Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
それでは、1話目をどうぞ!!
「眠い.......」
昨日も遅くまで、ギターを弾いていたせいだ。夜遅くまでギターを弾いていても、親から怒られないことはいいのだが、逆にその分、熱中し続け睡眠時間が削れてしまう。
(しっかりしないとな.......)
俺はそんなことを思いつつ、壇上で話をしている校長の長い話を聞いていた。今日は、高校──星ヶ丘高校の入学式だった。
この高校を選んだ理由は至極単純、名前に星が入っていたからだ。
俺はあの場所から一刻も離れたかった。なので進学先の高校を探す際、試しに星の文字を入れて検索したらここの高校がヒットしたのだ。後はトントン拍子でここを受験し(幸い学力は足りた)、この高校に入学した。
周りから拍手が起こる。どうやら校長の話が終わったようだ。俺は、あくびを堪えつつ、残りの入学式を乗り越えた。
入学式後、自分のクラスにて担任から簡易的のHRを聞き、午前中で解散となった。解散になった瞬間、
「なあ、この後昼飯行こうぜ」
「一緒に帰ろうよ」
周りの連中が何人かのグループに別れて散っていく。
おそらく中学からの友達連中なんだろう。
「なあ、一緒に帰ろうぜ」
隣の席の奴が話しかけてくる。
「ああ、すまん。ちょっと俺今日用事があって早く帰らなきゃ行けないんだ」
「そっか。...じゃあな」
「おう、また明日な」
そう言うと、話しかけてきたやつは、教室を出て行った。
本当は用事なんか無い。入学早々、クラス内での孤立を避ける為に、一緒に帰りたいがどうにも眠気には抗えない。なので、俺はやんわりと断りを入れつつ、教室を脱兎のようなスピードで出ると、駐輪場に行き、上京する時に持ってきた自転車のロックを外すと、全力で漕いで家へと向かった。
自宅のマンションへ戻ると、駐輪場に自転車を止め、エレベーターで部屋へと戻る。部屋へ帰ると、まず制服から着替えた。自転車を漕いでいる時には、眠気は収まったが逆に今度は、腹が減っていた。
なので、お湯を沸かして実家から持ってきたカップラーメンを作りそれを昼食として食べた。十分程度で食べ終え、カップラーメンの後処理をし、ベットへと転がった。そして目線だけを立て掛けてるギターへと移し、あの日のことを思い浮かべる。
あの日以来、俺はあの場所で星を見ながらギターを弾いていた。
(元々上京してくる前も、外で星を見ながらギターを弾いていた)
だが、最初の初日以外あの二人に出会うことは無かった。帽子を被っていた女の子は、見た感じ高校生位の見た目をしていた。あの日弾いていた時は、いつもギターを弾いている時より楽しかった。
(また、会えるかな.......あの人に)
そんなことを思っているうちに、ウトウトし、蓮音は夢の世界へと旅立って行った。
窓から差し込み夕焼けの光で目を覚ます。目をしょぼつかせながら携帯で時間を確認する。画面に表示された時刻は、午後四時前だった。
(そろそろ、夕飯の支度をしないとな.......)
そう思い、ベットから起き上がる。ジャンバーを羽織り家を出る。
上京してきて一週間は経つが、親からの仕送りが四月からだったので、それまでは安いカップラーメンやコンビニのご飯で乗り越えていた。だが四月には入ったので、俺の口座には十万弱入っていた。
(今日はこのお金で、夕飯を作るかな.......だけど十万か、.......やっぱり心乏しいな。.......バイト探すかな)
そんなことを考えながら、スマホで近くのスーパーを検索した。するとスーパーでは無いが、近くに商店街があるらしい。
「商店街か、......行ってみるか」
俺は検索でヒットした商店街に行ってみることにした。
「さあ皆さん!!この商店街にも、ついにマスコットキャラが出来ました!!クマの『ミッシェル』です!!」
商店街の入口に着くや否や、そんな声が聞こえてきた。
どうやら男の人がピンク色のクマのキャラを、この商店街のマスコットとして紹介していた。
どうやら、クマのキャラはキグルミのようで中に人が居るようだ。
男性の紹介が終わると、子供たちがミッシェルに突撃していた。
「うわあ、悲惨だな。ありゃ」
心の中で、着ぐるみの中の人に合掌しつつ、俺は商店街の奥へと足を踏み入れた。
「さて、こんなものかな」
商店街での買い物を済ませ、レジ袋を持って商店街の入口方面へと戻る。
(今日は、カレーでも作るかな)
そんなことを思いながら、帰っていると、さっき通った時には無かったポスターが貼られていた。一人の女の人の顔をがアップされている何を伝えたいのか分からない謎のポスターだった。
「.......何だこれ?」
全く分からないが、何故だか関わってはいけなさそうなポスターな感じがしたので、スルーした。
歩くこと数分、商店街の入口へと戻って来た。
するとそこには、まだミッシェルと紹介されていたクマのキグルミが居た。どうやら、今日はここでミッシェルのイベントは終わりらしい。バイトの担当者らしき男の人と話していた。すると、男の人の携帯に電話がかかり何処かへと行ってしまった。
(おっ.......まだ居たのか.......って!?)
そんなことを考えていると、キグルミが何かに躓いたらしくコケた。
起き上がろうとするのだが、キグルミが重くて力が入らないようだ。
「だ、大丈夫ですか!?」
目の前でコケたこともあるが、人として見過ごせなかったので助けに入るり、何とかキグルミを起き上がらせる。すると.......
起き上がらせると同時に、クマの頭部分が取れた。中には、女の子が入っていた.......
「あ、ありがとうございま.......ってあなたは!!」
俺があの日出会った少女が入っていた。
これが、彼女との二度目の出会いだった。
「はい、これ」
「あ、ありがとう.......」
俺は制服に着替えた少女に、そこの自販機で買ってきたスポーツドリンクを渡す。
少女は受け取ると、それを半分程飲み干した。
あの後、彼女がキグルミから着替え終わるまで俺は彼女が着替えに入っていた事務所の外で待っていた。
「所で君はなんで、あのクマの中に.......?」
「あ、えーと.......バイトの時給が良くて.......でも、バイトの内容がコレということは、全く知りませんでした.......」
「あー、そういうことね」
そこまで話すと、どちらも無言になる。
(き、気まずい.......)
そんなことを思っていると、少女の方から話しかけてきた。
「あ、あの」
「ん..な、何?」
「なんであの日、あの場所でギターを弾いてたんですか?」
少女が質問をしてくる。
「あ、えっと.......日課だからかな」
「日課.......ですか?」
少女が首を傾げる。俺は詳しく説明することにした。
「うん、そう。実は俺、上京してきたばっかでさ、上京する前も、よく外で星を見ながらギター弾いてたんだよ。あの日も同じようにギターを弾いてたら、君と君の妹があの場所に来たんだよ」
「なるほど、そういうことだったのね......」
「うん、そういうこと」
この話がきっかけに、二人ともいい感じに緊張がほぐれ、他愛もない話をした。
「こんな時間か、そろそろ帰ろっかな」
「そうだね」
話している内に二人ともタメ口になっていた。
二人揃って、商店街の入り口へと歩き出す。
「あ、そういえば.......」
俺はある事を思い出し、隣の少女に疑問をぶつける。
「そういえば、君の名前は?」
すると少女も、そういえばそうだな、というような声をする。
「あ、そういえばそうだね、言ってなかったね、名前。....てかそういう君もね」
「あっ.......ホントだ」
そう言うと、二人して苦い顔をする。
「じゃあ、俺から言うよ.......えと、鳴宮蓮音って言います」
「鳴宮、蓮音ね。あたしは、奥沢美咲です」
「奥沢、....美咲。うん、じゃあ奥沢、またな」
「うん、じゃあ」
そう言うと、俺達は自分の家へと帰って行った。
その日の夜。
また、いつものように公園でギターを弾いているとふと思った。
(あれ、またなって言っても、連絡先知らねーや)
そう思ったが、また今日みたいにばったりと会うこともあるだろうと思い、蓮音はギターを引き続けた。
尚、ギターを引き続け翌日の学校に、遅刻しそうになるのはまた別のお話だったりする。
バンドリって色々とストーリー作るの難しい.......
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