Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
どうも、ワッタンです。
さて今回もお知らせからです。
えー、この度この小説が、
ハーメルンでの奥沢美咲タグ小説にて、TOP10入りしました!!
本当にありがとうございます!!
遅筆で有名なこの小説ですが、見守ってくれると幸いです。
それでは、第二十八話をどうぞ!!
目の前のうどんを口へと運ぶ。
もちもちとした食感があたしの口内を支配する。
そして後味をひくダシの風味。
それはあたしの胃袋に食欲という名の刺激をかけ、夢中で箸を進める。
お昼時のフードコートは人がいっぱいで溢れかえっていた。
座れないかと思ったその矢先、
奇跡的にテーブル席が開いていた。
これ幸いと、そのテーブル席へと連音と一緒に座り込んだ。
そして連音はというと、何も頼んではいない。
その代わり自販機で買った缶ジュースが置かれていた。
そして連音の隣には、買ったばかりのギターケースが置かれていた。
「....それ、勢いで買ってよかったの?」
「えっ....あー、うん」
そう言いながら、連音はギターケースに手を触れる。
その中には先程、連音が手にしていたギター、
『ランダムスター』が入っている。
ちなみに連音は結局、あの後ギターを買った。
値段はというと、あたしのバイト代を半年以上使わずにして、
ようやく買える値段だ。
ぶっちゃけ、高校生が手にしてはいけないギターだろうと思う。
でも連音はそれを躊躇することなく払った。
目の前のうどんをすすり終え、うどんのダシを
口につける。
かつお節の風味が口いっぱいに広がる。
「.....このギターを手にした時さ、なんか運命を感じたんだ」
「運命?」
「うん、なんかこう.....このギターが俺を呼んでいるような感じ? 」
そんな訳ないでしょ。
そう返すことは簡単だった。
だけど、あたしはその言葉にただ一言。
「そっか」
そう返したのだった。
──────────────────────
連音がピアノを弾いていたあの時、
普段の様子から想像できないほど、彼は辛い顔をしていた。
なんかこう......。
というような表情。
その表情はあたしの心を締め付けた。
連音と出会ったのは、あの流星群の夜。
妹と一緒に公園で出会った。
第一印象は、ただギターが上手に弾ける人という印象だった。
次に出会った時は、商店街で。
あたしがキグルミのアルバイトをしている時だった。
今思えばあの日から、あたしの人生は180度変わった。
思えばそこからだ。
連音とよく関わりだしたのは。
「....重い」
「そりゃあ、そんなに買えばね?」
そう言うと、連音が抱えている荷物を見ながらそう呟く。
連音が抱えている荷物。
それはランダムスターを弾くために必要な機材だった。
ちなみにあたしも少しだけ、荷物を持ってあげている。
現在、あたしたちはショッピングモールを後にして、
帰路についていた。
時刻は午後三時過ぎ、少し小腹がすく時間帯だ。
「いやあ、だってさ早くこいつを弾いてみたくてさ」
連音はそう言いながら、肩に掛けているギターケースを
見やった。
その顔は、楽しくてしょうがないそんな顔だった。
「.....そっか」
ああ、その顔だ。
あたしは連音にそんな顔をしていて欲しい。
連音と関わりだした直後、
あたしは彼の事をただのギターが上手なギター馬鹿だった。
きっと、公園で出会わなければ、
あたしの人生に関わることはなかったと思う。
そんな事を思っていた。
だけど、
ハロハピを通して、彼とかかわっていくうちに、
だけど、それもつい最近だ。
「お、そうだ」
突然、連音が立ち止まる。
「どうしたの?」
「ちょっと、寄り道したいんだけどさ、美咲は時間大丈夫か? 」
「別に大丈夫だけど.....何処行くの? 」
「いやさ、小腹がすいたからさ、何か買おうと思って」
連音にそう言われると、お腹の方に意識がシフトしてしまう。
時間帯も時間帯なので、小腹は少しすいていた。
「あー、なるほど。 うん、分かった良いよ。 だけど、何買うの?」
連音はにやりと笑う。
そしてある場所の方に指を差す。
「それは勿論、あそこでさ」
連音の指の先。
そこはあたしと連音が二回目に出会った、あの商店街だった。
──────────────────────
「なるほどー、ということは二人で買い物デートしてたと」
「違うな」「絶対、違う」
「あはは、即答だね。まあ、確かに二人の関係は、悪友って感じかもね」
そう言われ、連音と目を合わせる。
「「そうかも(な)」」
「ふふふ、息ぴったりだね、二人共」
連音につられてきた場所、そこは商店街にある小さなパン屋。
『やまぶきベーカリー』だった。
そしてあたしと連音の関係を悪友って言った人物は、
山吹沙綾。
あたしと同じ、ガールズバンドをやっている。
そしてこの店の看板娘だ。
「それで、どうしてうちに来たの?」
「いや、小腹がすいたからさ、なにかつまめる物って思ったら、この店を思い浮かんだ」
「あー、確かに今はおやつ時だもんね」
「そうそう、ということでなんか良いパンあるか?」
「うーんとね、今日は.....これとこれかな」
沙綾はそう言うと、二つのパンを指差す。
指を差したパンはどうやら、焼き立てのようだ。
香ばしい匂いが漂ってくる。
そのパンの
「そっか、じゃあ、それを貰おうかな」
「毎度あり!! 袋に詰めるからちょっと待てってね」
沙綾はそう言うと、おすすめしたパンを紙袋へと詰めていく。
そんな様子を眺めていると、ふと気になったことを連音に尋ねた。
「ねえ、連音。この店にはよく来るの?」
「まあ、それなりには。流石に毎日は来ないけど」
「そうなんだ」
「そうそう、大体いっつも沙綾におすすめのパンを選んでもらってるな」
そんな当たり障りのない会話をしていると、
沙綾が袋詰めを終えたらしく声を掛けてきた。
「はい、お待ち同様。 四点で、千円ね」
「ありがとう、ほい千円」
そう言うと、連音は千円を出そうする....が、
あたしはそれを呼び止める。
「あ、待って。あたしの分は自分で払う.....」
と口を開いたが、それを言い終える前に、
連音がさっさとお金を払ってしまう。
「いいよ、これくらい。 それに今日のお礼だから」
「.....お礼?」
何か連音にお礼を言われるようなことをしただろうか。
そんな事をした覚えはない。
逆にあたしが、無理やり買い物につきあわせてたりしてた。
「よし、それじゃあ行こうぜ、美咲」
「あ....うん」
取り敢えず、あとで聞いてみよう。
「じゃあな沙綾」
「また来るね、山吹さん」
「うん、ありがとね。 二人共!!」
そういうと、あたし達はやまぶきベーカリーの扉をくぐった。
「....お似合いだと思うんだけどね、あの二人」
──────────────────────
「で、どうしてお礼なの?」
「あー.....」
歯切れが悪そうに連音は言葉を発する。
今向かっているのは、連音の家。
あたしが持ってる連音の荷物の関係上、先にあたしが自分の家に帰ってしまうと、
連音が荷物を持って帰るのに、二度手間になってしまうからだ。
そしてパンは、折角焼き立てだったので、食べながら帰っている。
「......大事な事に気づかされたからかな」
「気づかれた?」
「うん、そう。 言ってしまえばピアノのことで悩んでたんだよな。」
「.....」
連音の言葉に口を挟むことなく、耳を傾ける。
「だからさ、この前の美咲の言葉で救われた気がしたんだよ、その時にさ、思ったんだよ。時間がかかってもいいゆっくりと前へと歩いていこうって。 だから.....」
横に居る連音が立ち止まり、
あたしの方へと向いた。
「だからさ、ありがとな美咲」
ああ、その笑顔だ。
その顔....何かが好きでたまらないと感じさせるその顔が見たかった。
あたしはきっと、連音と出会わなければ、
普通に高校生活を過ごすという、「青春」という文字がない人生だっただろう。
それにあたしは悩んでいた。
ハロハピに入ると決める前、
こころが世界を笑顔にする。
その活動が失敗した時に、みんなが落ち込むのが、涙が見るのが怖かった。
だけど連音が.....連音がギターを奏でている時は、それを聞いているみんなが笑顔になっていた。
勿論、あたしも。
そして、そんな様子を見ていつしか思ってしまったんだ。
音楽で世界を笑顔にできるかもしれないって。
その可能性を連音はあたしの前で見せてくれた。
だから、ハロハピに入ると決めたんだ。
あたしも、連音と同じように人々を笑顔にさせてみたい、そう思ってしまったから。
連音は.....
あたしを照らしてくれる光.....じゃなくて、包み込んでくれる星の光。
きっと、あたしは彼に憧れている。
そう思う。
だからそんな人の悲しむ顔は見たくなかった。
あたしを導いてくれる人の。
だけど、今日の出来事で笑ってくれるのなら、あたしは.....。
「....うん、どういたしまして」
笑顔でそう返す。
今日のデートを誘って良かったと思う。
さーや誕生日おめでとう!!
ということでこっちの小説に沙綾初登場でございます。
(たまたま)
といことで、デート編的ななにか終了でございます。
期待通りの結果になってると幸いです。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。
では、次のお話でお会いしましょう。
(HR200なりましたー)
同時更新
誕生日だったのに更新出来なかったよ....
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