなオデッサに、霧崎が囁くように呟く。

 

「・・・・『光の巨人』と戦いたんだろう?」

 

地面に落ちた『絵』ね中に、タイガともタイタスともフーマとも違う姿をした、夕陽をバックにした『光の巨人』、ウルトラマンの姿が描かれていた。

 

「さぁ本心はどうなんだ? お前の『戦士』を出すかぁ!?」

 

「ーーーーっ!!」

 

霧崎の言葉に、オデッサはグッと目を固く閉じた。

と、その時ーーーー。

 

ーーーーズバン! ドン!

 

廃倉庫のドアが外から斬られ、さらに蹴り破られると、対艦刀を持った綾波と槍を携えたジャベリンが突撃すると、それに続くようにニーミとラフィーも砲塔を向けながら入っていき、最後にカイン指揮官が入ってきた。

五人は懐中電灯で辺りを照らすと、中には何も無く、がらんどうとしていた。

 

「・・・・ニーミ、確かに此処なんだよね?」

 

「はい、その筈で・・・・っ! 指揮官! 反応がどんどん消えていきます!」

 

 

 

 

 

 

 

ーアデルsideー

 

「・・・・あ、あんた・・・・!」

 

漸く目を覚ましたアデルが目を向けると、霧崎の姿はなく、『ブラックキングの卵』に触れそうになるーーーー。

 

「〜〜〜〜!! あぁっ!・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

 

オデッサはその手を引っ込め、その場に両膝をついて呼吸を荒くしていた。

 

「ーーーーあんた・・・・!」

 

アデルは何とか起き上がり、背中からオデッサを抱きしめたのであった。

 

 

 

 

 

ーカインsideー

 

カイン指揮官達は倉庫の見張りを憲兵に任せ、一旦母港に戻っていた。

 

「ーーーーそれで、その倉庫の中には何もなかったのか?」

 

「でも確かに地鳴り、いや、タイガ曰くの怪獣のうめき声を聞こえていた」

 

エンタープライズの問いに、先生はそう答えると、分析していた明石が口を開く。

 

「にゃにゃ!? 指揮官、これ見るにゃ! 地鳴り、いにゃ、怪獣のうめき発生時刻の、数分前の映像にゃ!」

 

明石がタブレットを見せると、宿泊施設の監視カメラが廃倉庫の映像を映していた。

そしてそこに、小田夫婦の姿があった。

 

「っ!」

 

「この二人って、最近指揮官が仲良くしている露店エリアのクレープ屋さん!?」

 

「何故、こんな所に!?」

 

カイン指揮官、ジャベリンとニーミが目を見開く。

 

「明石、この二人がどうしたです?」

 

「見るにゃ」

 

明石が映像を再生させると、倉庫に入った瞬間、小田夫婦の姿がユラリと揺れて消えた。

 

「倉庫に入った時に、一瞬で消えてたにゃ。マグマとマーキンドは、“別空間を作っているじゃにゃいか”、って言ってたにゃ」

 

 

 

 

 

 

 

ー小田sideー

 

そして、倉庫の中でまたも空間が揺れると、そこからオデッサに肩を貸したアデルが現れた。

二人はゆっくりと歩き、倉庫の外に出た。

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

夫婦の間に会話は無く、重苦しい沈黙だけがそこにあった。

 

「カイン指揮官さん・・・・?」

 

「どうして、ここに・・・・?」

 

声がした方に顔を向けるとソコには、カイン・オーシャン指揮官が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

「ありがとう」

 

「(ペコリ)」

 

倉庫の壁に寄りかかったオデッサとアデルに、カイン指揮官は缶コーヒーを手渡した。

 

「・・・・小田さん、何か私に、隠していませんか?」

 

「っ・・・・何だよいきなり」

 

「この倉庫から、地鳴りが確認されたんだ。あれはーーーー“怪獣のものじゃないですよね”?」

 

「・・・・怪獣!? はっはははははは! こりゃ傑作だ! 世界中ね怪獣か!?」

 

カイン指揮官の言葉に、オデッサは笑い、アデルはぎこちなく笑みを作っていた。

 

「・・・・監視カメラに映っていたんだよ。あなた達が、この倉庫で消えたのが・・・・」

 

「えっ・・・・」

 

「っ!」

 

夫婦の顔から、笑みが消える。

 

「このまま隠し通せる訳がない。ーーーー俺はこの母港の指揮官だ。できる事があるなら、言ってくれ」

 

「・・・・怪獣なんて知らないよ! 話はここまでだ!」

 

そう言って、オデッサはアデルと共にその場から離れようとする。

 

「あっ、待ってくれ!」

 

カイン指揮官が、オデッサの肩を掴んだ。

 

「っっ!! うるさい! 離せ!!」

 

自肩を掴んだ手を払いのけると、オデッサの身体が赤く発光し、その姿が異形の形へと一瞬変貌した。

 

「っ! 今の姿は・・・・!?」

 

《トモユキ! この人は人間じゃない!》

 

「小田、さん・・・・!」

 

驚くカイン指揮官だが、オデッサも戸惑いがちに声を発する。

 

「ーーーー今の、声・・・・っっ!!」

 

「っ! あんた!」

 

オデッサの身体がビクンッと揺れると、アデルは声を上げた。

 

 

 

 

 

 

ー霧崎sideー

 

ーーーードクン・・・・ドクン・・・・ドクン・・・・!

 

オデッサの身体が揺れると同時に、『ブラックキングの卵』が再び胎動し、それに顔を近づけれる霧崎。

 

「さぁ! 開演の時間だ!! あっははははははははは!!」

 

霧崎が声を張り上げて笑いながら、トレギアアイを使ってトレギアに変身し、外に出た。

 

『アッハハハハハハハハ!!』

 

外に出たトレギアは、カイン指揮官達のいる倉庫に黒い稲津を落とし破壊し、降り立った。

 

 

 

 

 

 

ーカインsideー

 

ーーーードゴォオオオオン!!

 

「っ! トレギア!?」

 

『ーーーーやぁ』

 

『指揮官!!』

 

別の場所に隠れていた綾波達が駆け寄る。

 

「綾波、ジャベリン、ラフィー、ニーミ。小田さん達を頼む!」

 

カイン指揮官がそう指示すると、四人は頷き、それを確認してから、トレギアの元へと走る。

 

「カイン指揮官!」

 

小田・夫の声を背に浴びながら、カイン指揮官は宿泊施設に向けて攻撃するトレギアを見据える。

 

「行くぞタイガ!」

 

《応!》

 

[カモン!]

 

タイガスパークを起動させたカイン指揮官は、腰にある『タイガキーホルダー』を掴むと、タイガの象徴たる赤いインナースペースが展開される。

 

「光の勇者! タイガ!!」

 

『ハァァァァァ・・・・ハァッ!!』

 

「バディィィィゴーーーー!!」

 

[ウルトラマンタイガ!]

 

『シュアッ!!』

 

光の勇者、ウルトラマンタイガへと変身した。

 

『フッ・・・・ハァ!』

 

ウルトラマンタイガが地面に降り立った。

 

 

 

 

 

ーアデルsideー

 

「っ・・・・ウルトラマン・・・・!」

 

オデッサがウルトラマンタイガを見て、驚愕に目を見開く。

 

「・・・・・・・・」

 

そんな夫の姿を見て、アデルは辛そうに顔を伏せた。

 




ウルトラマンを見て、奥さんはどうするのか?
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