Memory of the starlit sky   作:ワッタン2906

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どうも、ワッタンです。
遅れてすまないですー。

本当は日曜に投稿予定だったんですけど、ちょっと遅れました。
体力が無くて書き上げる気力が無かったので、申し訳ないです。
これからも度々こんな事があるかもしれませんけど、待っていただけると幸いです。
 
それでは第三十七話目をどうぞ!!




第三十七話 似た者同士

 

おねーちゃんと一緒に行きたいと言ったあの日から三日が過ぎた。

その間のおねーちゃんにあたしはどこか避けられていた。

でも昔みたいに拒絶されている訳でもなくって...アタシが話し掛けても『ごめん』とか『忙しい』とかで話を済ます。

 

原因は間違いなくアタシのあの時の言葉...なんだろうけどまさかあの時は、断られるだけど、おねーちゃんがこんな余所余所しくなるとは思っても見なくて、

だから今のアタシは...。

 

「全っ然、るんっ♪ってしないよ...」

机に突っ伏して非常に落ち込んでいた。

 

「...急にそんな事を言われても困るんだけど? 」

 

思わず自分の気持ちを口に出していたらしい。

机に突っ伏したまま顔だけを横に向け、二人分の注文が出来上がるまで、レジ近くで待っていた連音君に愚直を零す。

 

「だってさー、まさかそうなるとは思わなかったんだよぉ」

 

「そうなるって...何かあったの日菜? 」

 

二人分の注文のトレーをテーブルに載せ、アタシの向かい側の席へと連音君は座った。

現在、アタシが居るのは駅前のファストフード店だった、やけ食いでもしてこの気持ちを忘れようと思って来たのだが、お店の前で連音君とバッタリと出くわした。

そしてそのまま二人でここに来たという訳だ。

 

「...うん、ちょっとねー。 とりあえず食べながら話すよ」

 

そう言って、頼んだポテトをつまみながら、昨日までの出来事を掻い摘んで話した。全てを話し終える頃には、三個頼んだLサイズのポテトの内一つが消えていた。

 

「──という訳なんだけど、連音君どう思う? 」

 

「うーん、そうだな......」

 

ポテトのゴミをトレイの上に置いて、二つ目のポテトを摘みながら連音君にそう尋ねる。連音君はと言うとあたしが話している間、口を挟まずにじっと黙って聞いてくれていた。頼んでまだ口に付けていなかったドリンクを一口飲む連音君。 そしてそれを飲み終わった後、連音君が話し始めた。

 

「──とりあえず、ポテト食べすぎじゃないか?」

 

「へ、そう?」

 

「そうって、普通男子高校生でもそんなに食べないけど?」

 

そう言われて連音君のトレイの方を見る。連音君のトレイの上には、頼んだドリンクと......ポテトが三つ置いてあった。

 

「いやいや、連音君だってあたしと同じ数買ってるじゃん」

 

連音君の方のポテトを指差しながら口を開く。

 

「いやいや、よく見て?俺が買ったのはSサイズ三つ。日菜とはサイズが違うから、そんなに量はないよ」

 

だがすぐさまに反論された。

連音君曰く、「アプリで貰えるポテトの半額クーポンが溜まっていた」という理由らしい。更にをいうと、そのクーポンの期限が今日までという理由からファストフード店に来ていたらしい。

 

「というかこの店ってアプリがあったんだね? 」

 

「ああ、松原さんから教えて貰ったんだよ、ちなみに今登録するとポテトの無料券が貰えるぞ」

 

「えっ、ホント!? じゃあ登録しよーっと....って、そうじゃなくて!! 」

 

テーブルをバンっと叩く。

いつの間にか連音君に話の論点をずらされていた。

 

「連音君、ちゃんと答えてよ!!」

 

「ごめん、ごめん。冗談だって」

 

連音君が笑いながら頼んだポテトを二本纏めて口に入れていた。それを見ながら、一口ポテトを齧る。

 

「で、紗夜さんの話か・・・うーん、何となく、紗夜さんの気持ちも分かる気がするんだけどな」

 

「えっ、本当に!? 」

 

「多分だけどね」

 

そうポツリと呟く連音君。そしてちょっとだけ、自信が無さそうな声で続ける。

 

「紗夜さんは...怖かったんじゃないか? 」

 

「おねーちゃんが...怖い? 」

 

連音君のその言葉に心当たりがなく首を傾げるアタシ。連音君はあたしが発したその言葉にゆっくりと頷いた。

 

「うん。紗夜さんはきっと...まだ日菜にさ、歩み寄るのが怖いんだと思う」

 

「おねーちゃんが?」

 

「うん。一応紗夜さんからも......二人の関係は聞いた。だから、それを踏まえての推測だけど...」

 

そう連音君は前置きした上であたしに説明してくれた。

おねーちゃんがあたしが原因で避けていた時から、今でこそ徐々に普通に話せるようになってきた。例えるなら、コップがあって、そこに少しだけ蛇口を捻り水滴を貯めていくイメージ。少しずつ貯めていきながら、やがてコップ一杯にかつ、水面に何の揺らぎもない状態が、おねーちゃん

が昔のようにあたしと、些細な事で笑い合って話せる状態。

 

「──でも、今の紗夜さん状態はコップに貯まる水滴の量が途轍もなく早くて、コップ(心)の中の水が溢れそうになってる状態なんじゃないかな? それを紗夜さんはそれを必死に押し留めて水面を揺らさないようにしてるんだと思う」

 

「......」

 

連音君の例えは彼らしい独特な例えだった。

だけど──、

 

(そっか)

あたしにとって、連音君の言葉で今更ながらに理解出来た。

 

おねーちゃんは怖かったから自分に対してあんな態度を──おねーちゃんはあたしに、あたしはおねーちゃんに、お互いがお互いに対しての感情が怖かったんだ...。

 

「...だけど俺は心配は要らないと思う。紗夜さんにとっては、日菜は家族でありたった1人の姉妹だから大切なんじゃないかな。だから、そんな状態でも日菜を以前のようには拒絶してないだろ? 」 

 

「──うん」

 

そう告げる連音君に頷くあたし。

おねーちゃんと同じようにあたしもおねーちゃんが大切、つまりは似た者同士。よく双子だったらお互いの好みや思考が似るとか言うが、あたしとおねーちゃんは...きっと正反対。

 

だけど、今の連音君の言葉で分かった......あたしとおねーちゃんは似ていないようで似ているんだ。表面的ではなく、目に見えない所で、きっとどこか繋がっている。

 

──だから今のおねーちゃんの気持ちは今のあたしと同じ事を思っている...そんな気がする。

 

「それにいつか二人の関係が元のようには戻るって、だから....その」

 

そこで一旦、話すのを止める連音君。どうしたのだろうかと思った瞬間だった。

 

「あっ...」

 

あたしの口からそんな声が洩れる。

その原因はあたしの頭。

連音君が腕を伸ばしてあたしの頭に触れてきていた、そのままゆっくりとあたしの頭を撫でていた。

男の人だからか、連音君の手は大きくて、軽めにセットしてある髪を崩さないように優しく、それでいて....凄く暖かった。

 

「──日菜なら大丈夫って、俺は信じてる」

 

「...うん、ありがと連音君」

 

そのまま暫く連音君は黙ってあたしの頭を、まるであたしを元気づけるかのように撫でてくれた。

 

「あっ...」

 

連音君の撫でていた手があたしの頭から離れた。

時間にしては数秒にも満たない、だけどそれはあたしにとって、この時間がもっと永く続けば良いとそう思えた。

 

──まだやって欲しかったな...それにしても...

 

「ねえ、連音君。なんか頭、撫でるの慣れてなかった?」

 

何か妙に撫で慣れているような気がした。

 

「えっ、そうか?」

 

「うん、なんか初めて撫でるような、ぎこちなさ?がなかったと思う」

 

「あー、ならあれかな...リサさんに撫でてるからかな」

 

──えっ...

 

「...リサちーに? 」

  

「ああ、何かよく撫でてくれないかって言われるんだよな」

 

「...ふーん」

 

あたしの口からそんな言葉が出る。

そっかぁ、リサちーに....ね。ということはやっぱり、リサちーは。

 

「日菜、どうかしたのか? 」 

 

連音君が首を傾げながらこちらを覗き込んでくる。

この様子だと彼はリサちーからの気持ちに気づいていないらしい。

 

「....ううん、何でもない。ポテトもらうねー」

 

「いや、まだ食べるのかよ!!」

 

連音君が注文したもう冷めているポテトを口へと入れる。

リサちー(親友)が幸せになるのはあたしとしても嬉しい、だけどその隣に居るのが...連音君なのはやっぱり──

 

 

「だって『好き』なんだもん」

──嫌だった。





ということで日菜サイドでした。
次回は紗夜さん回の予定ですかね。


それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。

では、次のお話でお会いしましょう。

(さよつぐ...あやちさ...)

お休み

来週はこっち

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