【 源型 】   作:まあぶる

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ついに、物語は交わる。


交差

ウルサスの学生達を助けた後、彼は天災から身を守りつつ再びチェルノボーグからの脱出をしようとしていた。

 

チェルノボーグは天災の影響で周りの建物は倒壊し、災害に巻き込まれ死亡した者や重症を負い呻き、泣き叫ぶ者もいた。さらに街の至る所から巨大な源石の結晶が突き出している。まさに、地獄絵図という表現が相応しい光景が広がっていた。

 

 

 

(暑いな...)

 

心の中で愚痴をこぼすアレックス。

 

(どうやら、進むに連れて周囲の温度が上がってきてるみたいだな)

 

彼は此処の住人の記憶を頼りに脱出ルートを探していたが、進む度に上がり続ける気温に気づいた。

 

(この先で大規模な火災でも起こってるのか...?...!いや違う、これは...)

 

記憶通りならこの先は広場になっているが、この先から不規則に熱風が吹き付けているようだ...だがあまりにも高熱で単なる火災で起こるようなものでは無いとアレックスは気づいた。

 

(アーツによるものか?途中でレユニオンの炎術士を相手したこともあったが、この熱風はソイツが使ってアーツの熱とはレベルが違う)

 

常人がこの熱風を受けてしまえば体に火傷ができるだろう。

 

避けて通ろうとも考えたが、天災から抜け出すにはあまり時間が残されていないため強行突破を試みることにした。

 

 

 

 

 

 

...

 

 

 

「アーミヤ、ドクターを連れて避難しろ...今すぐにだ!」

 

 

 

 

「できません!私には...」

 

 

金髪のポニーテールで白い防具に身を包んだロドスの隊員である女性【二アール】がアーミヤに向けて撤退を指示した。

 

彼女達の目の前には、黒い衣装を纏ったレユニオンらしき女が立っていた。その人物からは凄まじい程の威圧感と殺気が放たれている。

 

「あの女は...生ける怪物だ!アーミヤ!」

 

「いえ、私たちも一緒に戦えば...!」

 

「作戦の目的を、我々の目的を考えろ!」

 

撤退をしようとはしないアーミヤに対してドーベルマンが叫ぶ。

 

どうやら『ドクター』という存在を守るために囮となろうとしているようだが、アーミヤがその案に反対してしまっているようで上手く行動に移れずにいる。

 

「──黙れ。」

 

レユニオンの人間らしき人物は、アーツを操ると手に熱を集中させると彼女達に向けて放った。

 

 

「ガハッ、はぁ...はぁ...っグゥ!」

 

二アールはその攻撃を受けてしまい、全身がボロボロになってしまった。それでも彼女は囮として残るつもりのようだ。

 

ドーベルマンは二アールの姿を見ていられず彼女を止めようとしているが、二アールは決して動こうとはしない。

 

レユニオンの女からの攻撃は続く。

 

「奴のアーツを止めなければいけない...狙撃オペレーター!奴に照準を!」

 

防御オペレーターの【Ace】が隊員に攻撃指示を伝える。

 

狙撃オペレーターが彼女に向けて構えた。

 

「撃て!」

 

彼女に向けて攻撃は開始された......が、

 

 

 

弾丸が彼女へと届く寸前で──消えた。

 

いや、燃え尽きた。全て焼き払われたのだ。

 

「どういう...ことですか?」

 

「どうして広場全体が...焼け焦げて?」

 

 

街は全て炎によって黒く染まっていた。車も、壁も、街灯も、全てが焼けている。

 

 

医療オペレーターの少女はこの光景に放心してしまっている

 

 

「一瞬で...奴の周り全てが、灰に...」

 

隊員の男が呟いた。

 

 

二アールは険しい顔でアーミヤに言う。

 

「わかるだろう、アーミヤ。誰かが、やつを止めなければ」

 

「...」

 

「アーミヤ!!」

 

何も言わずにいるアーミヤに叫ぶ。

 

 

 

「...お前たちは同胞を殺めた報いを受けなければならない。私が好む結末を贈ってやろう。」

 

レユニオンの女は静かに話す。

 

そして、

 

 

 

──滅せよ。

 

 

 

 

今までとは比べ物にならない熱量がロドスを襲おうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのはずだった。

 

「...っ!」

 

彼女の攻撃は止まった。

 

 

 

 

否、止められた。

 

目の前に現れたナニカによって。

 

 

 

 

 

 

...なんだこいつは。

 

裏切り者を葬ろうとした瞬間に突然凄まじい殺気をぶつけられ、私は攻撃を即座に中断しその場を飛び退いた。

 

そこには1人の男が佇んでいた。飛び退いた場所は地面が砕けていて、クレーターが形成されている。

 

 

 

「いい年こいて火遊びとは、感心しないな。」

 

「...貴様は、」

 

「レユニオンの暴君...タルラだったか?ヤツらの指導者さんが直々に出向いてきているとはな。随分と現場主義者じゃないか?」

 

「黙れ、質問に答えろ。貴様は何者だ。」

 

タルラと呼ばれた女は不機嫌そうに言う。

 

 

「...何者かと言われると上手く答えられないが...そうだな、今は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「化け物だ。」

 

目の前の男は姿勢を低くすると、突然両の手から、糸のような影のような、黒いナニカを噴出し始める...それは腕に纏わりつくと徐々に形を形成し始める。それが収まる頃には、

 

 

 

『彼の両腕は、全てを引き裂く爪へと変わった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奴の攻撃が止んだ?

 

 

 

 

あの女を見ると、彼女の前に黒い服の男が立っていた。

 

 

...あの男は一体?どこから来た?なぜタルラを止めた?

 

ドーベルマンや二アール達に様々な疑問が浮かぶ。そこへ

 

 

 

「...あっ」

 

アーミヤが何かに気づいたのか声を上げる。

 

「なんだ、アーミヤ?」

 

「あの人の服装...前にチェルノボーグの失踪事件にあった男の人の特徴と似ていませんか?」

 

「なに?」

 

報告を聞き、もう一度男を見てみる。

 

(黒い服に、フードで顔を隠した男、背中には赤いデザイン...)

 

確かに作戦前に渡されていた報告書の内容に書いてあった不審な人物の特徴と一致していた。

 

「あの人は...味方なのでしょうか」

 

「失踪事件に関与しているであろう人物だ、油断するな。アーミヤ」

 

正体が不明な以上、中立として扱う他ない。

 

 

「ヤツの攻撃が止まったのはこれ以上無い好機だ。撤退を始めるぞ!」

 

 

「…ああ...そうだな。狙撃オペレーター!ヤツらの動きに警戒しつつ後退しろ!」

 

「了解...っ!なんだあれは!?」

 

狙撃オペレーターが突然声を荒らげた。

 

「どうした!」

 

「あの男が...いえ、アレが突然変化しました...」

 

どういう意味だ?

 

アーミヤ達はオペレーターの報告を聞き、黒い服の男を確認する。そして驚愕した。

 

「あれは...なんですか?悪魔のような、怪物のようなあの腕は一体?」

 

「...わからない」

 

目の前の光景を疑いたくなった。突然男が変化し、あの暴君とたった1人で戦闘をしているのだ。人間の動きとは思えない不規則な機動で接近戦を仕掛けている。

 

 

 

「早く引くぞ。ここに長居し続けるのは、あまりに危険だ。」

 

Aceの声でアーミヤ達は我に返り、撤退を開始した。

 

 

 

 

 

 




Aceさん達が残るストーリー回避しました。


次はタルラさんとの戦闘シーン予定です。ようやくアレックスくんの血みどろバトルが見れるね、やったね。

ロドスともレユニオンとも接触したけど、このあとどうしようかな...
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