Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
最近は週一投稿はできてるけど投稿作品がバラバラなのが悩みです。
やっぱり土日に二本更新は厳しいかもですね。
さてそんな暗いお話はさておいて、
それでは第三十四話目をどうぞ!!
放課後の喫茶店。
『羽沢珈琲店』にも負けず劣らず、憩いの場と呼ぶにふさわしい空間....だったが、
「ずーるいっ!!」
そこに広がる場違いのの声。
と同時に、俺が声の主に両方の頬っぺたを捕まれ引っ張られる。
「痛い、痛い!! 日菜、痛いって!!」
思わず大きな声を出してしまう俺。
だけど目の前にいる少女──氷川日菜は手を離さない。
「あたしも、プラネタリウム行きたかったのにー!! 連音君のアホー!!」
そうぼやく日菜。
どこからか俺がリサさんと一緒にプラネタリウムを行ったことを知ったようで、日菜の顔はいつもより少しムッとした表情だった。
良くも悪くも感情豊かな日菜だから、行けなかった事が相当悔しいのだろう、徐々に引っ張る力が強くなってくる。
というか流石に痛くなってきた、そろそろ日菜を止めようと口を開くが、その前に別方向から声が掛かる。
「日菜ちゃん、もうそれ位にしたら? 」
日菜に引っ張られながらも目線を声のした方向へと向ける。そこに居たのはこの前知り合ったばっかの女優──白鷺千聖。
「仲がいいわね」なんて言いながら、優雅にティータイムを楽しんでいた。着ている服は花咲川の制服なのに、紅茶を飲んでいるよう様子は絵になるような雰囲気を漂わせている。
そして今日この場所に俺を呼んだ張本人だ。
「むー」
別方向からの声により日菜が俺の頬っぺたから手を放した。
「いてて。日菜、力強すぎ......」
引っ張られた所の痛みを和らげる為にその場所を撫でる。もしかしたら痕になっているかもしれない。そのような事を思わせるくらいには痛みを感じていた。
「だって連音君がリサちーだけを誘ったからだよ!! 何であたしも誘ってくれなかったの!? 」
「そ、それはその、元々リサさんとお出かけするって約束してたし.....」
日菜のその言葉に若干の後ろめたさを感じる。実はというとプラネタリウムのチケットは最初は日菜に上げようとしていた。丁度、二枚手に入ったので紗夜さんと一緒に見に行ってもらえればいいな....と思っていたのだが、その矢先にリサさんとのお出掛けの約束が入ってしまった。
──うーん、この際だから使おうか。丁度いいタイミングだし
というのが俺がリサさんとプラネタリウムに行くことになった経緯。つまり本来なら日菜はプラネタリウムに行けてたかもしれない、そんな理由から後ろめたさを感じていた。
「むー.....まあ、仕方がないかー....あーあ、あたしも行きたかったのに 」
そう言葉を零し、少し不機嫌そうな顔をしながら日菜はさっき注文したケーキを口へと運ぶ。だけど口にした瞬間、
「....う~ん、美味しい!! このケーキ!! ね、ね連音君も早く食べてみてよ!! 」
先程の顔はどこにいったか、美味しくて仕方ないというような嬉しい表情を日菜は浮かべていた。逆に俺はこの切り替えの速さにたじろぎ、困惑の顔を浮かべているだろう。
「あー、 確かにここのケーキは美味しいもんな」
そう返すとケーキを一口、クリームの滑らかな甘さとほのかに香る苺の香りが口の中に拡がる。
「でしょー....って、うん? 連音君、ここのケーキ食べた事あるの?」
日菜が不思議な表情を浮かべながら尋ねてくる。
ケーキが美味しいから食べてという日菜の言葉に、俺がまるで食べた事があるような言葉を返した事に疑問を感じた日菜は首を傾げていた。
「うん、ある。 実はこの前来たんだよここに」
「へ~、何で? 」
「まあ色々とあって、強いて言うならここにいる女優様のおかげでこの店を知ったていう感じかな」
「千聖ちゃんに? 」
日菜の目線が俺から外れ千聖の方に移り、目線を向けられた千聖は肩をすくめた。
「まあ、そういうことになるのかしらね。 あの日は久しぶりにいいオフだったわ」
「へー.....というか千聖ちゃんってどうやって連音君の事を知ったの? 」
「ああ、それは──」
日菜と千聖があの日の事を語りだす。俺はそんな二人の会話を聞きつつ、ミルクティーに口を付けた。牛乳をたっぷり注いだ紅茶のまろやかな味が口の中に広がり普段コーヒーよりも紅茶派の俺は、喫茶店の本場の味に舌鼓を打つ。
そして俺とあの日の話を日菜に語った後、「そういえば」と、俺は千聖に気になったことを聞く。
「というか千聖。 なんで、俺を今日呼んだんだ?」
俺が今日呼ばれた理由、そのことについて俺はまだ聞いてなかった。更にをいったら日菜が居る事も千聖からは聞いてなかった事に気が付き、千聖に聞いたのだった。
「ああそれは、花音が今日来れなくなったから、一人でお茶するのもあれだと思ってあなたを呼んだのよ。 そしたらその様子を見ていた....」
「アタシが千聖ちゃんと、一緒に行きたいって言ったんだよ!! 最近、全然連音君と会ってなくて心がキューッとしてたから、会いたかったんだよ!! 」
「キュー....? 」
日菜のよく分からない言葉に傾げる俺、千聖はその言葉に何か心当たりがあったのか笑みを浮かべながら、
言葉を呟く。
「.....ええ、そうね。 日菜ちゃんキューッとしてたものね」
「よ、よく分からないけど.....呼ばれた理由は分かりました」
そう呟きミルクティーで喉を潤し、千聖に一言返す。
「まあ、こんな俺でも呼ばれたら付き合いますよ」
その言葉に千聖は一瞬だけ驚いたような顔をした後、すぐに微笑んだ。
「ええ、今度から花音が呼べない時はそうするわ」
その微笑みは、いつもの彼女の笑顔とは少し違うような、いつもより少しだけ晴れやかな笑顔に俺は見えた。
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「あ、そう言えば」
「どしたの千聖ちゃん? 」 「どうしたんだ? 」
日菜と俺の声が重なる。
喫茶店に入ってから一時間ほど、夏だからまだ外は明るいが時刻は午後六時前。
そろそろお開きにしようかと考えていた矢先に千聖がそんな声を上げる。
「実は花音に上げようかと思っていたのだけれど....」
そう言いながら、千聖はカバンからあるものを取り出し机の上に置いた。
千聖が取り出した物──それは水族館のチケットだった、しかも二枚。
「あー、知ってるこれ!! この前リニューアルオープンしたってテレビでやってたやつだ」
日菜はそう言うとチケットを手に取り眺める。
「ええ、スタッフさんに貰った物なんだけれど、私は行けそうにないから花音に渡そうと思ったのだけれど、あなた達にあげるわ」
──あなた達?
「えっ....いいの!? 」
日菜が千聖に聞き返す。対する千聖はは日菜の言葉に頷いた。
「ええ。日菜ちゃん、プラネタリウムに行けなかったんでしょう? その代わりに連音と一緒に行ってらっしゃい」
「えっ、ちょ....「うん、そーするね!!」日菜!? 」
勝手に話を進めていく日菜と千聖。そして隣の日菜に腕を掴まれ横を見た。
身長の問題で必然的に日菜がこちらを見上げる形、所謂上目遣いになっていた。アイスグリーンの綺麗な髪が揺れ、キラキラと目を輝かせていた。
そして日菜は同年代の中でもかなり可愛い部類に入ると思う程の美少女、詰る所──
「ね、行こうよ連音君!! 」
日菜のその仕草にドキリとしていた。
「い、いやでも、紗夜さんとは行かなくて大丈夫なのか? 」
ドギマギしながらも言葉を返す俺。
「うん、だいじょーぶだよ!! おねーちゃんとはまたいつか行くから!!」
「そういう問題....?」
俺の腕を掴んでる手の力が強くなる、日菜はどうしても俺と行きたいらしい。
俺としては別に行くことに関しては問題ない....なのだが、仮にも日菜は今をときめくガールズバンドの一人。そうそう二人きりで人の多い水族館に行くべきではないと思ってしまう。
──これは断るべきか?
そう思っていたのだが、チケットを渡してきた張本人から最後のダメ押し。その表情はいつも俺の事をからかうような微笑を浮かべた表情で.....。
「....前にも言ったと思うのだけれど、女性からの好意は素直に受け取りなさいよ」
その言葉により断るという選択肢は消え、隣にいる日菜はその間も俺の事を見つめ続け、何かを期待するような目。
──ふー、降参です
数秒後、
俺の手元にはチケットがしっかりと握られていた。
「あー、疲れた」
家の鍵を開け、学校の鞄をリビングのソファに投げる。
そしてそのまま自室へと行き制服から部屋着へと着替え、リビングへと戻ってくる。その時にランダムスターを持ってくることも忘れない。
「とりあえず一時間だけ弾くか.....」
そう決め、テレビをつける。これがここ最近のルーティンだった。テレビから音が流れ、その中のある単語が耳に残り、テレビの画面へと向けた。
「七夕か.....」
という事で日菜編スタートです。
日菜編に関して最後まで読んだら分かると思うのですが、さよひなを語るのには必須な
でも普通じゃあ面白くないので、Memory流に変えてやるのでお楽しみを。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。
では、次のお話でお会いしましょう。
(勿論皆さんはラスボスバンドに投票しようね?)
来週はこっちかも
ネタが思いつかない
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