Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
どうも、ワッタンです。
危うく一か月前になるところでした。
本来なら先週投稿したかったんですが、遅くなりました。
申し訳ないです。
ということで、今週はその君はお休みです。
それでは、第二十九話をどうぞ!!
部屋にはギターの音が鳴り響いている。
それはこの部屋の中では日常的に俺が響かせている音。
だけど、その音はいつものアコギから出される音ではなく、電子的な響きが混じっている。
それもその筈、今俺が構えているのはアコースティックギターではない。
今構えているのは、俺を呼んでいた....ような気がしたエレキギター、『ランダムスター』。
それを土曜の朝っぱらから、かき鳴らしていた。
「.....ふー、大分ピック弾きのカンが取り戻せてきたな」
長いこと、ピックでギターを弾いてなかったので、
最初にランダムスターを弾いた時はそれはもう酷かった。
しかしこの一週間で、人前で弾いても問題にはないくらいには上達した。
アコギ経験者とはいえ、一週間でここまで仕上れば、上等だろう。
「よし、今日も一日中弾きますか!!」
幸か不幸かこの時期は梅雨。
この前の勉強会の日と同じように、窓からは雨の降る街並みが見えている。
こんな天気じゃどこにも行きたくならない。
ということで、今日はギターを弾きまくろう.....と、決心したのが二時間前の出来事。
二時間後、今現在俺は。
「初めまして、白鷺千聖です。と、.......貴方が、鳴宮連音君ね、少しお話しましょうか?」
喫茶店で女優と話していた。
──どうしてこうなったんだ?
──────────────────────
事の発端は一時間前。
ギターを弾いていて、お昼ご飯の準備を何もしてなかったため、
久しぶりにコンビニの弁当で済まそうとして、傘を指しながらコンビニに向かって歩いていた時だった。
「あれ、松原さん?」
「ふぇ....あ、連音君?」
あちらこちらを見渡している、
花音さんを見かけたのだ。
「昨日振りですね、どうしたんですかこんなところに?」
「あ、そのちょっとね.....」
なんだろうか。
松原さんがいつもより、おどおどしているように見える。
が、ここでピンとくる。
松原さんが大抵こんなになっている時は、
「松原さん、もしかしてまた迷子ですか?」
「え....あ、そのぉ、はい...そうです」
迷子になっている時である。
「やっぱりですか」と呟く。
実は松原さんは、方向音痴である。
地図アプリを見ていても、道に迷ってしまい、
初めて行く場所には決まって、道に迷うという羽目にあっているらしい。
らしいというのは実際に、松原さんから聞いた話だ。
「えーと、連音君? ホントに悪いんだけど、そのぉ...」
心配そうな顔を浮かべながら松原さんが、話しかけてくる。
「あー、そんな心配そうな顔をしないで下さい。安心してください、俺がちゃんとエスコートしますから」
そもそも、端から断る気はない。
ちょっと昼飯が遅くなるだけだ、そんなちっぽけな悩みよりこっちのほうが重要だ。
それに断ったりしたら美咲に怒られてしまう。
「あ、ありがとう、連音君。それで、ここに行きたいんだけど...」
そう言いながら、自分のスマホを見せてきたので、画面に目を通す。
それはとある喫茶店のホームページだった。
「ええと、この場所は....こっから真反対ですね」
「え?」
そう告げると、二人の間に何とも言えない空気が訪れる。
が、俺はその空気を割くように口を開く。
「とりあえず、行きましょうか?」
「う、うん」
そして喫茶店へと歩き出した。
──────────────────────
とこれが、事の発端。
道中で松原さんか、待ち合わせの人物が居ると聞いていたが、
まさかそれが、女優のそして『Pastel*Palettes』の白鷺千聖とは夢にも思わなかった。
「それで、お話どうかしら?」
「え、いや、その別に大丈夫ですけど....でもなんで急に?」
「千聖ちゃん?」
目の前の女優の言葉に、
俺のみもならず、松原さんまで困惑している。
「気になったからっていうのが、理由かしらね。 度々あなたの話を聞くのよ、花音と.....日菜ちゃんから」
「日菜から?」
白鷺さんの言葉で、あの水色の子を思い浮かべる。
どこから嗅ぎ付けたのかは分からないけど、
『連音君、ギター買ったんだって!? 聞きに来たよー、それと一緒に弾こっ!! 』
という感じで、自分のギターと共に来たっけ。
結局そのまま紗夜さんに、帰ってきなさいと言われるまで一緒にギターを弾いていた。
「あら、日菜ちゃんの事、呼び捨てなのね」
「あー、日菜からそう呼べって言われました。さん付けで呼んだら俺の言葉は無視されました」
「....なるほど、それは大変ね。とりあえず座ったら?」
と向かい側の席を指差す。
「あ、分かり....「それと、私も名前だけで結構よ」...マジですか?」
「おおマジよ、プライベートの時くらいは素で居たいのよ」
そう言いながら、目の前の女優さんは微笑んだ。
──────────────────────
「なるほどね、夜の公園で日菜ちゃんに会って、今のような関係に至る...と」
「言い方に悪意ありません?」
「気のせいよ」
そう言うと、目の前の女優さん──ではなく、千聖がコーヒーに口を付ける。
それだけで絵になるんだから、芸能人はすごいと思う。
そんな事を思いながら、俺もコーヒーへと口を付け....。
「それで、連音君は好きな人は居るのかしら?」
「んぐっ!?、.....ゲホゲホ」
「れ、連音君大丈夫!?」
突然の地雷発言に、コーヒーを飲んでいた俺はむせかける。
隣の松原さんが、心配そうに声を挙げる。
「ゲホッ、だ、大丈夫です.....イ、イキナリ、何言うんですか!?」
「あら、別に私は変なことは聞いてないのだけれど」
呼吸を整えた後、千聖に問い掛けるが、
当の本人は、笑顔のまま表情を崩さない。
それどころか、この状況を楽しんでいる気がする。
「それで、居るのかしら?」
「....居ませんね」
「ふーん、そうなのね」
俺が千聖にそう返すと、彼女は口に手を当てていた。
その姿は、何かを考えているかのように俺は見えた。
「ま、この話はもういいわ。やっと、謎が解けたから」
「...? 謎って何ですか?」
「日菜ちゃんが最近、調子いいのよ」
「日菜が? いっつも調子がいいように見えますけど?」
逆に日菜が調子が悪い日などがあるのかと思ってしまう。
だから、千聖の言う事がにわかには、信じられなかった。
「うーん、なんていうのかしらね。以前の日菜ちゃんは、あまり他人の事を理解しようと....いうよりかは、理解しようとしてなかったと言えば、正しいかしら」
「....今は違うんですか?」
「そうね、丁度一か月前くらいかしらね、日菜ちゃんが他人の事を理解するようになったの、 そしてその頃に、日菜ちゃんがこう言ったのよ」
──日菜ちゃん、最近変わったかしら?
──んーそうかな?
──ええ、初めて会った時よりも、周りをよく見てるって言えばいいのかしらね?
──んー、そう.....あ、きっとあれだ!! 千聖ちゃん!! 聞いて、聞いて、面白い人に出会ったんだ!!
──面白い人?
──うん!! おねーちゃんみたいにギターが上手なんだー!! それに凄くるんっ♪て来る人なんだー!!
──へー、そうなのね。私も会ってみたいわ。
──千聖ちゃんも、絶対気に入るよ!! それにギターを弾いてる時の連音君、すっごくカッコイイんだから!!
「とまあ、こんな事を言われたの。だから貴方がどんな人物か気になったのよ、日菜ちゃんが行動を変えるきっかけになった人が、どんな人なのかをね」
そこまで言うと千聖は、飲みかけだったコーヒーに口を付ける。
「そうだったんだ」
松原さんはというと、千聖の言葉に納得がいったと言わんばかりに、千聖の方を見ていた。
「まあでも、まさか花音が今日連れて来るなんて思いもよらなかったけれどね」
「うっ、そのごめんね、千聖ちゃん」
「花音は悪くないわよ、私がもうちょっと場所を分かりやすく、伝えれば良かったわね、ごめんなさい。....それで、アイドルに格好いいと言われた感想はどう?」
「.....日菜の奴め」
そう言いながら、おでこに手を当てる。
千聖さんの言葉に、顔に血が集まるのを感じる。
「あら、意外と可愛い反応するのね、まるでうちの犬みたいね。 そういえば、貴方と名前も一緒ね」
「.....性格悪いですよ」
「この業界にいれば、こうもなるわよ」
俺の皮肉めいた言葉に、
千聖はそんな事はもう知ってますと言わんばかりに、軽く言葉を返す。
「これで、納得したかしら」
「....ええ、納得しましたよ」
「そう、それは良かったわ。....少し小腹が空いてきたかしらね、ケーキでも頼もうかしら。 連音君はどう? 今なら迷惑を掛けたお詫びとして奢ってあげるわよ」
「....いただきます」
「分かったわ、...女性からの好意を素直に受け取るのは好ポイントよ」
そこまで言うと、千聖は店員に声を掛けた。
「.....苦い」
ぬるくなってしまったコーヒーの苦さは、今の俺には丁度良かった。
こうして、女優とのお茶会はこの後一時間も続いたのだった。
ということで、初めて千聖さん書きました!!
なんか書いてて、凄く楽しかったですね。
千聖さんは割と書きやすい部類でした。
反応良かったら、千聖さんヒロインの小説書いてみたいですね(フラグ)
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。
では、次のお話でお会いしましょう。
(虹学のせつ菜ちゃんがカワイイです)
今週はお休み
誕生日おめでとう!!(一か月前)
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