ASSASSIN SCHOOL   作:くろとら

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第1章 入学式編
1話 入学


 ──────「失敗も挫折も成長の源」

 

 この言葉は、中学時代の恩師が俺たちに残してくれた言葉だ。

 恩師が言うには、この言葉の意味は、何度も失敗しても挫折しても良い。何故ならそれは俺たちが成長する源になるからという意味があるらしい。

 

 俺たちの恩師殺せんせーは、この1年間に俺たちに多くのことを教えてくれた。勉強のこと、運動のこと、友人関係のこと。殺せんせーが教えてくれたお陰で俺は椚ヶ丘中学校を卒業し、全国屈指の名門校に入学することができたのだった。

 

 殺せんせーに改めて、感謝の言葉を述べたいが、生憎殺せんせーは今この世に存在していない。なぜなら、俺たちが殺したからだ。殺せんせーは俺たちにとって大事な担任で暗殺のターゲットでもあるからだ。俺たちは3月12日、殺せんせーを暗殺した。

 

 殺せんせーは暗殺される寸前まで、俺たちの将来について心配して、1人1人優しく声を掛け、小さな光の物体となり空中に消えていった。

 改めて殺せんせーはこの世には存在しないが、殺せんせーの教えは全て俺たちの頭の中、心の中に残っている。俺は殺せんせーの教えを忘れずにこれからの人生を歩んでいくのだった。

 

 

 

 

 高度育成高等学校。

 日本政府が作り上げた全国屈指の名門校であり、希望する進学先や就職先には100%応えると言われている。

 

 そして、この学校には、全国に数多くある一般的な高校とは違ったことが、いくつか存在する。

 それは、学校の敷地内での寮生活を義務付られることと、在学中には外部との連絡を一切禁じられていることだ。勿論学校の敷地内から出るとことも禁じられている。

 

 普通の学校では、考えられない厳しい校則に縛られながら、生徒たちは3年間、自分が目指す進路に進むためにこの学校で教育を受けることになる。一般的な学校では、こんな校則で生徒たちを縛っていたのなら、ネット上で問題になるが、ここは違った。国主導なだけあって、問題は必ず外部には漏れないようになっている。

 

 そして、音無春馬こと────俺は椚ヶ丘中学校3年E組。暗殺教室を卒業して、この学校の1人の生徒として、今日から通うことなる。

 

 

 

「殺せんせーと1度下見には来たことあるけど、やっぱ、敷地がデカすぎるよな」

 

 学校の前にある停留所で停車したバスから降り、正門をくぐり学校の敷地内に足を踏み入れた俺は、再び目の前に広がる学校の敷地内の大きさに思わず驚きの声を口にしてしまった。

 1度、殺せんせーと共に深夜空中から学校の敷地内を見下ろして、学校の敷地内の大きさは理解しているつもりだったが、改めて自分の足で入ってみると驚きを隠せなかった。

 

 そんな、俺の横を新入生らしき生徒たちが、ゾロゾロと横を通り過ぎていく。俺たち新入生はこれから自分たちの教室に向かうのだが、道に迷う生徒もいるだろうと想定し、校舎の案内図の看板がいくつも立てられていた。これなら、方向音痴の生徒でも迷わずに教室に辿り着けられるだろう。

 

 

 

 

 教室に向かって歩いている俺に、後ろから追い越そうとした生徒と肩をぶつかってしまった。

 

「おっと……」

 

「チッ……邪魔なんだよ。フラフラ歩いてんじゃねぇよ」

 

 後ろからぶつかって来たのは緑の髪の不良生徒だった。

 体格はとても良く、不良生徒にぶつかった俺は少しよろけてしまったが、暗殺の訓練のお陰でもあって、転んだりはしなかった。

 それにしても、こんな名門校にもガラ悪く、口も悪い、不良生徒がよく入学出来たもんだなと思う。まぁ、寺坂でも椚ヶ丘中学校に入れたんだから余程運が良かったのだろう。

 

 だが、寺坂と比べ、あの不良生徒はこれから関わることも、改心することも無さそうだな。俺は心の中でそう思いながら、再び歩き出そうとした。

 

「ねぇ、君大丈夫だった? 何処か怪我としてない? 」

 

 突然、俺にそう声を掛けてきたのは、1人の女子生徒だった。

 紫色の髪の毛を軽く2つしばりにしており、小動物を思わせる顔立ち。スタイルは少し残念だが、同年代の女子たちよりは少しいい方だろう。

 

「うん……? あぁ、全然大丈夫」

 

「そっか、なら安心したよ。じゃ私は先に行くね」

 

 女子生徒はそう言うと、笑顔を見せて俺の前から立ち去っていった。わざわざ、少し不良とぶつかっただけで、こんなに心配そうに声を掛けてくるなんってなんて優しい奴なんだろうか。なんか、渚のことを思い出すな……。アイツも昔寺坂に絡まれていた時に心配そうに声を掛けてくれたっけ……。

 

 俺は中学時代の友人たちのことを思い出しながら、女子生徒に少し遅れ、歩き出した。

 

 

 

 

 入試試験の際、学校側から連絡された登校時間は、8時半。それと同時に8時半には指定された教室に居なければならない。

 

 そして、教室で担任の先生からこの学校の説明を受け、入学式を体育館で行うというのが今日の一連の流れだ。

 俺は予め、殺せんせーからこの学校のことは詳しく聞かされており、大体の学校の事情などは把握しているため、学校の説明を受ける意味はないが。

 

 そして、掲示板を確認した際俺はどうやら1年D組に配属された。

 この学校は、全部で4クラスに分けられている。つまり、A・B・C・Dの順だろう。

 

 教室の前まで辿り着き、教室の扉を開けた。

 教室の中には、既に多くの生徒たちが集まっており、この短時間で仲良くなったのか、席を立ち、楽しく喋っている生徒たちが目に写った。それにしても、誰も俺に注目しないのは少し寂しいな.

 

 そして、最後に教室に入った直後気づいたことがある。それは、生徒たちに見えない場所に設置された数台の監視カメラの存在だ。これも、殺せんせーから聞いており、殺せんせーが言うにはこの監視カメラは俺たち生徒を監視するためにつけられた物らしい。

 

 監視カメラを見つめながら教室の中に入り、ネームプレートが置かれている机に座り、横に鞄を置いた。

 俺の席は教室の窓側の後ろから2番目の席となっていた。この席は窓側ということもあり太陽の光を浴びることも出来、何とも快適な席なんだろうか。

 

「……暇だな」

 

 そう呟いた。席に座ったのはいいのだが、先生が教室に入ってくるまで数分時間がある。それまで、俺は何かで暇を潰さないといけない。暇を潰すと言っても椚ヶ丘中学校からここに進学した奴もいないし、他の生徒たちは既に仲良くなっており、入りにくいため、仕方なく教室を見渡すことにした。

 

 見渡していくと、1人の女子生徒が目に止まった。あの時の女子生徒だった。まさか、同じクラスだっとは思いもしなかった。だが、少し話だけだが、顔を知っている生徒が1人いることは今後の学校生活を送るには嬉しいことだ。

 

 

 

 

 それから、数分が経ち、チャイムが教室に鳴り響いた。チャイムが鳴り終わると同時に、堅苦しいスーツに身を包んだ黒髪の女性が教室に入って来た。

 

「……席に着け」

 

 厳しい口調で女性はそう言った。恐らくこの人がこのDクラスの担任の先生だろう。何とも堅苦しく、クールな先生なんだろうか。雰囲気は烏間先生に少し似てるようだ。それにしても、この先生はとてつもなくスタイルがいいな。もし、この場に殺せんせーが居たら即時に飛び掛っているだろう。

 

「新入生の諸君。私がDクラスを担当することになった茶柱佐枝だ。普段は日本史を担当している」

 

 堅苦しい口調に、今まで騒いでいた生徒たちは静かになり、表情を強めていた。そして、何処か緊張しているようにも見える。

 

「諸君も、既に知っていると思うが、この学校にはクラス替えというものは存在しない。卒業までの3年間私が担当することになる」

 

 茶柱先生のクラス替えは存在しないという発言に数人の生徒が動揺した声を上げた。どうやら、クラス替えが無いことを知らなかったようだ。だが、入試試験の際に先生が言っていたのだが、どうやら聞いていなかったらしい。

 

「入学式が行われる前に、この学校の特殊なルールについて説明をする。今から配るこの資料もよく目を通しておけ」

 

 そう言い、茶柱先生は最前列の生徒に列の生徒分の資料を渡していく、しばらくして俺の番となり資料を受け取り、最後1枚になった資料を後ろの男子生徒に渡した。

 最後列の生徒に資料がいったのを確認した茶柱先生は学校の特殊なルールについて説明を始めた。

 

 

 

 

 この高度育成高等学校は外部との関係を断ち切っているが、生徒が存分に3年間の学校生活を楽しめるように多くの施設が存在している。

 カラオケや映画館。カフェやゲームセンターにボウリング場。プールや本屋。そしてイ○ンより大きいショッピングモールなどがある。

 

 そしてそれらの施設で遊ぶ際に利用するのが、今茶柱先生から配られた学生証カードだ。このカードにはポイントというものが振り込まれており、それをお金の代わりに使い、買い物などをすることができる。

 

 因みに今学生証カードに振り込まれているポイントは10万ポイント、金額に直せば10万円だ。更に毎月1日は10万ポイントが自動で振り込まれているらしい。だが、俺はこのことも殺せんせーから聞かされており、これが学校側が最初に用意した俺たちに向けての罠だということに気づいている。教室を見る限りほとんどの生徒は10万という数字に浮かれているようで、この罠に気づいている生徒はわずか少数だけだった。

 

 これは、本格的にやばいな.こんな調子で5月を迎えた日はDクラスにとって最悪な日になるだろう。それまでに、少しは手をうっておいた方がいいだろう。俺がそんなことを思っていると茶柱先生は更に話を続けた。

 

「驚くのも無理は無い。この学校では実力で生徒を測る。入学を果たしたお前たちには、それだけの価値があるということだ。遠慮なくポイントは使え、来月にはポイントも振り込まれるしな」

 

 少し悪い顔を浮かべながら、そう言う茶柱先生。

 それにしても、「遠慮なく使え」か……随分と俺たち生徒を煽っているようだな。まるで、俺たちに今月で全てのポイントを使うように煽っているように感じる。こんなことを言われれば、ほとんどの生徒はポイントを使い果たしてしまうだろう。まぁ、それは個人の勝手だ、ポイントを使うことに対して俺は一切忠告する気は無い。

 

 10万という数字にまだ、浮かれて、ざわついている教室を茶柱先生はぐるりと見渡した。

 

「質問は無いようだな。では、良い学生ライフを送ってくれたまえ」

 

 一通りの仕事を終えた茶柱先生は手短にホームルームを切り上げ、教室を後にした。

 茶柱先生が教室を後にしたと同時に今まで騒いでいなかった生徒たちが一斉に騒ぎ出した。

 




【高度育成高等学校学生データベース】
 
氏名 音無 春馬(おとなし はるま)
クラス 1年D組
学籍番号 S01T004695
部活動 無所属
誕生日 8月8日
 
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【評価】
 
学力 B+
知性 B-
判断力 B-
身体能力 A+
協調性 A-
 
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【面接官からのコメント】
 
あの、暗殺教室の卒業生ということから、頭の回転の速さ、凄まじい身体能力、暗殺によって植え付けられた協調性はAクラスに匹敵するが、国家機密の秘密を知っている点からDクラスに配属させる。

ヒロインを追加するなら誰がいい?

  • 長谷部 波瑠加
  • 椎名 ひより
  • 白波 千尋
  • 神室 真澄
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