Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
どうも、ワッタンです。
今回はあとがきまで読んでね。
それと総合評価900ありがとうございます!!
1000までの長いカウントダウンが始まりました、これからも読んでくれると幸いです。
それでは第三十三話目をどうぞ!!
リサさんの看病の件から一週間たった、とある日の火曜日。
期末考査も終わり学生は夏休みまで日々を消化する毎日になる時期。
俺は放課後に商店街の方に足を運んでいた。
何故、真っ直ぐ家に帰らず寄り道をしているのかというとその原因は俺の手に握られている、『羽沢珈琲店』の割引券が今日で期限が切れるからである。
ちなみにこれを俺に渡した張本人であり使うはずだった集は、今日は行く所が出来たらしくこの券を俺に颯爽と渡した後、すぐに帰ってしまい現在に至る。
「いらっしゃいませ!! ....って連音君」
扉を開けてまず感じるのはエアコンの冷気。
その冷気はここまで歩いて火照った体に心地よい。
目に入るのは、店内を見渡すことができるカウンターに、この店の雰囲気に合うように木製のテーブルが置かれている。そしてカウンターからはコーヒーのいい匂いが鼻孔をくすぐる。まさしく憩いの場、そう呼ぶにふさわしい空間がそこには広がっていた。
そして出迎えてくれたのはこの店の一人娘、Afterglowの『羽沢つぐみ』だった。
「こんにちは、つぐみ。 今日はAfterglowの練習は無いのか? 」
「うん、今日はみんなアルバイトとか用事とかで、今日はお休みなんだ。でも珍しいね、連音君が来るなんて」
「ああ、集からこれを貰ってな」
ポケットから取り出した割引券をつぐみに見せる。
「あ、うちの割引券だね。 ありがとう 」
つぐみがお礼を言われテーブル席に案内される。
カウンター席で良いといったのが、空いてますからという理由で無理やり押し切られた。
席に座り、つぐみにコーヒーを注文する。
「ところで今日イヴは居ないのか?」
店内を見回し、あの雪色の髪色をしたブシドー少女を思い浮かべる。
彼女が居ると、店内は騒がしく楽しくなるのだが、今の店内にはその面影がない。
「イヴちゃんは今日仕事らしいですよ。なんかラジオの公開収録?だそうで」
「へえ、公開収録.....それってどこで?」
興味本位で場所を聞いてみる。
「駅前です」
「なるほど駅...前....あっ」
思わず間抜けな声が出てしまう。
つぐみの言葉で集が何故来れないか、すべてが繋がった。
集の用事──それはおそらくその、イヴが出演する──自分の推しアイドルが出演するラジオの公開収録を聞きに行く事だったのだろう。わざわざ羽沢珈琲店に行かずに。
彼女はこの事を知っているのだろうか。
チラリとつぐみの方を見る。
「.....? 連音君どうしたの? 」
「──いや、ちょっとね。.....ちなみに集も元から休みなのか? 」
「えっ、集に....いや....うん、集君も今日お休みって、連絡があったよ? 」
俺の質問に動揺するつぐみ。
その様子に少しだけ違和感を覚えたが、つぐみのその言葉と一瞬だけ浮かべた悲しい表情で確信し心に決める。
──これは
「ごめん、つぐみ。 明日、あいつぶん殴っておくから」
「え? 連音さん!? 」
俺の言葉に驚くつぐみ。きっと心優しい彼女の事だから俺がやろうとしている行動に内心、穏やかではないのだろう。その証拠に少し言葉がおかしくなっている。これは説明が必要か.....いやでもこの憶測を告げるのに心が痛む──そう思っていた時だった。
カラン、とドアベルが鳴る音がする。
俺とつぐみがド反射的にアの方を振り返る、そこに居たのは。
「あ、連音だ」
制服姿の美咲だった。
──────────────────────
「ごゆっくりどうぞ」
お盆に乗せたアイスコーヒーとホットコーヒーをテーブルに置き、つぐみはのお店の奥へと引っ込んでいく。
「で、美咲は何でここに? 」
普段入れないはずのガムシロップをアイスコーヒーに入れている目の前の美咲に尋ねる。
「あー、花音さんにここの割引券貰ったんだこの前、もう持ってるからお裾分けだってさ」
アイスコーヒーに全て入れ終えた美咲はストローでゆっくりと中をかき混ぜる。やがてコーヒーはその茶色みがかった色から、カフェオレ色へと変えていく。
「なるほどな、俺と同じわけか」
「連音もなんだ」
「そうそう」
そんな会話をするとお互い、コーヒーに口を付ける。口に含むとコーヒー独特の苦みと香ばしさが拡がる。普段家では紅茶なので、コーヒーの風味は少し新鮮に感じる。
「ところで、美咲が砂糖とミルクを入れるなんて珍しいな、何かあった? 」
「あー、あるにはあったかな。ほらこの前まで期末考査だったじゃん。それでその結果が、月曜帰ってきたんだよね」
「もしかして....赤点で補習になったとか?」
「いやいや、あたしは赤点じゃないよ。 赤点なのはあたしじゃなくてはぐみだよ」
美咲が手をイヤイヤと振る。
詳しく話を聞いてみると、期末考査でものの見事に赤点に引っ掛かてしまったのははぐみで、美咲に泣きながら「みーくん、助けてぇー!! 」と言いながら、彼女に泣きついてきたらしい。
そして泣きついてきたや否や、美咲のそのまま図書室へと連行されてはぐみに勉強を教えることになったらしく、そして更に俺のよく知ってるポピパに居る猫耳の彼女も同じく補習を受けることになったらしく、美咲はポピパのキーボード担当と一緒に二人がかりで昨日は教えていたらしい。
「ポピパのキーボード担当って、あのツインテールの子か?」
「うん、何かポピパの中で彼女が一番頭が良いらしいんだよね」
「へー、そうなのか」
ポピパのキーボード担当とは以前に「CiRCIE」のバイトの時に、一度見かけた事がある。香澄に振り回される彼女を見ると、どことなく美咲と同じような雰囲気を感じた事を覚えている。
「という事は、その二人に教えた疲れから、甘い物がないとやってられないと」
「
ストローを咥えながら美咲が呟き、
そしてそのままコーヒーを口に運んでいく。
「いや、飲むか、喋るかどっちかにしろよ」
「ん、ごめんごめん。 そういや連音って──」
そのまま別の話題へと移っていく。
本当に下らない会話。
最近調子はどうだとか、この時期は何の星が見えるのか、何の一貫性も無い終着点の見えない会話を美咲と続ける。
──正直楽しい
ちらりと美咲の顔をうかがう。
美咲も笑っていた
異性ではあるが常日頃から、こころとか個性が強い子達に振り回されているからだろうか、こんな普通のような些細なことが、お互いに癒しだと感じているのかもしれない。
そんな事を思っていた時だった。
「二人共、これどうぞ」
突然つぐみがやってきて、テーブルにある物を置いた。
置いたのは一つの皿、そこには色とりどりのクッキーが入っていた。
焼き立てなのだろうか?
クッキーからはとてつもなく美味そうな匂いを漂わせている。
その匂いは放課後で小腹が空いてる胃に刺激を与えてくる。
だけど、そのクッキーを見て疑問が湧く。
俺も美咲もクッキーは頼んでいない。
そのことに関して美咲も俺と同じような事を思ったのだろう。
「羽沢さん、その....あたし達、何も頼んでないんだけど....? 」
遠慮がちにつぐみへと声を掛けていた。
「あ、ごめんね。 二人にはちょっと、味見をして欲しくて」
「「味見? 」」
俺と美咲の言葉が重なる。
「実は今度お菓子教室を開く事になってね? それでクッキーを作る事になったから、試しに焼いてみたんだけど、こういうのってお客さんの意見が大事だから──」
「なるほど、俺達に意見を聞きたいと」
俺のその言葉につぐみが頷く。
「あー、なるほど。 そういうことなら頂くね」
美咲がクッキーへと手を伸ばし一口齧る。その瞬間、美咲の顔はみるみるうちに笑顔になり美味しそうにクッキーを頬張る。
俺もその表情につられてクッキーへと手を伸ばす。クッキー特有のさくさくとした食感と、甘さが口に拡がっていく、先程までコーヒーを飲んでいたため、甘さが通常より引き立っていた。
「すげー、美味い 」
「うん、凄く美味しいよ」
「...!! ほんと? 良かったぁ」
俺達の感想に笑顔を浮かべるつぐみ。
そんなつぐみの笑顔を見て、ふと思った事は──
「ツグってるなぁ」
──そんな事だった。
そしてそのまま俺達は、なんてことのない普通のひと時を過ごした。
後日、集がフルボッコされたのは別のお話。
あとがきです。
このたび「Memory of the starlit sky」は8/16日午前0時をもちまして、一周年になりました!!
本当はその時間に投稿できればよかったんだけど許してください。
一年前に始まったこの物語ですが、何とかここまで続けられたの皆様のおかげです。本当にありがとうございます!!
本当は休まずに週一投稿を目指したいのですが、如何せん大変ですね。
一年で三十話位しか進まない、文字数も少ないおそおその作品ですがこれからも読んでくれると幸いです。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。
(一周年だから来てもいいんだよ?チラチラ)
では、次のお話でお会いしましょう。
(誕生日のこころ、ゲット!!)
しばらく休止かも
さて、書くか....
タイシン可愛い
Q.この作品を評価しますか?
はい ◀
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