ASSASSIN SCHOOL 作:くろとら
昼休み。網倉と別れた俺はあれから、教室に戻りボーッと外を眺めていた。すると、「ピンポンパンポン」と言う聞き覚えのある音がスピーカーから流れ、放送が始まった。
『本日午後5時より第一体育館にて、部活動の説明会を致します。部活動に興味がある生徒は10分前に第一体育館に集合してください。繰り返します。本日────』
女性の声だった。そして、かなり可愛い声だった。
部活動ね……確か自己紹介の時に部活には入る気は無いって言ったけど……こんな、になるとは思っていなかった。
折角だし、友だち作りを兼ねて何か部活をやるのもありかもしれないな。E組にいた頃は校則で部活動は禁止されてたし。
そんな、ことを考えていると端末が「ピロリン」と鳴った。どうやら、網倉からのようだ。一体何の用事なんだろうか。そんなことを考えながら網倉から送られてきたメッセージを確認した。
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網倉 「今日の部活動説明会一緒に行かない?」
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なんと、メッセージの内容は今日の午後5時から開始される部活動説明会のお誘いだった。今までなら断っていたが、実際部活動説明会のことは気になっていたし、俺はOKのメールを網倉に送った。
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音無 「OKだ」
網倉 「りょーかい。じゃ、第一体育館の入口で待ち合わせでいいかな?」
音無 「OKだ」
網倉 「じゃ、楽しみにしてるね!!」
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OKのメールを送った数秒後、網倉の返信のメールが届いた。早いな.女子ってメールとかの返信は早いってよく聞くけどほんとなんだな.
集合場所を部活動説明会が行われる第一体育館の入口にし、網倉とのメールのやり取りは終えた。
「ごめん!! 星乃宮先生の話が長引いちゃって!!」
「別に大丈夫だ。それより、少し急ごう。時間が押している」
放課後。HRが終わり直ぐに第一体育館に向い入口近くで網倉を待つことにした。しかし、15分が経ったが一向に網倉は来なかった。まさか、裏切られたか? と思っていると、息を切らしながら網倉が走ってきた。こうして、合流した俺たちは急いで受付に向かった。
「時間ギリギリだぞ、1年。早くこれを持って行け」
受付の上級生から一言注意をされ、1冊の冊子を渡された。
網倉と移動しながら、渡された冊子に目を通してみると、どうやらこの、冊子は部活動の詳細が書かれたパンフレット見たいなものだった。
体育館の中央に行くと、既に大勢の生徒で埋め尽くされていた。まぁそれは当然だろうな。
「結構いるね」
「大体、見た感じで学年の半分以上が集まってるように見えるな。この、学校はそんなに部活動が盛んなのか?」
「うん。そうみたいだよ。このパンフレットにも載ってるし」
俺の問に網倉がパンフレットを見ながら、わざわざ答えてくれた。確かにパンフレットを読んでみると、県大会などに何度も出場しているようだ。しかし、全国大会には数回程度しか出場していない。
それは、恐らくこの学校は国が運営していることもあり、スポーツ学校などの名門校には遅れをとってしまい、全国大会行きを逃しているのだろう。
「網倉は、入りたい部活とかあるか?」
「うーん、この中じゃ、テニス部かな? 中学生の時にもやってたし」
「へぇ〜、テニス部か」
「えっ、似合わないかな?」
「いや、逆だな。普通にテニス部ってイメージだな」
俺は嘘をつく意味が無いので、しっかりと本心を告げた。
活発な雰囲気のある網倉にはテニス部というイメージがピッタリだな。もし、網倉とテニスをやったら結構楽しめるだろうな。
「ありがとね。もし、テニス部に私が入部したら、昼休みや放課後に私が音無くんにテニスを教えて上げるよ」
「なるほど、それは、是非お願いしたいな」
「それで、音無くんはどうするの? 何か、入って見たい部活とかは?」
「う〜ん、そうだな」
網倉に聞かれ改めてパンフレットを確認した。
確かに身体を動かすことが好きな俺は運動部に入ってもいいと思うが、上下関係というものは苦手なのだ。そのため気になる部活と言えば美術部や茶道部などの文化部だろう。
「まぁ、入るとすれば美術部か茶道部辺りだろう。まぁ、決めるのは説明会を聞いてからにするかな」
「確かに、そうだよね。私も、説明会を聞いてみたいし」
「1年生の皆さん、お待たせ致しました。これより、部活代表者による入部説明を始めます。私は、この説明会の司会を努めさせていただきます、3年生徒会書記の橘と言います。よろしくお願いします」
ステージに立ったのは網倉より小柄な3年の女子生徒だった。声からして昼休み中にスピーカーから流れた声と同じだ。恐らく、同一人物だろう。
橘先輩が舞台裏に下がり、何か合図を送ると、運動部 文化部の部長らしき先輩方が登壇し、横一列に並んだ。
壇上の上には屈強な体格を持つ男子生徒もいれば、何やら道具を持っている女子生徒などもいた。
「私は、弓道部の部長を務める、橋垣と言います。弓道部には──」
壇上では、いつの間にか弓道着に身を包んだ3年生橋垣という先輩が部の紹介を始めていた。
それから、さりげなく周りの生徒の様子を伺ってみた。自己紹介の時にサッカー部に入部することを表明していた平田はサッカー部に注目をしており、井の頭は裁縫などが趣味と言っていたため、家庭科部に注意をしていた。
そして、意外だったのが、授業中に不真面目な態度をしていた須藤が真面目にバスケットボール部の説明を聞いていたところだ。須藤には池や山内の姿をあった。アイツらも部活に興味があるのだろうか。
「ん? あれは、綾小路と堀北か?」
「クラスメイト?」
「ああ。後ろの席奴らだ。それにしても、綾小路が昼休みに堀北を誘っていたが、断られていたはずだったんだが.何か、心変わりしたみたいだな」
「なるほどね」
こんな風に網倉と話していると、説明会はどんどん進んでいっていた。
網倉が気になっていたテニス部の説明も終わり、結局網倉はテニス部に入部することを決めたらしい。
説明会が進むに連れて、体育館は喧騒に包まれていた。しかし、体育館の隅などに立っている教師陣や司会役の橘先輩なとは一切注意することはなかった。
そして、最後の野球部の説明が終わり、説明会は終わりをむかえた。説明を終えた各部の部長たちは、ステージから降壇して行き、入口付近に用意されている簡易テーブルに向かった。恐らくあそこが入部申請を受け付けている場所なんだろう。
そして、説明会が終わりこれで解散かと思われたが、舞台裏から1人の男子生徒が出てきた。
身長は、恐らく170cmはあるだろう。細身の体に、サラリとした黒髪。シャープな眼鏡からはどこか知的さを感じさせてくれる。まさに優等生という言葉がピッタリな人だ。
「あの人が、生徒会長かな?」
「まぁ、だろうな」
確かに隣の網倉が言う通り、昨日入学式で全生徒の代表としてスピーチをしてくれたことから、この学校の生徒会長だろう。
だが、彼が生徒会長ということを分かっている生徒はこの場にはほとんどいないだろう。何故なら、入学式の時でもほとんどの生徒は彼のスピーチを聞いていなかっただろう。
壇上に上がった生徒会長は、緊張しているのか、いつまで経っても口を開くことは無かった。だが、本当に緊張しているのか? この、学校の生徒たちを束ねている人が果たして緊張などをしているのだろうか……。
「先輩〜、頑張ってくださ〜い」
「カンペとか、持ってないんですか?」
「あははははは!!」
数人の1年生からの野次が飛ぶ。普通の人間ならばこんな多くの野次を飛ばされたら、確実に激怒するだろう。だが、生徒会長は一言も言葉を発しなかった。
最初は笑っていた1年生も、何も反応しない生徒会長に面白味を感じ無くなったのか、次第に黙って行き、体育館はあっという間に静寂に包まれていった。
「私は、生徒会会長を務めている、堀北学といいます」
ん? 堀北? 俺はそんな疑問を抱きながら、綾小路と一緒にいる堀北に視線を移した。彼女は一心に生徒会長を見つめていた。なるほど、生徒会長は堀北の家族だな。
「生徒会もまた、上級生の卒業に伴い、1年生から立候補者を募ることとなっています。特別立候補には資格は必要ありません。最後に、生徒会への立候補を考えている者がいるなら、部活への所属はしないようにお願いします。生徒会と部活の掛け持ちは、原則受け付けていません」
やはり、思った通り、この生徒会長は凄まじい力を秘めている。この体育館に集まった100人を超える1年生たちを瞬時に黙らせてしまった。これは、生徒会長という力ではなく、堀北 学という個人の力だろう。
「それから──私たち生徒会は、甘い考えによる立候補は微塵も望んでいない。何故なら、そのような生徒が当選してしまえば、この学校の汚点となってしまう。学校側から認められ、期待されている。そのことを理解できる者のみを歓迎しよう」
生徒会長は堂々と演説を終えたあと、真っ先に1人で体育館から出て行ってしまった。演説が終わり、俺は俺たち1年生には何一つ期待をしていなという風にとれてしまった。
生徒会長が降壇しても、緊迫した空気が流れる中、司会役の橘先輩が説明会の終了を告げた。穏やかな橘先輩の口調に体育館に緩い空気が流れた。
「凄い、人だったね」
「だな。あの人が生徒会長なら納得だ。あの人にはこの学校の全生徒を引っ張る力があると俺は思う」
「そうだよね」
「皆さま、説明会お疲れ様でした。只今より入部の受付を開始したいと思います。部活に入部したい生徒は速やかに受付を済ませてください。この場で決められない生徒は、4月中なら申請を受付けていますのでご安心ください。今日は説明会に参加してくださり、ありがとうございます」
「あっ、ごめん。これから、テニス部の受付に行ってくるから、私のことは待たなくってもいいよ。多分時間も掛かっちゃうと思うし」
「分かった。じゃ、先に行ってるな網倉」
俺は網倉と分かれ、体育館を後にした。
現在の時間は6時だ。これから、何をしようか.このまま、大人しく寮に帰ってもいいのだが、何せ寮に帰ってもやることが一切無い。
ここは、暇を潰すために、図書室にでも行ってみるかな.
そんなことを考えていると、後ろから突然声を掛けられた。
「あれ? 音無か?」
声を掛けてきたのは、池だった。その後ろには須藤と山内もいた。どうやら、彼らは3人でこの説明会に訪れていたようだ。
「そうだ。お前は確か池に、須藤と山内だな」
「あぁ、そうだ。音無も部活に入るのか?」
「入りたいとは考えてるけど、まだ考え中だな。『も』って言うことは須藤は入るのか?」
「ああ、俺は小学校の時からバスケ一筋だ」
なるほどな。俺は1人で納得する。
学校には遅刻して行き、授業中も真面目に授業を聞かない須藤が何故あんなにも真剣に説明を聞いていたのか気になっていたが、これで納得したな。須藤は全ての青春をバスケにかけているらしい。
「じゃ、池と山内は?」
「俺ら? 俺はただ、楽しそうだから来ただけって感じかな? あとは、運命的な出会いを求めてかな?」
なるほどな。どうやら、池と山内は部活には興味が無いらしい。この説明会には出会いを求めに来たらしい。確かに思え返せば池の場合自己紹介の時に彼女を募集中と言っていたな.
「あっ、そうだ。実はさ昨日、男子用のグループチャットを作ったんだよ? 音無も一緒にやらないか?」
「うん? グループチャット、別にいいけど」
池はそう言いながら、端末を取り出しチャットの画面を見せてきた。確かに池の言う通り、「1年D組──男子──」という名前のグループが作られていた。
別に入らない意味も無いので、普通に入ることを承諾した。俺は制服のブレザーから端末を取り出し、グループチャットに参加した。
そして、グループチャットに参加したついでに、3人とも連絡先を交換した。
これを機に俺は、池たちと放課後を少し過ぎ、少し楽しい放課後を過ごせた。
ヒロインを追加するなら誰がいい?
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長谷部 波瑠加
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椎名 ひより
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白波 千尋
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神室 真澄