Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
知ってる方は、なにやってんの?の状態でしょうか。
ワッタンです。
二作目をついに書いてしまった。
楽しんでくれると幸いです。
それでは、記念すべきプロローグをどうぞ!!
プロローグ
あの日の出会いは、今でも覚えている。
三月下旬、新学期が始まる前の時期に、
俺──
上京初日、日付が変わる二時間前に引越しの荷物をあらかた片付け終えた。片付け終え、何気なしにテレビをつける。チャンネルを変え、最後にニュース番組を見る。ニュースキャスターが《おとめ座流星群》について説明していた。
そこで俺は気付く。
(そうか、今日だったか.......)
と。
俺は星を見る事が好きだった。なので俺は、そのニュースを見終えると、すぐに行動に移した。テレビを消しジャンバーを着ると、ある荷物を持ってマンションの部屋を後にした。
部屋を出ると、真っ先にスマホを取り出し、近くの天体観測スポットを検索する。すると何件かヒットし、スポットである近くの公園へと足を進めた。
公園の前に着いたが、人の気配はなかった。俺はそのまま中へと入り、公園の中央の広場まで足を進めた。広場に辿り着いても、人の気配はなかった。
(.......誰も星に興味がないのだろうか。)
そんなことを思いつつ、肩に背負っていた荷物を地面に下ろしながら、自分も座り空を見上げる。自分の地元程では無いが、星の輝きが見て取れた。
三十秒位見上げていたが、見上げるのをやめ、持ってきた荷物──ギターケースを開ける。中には、古びたアコースティックギターが入っている。
このアコースティックギターは、父親からの形見だった。俺の父親はもう居ない。何故死んだのかは俺も詳しくは知らない。
父親はアコギで、よく弾き語りをしていた。
満天の夜空の下で。そのお陰もあって、俺は小さい頃から父親のアコギをよく弾かせて貰っていた。父親が死んだ今でも、父親のアコギでほぼ毎日弾いている。
柄にもなくそんなことを思いつつ、ギターのチューニングを済ませ、ギターを鳴らし、曲を弾き始めた。
今弾いている曲は、『シルシ』という曲だ。この曲を歌っている人の、初のバラード曲で、この曲を聞いた瞬間俺は速攻、携帯にダウンロードした。
弾いていると、思わず口ずさんでしまう。最近この曲は俺のお気に入りだ。この曲を聞いていると、心が安らぐ。
最後まで弾き終わり、最後のフレーズを歌い終える。
歌い終え、ギターを仕舞おうとしたその時だった。背後から、拍手の音が聞こえてきた。俺は驚き、振り返る。そこには.......
小さな女の子と、帽子を被った女の子が居た。
俺が驚いていると、小さい女の子が話し掛けてきた。
「お兄ちゃん、ギター上手!!」
「あ、.....ありがとう.......」
何とか、声を出す。
すると帽子を被った女の子も話しかけてきた。
「すみません、急に。流星群を見に来てたのですが、うちの妹があなたの演奏を聞いた瞬間駆け出してしまって.......」
「ああ、.....なるほどね.......」
ようやく状況が飲み込める。どうやら、俺は演奏に集中していて、周りの状況に気づかなかったようだ。
(何と言うか.......聞かれてたのか.......恥ずい)
そんなことを思っていると、妹の方がまた話しかけてきた。
「ねぇ、もっと聞かせて!!」
目を輝かせながら、話す。
その光景に、過去の出来事がフラッシュバックする。
あれは、まだ俺の父親が居た時だった。
父親の弾き語りが終わると、父親にもっと聞かせてとせがんでいた俺。
あの時の目と、今目の前にいる子の目は多分同じだろう。
「ちょっと!!お兄さんが困ってるでしょ」
帽子の子が、妹を咎める。
「....!!いいよ、弾いてあげる」
俺はそう言うと、ギターを構える。
ギターのチューニングをすませ、曲を弾く。
弾く曲は、『奏』。
俺がギターを初めて一番最初に弾いた曲だ。今回は、聞いてくれる人が居てくれるので、弾き語りをする。
最初は、やさしく弾きつつも力強く引くイメージで、それに合わせ最初は、やさしく歌う。そしてサビの部分で力強く歌う。
最後のワンフレーズは、語りかけるように歌い上げる。
あっという間の五分間だった。ギターを引き終えると再び拍手が響いた。
今度は、帽子の女の子も拍手をしていた。
「すごーい!!ね、お姉ちゃん?」
「うん、本当だね。.......すごい、上手.......」
「.......ありがとう」
素直な賞賛の言葉に俺は照れ、何とかそれだけを口に出した。
その後、もう何曲かを弾いてあげた。
これが彼女との.......
奥沢美咲との出会い。
これから起こる色々な出来事の始まりの日だった。