Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
プロローグから数えて、十話目でこざいます!!
そして今回、初めて楽曲を使ってますので、所々おかしい所があるかもしれないので、そこの所はご了承ください。
それでは、第九話目をどうぞ!!
「はぁ──」
「どしたの、ため息なんてついて、何かあった?」
「.......まあ、色々と」
「大丈夫?」
俺は盛大にため息をつき、それに関して隣に座っている美咲が尋ねてきた。
ため息の原因は、もちろん夕方のあれだ。
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あの時、リサさんは泣いていた。それに俺はなんて声を掛けるべきか分からず、とりあえず理由は聞かない方が良いと判断した為、「大丈夫です」か、と声を掛けた。それに対しリサさんは、明らかに空元気の笑みを浮かべ、「大丈夫」と言った。やっぱり何かあったんだと、思うと同時に、なんて声を掛けるべきかとまとまらない思考で考えていると、リサさんはその後すぐに帰ってしまった。
勿論リサさんのことは凄い気掛かりだったが、まだ「CiRCLE」のバイト中だった為、後を追うことも出来ず、そのまま心ここにあらずと感じで、残りのバイトを過ごした。
正直バイトから帰った後も、(あの時、何かできたんじゃないか)と、自分の行動に病んでいたが、美咲と約束をしていた
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「.......そういえば、病院のライブってどうなったんだ?」
ふと、美咲がこの前言っていた病院でのライブが気になり、座りながらギターのチューニングしながら尋ねた。
「え、ああ、ライブは成功したよ、あの子も元気になったしね」
「おお、それは良かった」
正直その子のことも気になっていたので、ライブが成功した事に安堵した。
「うん、ほんと良かったよ。.......それで、その子からお礼の手紙が届いたんだ」
「へぇー、なんて書いてあったんだ?」
美咲に尋ねる。
「えっとね、.....お礼の言葉と、大きなくなったら誰かに元気や勇気をあげたい.......って書いてあったよ」
「勇気をあげる.......」
その言葉を、口に出してみることは凄い簡単だが、実際はすごく難しい。それこそ、そんなことを簡単にできるのは、
そこまで考えていると、美咲が再び話し出した。
その言葉は、
「.......こころが言ってたんだけどさ、世界の人達はみんながヒーローだって」
「.......こころが?」
「うん、ヒーローはさ。色んな人を救うわけじゃん。できるできないはともかく。.......でもこころが言うには、自分が.......自分自信ができないって決めつけない限り何でもできる。.......それが例え、みんなを救うヒーローであっても」
美咲はそこまで言うと、星空を見上げる。
「.............」
俺は、何も口を挟まない。
美咲は星空を見上げた後、こちらに向かって最後の言葉を話す。
「なーんか、おとぎ話っぽい気もするけどね.......
まあでもあたしは、
.......そういうの嫌いじゃないけどね」
その言葉は、正確にはこころが言っていた言葉は、俺の考えをいとも簡単に吹き飛ばした。
(そっか......そうだよな。決めつけるのは早いよな.......ようやく分かった。俺のすべきことは.......)
「.......やっと、顔色が戻ったね」
「え?」
「連音の顔。今日会った時から、酷い顔してたよ」
「え、嘘!?」
そう言いながら自分の顔をさする。
どうやら、自分の顔はバイトが終わった時から酷い顔だったようだ。
「そうそう」と言いながら美咲は頷く。
「.......で、もう大丈夫?」
「.......ああ、大丈夫だよ。ありがとな、美咲」
「うん、良かった良かった。.......この報酬は甘いものを奢ってくれるだけでいーよ」
美咲がそう言うので、失笑しながら
「.......フッ、分かったよ」
と答えた。
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「じゃあ、早速俺が元気になった所で、遂に全部弾けたこの曲を約束通り聞かせてやるよ」
そう言いながらセッティングの終えたギターを構える。
「準備はいいか?」
「うん、いつでもどーぞ」
「オッケー.......じゃあいくぜ、『──────』」
そう言うと、俺は曲を奏で始める。
そして今日は、歌いたい気分なので弾き語りの形で奏でる
──五分後──
最後のフレーズも気を抜くことなく弾き語りを終え、
手元を見ていた顔をあげる。奏終えると同時に、目の前の彼女から拍手を貰う。
「.......凄いね、連音。なんというか.......
......今日のギターは何かいつもより、.......ごめん、言葉に出来ないくらい凄かった」
「おう、ありがとな。多分その凄い理由は.......」
その理由は最後まで言えなかった。
なぜなら───、
なぜなら、後ろから急にリサさんから抱きつかれていたからだ。
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モカに言われ夜の公園へと行き、公園の中を歩いていると、ギターの音色が聞こえ、その場所へと行くと連音君とアタシの見知らぬ女の子が居た。
そして、連音君は弾き語りの形でギターを弾いていた。
最初は声を掛けようか迷った。
だけど、........彼の歌っていた歌。.......その最後のフレーズを聴いた瞬間、アタシは駆け出していて、.......後ろから連音君へと抱き着いていた。
───彼の背中は大きくて、今のアタシには凄く暖かった。
そして、アタシは彼の背中で、夕方から我慢していた涙を流した。
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「リ、リサさん!?」
急に後ろから衝撃が来て自分の前に手が通された。
誰かに後ろから抱きつかれたことに気付き、後ろを見ると制服姿のリサさんに抱き着かれてた。
「.......お願いだから、連音君。ちょっとこのままにさせて.......」
「え.......わ、分かりました.......?」
リサさんに涙声でそう言われたので、抱き着いていた理由は分からないが、とりあえずこのままの姿勢でいることにした。
「.......ねえ、鳴宮。その人誰?」
そのままの姿勢でいることに決めた俺に、状況が掴めてない美咲が困惑し風に小声で訪ねてくる。
「あ、.......ええと、この人はRoseliaのベーシストの今井リサさんです。そして、抱き着かれてる理由は分からないです、ハイ」
「.......そうなの?」
そう美咲と小声で会話している間も、リサさんは俺から離れなかった。というか、むしろ抱きしめる力が強くなっていってる気がする。
きっと、いや、やっぱりリサさんは、俺の想像がつかないほど夕方の件が応え、この時間まで泣くのを我慢していたのだろう。
なら、ここでリサさんが泣き終わるまではこのまま、抱き着かれたままでいよう。
そう思い俺は、リサさんが泣き止むまで、このままの姿勢で居続けた。
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背中からの泣き声が落ち着いて来た頃、
リサさんは俺の前に回していた手を解き、抱きつくのを止め俺から離れた。
リサさんが離れたので、俺はリサさんの方へと向き直る。向き直るとリサさんは涙を拭っていた。
「.......ごめんね連音君、でもありがとね」
「いやいや、俺は何もしてないですって。それより、リサさんはどうして此処に?」
「ん、モカが.....モカが夜の公園に行ってみてって言ってたから、来たんだけど.......」
「モカが?」
どうやらリサさんは、モカに言われてこの公園に来たようだ。
そして、モカが何故リサさんにそう言ったのかを悟る。
そしてモカの考えは、俺がリサさんにすべき事と一緒の筈だ。
「ところで連音君」
リサさんに話し掛けられる。
「....!!どうしました?」
「いや.......」
リサさんはそう言うと俺の隣にいる、美咲の方を見る。
(あ、そうか。リサさんには美咲のことを説明してないな)
そう思ってると、美咲の方からリサさんへと自己紹介をする。
「えーと、初めまして奥沢美咲です。一応鳴宮の友達です。よろしくです」
(あ、一応なのね、俺って)
ちょっと悲しいが、顔には出さない。
「あ、初めまして。今井リサです」
二人が自己紹介し、お辞儀を交わした。
すると、お辞儀を交わした後、美咲は立ち上がりリサさんの前まで行くと被っていた自分の帽子をリサさんに被せた。
「え、あの.......?」
「.......すみませんリサさん、.......そんな顔をやすやすと見せてはいけないです」
美咲は泣き腫らした顔のリサさんに帽子を被せると、俺の方に向くと「ちょっと飲み物買ってくるね」と言うと、公園の外にある自販機へと向かった。
.......多分美咲は、気を効かせたのだろう。
何故なら、買ってくるねと言った時に俺に向けた美咲の目は、
(頑張ってね)
そんな目をしていたからだ。
(了解、美咲.......俺は)
美咲が行った後、俺はリサさんに話し掛ける。
「ねえ、リサさん」
きっとモカも分かってて、リサさんをここに呼んだのだろう。
リサさんを元気にする方法。
(俺はリサさんを.......)
「俺のギター聞いてくれませんか」
(
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奥沢さんが飲み物を買いに行った後、連音君から「ギターを聞いてくれませんか」と言われアタシは、その申し出を了承し、連音君から少し離れた所に座った。何故近くに座らないかというと連音君から、
「ちょっと、今日は歌うので離れててください」
そう言われたので今、連音君は座ってるアタシから離れ、自分のアコギを肩からかけ、立っている。
「じゃあ、行きますよ。リサさん」
「う、うん」
アタシがそう言った瞬間、
彼の雰囲気が変わった。
その雰囲気に圧倒され背筋が震える。
友希那が歌を歌う時に雰囲気が変わるように、
恐ろく今からの彼の演奏は、CiRCLEで聞いた時よりも、本気の演奏をするのだろう。
そして、彼の口から曲名が語られた。
「──Catch the Moment」
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彼のギターから音色が響き、伴奏部分が奏でられる。
伴奏部分はまるで、軽快なリズムでスキップしながら歩いているような感じだった。
そして、伴奏部分が終わり歌い始める。
『そっと 吐き出す ため息を吸い込んだ 後悔は苦い味残して』
その歌声を聞いた瞬間、アタシに二つの衝撃が訪れた。
一つは、彼の歌声。
初めて聞いた彼の歌声は友希那と一緒で、とてつもなく力強かった。そして、彼の歌声は友希那よりかは.......いや同じくらいに上手で、そして曲に惹き込まれた。
二つ目の衝撃は、その惹き込まれる声に起因するもので、アタシの脳裏に一つの思い出がフラッシュバックする。
(あれ、なんだっけ.......この思い出?)
『いつも なんで? 肝心なこと言えないまま 次の朝日が顔だしてる』
(ああ、そうか思い出した。この記憶は.......昔のアタシと友希那だ)
正確には中学生の頃のアタシと友希那、
アタシが友希那から離れる前の出来事だ。友希那があの時、
『嫌になった運命を ナイフで切り刻んでもう一度 やり直したら キミに出会えないかも』
あの時は、色々と嫌になった。何も言えない自分に嫌気が指した。だけど、アタシは、そんなことがあっても友希那とは離れなかった。.......だって、幼なじみだから。それだけで離れない理由は十分だった。友希那を見守ろうと思った。
『僕の声が響いた瞬間に始まる 命のリミット 心臓がカウントしてる
叶えても叶えても 終わらない願い
汗をかいて走った 世界の秒針は いつか止まった僕を置いていく
あと何回キミと笑えるの?』
そして、友希那はRoseliaを立ち上げて、またアタシの前で、少しだけど.......音楽で笑ってくれるようになった。フェスに向けて
『試してるんだ 僕を Catch the Moment』
気づいたらアタシは、また涙を流していた。
そして、二番の伴奏が始まり、連音君は二番を歌い出した。
『一個幸せを数えるたびに 変わっていく未来に怯えてしまうけど』
.......だけどアタシは、不安だった。
『愛情の種を大切に育てよう 分厚い雲も やがて突き破るかな』
Roselia一緒に.......友希那と音楽をまたできることは、幸せだった。
でも、いつかこの幸せが壊れるんじゃないかと.......アタシはそう思ってた。
『キミの声が響いた 僕の全身を通って 心臓のドアをノックしてる
「臆病」でも開けちゃうんだよ 信じたいから』
でも、そんな風に思ってる中でも友希那の歌声は、友希那が一人でライブハウスで歌っていた時よりも、Roseliaの皆と音楽を奏でた時の方が凄く良くて.......
『何にもないと思ったはずの足元に いつか深く確かな根を生やす
嵐の夜が来たとしても 揺らいだりはしない』
そうだ.......アタシは、やっぱり友希那と.......Roseliaの皆と一緒に、
───
──────────────────────
二番まで一気に歌いあげる。
だが、正直ギターの奏でる手が痛い。でも、そんなことは、言ってられない。だって.......
(だって、リサさんの心はもっと痛いはず.......傷ついているはず.......だったらこんな弱音は吐いてはダメだ!!)
そう決意し、二番を歌い終わり、ラスサビに向けてその前のフレーズを歌いあげる。
リサさんに、俺の想いが届くように.......。
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『何度でも
追いついたり 追い越したり キミがふいに分かんなくなって
息をしたタイミングが合うだけで 嬉しくなったりして
集めた一秒を 永遠にして行けるかな』
Roseliaで過ごした時間はまだ短いが、音楽を奏で自分達の音がカチッとハマった瞬間、このバンドは何処までもいけるそう確信した。でも、Roseliaは、今解散の危機に瀕している.......。
だったら、アタシのすべき事は.......!!
『僕の声が響いた瞬間に始まる 命のリミット 心臓がカウントしてる
叶えても叶えても 終わらない願い』
すべき事は─────
────友希那を見守るだけでは、ダメだ。アタシが.......友希那が後悔しないように、友希那とぶつかることになっても、友希那と向き合い、友希那を正しい方向へと導こう、それが今アタシが、すべき事だから.......
─────もう後悔はしない。
──────────────────────
『汗をかいて走った 世界の秒針が いつか止まった僕を置いていく
あと何回キミと笑えるの?』
ラスサビを歌う。もっと気持ちを高めながら。
リサさんの顔は美咲の帽子を被っているので見えないが、手を口で抑えてる為、恐らく泣き声を抑えている。
(.......ごめんなさい、リサさん。泣かしてしまって.......だけど.......)
(今俺は.......)
(凄い、楽しいんです!!)
『試してるんだ 僕を Catch the Moment』
『逃がさないよ僕は この
そこまで歌うと、俺はわざとギターの音色を響かす。そして、右手を前に出し、何かを掴むような動作をしながら、最後のフレーズを歌いきる。
『───
そして最後の伴奏までギターを弾ききった。
弾ききり上を見ると星空が見え、遠くの方で流れ星が流れた気がした。
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弾ききっても、リサさんは泣いていた。
久しぶりに本気で歌ったので、喉が少々痛むし、弾いていた手が痛いので座りこんで今すぐにでも家に帰りたいが、リサさんを放ってはおけない。
俺はギターを肩から外しリサさんへと近づく。
「リサさん.......」
リサさんの前で膝立ちになり声を掛けると、彼女は顔をあげる。涙を流しながら.......。
そして、俺は自分の思っていたことを伝える。
「.......ごめんなさい、泣かせてし.......」
最後まで謝ることは出来なかった。
リサさんが抱き着いて来たからだ。よろめきそうになりながら何とか受け止め、自分も地面へと座る。
「リ、リリ、リサさん!?」
困惑してそんな声を出すと、リサさんが泣きながらかぶりを振った。
「違うの.......ありがと.......ありがと連音君.......」
「.......」
正直何を返せば、いいのか分からなかった。
だから、俺は思ったことをリサさんの背中を摩りながら口に出した。
「.......どういたしまして、リサさん」
「....!!......うん!!」
そう言うと、リサさんは俺の体に全体重を預けてきて俺の胸で泣いていた。俺は、そんなリサさんの背中をずっと摩っていた。そんな二人を月明かりが照らしていた。
この後も大変なことというか、ちょっと焦ることがあるのだが、その時の俺はそんなことを微塵も思っていなかった。
多分この曲を、バンドリのSSで使ったのは僕が初めてなのかな(笑)
そうだと嬉しいです。
そして、思った以上にリサさんがヒロインしてしまってるな.......
まぁ何とかなるでしょう(未来の自分にまる投げ)
それでは、次の話でお会いしましょう。
(そろそろタグに、今井リサを追加しようか悩み中)