ガンダムビルドモバイル Puzzle G/B   作:ウルトラゼロNEO

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ガンプラ部にようこそ

「素晴らしいバトルをありがとうございましたっ!」

 

 ソラーレBとカイゼル・バスターによる1on1は引き分けという形で幕を閉じた。しかしその過程は全国大会経験者と素人によるアピールをかねた拙さのあるバトルかと思いきや中々見所のあるバトルであった。

 

「見事に戦い抜いたマトイ・タツヤは入部テスト合格ですっ」

「「は?」」

「皆さん、新入部員に拍手をお願いします!」

 

 するとここで予期せぬ言葉がサナの口から放たれ、壇上の兄弟は固まってしまう。

 充実感のあるバトルだったことはタツヤのみならず最初は乗り気ではなかったアヤトでさえ感じていた。

 とはいえだ。それがタツヤの入部に繋がるかはまた別問題だ。しかしそんかツッコミを入れるよりも前にサナが全校生徒に呼び掛けると拍手と共に口々に祝福の声が届く。

 

「……やられたね。タツ兄」

「……こういうやり方は好きじゃないなぁ」

 

 状況を理解した兄弟の重い溜息が虚しく零れる。

 衆人環視の中、誘いに乗った時点でこうするつもりだったのだろう。しかしこんな事をされるくらいなら端から素直に勧誘された方がまだ良い。サナとの初バトルもそうだがあまりこういう事をされるのは好きではないのだろう。露骨な怒りこそ見せないもののタツヤは眉を顰めて雰囲気も僅かに重さを感じる。

 

「……無茶な勧誘をしてすまない。サナに代わって俺から謝罪する」

「いやいや、こんなところで止めてくれよ!」

 

 そんなタツヤにすぐに気づいたのだろう。

 トウマがすかさず謝罪の言葉を口にして頭を下げるとそこまでしてもらうつもりはなかったのだろう。すぐに頭を上げるように頼む。

 

「私も悪かったと思ってるって! でもどうしてもガンプラ部にタツヤが欲しかったんだもん!」

 

 すると流石に当人も思うところがあったのか、サナもすぐにバツの悪そうな顔を見せながらもそれでもタツヤをガンプラ部へ引き入れたい熱意を見せる。それはまるで後がないとばかりに必死な様子だった。

 

「随分見込まれたな。……いや、それも道理か。確かに君の腕は未来を予感させるものだった」

「流石に気を遣ってくれてただろう? でなきゃアヤトのサポートがあったとしても俺が全国大会出場者にあそこまで食いつけないって」

「確かに手加減をしたが君を舐めていたわけではない。バトルのセンス、そして何より君の性分、その真っ直ぐさも相まって光るものがある」

 

 こんなサナも珍しいのだろう。僅かに驚いた様子を見せながら、それでも納得したように先ほどのバトルを思い出し、評価すると当のタツヤは苦笑している。それもそうだろう。全国大会出場者にタイムアップまで粘れたのだ。サポートがあったとはいえ素人の腕ではまず出来過ぎた結果だ。

 しかしその上でタツヤの才能と性格を顧みて評価しているようでその柔らかに微笑むトウマにこそばゆそうに頬を掻いて視線を逸らしてしまっている。

 

「でしょでしょ! タツヤはガンプラ部の救世主にだってなれる!」

 

 トウマの評価を自分の事のように頷きながらタツヤに駆け寄ったサナはそのまま彼の両手を包むように取るとグイグイと熱心に話す。その真っ直ぐさとタツヤに向ける期待と情熱はお世辞などではなく純粋にそう思っているのはすぐに感じ取れた。

 

「……分かったよ。少しガンプラバトルに興味が出てきたし」

「……タツ兄、本当に良いの? いつものお人好しなら止めなよ。タツ兄の時間はタツ兄だけのものだし」

「大丈夫、部活に入るだけならタダだ。部活に興味があったのは事実だし、店の手伝いだってこれまで通りする。なにも変わらないさ」

 

 情熱にあふれたサナの瞳をしばらく見て、それが本物だと感じたタツヤは自分の意思でガンプラ部への入部を決断するとサナは両手上げて文字通り手放しで喜んでいる。

 その姿に苦笑していたタツヤだが、ふと制服の裾を引っ張られ、顔を向ければそこにはアヤトがいまだに納得していないのか眉を顰めたままタツヤを気遣う。

 とはいえ自分に合わなければ退部すればいいだけの話であり、これまでの自分のルーティンも崩すつもりはないとアヤトを安心させるように微笑む。

 

「ありがとな、アヤト。心配してくれて」

「……別にそんなんじゃないけど」

 

 不器用ながらも自分を案じてくれているアヤトを少しでも安心させるようにその頭を撫でると照れくさそうにその手を払いながらそっぽを向く。しかしタツヤからすればその姿さえ可愛らしいのかニコニコ顔だ。

 

「心強い仲間が出来て嬉しいよ。改めましてアイゼン・トウマだ。共に歩む者として、よろしく頼む」

「こちらこそマトイ・タツヤだ。初心者ではあるが追いつけるように頑張るよ」

 

 正式にタツヤが了承した事で安心したようにトウマが改めて自己紹介をしながら握手を求めると、快く応えながら二人は笑みを交わす。

 

「よし、一位指名をゲットできたところで実演の続きです! 次は二人一組のバトルを手伝ってくれる人っ!」

 

 話も纏まったところでまだ部活紹介の時間はある。続いての実演に移ろうとサナが生徒たちに呼びかけると先程のタツヤとトウマのバトルに触発されたのか、チラホラと手が上がるのが見受けられる。

 

「お、今度は何人か手を挙げてくれてますね! それでは全員に手伝ってもらいましょう! 壇上へどうぞ!」

 

 勢いづいて来たのを肌で感じながらサナは呼びかけると挙手をしてくれた生徒達はぞろぞろと壇上へと向かっていく。

 

「タツヤ、ガンプラ部員としての初仕事を頼めるか。サナと組んで彼らと戦ってもらいたい。月末の大会に向けてタツヤとサナには少しでも多くの経験を積んでもらいたいんだ」

「もう大会か。結構、忙しいなぁ」

「さあ、お喋りはこの辺にしておこう。魅せてくれ、君のバトルを」

 

 バトルのセッティングが進むなか、成り行きを見ていたタツヤにトウマがサナと組んでのバトルをけしかける。

 それには月末の大会を考えてのトウマなりの考えがあるようだ。しかし入部してまさにもう月末に大会があるなんて思ってはいなかったようでどこかげんなりした様子のタツヤに苦笑しながらその背中を押すとタツヤはサナに話しかけ、そのまま二人でバトルに臨むのであった。

 

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