Memory of the starlit sky   作:ワッタン2906

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どうも、ワッタンです。
さて、今回から新章です。
徐々にストーリー進めてくよ。

それでは、第二十五話をどうぞ!!


第二章 それぞれの■■■■
第二十五話 なんてことのない日常


 

とあるホールの観客席、俺はそこにいた。

舞台上の真ん中にはグランドピアノ。

そして、そこに用意された椅子に座る幼い人影。

 

────ああ、間違いない。あれは自分だ。

 

幼い人影は椅子に座ると、弾く体制を整え弾き始めた瞬間、

 

 

今まで風景だったピアノが呼吸をし始めた。

幼い俺が音を奏でる度に、奏でられた音はピアノに存在感を徐々へと与えていく。

その存在感は、こちらの観客席へと音の奔流に変わって伝えてくる。

 

────やめてくれ

 

幼子の拙い手から奏でる音は、見るもの全てを魅了していた。

少年はある一つだけの色をイメージして演奏する。

その音に色があるとするならば、この色は透明だ、それもまだごくわずかの。

 

透明、少年がイメージして弾いている音色

聞き手によっては、どんな色とも捉えられる音色。

一見透明な音色は物凄く、羨望的な憧れる目で見られるかと思うが実は違う。 

 

フランス音楽などは主に自然を表現する音楽がとても多い、

そしてその自然を表現するには、音色によっての色で表現する。

つまり、透明な色ではそれらを表現するには到底足りえない。

 

────その演奏は、

 

だが透明は逆を言い換えれば、全ての色を表現できるということだ。

ピアノを奏でるものは、その色の音を奏でようとしても、どこかに必ず雑色が混じってしまう。

百パーセントその色を表現することは不可能。

これはその人の引き癖、性格によって左右されるからだ。

 

だがこの音色を聞いた観客は、全員自分の音色を寸分の狂いなく透明と答えた。

つまりだこの幼子は経験を積めば理論上、

自分がイメージした音色を弾けば必ずその音色のイメージが聞き手に伝わるという事だ。

 

そして皮肉にもその少年には才能があった。

同年代より遥かにも秀でた演奏技術を持っていた。

イメージした音の色を不完全ながらにも、演奏を聴いている人達全てに自分のイメージを、雑色なく伝えられている。

まさしく神童、そう呼ばれた。

 

演奏が終わり、辺りから万雷の拍手が響く。

ゆっくりと椅子から立ち上がる。

観客にお辞儀をするもその表情は、

 

────()()()()().().().().()()()()()()()

 

少年とは思えない死んだ表情だった。

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

「はっ......!!」

 

目が覚め、荒い息を繰り返す。

体全体が汗でぐっしょりと濡れている。

 

「なんつー、夢見てんだ....」

 

自虐的に吐き出す。

寝起きは最悪だった。

ゆっくりと体を起こす。

 

「寒いな」

 

窓からは、太陽の光は入ってきてない。

代わりに窓の外からは雨音が響いていた。

 

ゴールデンウィークも終わり、時期は梅雨に入ろうとしていた。

予報では、今日の天気は明日の朝まで雨が降る予報だった。

ベットから起き上がり、窓へと近づきカーテンを全開にする。

 

「あー、全然晴れる気配ないな」

 

あくまで予報なので、晴れないかなと少し期待していたのだが、そんな期待虚しく、窓から見える雲は、どんよりとした雨雲だった。

 

「これは、夜星見れないな。....よし、起きるか!!」

 

生活バランスを崩すのはよくない。

そうポツリと呟き、恐らく酷い状態の顔を整えるべく、洗面所へと向かった。

 

「いただきます」

 

そう言ってから自分で用意した朝食を食べる。

片手でトーストを持ち、もう片方の手でリモコンを使いテレビを付ける。

 

豪華客船に乗り込んだあの日から、二週間近く経過していた。

この二週間で色々なことがあった。

Roseliaの皆がリサさんに抱き着いてる現場に遭遇し、何故かリサさんの頭を撫でる羽目になったり、商店街を歩いていたら、Pastel*Palettesの生放送現場にも出くわし、日菜にカメラの前に出さされそうになったりした。

 

とまあ、思い出しただけでも、絶対二週間で体験する内容ではない気もする。

そして最近の出来事。

 

「....ごちそうさま。 さて、早く準備しないと」

 

朝食を手短に済ませ、食器類をキッチンのシンクへと持っていく。

洗剤をスポンジにつけ、洗い残しがないように洗っていく。

そして食器を洗っている中、思考はこの前の勉強会について戻っていく。

 

そもそも勉強会を開くきっかけになったのは中間考査。

これはまあ、ちょくちょく準備をしていたので問題なかったが、問題は亮だった。

意外に驚く....ではなく凄く驚いたのだが亮は勉強できない。

そしてあのバカ()の方が勉強が出来る。

 

『....どうか、勉強を教えて下さい』

 

ということで、

亮が俺たちに頭を下げてきた為、集のアルバイト先で亮の勉強を教えることになったのだが、

そこには先客達が居た。

 

洗い物を終えて、自室へと向かう。

そして筆記用具と勉強道具を取り出し、リビングへと戻ってくる。

リビングの机に、勉強道具を置いた瞬間、家のチャイムが鳴る。

 

「あ、もう来たか」

 

急いで玄関へと向かい、扉を開けた。

今日はある約束をしていた。

そこに居たのは....。

 

「やっほー、連音連れてきたよ」

 

「おはよう、連音!!」

 

「.....」

 

リサさんと日菜。

そして今日の主役。

この無愛想にしている、Roseliaの歌姫様こと、友希那さんに勉強を教える約束だ。

 

──────────────────────

 

「ほら、そこはこの公式使うんですよ」

 

「なるほど.....分からないわ」

 

「ほら、友希那まずは、そこのYを消すんだよ」

 

なぜこうなったのかというと、話は簡単友希那さんだけ、Roseliaの中で赤点を取ったからだ。

今は数学を、リサさんと一緒に教えている。

 

 

ちなみに勉強会の先客達というのはRoseliaの人達。

Roseliaの中で勉強が苦手だったのは、あこちゃんと友希那さん。

その二人の為に、残りの三人が勉強を教えていた。

そしてなし崩し的に俺も勉強を教える羽目になった。

 

だが、その時の努力虚しく、テストの結果は惨敗。

追試になってしまってしまい、そのための勉強会というのが今回の全容だった。

 

「勉強なんて出来なくても、何も問題ないわ」

 

「....友希那さん、そういうことは学年が一個下の僕に教えられることがない位、勉強が出来るようになって言って下さい」

 

「あはは.....辛辣だね、連音君」

 

リサさんにそう言われる。

そんな友希那さんの屁理屈を聞き流しながら、勉強会の時間は過ぎ去ってゆく。

数学を一時間勉強して、英語の勉強に入った時だった。

 

「ねぇー、連音君、この続きって何処にあるのー?」

 

ソファーに寝転がって俺の漫画を読んでいた、日菜が話し掛けてきた。

いや、というか....

 

「というか、何で日菜は来たんだ?」

 

「うん?おねーちゃんの代わり」

 

「紗夜さんの?」

 

寝転がっていた日菜が、ソファーから体を起こす。

というか、くつろぎすぎなのでは。

 

「うん、ほんとはおねーちゃんがくるはずだったんだけど、委員会の仕事で急遽来れなくなったら、その代わり」

 

「そうなのか」

 

「うん、そうだよ。おねーちゃん的にはどうしても来たかったみたけど」

 

「あー、だろうな」

 

チラッと友希那さんの方を見る。

友希那さんが追試になった時、もうそれは般若の顔をした紗夜さんに友希那さんはこってりと絞られていた。

あの光景を思い出すだけで、関係のない俺は震え上がる。

それほど紗夜さんを怒らしてはいけないという教訓になった。

 

「.....ところで、日菜そろそろ友希那さんに勉強教えようか」

 

そろそろ日菜にも、働かせようと言葉を掛ける。

 

「うーん....分かった。ちゃんとしないと、おねーちゃんに怒られるからね」

 

そう言うと、日菜はソファーから降りて机の前に座った。

日菜と紗夜さんの関係性については、この前紗夜さんとギターのセッションした時に改めて聞かされた。

この前、日菜から聞いていたとはいえ、普段の紗夜さんからは考えられない事だったが、

 

「時間はかかるかもしれませんが、日菜と向き合っていきます。鳴宮さん、日菜がこれからも迷惑を掛けるかもしれないですが、よろしくお願いしますね」

 

と、紗夜さんは徐々に昔のように向き合っていくと俺に告げた。

その顔は長年の悩みが晴れた顔のように感じた。

 

「....そっか」

 

壊れた人間関係ほど、直すものは容易ではない。

でもそれでも、日菜と紗夜さんはやり遂げるだろう。

そんな二人は俺には眩しく感じる。

何故なら、

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「じゃあ、連音君!! 友希那ちゃんに勉強教えるから、後でご褒美頂戴?」

 

「え、ご褒美?」

 

「うん、あとでギター弾いて、連音君の音好きだから!!」

 

と、日菜が言う。

まあ、それくらいならと了承する。

どのみち今日は夜にギターを弾きにいけない。

 

「あ、ついでだから、リサちーも何かご褒美もらったらどう!?」

 

「えっ!! ....ご褒美かぁー、いいの連音君?」

 

「うーん、まあ、できる範囲なら」

 

「やった、()()だからね」

 

リサさんに、そう尋ねられが、これもあっさりと了承する。

普段からこころ等の、とんでも発言に美咲と一緒に振り回せれてるため、

多少の無茶ぶりに慣れている。

 

「じゃあ、決まりだね。早速終わらせようか、覚悟してよね友希那ちゃん?」

 

「....お手柔らかに頼むわ」

 

友希那さんの凄く嫌そうな声が響く。

このあと、やる気を出した日菜の手によってスパルタに問題を解かされ、

その分の解説は、俺とリサさんが解説をする。

 

こうして勉強会の時間は過ぎ去っていく、

なんてことのない、休日だった。





冒頭の描写なんですが、恐らく不満がいっぱいあることでしょう。
でも、この小説ではそういうもんだと、目をつぶってくださいませ。
(原因は僕の文章力不足)

さて、今回は勉強会でした。
やっぱり、僕はそんなに友希那さんをポンコツにできないねー。
まあ、無理にポンコツにしなくてもいいかなと思う今日この頃。

それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。

では、次のお話でお会いしましょう。

(約束、公開おめでとうございます!!)



祝!! 同時刻更新!!


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