Memory of the starlit sky 作:ワッタン2906
さて、今回からシリアスパートです。
そして、もうひとつ今回、美咲出てきません!!ヒロインなのに!!
それでは、第七話をどうぞ!!
「なあレオ、コレ見たか?」
HRが始まる前に、自分の机でイヤホンを耳につけ曲を聴きながら、宿題をしていると、亮が俺に話しかけてくる。
イヤホンを片耳だけ外し、宿題から亮へと目を向けた。そこには、珍しく何かの雑誌を持った亮が居た。
「コレって.......音楽雑誌?」
「そうそう、これ妹が持ってたんだけど、これにこの前聞いた、えーと、.......そうそう、Roselia!! Roseliaが載ってたよ」
「ほらここ」と言いながら、亮が雑誌を渡してくるのでもう片方のイヤホンを外し、亮から音楽雑誌を受け取り目を通す。
そこには、亮の言った通り「Roselia」のライブの時の写真が載ってあり、そこに大きな見出しで『──新星バンド、Roselia!!』と書かれており、その下には、『孤高の
と書かれていた。
「へぇ、やっぱりRoseliaって凄いんだな。雑誌の見開きに載るなんて......でも、孤高の歌姫ってのどういうことだ?」
「それ、俺も気になって調べてみたんだけど、このボーカルの友希那って人は、どうやらRoseliaを結成する前は、ソロで活動してたらしい。んで、その時についた名前が、『孤高の
「ほぉー、なるほど」
亮に、友希那の説明してもらい、改めて雑誌に目を通す。使われている写真は、どうやらこの前のライブのようだった。ライブの写真を見ていると、あることに気づく。
(リサさん.....浮いてんなぁ)
写真を見ると、リサさん以外の四人は割と普通の見た目をしているのだが、リサさんだけ正直ギャルっぽくて浮いていた。リサさんとは、あの日のライブ以来、たまたま会っておらず、LI〇Eでのやり取りが続いていた。まあ、リサさんがCiRCLEに来ない、その分モカとはよく会うのだが.......。
そんなことを思っていると、HRの予鈴が鳴り、続々とクラスメイト達が、自分の席へと座り始めた。
「お、もうそんな時間か。その雑誌は貸しといてやるよ」
そう言うと、亮は自分の席へと戻る。と同時に、担任の先生が教室へと入ってくる。
「サンキュー」
俺はそう言うと、先生の朝の会話に、耳だけ傾け残りの宿題を、片付け始めた。
──────────────────────
「ねぇ、れーくん?」
「どしたー?.......って、ちょっと待て、れーくんって俺の事か!? .....初めてそんな名前で呼ばれたぞ.......」
明くる日の木曜日、今日もモカの目の前でギターを弾いていた時に、そう呼び掛けられる。
「だってー、連音って呼びにくいんだよね〜。まあ、それは置いといて、れーくんって、毎日ギター弾いてるの?」
「まあ、名前は呼びやすければ何でもいいよ。それより、その質問はYESだ、毎日夜の公園で弾いてる」
「.......公園で?」
モカが珍しく怪訝そうな顔で尋ねてくる。
「ああ、.......まあ、あれだよ。俺がこの街に上京してくる前にも、ずっと星空見ながら毎日弾いてたから、もう日課もとい趣味みたいになってんだよ」
「ふーん、変な趣味ですな〜」
「.......ポイントカード集めが趣味な人には言われたくない」
「失礼ですな〜」
そんな会話をしていると、自分も前々から聞きたいことがあったことを思い出し、これ幸いということでモカに尋ねる。
「なあモカ、俺も聞きたいことがあるんだけど?」
「何だね、れーくん。この天才少女モカちゃんが答えてしんぜよう」
「はいはい、......で聞きたいことってのは、リサさんもだけど、何でそんなに俺のギター聞きたいんだ?そんなに特別な弾き方をしてる訳じゃないんだけど.......」
モカに尋ねると、当の本人は目をパチクリとさせ、答えてくれた。
「.......うーん、それはまた答えにくい質問ですな〜.......まあ、強いて言えばモカちゃんのギターの演奏が、メロンパンだとしたら、れーくんの演奏は、焼きたてのカリカリモフモフのメロンパンの演奏.......って事ですかな〜」
「.....?どゆこと?」
「まあ要するに、れーくんはれーくんのままで、居て欲しいってことですかな」
モカはそう言いながら、自分のカバンをガザゴソと漁る。
「.......よく分からんけど分かった」
「うん、それでいいよ。.......っと、あった、あった」
モカがカバンから、クッキーが入った袋を取り出し袋をあけ、中のクッキーを頬張った。
「あれ、今日はクッキーなのか?いつもは、パンなのに」
「ああ、それはね〜」
クッキーをポリポリと食べながら、答えてくれる。
「うちのバンドメンバーが、メンバー全員にクッキーを作ってくれてんだよ〜」
──────────────────────
「くちゅん」
「つぐ、大丈夫か?」
「つぐみ、大丈夫?」
「つぐ、大丈夫!?」
幼なじみ三人が、くしゃみをした少女に対して、声をかける。
「うん、大丈夫.......うーん、風邪かなあ?」
鼻を擦りながら、くしゃみをした少女は呟く。
すると、幼なじみの1人が、
「最近は春と言っても、まだ夜は冷え込むからな。ちゃんと暖かくして、寝ないとな」
そんなふうに、話し掛けてくる。
「うん、そうだね。ありがとう、巴ちゃん」
そんな話をしていると、ピンク色の髪色の幼なじみが、言葉を呟く。
「それにしても、モカはまた今日も「先帰ってて〜」って言ってたけど、やっぱり何か用事があるのかな?」
「どうだろうな。なあ、蘭はどう思う?」
「さあ」
今日も、モカの幼なじみの少女達は、モカの行動に疑問を思いつつ、帰路へと着く。
──────────────────────
「うん、美味しい〜」そう言いながら、モカはクッキーを頬張り続ける。そんな様子を見ていると、俺もクッキーが食べたくなってきた。
(今度、作って見るか.......作ったことないけど、)
そう思い、ギターを弾きながら次の休みの予定に思考を巡らせた。
──────────────────────
──そして、事件は起きる。
その次の日、今日も「CiRCLE」でのバイトだったので、学校帰りに「CiRCLE」へと立ち寄る。中へと入り、スタッフオンリーの事務所の扉を開き、「CiRCLE」の制服へと着替え、事務所の扉を開け、今日のアルバイトを開始する。
(とりあえず、清掃からだな)
そう思い、倉庫となってる部屋に行く為に、スタジオの前の廊下を通る。すると、
「.......まりなさん、何やってるんですか?」
まりなさんが、スタジオの扉の前で、耳を当てて聞き耳を立てていた。
「あ、連音君ちょっとこっち来て」
まりなさんが、俺に気づき手招きをしてくる。言われた通りに、まりなさんの側へと近づく。
「いやいや、まりなさん。聞き耳立てちゃ不味いんじゃないんですか?そもそも、今ここ誰が使ってるんです?」
まりなさんへと尋ねる。
「そう!!そこ何だよ連音君。ここ今使ってるのは、十分前くらいに来た「Roselia」さん何だけどね、さっきから演奏の音が聞こえないんだよね。だから、ちょっとおかしいなって思ってさ」
「へぇー、リサさん達が.......確かにそれはちょっとおかしいですね」
「Roselia」が練習に来ると、遅くても五分以内には、練習を開始するのだが、今のスタジオから演奏の音が聞こえない。
「うん、だからこうやって聞き耳立てるんだけど、どうやら何か言い争い?してるみたいなんだけど.......」
「言い争いですか?」
「そうそう、ちょっと連音君も、一緒に聞き耳立ててみてよ」
まりなさんはそう言うと、中の様子に聞き耳を立てる。
俺は、まりなさんの右へと行き、一緒に聞き耳を立てた。
「『私達────せる』───言って、『───音楽を』──つけて──────────────────────そういうことじゃないですか!!」
確かに全部は聞き取れないが、まりなさんの言う通り言い争いをしているようだ。
「あこ達の技術─────────ったの?────ッ!!!!!」
しばらく、言い争いが聞こえなかったが、そんな声を聞こえた内、部屋の内側から、結構な速度で近づいて.......うん?近づいて.......?
(.......ッやべ!!)
俺はある不安に襲われ、慌て扉から飛び退く.......としたのだが、気づいたのがどうやら遅かったようだ。
「痛ってぇ───────!?」
壁へと打ち付けられ、廊下へと倒れ込んだ。
「だ、大丈夫、連音君!?」
「だ、大丈夫ッス.......」
まりなさんが心配して、俺の傍に駆け寄る。どうやら、まりなさんは無事のようだ。そして、扉を思い切り開けた張本人は、俺達に気づかず、出口へと走り去っていた。そしてその後を、メンバー一人が追っていた。
(.......ホントになんかあったんだな)
そんなことを思い、体制を建て直し、扉の方へと目線を移すと、
「──────申し訳ないけど、失礼するわ」
そんな声が聞こえ、「Roselia」のギターの人が部屋から出てきた。そして、他のメンバー二人同様、出口へと向かって歩いていく。そして、俺は隣のまりなさんに話しかける。
「.......まりなさん、コレって.......」
「うん、言いたいことは分かるよ。連音君」
「「コレって、ちょっとまずいことになってるんじゃあ.......」」
二人同時に呟くと、また部屋から足音が聞こえてくる。そして、今度出てきたのは、朝の雑誌で見た、「孤高の歌姫」.......湊友希那だった。湊友希那もやはり、出口へと向かって歩いていく。そして消去法で今部屋に残ってるのは.......。
俺は、立ち上がり部屋の中へと入る。そこに居たのはやはり予想通り.......。
「.......リサさん」
「Roselia」のベーシスト、リサさんだった。リサさんは俯いていたが、俺の言葉に気付き、顔をあげ俺の方を見る。その顔は.......
「連音.......君?」
涙で濡れていた。
何故自分が、Roseliaのこのイベントをやろうかと思ったのかと言いますと、サブヒロインを登場させる際に、このイベントを挟んでおいた方が何かと都合がいいんですよね。
最近色々な、バンドリの小説読んでるんですけど、やっぱり皆さんすごいですわ。
それでは、次の話でお会いしましょう!!
(実はこの前、この小説が原作バンドリでの、日間総合評価11位に入ってました!!ありがとうございます!!)