いつもの部活メンバーでの部活帰りに起きた不思議な事件。
「ぐわぁ!!なんでまた俺がこんなめに~!!!」
罰ゲームに負けた圭一は、スク水スカートにネコミミシッポという即通報案件の格好をして、みんなと一緒に帰っていた。
「はう~圭一君かぁいいよ~」
「おーほっほっほっほ!!ブザマですわね圭一さん」
「圭一は、かわいそかわいそなのですよ。にぱー」
「あうあうあうー。圭一がかわいそううなのです」
「じゃああなたが着る?羽入」
「はうっ!いっ嫌なのです!!」
「ちくしょう!!なぜだー!なぜ勝てない!!」
「あっはっはー!圭ちゃん分かりやすすぎるんだよ」
「ええ、お姉の言う通りです」
そんなたわいのない話をしていると。
レナが鞄から古ぼけた手鏡を取り出しみんなに見せた。
「みんな見てー、昨日宝探ししていたら見つけたの」
「なんだ?すごいぼろっちい鏡だな」
「ぼろっちくないよー」
レナは圭一の言葉に不満そうに頬を膨らます。
「わりいわりい、でもそれがどうしたんだ?」
「あのね。この鏡に自分を映すと大人になった姿が見えるの」
「まじか!?」
「これって昔、羽入ちゃんが作ったってやつの一つなんじゃないかな?」
レナは鏡を羽入に見せる。
「あう~よく覚えていないのです。た
だ、鏡関係の奴は何個かあったと思うのですよ」
「大人になった姿か~、おじさん想像できないな~」
「私はきっと悟史君と結婚していますよ」
「ぼくは、みぃやしぃのような大人になりたいのですよ」
梨花は、魅音と詩音の胸を見ながら言う。
「大丈夫ですわ、りか。わたくしたちはこれからですもの」
沙都子が梨花に話しかけるが。梨花は沙都子の胸を睨んでいた。
「レナの大人な姿か、どんなのなんだ?」
「ん~、なんでか悲しそうな顔をしてるんだ」
「悲しそう?なんでだ?」
「ん~なんでなんだろう」
未来のレナの表情について考えていると、突然鏡が輝きだして。レナを包んだ。
「レナ!!」
とっさにレナへと手を伸ばす圭一。
「ぐぅ!!」
鏡の光がさらに強くなり、目をつぶってしまう一同。
「羽入!何なのあれ!?」
「あうあうあう、思い出したのです!あれは、すべての世界の中で一番後悔を持っている、未来の自分を見ることができ」
「一時的に、その自分を憑依させて後悔を解消させてあげる道具なのです!!」
「すべての世界!?てことはもしかして今から来るのは」
「はい!おそらくレナだけが生き残ってしまった世界のレナなのです!!」
光がおさまり、レナが居た場所にいたのは大人の女性がいた。
「こ・・・こは・・・?」
「レナ・・・なのか?」
圭一は恐る恐るその女性に声をかける。
レナの面影のある女性は、自分の名前を呼んだ存在を見て。
目を見開き圭一の名を口にする
「えっ・・・圭・・・・・一くん?」
「レナ!!」
レナは目に涙を浮かべ、優しく、大切なものに触れるように圭一を抱きしめた。