【挿絵表示】
⬆ちょっと血の描写あるから注意ね
本編には関係無いけどイラスト描きました(・ω・ )
そのうち本編内の挿絵とか描きたいね。
アラーム音が鳴り響き目を覚ます。
時刻は早朝の5時半...
まだ眠っていたいと本能が抑えつけてくるが、無理矢理体を起こす。
眠気で頭が回らないままカレンダーを見た。今日の日付に赤い印がついている。
「...そうだ、今日はアレックスさんも同行するんだっけ...」
訓練所での出来事のあと、突然アレックスが部隊に参加するという連絡がきてジェシカは混乱していた。その日出会ったばかりの人物といきなり同じ任務に送り込まれるのだ、戦闘のデータも無い人と上手く連携がとれるとは思えない。
だが、決まってしまった以上はやるしかない...不安を抱えたまま、ジェシカは身支度を始めた。
...
任務当日、アレックスは既に準備を済ませジェシカの到着を待っていた。
手には能力を使って生成した大きめの黒剣を携えている。
なぜわざわざ剣を作り出したのか、それはジェシカの普段の戦闘に合わせる動きをする為だ。
アレックスの戦闘方法は他人から見れば明らかに異質だ。
殴打ひとつで相手を吹き飛ばし、壁をまるで地面かのごとく駆け抜け、銃で撃たれようがかまわず突進して敵を薙ぎ倒す。
部隊の負担はいつもより比べて格段に減るだろうが、それではジェシカのためにはならない。そこで彼は考えた。
敵を殺さない
もっと言えば、攻撃を加えない。敵は全てジェシカに処理させる。
普通の戦場、死と隣り合わせの場所でそんなことを考える者はいないだろう、これはアレックスの能力があるからこそできる作戦だ。
(...今思えば、あの世界じゃ他人にここまで肩入れすることなんて無かったな...)
元の世界でのことを思い出していると、遠くから足音が近づいてきた...どうやら来たみたいだ。
「お待たせしました!他の皆さんは?」
「既に車に乗って待機している、物資を載せていく関係で2台の車両に3人ずつ乗っていくらしい...時間だ、行くぞ」
「はい!」
...
「それがアレックスさんの武器ですか...なんというか、なんだか生物的なフォルムですね」
「そうか?」
「はい、そんな形の剣は初めて見たかもしれません」
「ああ...まあ少し特殊な製法だからな」
(...形状も考えておくべきだったか)
アレックスの能力の詳細についてはロドス内でも重要機密に入っている為、そのことについて知っているのは現時点でチェルノボーグで出会った部隊のメンバーだけである。
ソロでの戦闘任務以外で能力を表に出すことは、緊急時以外は基本的に禁止されているため、剣については単純に彼のミスであった。
「だがその分性能は良い、銃弾どころか至近距離の爆発すら受け止められる強度だ」
「どうやって作っているんですか?」
「すまないが、それについて口外するのは禁じられている」
「そ、そうですか...すみません」
それからは、なんとも言えぬ空気のまま時間が過ぎていった...
小さな町が見えてきた。
だが建物は崩れていたり、道にはクレーターができていて町はすっかり荒れ果てている。
道にできた段差で揺さぶられながらも車はそのまま走っていく。
「酷いですね...」
「いつものことだろう、レユニオンの通る場所は大体こうだ」
「いつもの事だと言えど、やっぱりこの空気は慣れません」
「まあ、普通なら慣れない方がいいんだろうな」
『ピーッピーッ』
直後、ジェシカが持っている通信機が鳴った。どうやらもうひとつの車両からの通信のようだ。
「こちらジェシカ、どうしましたか?」
『敵影を発見した、レユニオンの連中だ!』
報告を聞いたアレックスは更に情報を知るため口を開く。
「数は?構成はわかるか?」
『 見える限りでは10程度、隊長格らしき姿のヤツが1人いる 』
「わかった、停車して交戦準備をするぞ」
車両を停め、戦闘配置に着く。
レユニオンの部隊が近づいてくる、今までと違い統率された動きだ。戦場に慣れているらしい。
特に、あの隊長格の赤髪の女...相当な実力だとわかる。
女が何かの合図を出すのを確認する、アレックスは剣を構え攻撃に備えた。
「くるぞ、気をつけろ!」
術と銃弾が飛んできたが、構えていた剣で全て防いだ。
間髪入れずに土系アーツの攻撃がアレックスを貫こうと迫ってきたが、横へと跳び退き回避する。
だが今の土のアーツが壁となり、部隊を寸断されてしまった。
「ジェシカ!前衛の足を全て止める、処理はお前に任せる!」
「っ、はい!」
「ディフィ、ジェシカを飛び道具から守れ!」
「ああ任せときな!あんたも死ぬんじゃねえぞ!」
ジェシカと防御オペレーターのディフィに指示を伝え、行動を開始した。
アレックスは迫ってくるレユニオンの剣士達の前に立ちはだかる。数は多いが、問題は無い。
攻撃を避け、弾き、押し返す。
攻撃後の一瞬の隙をジェシカは見逃さず撃ち抜く。直撃した兵士もいたが、ほとんど防がれているようだ。予定には無かったが、少しやり方を変えようとアレックスは動く...
が、邪魔が入られた。
「!」
「お前の相手は私がしよう」
隊長の女がアレックスに攻撃をした。
今までと違う、圧倒的な速度と手数で攻めていく。
(速い...手強いとは思っていたがここまでとはな...だが、パワーが足りない)
《キィンッ!》
アレックスはパリィで女を弾き返し、切り伏せようとした。
しかし、女は弾き返された反動を逆に利用し体を回転、武器を右手から左手に持ち替えると反撃される前にすぐさま次の攻撃を仕掛けた。
技と技の応酬、どちらも1歩も引かない...だが、この状況がアレックス達にとって不利な状況を作ってしまった。
女との戦闘に気を取られた結果、他のレユニオンの兵士の突破を許してしまったのだ。
(っ、しまった!)
そちらへ向かおうにも、女の攻撃に阻まれ動けない。
レユニオン兵は銃弾を躱し、防ぎながら距離を詰めていく。ディフィは必死に防御しているが、遠距離攻撃でだんだんと崩されつつあった。