Memory of the starlit sky   作:ワッタン2906

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どうも、ワッタンです。
さて、今回で祝!! 三十話でございます。

といって特に特別なことはしてないですけどね。
今回は前回とったアンケートの票数が高かった子のお話です。

まさか、この子が一位とは思わなかったですね。


それでは、第三十話をどうぞ!!


第三十話 風邪と看病 前編

『ねえ、友希那ぁ、どうしたらいいと思う?』

 

開口一番。

スマホのスピーカーから、リサの泣きそうな声が聞こえてくる。

 

「......知らないわよ、それにあなた、今何時だと思ってるの?」

 

通話をしながら、壁に掛けられている時計をチラリと見る。

表示されている時間は、もう一日が終わろうとしている時間だった。

電話を掛けてくるには非常識な時間帯だ。

 

『えーと、友希那......怒ってる?』

 

「当たり前でしょ、こっちはもう、明日に備えて寝る所だったんだから」

 

『ご、ごめんね』

 

「はあ、......で、私に何の用?」

 

流石に泣きそうな幼馴染の声を聞いて、

電話を切るという選択肢はなかった。

それに、明日は朝早くから生憎と出かける用事がある。

だから、今日は早めに寝なければ明日に響く。

反論もそこそこにため息をつきながら、リサに話の続きを促す。

 

『......!! あ、ありがと、友希那!! そのぉ、じつは明日、連音君と出かけ......』

 

「切るわね」

 

前言撤回。

今日はもう寝ることに....。

 

『ああ!! 待って、待って、友希那ぁぁぁ!! って......わわわ!!』

 

スピーカーからドタバタする声が聴こえてくる。

そんな様子に頭が痛くなり、おでこを手で抑える。

大方、明日着ていく服で電話してきたのだろう。......私に分かると思っているのかしら。

 

「というか、リサ。 あなた、一週間前もこんな調子だったわよね? 流石に呆れるわよ」

 

『う......だ、だって、初めて二人きりで、男の子とお出掛けするし......お、落ち着かないよ!!』

 

「そんなものかしら」

 

『そんなものなの!!』

 

耳に当てたスマホのスピーカーからリサの大声が鳴り響く。

おかげで耳がキーンとしてくる。

 

「分かったから声を抑えて頂戴、近所迷惑よ」

 

『あ、ご、ごめん......』

 

「......別に、着ていく服なんていつも通りでいいんじゃないかしら」

 

『で、でもぉ......』

 

リサの不満そうな声が聞こえてくる。

 

「それにリサ、今日くらいしっかり寝なさい。 昨日も一昨日も夜遅くまで起きてたでしょ?」

 

『ど、どうしてそれを......』

 

「窓から見えるのよ、明かりの付いているリサの部屋がね」

 

そう言いながら、窓際へと近寄りながらカーテンを開ける。

そこには昨日と変わらない光景の、明かりのついたリサの部屋がよく見える。

 

「.....リサ、私が言えた事ではないかもしれないけど根を詰めすぎよ。 もしそれで、体調を崩したりして、バンドの練習に参加できないってなったら怒るわよ 」

 

『友希那....』

 

「兎に角リサももう寝なさい、明日遅れたりしても知らないわよ」

 

『う、うん』

 

「それじゃあ、切るわね」

 

そう言って通話終了のボタンを押した。

と同時に、リサと通話していた時に、せき止められていた眠気が襲ってくる。

いそいそと、スマホを充電器へとさす。

明日はいっぱい写真を撮るのだから。

そう思いしっかりと充電をされることを確認したら、部屋の電気を消しベットへと潜り込んだ。

明日が何事もないようにそう思いながら......,

 

 

 

と思っていたのだが、現在私の目の前には、

 

「うー、友希那ぁ.....」

 

ベッドでうなされている幼馴染が居た。

 

 

──────────────────────

 

朝起きた時に感じたのは、倦怠感だった。

それに心なしか体が熱い。

 

──なんか、ボーっとする....

 

ゆっくりと体を起こす。

そして続いて襲ったのは寒さだった。

 

──あ、これ....もしかして.....風邪?

そう悟った瞬間、

 

 

罪悪感と後悔と、いろいろなもので胸がぎゅうぎゅうとつぶされるような感覚。

そんな感覚に襲われる。

これでは、デートには行けない。

 

友希那に言われた通り、アタシは無理をしていた。

 

バイトや部活が終わってからも、デートの日......つまり今日に至るまで、

色々と準備をしていた。

 

そもそもデートに行くことになったキッカケは、あのお勉強会の日。

連音君に頼んだご褒美だった。

その頼んだ内容というのは、

 

『一緒にお出掛けがしたい』

 

だった。

そのことをドキドキしながら、連音に伝えた。

彼の返事はあっさりとOKだった。

 

それを聞いてから、アタシは張り切った。

アタシから頼んだ手前、デートコースはしっかりと計画を立てたかった。

だから、部活や練習が終わって家に帰ってから寝るまで、ずっとこの日の為に考えていた。

連音君が満足してもらえるように。

 

でもそれが.....このざまだ。

そして自業自得だった。

 

──ゴメンね連音君....今日行けないや。

 

それを認識した瞬間。

アタシはもうダメだった。

 

掛け布団に涙がこぼれ、静かに嗚咽を漏らす。

泣いてはダメ、頭では理解をしている。

だけど、そうやって自分を律するほど涙が溢れてくる。

涙を流すほど、体力が削られ、意識が朦朧としていく。

気が付いた時には、アタシは再び意識が夢の中へと沈んでいった。

 

 

 

そして今、目覚めた時には幼馴染が居た。

 

「....三十八度九分。 風邪ね」

 

「友希....那?」

 

体をベットから起こす。

相変わらず、体には倦怠感がある。

それどころかさっきより、悪化している感じがする。

 

「リサ、起きたのね」

 

「ど、どうしてここに?」

 

「リサがこんなメッセージを送ってくるからでしょ」

 

そう言いながら見せてきたのは彼女のスマホ画面。

映っていたのは、私とのトーク画面。

そこには、

 

「助けて」

 

と、私がメッセージを送っていた。

 

 

「えっ、アタシ....送った覚え無いんだけど.....」

 

頭がボーっとしながらも、枕元にあるスマホを手に取る。

ロックが解除され、スマホの画面が出てくる。

映し出された画面は、友希那とのトーク画面だった。

 

 

「あれ、...送って...ある?」

 

「リサが寝ぼけて送ったんじゃないの? ....それよりも、リサの両親は?」

 

「えーと、昨日から二人で出掛けてて...今日の夜に帰ってくる...」

 

「そう、とりあえずこれを飲みなさい」

 

友希那が何かを差し出してくる。

それはコップに入った水と、何かの錠剤──恐らく風邪薬だろう。

「ありがと」一言そう言うと、友希那から受け取り錠剤を口に入れ水で流し込む。

 

 

「....リサ、あれこれ言いたいことがあるけれど、今日は何も、もう言わないわ」

 

コップを友希那に返す時にそう言われる。

それは幼馴染だからこを分かること。

これは相当に怒っている時の、友希那だ。

 

「....うん。 ゴメン....友希那」

 

「その代わり。体調が治った後のバンド練習は厳しくいくわ」

 

「あはは....お手柔らかに」

 

これはいっぱいしごかれるだろうなあ。

ボーっとする頭の隅でそんなことを考える。

 

「とにかく今日は安静にすることね」

 

そう言うと、幼馴染はベッドの横に置かれた

椅子から立ち上がる。

 

「それじゃあ、私行くわね」

 

「あ....うん。ありがと、友希那」

 

「....取り敢えず、用事が終わったら寄るから」

 

 

「それじゃあ、お大事に」

部屋から出る前に一言、友希那はそう言うと、

扉を閉めて出っていた。

部屋には、私だけが取り残される。

 

薬のおかげか、少しだけ体調が良くなった.....様な気がする。

 

「あっ....連音君に、言わなきゃ」

 

スマホを手に取り、トークアプリを開き、

連音君の連絡先を開く。

 

──ゴメン、用事が出来たから行けなくなちゃった、ゴメンね。

──この埋め合わせは絶対するから。

 

風邪になったということは伝えない。

余計な心配を掛けたくない。

それにこれは、体に無理をさせた罰だ。

 

連音君にメッセージを送信し、スマホの電源を切る。

それと同時に、程よい眠気が襲ってくる。

友希那に言われた通りに、今日は大人しくしていよう。

そう思ったわアタシは、その眠気には逆らわずに、夢の世界へと

へと旅立っていった。

 

 

少しの寂しさを抱きながら。

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

部屋から出た時、本人は気づいていないようだけど、

寂しそうな顔を浮かべていた。

 

出来る事なら看病はしてあげたかった。

だけど今日は絶対に無理だった。

何故なら───、

 

 

テレビに取り上げられるほど有名な猫カフェに行くのだから。

しかもわざわざ、その店は完全予約制。

次逃したら、にゃーんちゃんにはもう会えないかもしれない。

だけど、それを理由にしてリサを置いて行くというのは、

後ろめたさを感じる。

 

 

「....仕方ないわね」

 

そう呟き、連絡先を開く。

そしてとある人物の名前を探し、その人に連絡を取る。

 

『鳴宮連音』

 

その名前の連絡先が、スマホ表示されていた。






ということで、リサさん回です。
まさかメインヒロインを抑えて、一位になるとは驚きました。
そしてこの結果から、ワッタンは奥沢美咲作家ではなく、今井リサ作家として有名なのかもと思ってしまってます......。

それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。

では、次のお話でお会いしましょう。

(今週はSong I am ですねー、みんな見に行きましょー)

お休みその①

お休みその②


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