この素晴らしい絶剣に祝福を! 作:ユウキすき
一話
石造りの街中をエルフやケモ耳の人たちが行き交う。
「わあ……」
ゲームでよくあるような世界観だけではあるが、肌に感じる風や人の話ごえ。それらが異世界に来たということを何よりも表していた。
「そういえばギルドとかってどこにあるんだろう」
エリス様にこの世界の基本的なことは聞いてきた。どうやら冒険者ギルドってところで冒険者になれるとか。ギルドって聞くとスリーピングナイツのみんなを思い出すけど、もっと大規模なものらしい。
それはそれとして、ギルドがわからないと言う問題は何一つ解決していない。さあどうしようか。そう思った時、右ポケットに違和感を感じた。探ってみると手紙と硬貨が三枚。手紙にはこう書かれていた。
『ユウキさんへ。
冒険者ギルドはユウキさんが今いるであろう場所からまっすぐ行って最初の十字路を右折したところにあります。
それと硬貨はその世界のお金でユウキさんに渡したのは三万エリスです。エリスというのはその世界の通貨の単位でして、恥ずかしながら私の名前が使われているんですよね……。それはそれとして、一エリス一円くらいの価値です。
貴方によき異世界生活を!
エリスより』
ボクが手紙を読み終わると、手紙は消滅した。流石エリス様、アフターサービスまで万全だったし何より字が丸っこくて可愛かった。
そんなことを考えているうちにギルドに到着した。
なんかめっちゃおっきいなぁ。中からいい匂いが漂ってきてるし、お食事処もあるのかな?
そんなことを考えてはいると……
「いらっしゃいませ。お仕事案内でしたら奥のカウンターへ。お食事なら空いてる席へどうぞ」
ボクを迎えてくれたのは青い髪のお姉さん。丁度いいからどうやって冒険者登録するのか聞いてみよ。
「こんにちはー。あの、ボク冒険者登録しようと思うんですけどどうすればいいんですか?」
「冒険者登録でしたらカウンターの方に行き、手続きをすればできますよ。登録料として1000エリスかかりますがお持ちでしょうか?」
「ん、お金はあるので大丈夫です!」
「そうですか。
……できればで構いませんが、あの行列のところ以外に行ってあげてください。あの方……ルナさんというのですが、彼女が人気すぎて他の場所に人が行かないんですよね。美人なのはわかるんですがね……」
「あはは……。でもお姉さんも充分美人ですよ。色々教えてくださってありがとう!」
「おmん゛ん゛っ!貴方のご活躍をお祈りしています。お持ち帰りしたいって言うとこだった……」
親切なおねえさんに手を振って、小走り気味でカウンターへ向かう。最後に何か早口かつ小声で言ってたから聞こえなかったけど問題ないよね。
「えっ!!なんですかこのステータスは!!!全てのステータスが平均以上、筋力と敏捷、幸運なんて尋常じゃないですよ!!」
その言葉にギルドないがざわつく。こうなったのは、冒険者登録したときにステータスの確認が行われたからだ。どうやらボクのステータスはとんでもなく高かったらしい。
「えっと、すごいんですか?」
「すごいなんてもんじゃないですよ!!天才ですよ!!
……失礼しました。少し取り乱してしまいました。それで、どの職業に就きたいですか?このステータスなら大抵の職業には使えると思いますが」
「うーん、剣を使うのでオススメってありますか?」
「それでしたら《ソードマスター》がオススメです。最高の攻撃力を誇る剣士ですよっ!」
「じゃあそれで!!」
「わかりました。《ソードマスター》っと……。それでは、職員一同、今後のご活躍をお祈りしています!!」
わぁ、すごいハイテンションだ。ステータスが高いとそんなにいいのか。……そりゃそうか。ゲームでもステータスが高い人は期待されてたし。
……あ、一つ確認したいことがあったんだ。
「あの……『ラン』って言う冒険者いますか?あの、髪の色とかボクと同じでしっかりした感じの」
「ランさんですか?ランさんでしたら……今丁度帰ってきましたね」
そう言った職員さんの視線の先には、もう会えないと思っていた姉ちゃんがいた。
「姉ちゃんっっっ!!!!!」
気づいた瞬間、ボクは走り出していた。
「ちょっ、誰……ってユウ!?ちょっと、みんな見てるからっ!!」
「姉ちゃんっ!ボク、もう会えないって……不安で、怖くてっ……!」
「ユウ……」
「もういなくなんない?」
「大丈夫。一緒にいるから」
「ほんとに?」
「本当に。勝手に行ったりしないから」
「じゃあ、もう少しこうさせて……」
「しょうがないなぁ……」
あのあと、しばらくして正気に戻ったボクは思いっきり赤面していた。ついでに姉ちゃんも。
姉ちゃんは隠し子か?とか揶揄われてたけど、そこに嫌なかんじはこめられてなかった。姉ちゃんはちょっと怒りながら訳あって離れ離れになっていた妹です!って言ってたけど、ボクにはあれが照れ隠しだってわかる。伊達に双子してないんだよ。
「そういえば、このあとどうするの?」
二人ともある程度落ち着いてきて、大通りを練り歩いている時に、今後どうするのか聞いてみる。
「そうね……。とりあえず今日は色々疲れてるだろうし、ちょっとしたこの街の紹介で終わろうかな」
「え、ボククエストとかやってみたい!!」
「疲れてるでしょ?」
「ぜんっぜん!!」
「もう……。ユウ、ここはゲームじゃないの。もし何かがあってもリスポーンできないのよ?」
「でも、姉ちゃんが守ってくれるでしょ?」
「……しょうがないなぁ。でも今日はだめ、明日からね」
「明日かぁ……」
「だーめ」
「はーい、わかったよ……」
そんな会話をしながら、姉ちゃんにこの街を案内される。オススメの武具屋とか魔道具店みたいな冒険に必要な店から美味しいごはん屋さんとか八百屋とかお惣菜屋さんみたいな生活に必要な店まで。ちなみにご飯屋さんではお昼を食べた。ジャイアントトードとか言うやつの唐揚げ定食だったけど鶏肉みたいで美味しかった。
「それじゃあ次はちょっとした広場にいきましょ。
そう言って連れてこられたのは説明通りの場所。ただどうやら先客がいるようだった。じゃあ帰ろうか、そう思った次の瞬間……
「ヒャッハー!当たりも当たり、大当たりだあああああああああ!」
「いやああああああああ!ぱ、ぱんつ返してええええええええええええええええええっ!」
そんな絶叫が聞こえた。そして、とんでもない怒気が隣からしてきた。
「ね、姉ちゃん?」
「ユウ、貴方は少しだけここで待ってて」
「でも……」
「いい?」
「い、イエッサー」
肯定以外っだったら殺されそうでした。
姉ちゃんは銀髪の女の人を守るように男の人に敵対していた。ちょっと聞き耳をたててみると、男の人が弁明をしているようだった。と言うか、あの人日本人じゃない?多分姉ちゃんも困惑してると思う。
「姉ちゃん、話聞いてあげようよ」
「ユウ!?待っててって……」
「多分理由あるんじゃない?なんか大当たりとか言ってたし」
「どうなのクリス」
「あ、うん。えっとね……」
どうやら姉ちゃんの知り合いらしい。クリスさんと言うらしいその人は若干戸惑いつつも話してくれた。スティールという幸運の値だ相手のものを盗めるスキルで財布を取り返してみろと煽った結果がこれらしい。
お相手の方──カズマというらしい──も同じ内容を言っていたからあってるんだろう。それを聞いて姉ちゃんは大きくため息をついた。
「まったく……。クリス、そういうとこだよホント……。それでカズマさんが取り返せなかったらどうするつもりだったの?」
「うん……それは反省してるよ……。あとぱんつ返して」
「カズマさん。それを渡していただけますか?」
「アッハイ」
「クリス着替えてきてきて。
カズマさん、貴方あれをどうするつもりだったんですか?」
「……あれをダシに財布とついでにいくらか貰おうと思ってました」
「なるほど。ですが、あれをマジマジと眺め、叫ぶ必要はないですよね?」
「はい、おっしゃる通りです……」
「そしてユウ?……ユウ?
カズマさん、さっきいた女の子がどこに行ったかわかりませんか?」
「あ、さっきそこの建物の影に隠れてました」
「ユウー?でーてーきーなーさい?」
ヒエッ、ひょっこり顔出すの軽くホラーだからやめて。
「ユウ?わかった?」
「ごめんなさい……。あの、クリスさんとかもいるしそのくらいで……」
「そうだね。このくらいにしましょうか。
さあ、お互いに言うことがあるんじゃない?」
「ごめんね、これ財布」
「あ、あざっす。俺もぱんつ振り回したりしてさーせんした」
めでたしめでたし、かな?
そう思っていたら、姉ちゃんがカズマに近づいて何かしていた。……まさか姉ちゃんをたらし込んでないだろうな。
「カズマさん、こちらを」
「え、いや悪いっすよ」
「クリスの友人として迷惑料ということで」
どうやらお金を渡していたようだ。たらし込まれていないようで何より。
それにしても流石姉ちゃんだ。ボクだったら……どうだろう。たぶん50:50だと思う。その時の気分次第みたいな。
「それじゃ、わたしはギルドに戻ろうかな」
「私たちもそうしよ。ユウ、いくよ」
「うん!姉ちゃん、手繋ご!」
「しょうがないなぁ」
「……俺も戻るか」
なんか色々あったけど、姉ちゃんが隣にいるからよし!明日はクエスト楽しみだな!
ランさんの口調がわかりません!!(sao18巻までしか読んでいない勢)
なんかアスナと雰囲気似てるって話だったからそれに寄せればいいかな?ってのと自分のランの脳内イメージが混ざった結果のこれです。もし違っててもこの作品のランさんはこんな感じでってことで。