Memory of the starlit sky   作:ワッタン2906

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どうも、ワッタンです。

一ヶ月振りの投稿、すみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
体調を(メンタル方面)を崩していたので、書けませんでした。
けど、何とか回復したので安心して下さい(笑)

それでは、年内最後の投稿。
第十四話をどうぞ!!


第三十八話 ジレンマ

日菜に行かないとキッパリ告げてから四日が過ぎた、七夕祭りの日まであと二日。

 

あの日から自分の暗く沈んでいた。再び日菜と寄り添えるようになってきているのに、自分の心の弱さが原因で日菜の思いを、私へと差し伸べてくれる手を拒絶してしまった、そんな自分が嫌になる。更にその感情に拍車をかけるかのように、私が日菜の心を傷つけたにも関わらず、あの日の事起きた出来事なんて全くなかったかのように、いつも通りの雰囲気で話し掛けてくる。

 

それが私に気を使っての行動は分かる、だけど日菜がいつも通りに私に接すればするほど、あの日の出来事がフラッシュバックして、まともに日菜の眩しい顔が見れなくなり心が締め付けていた。

 

「──,─夜、紗夜?」

 

「っ...1?」

 

自分の名前を呼ぶ声に驚き、何時の間にか下げていた顔を上げる。顔を上げた先に居たのは、自分の顔を心配そうに覗き込んでいる今井さんの顔、その顔で私は物思いから現実に引き戻される、そうだ今は。

 

「....紗夜、大丈夫なの?体調が悪いようなら──」

 

そんな声を上げたのは湊さん。

今井さんと同じ様に湊さんもに自分の方を覗き込んでいた。普段あまり感情を顔に出さない彼女だが、今の彼女の顔はどこか私の事を気遣しげに見ているように感じた。よくよく見たら、宇田川さんも白金さんも全員私を心配そうに見ている、いけないこんな事では。

 

「いえ、大丈夫です...ただ考え事をしてただけですから」

 

心の中の動揺を悟られないよう表情を崩さず、いつもの私の様に湊さんにそう言葉を返す。

 

「そう。なら、二パート前から再開するわよ」

 

特に私の言葉に何の疑問を持たないまま、湊さんの号令の元、再び練習が再開される。

と同時に、深く深呼吸をする。体内の酸素を入れ替えると同時に、自分の考えていた事も自分の脳から追い出すように深く深く。

 

自分のプライベートの問題のせいで、バンドの練習にも支障をきたして、他のメンバーにも迷惑を掛けているこの状況は流石に申し訳なかった。

 

深呼吸を終え、最善の演奏をする自分を思い浮かべる。『練習は本番の様に』そうイメージしながらギターを構え、いつもの演奏をしようと自身に活を入れる...だが。

 

「紗夜!! ワンテンポ遅れてるわよ!! 」

 

「っ...すみません」

いつもは演奏が出来ている筈のフレーズで初歩的なミスをしてしまう。ミスをしてさっき以上の熱意でギターの演奏に集中して臨むが、最初のミスでもう駄目だった、引っ張られ次々とミスをしてしまい、それぞれの演奏の手が止まってしまう。

流石にこれはただ事ではないかと思ったのか、今度はハッキリと湊さんが心配そうな表情をしていた。

 

「紗夜、本当に大丈夫なの? 調子が悪いのなら今日はもう──」

 

湊さんのその言葉に自分がどうやって返したのかは分からなかった、ハッと、気が付いた時には日が暮れていて、私はギターケースを持って外に居た。いつの間にか自分が外に居た事に気付かない程に精神的にやられていた事に、自虐的な笑みを浮かべてしまう。

 

自分がこんなにも弱いなんて思いもしなかった、たったあれだけの事なのにこんなにも心も体に不調が出るなんて、一体どうしてしまったのだろうか。

いや、この不調の原因は分かる。

 

全ては拒絶した日菜の事を再び受け入れようとしたからだ、いつも私の事を"おねーちゃん"と呼んでくれて、私を軽々しく飛び越えそして......気が付いたれいつも私の隣で一緒に歩む日菜。

 

 

最初、私は日菜が成長していくのを見て最初は嬉しかった。

だけどそれは何時しか負の感情に...嫉妬や怒りに変わった。

日菜に負けないように、周りに比べれれても氷川紗夜が氷川日菜より優秀であることを証明したかった、、そんな時に見つけたのがギターだった。幸いなことに私とギターは相性が良かったのか、努力した分だけ実力が身に付きメキメキと上達した。だけど、ギターが上達してもステージに立ち周りからその演奏技術を認められても、称賛の声が私を包んでも、私の心は晴れなかった。

 

その理由は今なら分かる。

そっと目を閉じ、当時の情景を思い浮かべる、思い浮かぶのは、日菜の悲しげな表情と、反射的に隣を振り向いても誰もいないその空間、つまり心が晴れなかった理由は日菜が...たった一人の妹が隣に居なかったから。あんなに拒絶していたのに、どうしても心を修羅に出来なかった、やっぱり日菜は私にとってかけがえのない存在、失ってはいけない存在だった。

 

──だから、私はこんなにも悩んでいる......

 

今はもうそんなに感じていない日菜との才能の差によって生まれた、自分の醜い嫉妬心や嫌悪感といった感情が、再び私の心から溢れてしまいそうになってしまうかもしれないから。それを避ける為に、私は日菜と寄り添う事

に凄く慎重になっていた。拒絶した時は何も心が痛まなかったのに、今は逆に日菜に寄り添い向き合おうとすると弱気になってしまい、心が締め付けられてしまう、ジレンマのように。

 

何気なしに立ち止まって空を見上げる。

そこにあったのは、何も遮るものはない燃えるような真っ赤な夕焼けではなく、太陽は雲に隠れ真っ赤な空は所々雲で覆われて、本来の燃えるような赤さはなかった。

 

「...まるで、今の私の心みたいね」

 

ポツリと、空を見ているとそんな言葉が出てしまう。

あの夕焼け空が私の心の中だとすると周りの雲は、私の心を覆う負の感情。

雲一つない空の時は、特に何も悩んでいなくて心の中の空模様は快晴状態だとしたら、今の私の心の中の空模様は、この空と同じで曇り模様だと、どこか自分らしくない例えが思い浮かんだ。

 

「紗夜さん?」

 

「えっ?」

 

数分ぐらい空を見上げていると、聞き覚えのある声が私の耳にきこえてくる。見上げていた顔を戻し声が聞こえていた方向へと顔を向ける。そこに居たのは、いつもの学校や『CiRCLE』の制服姿ではなく、私服姿に身を包み、ギターケースを持っている人物。

 

「鳴宮...さん? 」

 

そう発した私の声はどこか戸惑いを隠せないような声だった。

 

 

──────────────────────

 

「紗夜さん、コーヒーはブラックで大丈夫ですか?」

 

「あ、はい。大丈夫ですよ」

 

「分かりました」

 

初めて入る鳴宮さんのお部屋に緊張し、色々と視線を動かしそうになるのを堪え、キッチンから聞こえてくる鳴宮さんの質問に答える。

 

鳴宮さんと出会った後、私は彼のお部屋へとお邪魔していた。「話をしませんか」と、そう誘われて。いつもの私なら断っているか、その場で話をしていただろう。現に最初は断ろうとした、だけど、その直後の彼からの言葉「日菜の事について」というその言葉で、私は彼の提案に首を縦に降っていた。

 

「お待たせしました」

 

そう言いながらキッチンから淹れたてのコーヒーを持ってきた私の前に送る鳴宮さん。

「ありがとうございます」と、お礼を言ってからそのコーヒーに口をつける、コーヒーの苦さが体に染み渡り頭をスッキリとさせる。

 

「それで紗夜さん。丁度、昨日に日菜から最近の紗夜さんの事について、ちょっと心配になったので...突然、連れてきてすみません」

 

その言葉を聞き、鳴宮さんにも迷惑を掛けていた事を知り申し訳なさでいっぱいになってしまう。だから私も鳴宮さんへと頭を下げる。

 

「私の方こそすみません。鳴宮さんにも心配を掛けてしまって」

 

「いえ、別に迷惑ではないですよ、ただ日菜が悲しそうにしてたので......だから、紗夜さんの気持ちを聞かせてくれませんか?」

 

真剣な表情で私に尋ねてくる鳴宮さん。

が、その言葉に少し躊躇ってしまう自分がいた、今、私のこの気持ちを醜い自分の気持ちを伝えるのは、憚られる。でも、伝えれば何か見つかるかもしれない、どこかそう思う自分も居た。

 

「鳴宮さ──」

 

そう口を開いた瞬間だった。玄関からインターホンの音が部屋に鳴り響く。来客?そう思い、玄関の方へと視線が向く。

 

「誰だろう?」

 

首を傾げながら呟く鳴宮さん。その様子からこの来客は彼が予想していない事だと悟る、「ちょっと行ってきますね」そう言って、玄関の方へと向かう鳴宮さん。玄関の扉が開ける音が聞こえてきた瞬間、私の耳に聞こえてきたのは。

 

「やっほー、連音君。遊びに来たよー!! 」

 

私にとって今一番、会いたくない人物であり、向き合わないといけない人物だった。




ということで今回は紗夜さんサイドでした。
次回はクライマックス(予定)ですかね。


それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。
感想、評価等貰えると凄くやる気出るので、是非とも清き一票を。
(実は後二人で評価者50人何です、どうか自分に年内最後の夢を....(笑))

これで、年内の投稿は最後です!!来年も精進してまいりますのでよろしくお願いいたします。
それでは、皆様よいお年を!!

(来年はラスボス系バンド...)

お読みいただき

ありがとうございましたー。

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