Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
お待たせしましたー。
今回は順番を変えてMemoryの更新です。
そして超久しぶりのシリアスなのでお楽しみ頂ければ幸いです。
それでは第三十四話目をどうぞ!!
※今回はあとがきまで読んでね
学校も終わって家から帰宅してリビングでくつろいでテレビを見ている時に、それはテレビから流れてきた。
七月七日。つまり七夕、彦星と織姫が一年に一度、天の川を越えて会える日。
「....もうそんな時期なのね」
テレビを見ながらそんな言葉を零す。
七夕と聞いて思い出すのは日菜の事、あの子は毎年この時期になると商店街で開催される『七夕祭り』に私を誘ってくる。
だけど私はそれを毎回のごとく断っていた、理由は私が日菜を拒絶していたから。
テレビの画面を消し、部屋から持ってきていた音楽雑誌を手に取る。
が内容は頭にはあまり入ってこない。
あの子は今年も私を『七夕祭り』に誘うのだろうか。
私に拒絶されてもずっと私の事を、『おねーちゃん』として慕っているような子だ、もしかしたら今日辺りにでも誘ってくるかもしれない。
だけど私に、その誘いを受ける資格は....きっとない。
今でこそ....私自身は日菜とあの時よりかは、寄り添えるようにはなっていると思っている、だけどそれはあくまでも小さな歩幅。
だから、急に昔みたいに一緒にお出かけをするという、日菜の気持ちの奥底に、深く食い込んでしまう行動に躊躇ってしまう。
そんな事をぼんやりと考えていると、玄関から物音が聞こえてくる。
日菜が帰ってきたようだ、頭から先程まで考えていたのを追い出し、音楽雑誌の内容を頭に入れることに努める。
リビングの扉が開き、「ただいま」と日菜が口を開く。
そんな妹に対し、私はいつも通りに挨拶を返す。
「お帰り、日菜。今日は早いのね」
──────────────────────
「──という訳なんだけど、こういう機会にどうかな? ほら、丁度休みの日だし」
「......」
今井さんがそう言いながら、私の顔を覗きこんでくる。私はというと、その目線に耐えられずに、逸らしてしまう。
日が変わって次の日。
今日は昨日と違って放課後にはRoseliaの練習があった。
いつも通りの練習をこなし、いつも通り居残りの練習をしようとした、その時に今井さんに話があると言われて呼び止められた。
──今井さんが私に話?
そう言われ、考えてみたが今井さんが私に何の話があるのか見当がつかなかった。
今井さんの話。
その内容はヒナと『七夕祭り』に行かないのかという事だった。
それを聞いていた私は少しだけ顔をしかめてしまう。
きっと、今井さんは日菜から『七夕祭り』事を聞いたのだろうが、タイミングが良いのか悪いのか、その話を聞いた瞬間、昨日家で考えていた事が頭の中で蘇る。
「...わ、私はそういう催しには興味がありませんから」
少しだけの沈黙が流れ、今井さんに向かってそう返す。
考えは変わらない。私はには日菜の隣に居る資格はまだないのだ。
だからこれでいい。
──本当に?
「...紗夜、本当にいいの? 」
「......何がですか? 」
思わず今井さんに強く当たってしまう。
いつの間にか床に落としていた目線を上げ、今井さんを見やる。
隣に座っている彼女はというと私の事を心配そうに見つめている。
「だって、紗夜の顔、苦しそうだよ?」
「っ...」
──今井さんに何が分かるの!!
そう大声で、言い返したかった。
「それが本当に紗夜の気持ちなの?」
だけどそれは出来なかった、何故なら今井さんの発した言葉は図星だったからだ。今しがた私が発した言葉は......自分自身の気持ちでは無い事が分かっているから。本当の私は......。
「...ねぇ、紗夜」
しばらく沈黙が流れた後、今井さんが口を開いた。
「......何ですか」
それに対し私はぶっきらぼうに返してしまう。
違う、彼女は悪くないのに、悪いのは素直になれない自分なのに。
そんな自分に嫌気がさしてくる。
「これは...アタシの独り言だけどさ、自分の気持ちは伝える時に伝えておかないと、きっと後悔すると思うんだ」
彼女が私にそう告げる。
「......今井さんは、あるんですか? 自分の気持ちが伝えれなかった時みたいな事が......」
「──うん、ついこの前似たような事はあったよ、アタシは何とか伝えれたけど......もし伝えれなかった時を考えると、やっぱりアタシは紗夜にはちゃんとヒナと向き合って欲しい」
『向き合って欲しい』
その言葉が私の中で繰り返される。
私の気持ちも、何をすべきかは答えは出ている、きっとそれが、氷川紗夜と氷川日菜にとっての最前の道。だけど──。
「......すみません、今井さん。少し考えさせて下さい」
今はこう答えるのが精一杯だった。
それと同時に、自分がこんな風にしか答えられないことも嫌だった。
──────────────────────
「ただいま」
あの後、今井さんが私の言葉にどんな風に答えたか、どんな風に練習をして過ごしたのかは頭の中にモヤがかかって思い出せず、気がついたら玄関の扉を開けていた。
──とりあえず、今日は早めに寝ましょう、でもその前に風紀委員の資料を......
疲れもあるがこんな様子を日菜に見せたらまたなんか言われるかもしれない。何とか気力を振り絞りいつも通りに振る舞おうと自分自身に気合いを入れ、リビングの扉を開ける。
「あ、おねーちゃん、お帰り!1 」
どうやら今日は日菜の方が先に帰っていたらしい。
リビングの扉を開けた私に気づき、近づいてくる。
「日菜....ただいま」
だけど珍しい。
私が日菜より遅く帰宅する時は、大抵日菜は自分の部屋で待っている事が多い。
──もしかして...
私の頭の中に一つの考えがよぎる。
昨日まで考えていた私の推測とさっきの今井さんの話、その二つを合わせて考えらればそう考えるのは必然だった。
「....話って?」
日菜には何も知らないようにそう返すが、私は既に日菜が言ってくるであろう言葉に対する回答を考えていた。
「あ、あのね。 今度の日曜日!! 商店街で七夕祭りがあるんだけど.....一緒に行かない? 」
──やっぱり.....
日菜がそう私に告げた。
それを聞いても私は驚かない、やっぱりそうか程度の感想。
あらかじめ考えていた言葉を日菜に告げる。
「.....そういうお祭りってたくさん人が来るのよね? 」
「そ、それは...」
私が人混みがあまり好きではない事を知っているのか日菜の表情が少しバツが悪そうな表情に変わった。
その様子に心が痛む。
私は、私は好きでこんな事を、
「で、でも、商店街の人たちがいーっぱい頑張ってるんだって!!それにね、ライトアップとかもあってね?きっと、おねーちゃんも楽しめると思うんだ、だから....」
その言葉に、どうしても私と行きたいという日菜の必死の気持ちが伝わってくる。
でもその必死さが伝わると同時に、私の心は比例してズキズキと心を黒い何かに浸食されていく。
ダメだ、これ以上は日菜を...、
「──悪いけど、私は遠慮しておくわ、今井さんや他の人たちを誘ったらその方がきっと楽しいわよ」
傷付けてしまう、この場所に居たら。
そう判断した私は日菜にそう告げ、一刻も早自室に戻ることを考え足を、まるで逃げるかのように自室の方に足を動かす。
「っ、....うん、そっか。ごめんね? 無理に誘っちゃって....」
背後から日菜の悲しそうな声が聞こえる。
だけど私はその声を聞こえない振りを、日菜の気持ちを理解してながら、自分の勝手な理由で拒絶した。
部屋に入り、扉を閉める。
そしてそのまま、ベッドの上へと転がった。
普段なら制服を着替えずにこんな真似はしないが、今だけはこうしたかった。
「....ごめんね日菜。私はまだ、あなたの隣に立つ資格はない」
──私はまだあなたの気持ちに寄り添う覚悟なんて....
その呟きは誰にも聞かれることなく、私はそのまま意識を夢の中へと旅立たせた。
という事で紗夜さんパートでした。
この日菜編の話数を概算したところ10話は超えないかもですけど、近い数にはなりそうですね、どーしよ。
そしてお知らせです。
この小説「Memory of the starlit sky」が9月29日を持って、奥沢美咲タグ5位、
そして総合評価1000を越えました!!
なのでこの場でお礼を。
評価を下さった皆様、お気に入り登録をして下さった皆様、そして、投稿から一年経っても読み続けてくれる読者の皆様。
本当にありがとうございます!!
はまだまだ未熟ですが、これからもこの小説をよろしくお願い致します。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。
では、次のお話でお会いしましょう。
(美咲のドレス姿はアカンて.....)
来週はこっちかも
タイシンかわいい
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