異物 は 方舟の騎士達 を 観察 している   作:神薙改式

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 前回に続いてというか前回の続きな転生者回。

 今回はちょっと久しぶりな気がするけれども、テラの世界に於ける銃についての個人的な考察突っ込んでいるので注意です(実際こうなのかは公式が設定晒してないから分かりません)

 それでも宜しければどうぞ。


お前なんで欲しがったし?

 今日は書きたい事多過ぎて頁が足らん…。

 

 

 二人がドン引きしつつも本当の事なのか疑うような視線を向けていたが、実際の銃弾製作は機材と材料さえあれば一人で製作可能だし、弾丸なんかはライセンスさえ持っていればラテラーノから輸出されてるヤツを購入すれば良いだけだし。

 

 …そういや銃関係売ってるおやっさんが、買いに来ても銃自体そこまで使う訳ではないのに、鉛弾しか補充せずガンパウダーを買わないおかしな奴って注目しだしたみたいだし、そろそろ弾丸も自作しだそうかなぁ…。

 

 俺にだけ世知辛い世の中を憂いつつも話を戻し、銃弾製作で面倒なのはガンパウダーと銃用雷管位だったりするのだが、それらも既に個人で生産出来る様に設備は整えてあるからと、二人を三階の実験室へ連れて行った。

 

 扉の取手に着けてある罠を外し、興味深そうに周りを見渡す二人に対して壁と『賢者の石』を仕舞ってある部屋には死にたくなければ触れない方が良いぞと通告しつつ、薬品棚からガンパウダーを取り出し、その他薬莢等の弾丸一式を持って部屋の隅に置いてある銃弾製造機へと持って行った。

 

 一通りの流れを説明して実際にカチャコガチャコと銃弾を作って見せると、半信半疑だった二人もおぉ…と感心した様子で銃弾が出来上がる光景に釘付けになっていた。

 

 片や弾丸は買う物で片やまともに銃には触れないとなれば、そりゃあ製造過程に興味そそられるわなぁ…なんて考えていたらライナーが俺も作ってみたいと言い出したのだが、お前銃持ってないんだから作ったところで俺が無駄に弾の在庫抱える羽目になるんだが? というツッコミに敢えなく撃沈した。

 

 まぁ、そんな事言えば実際に使っているニールがなら俺やらせてくれよと言うのだが、流石にタダは俺が損にしかならないから金取るぞ? と前置きしておいた(コンテンダー渡そうとしてたのはどうなんだって? 知らんなぁ)

 

 何だかんだ言っても実際の所、様々な用途に使われる源石をガンパウダー代わりや雷管なんかに使ってるせいで高騰している現世の弾丸に比べれば、俺が作っている前世の弾丸を参考にしたヤツの価格って、寧ろ安上がりになるんだよなぁ…。

 

 誰でも使える汎用性と現行の物より安く済むという経済性、これだけ見ればとんでもないメリットの塊ではあるのだが、勿論デメリットも有る…っていうかメリットがそのまま『兵器』という視点から見た物でしかない為、日常の平穏を求めるのならばこんな物不要の極致でしかないのである。

 

 誰でも使える安い武器なんてそれだけで武力を持つ奴が増やせるという事であり、ウルサスみたいな軍事国家からすれば垂涎モノだろう事は必須、誰が好き好んでそんな面倒事を求めるんだという話である。

 

 …まぁ、それ以外にも俺の作った前世式の銃弾にはデメリットとは呼び辛いかもしれないが面倒とは言える部分もあり、銃弾毎に出せる火力はそれぞれ種類によって違いはあるが、基本的に一律だったりするのである。

 

 分量同じなら火力が同じになるのは普通だろうと思うものだが、テラの銃弾にはガンパウダー等に『源石』が使われているのである…そう、アーツを使用する際に用いられる源石が…である。

 

 つまりこの世界の銃弾は、射手がどれだけアーツを扱えるかによって炸薬の破裂する勢いが変わる為、例え同じ銃と銃弾を使っていても射手毎に威力が変わってくるのだ。

 

 原作や様々な娯楽媒体での銃使いが、なんでレベル上がる毎に規格品である筈の銃の威力が上がるのか不思議ではあったのだが、少なくともこのテラではこんな理由があったのだった。

 

 そりゃあなんか使用に関して練習が要るとか言われる訳だよ、アーツ使えなきゃそもそも撃てないんだもん。

 

 そんな訳でこのテラに於いては射手の力量次第で銃撃の威力は上がっていくものなのだが、俺の造る銃弾にはそんな事は一切無く、アーツを一切使えない俺から源石の硝煙に首ったけなサンクタに至るまで、一切平等な火力しか出せないのである…この書き方だと寧ろアーツが苦手な軍人は欲しがりそうだな。

 

 まぁ、こうして羅列してみれば汎用性と言えば聞こえは良いが、物理的に脆い術師や医療なんかには通じても、残念な事に重装や鍛え抜かれた前衛には効果が薄かったりするのである。

 

 そういう奴には(俺は使った事は無いが)それこそニールが使ってるような対物ライフルや、どうしても鍛える事が出来ない為脆いままになっている目なんかをねらったり、身体強化していない戦闘時以外をスナイプして暗殺してやれば済む話ではあるのだが…。

 

 そんな感じで懇切丁寧に前世式の銃弾についてのメリットとデメリットを語ったのだが、両方使えば良いだけじゃんと言って買う事即決したニール…しっかり説明した上で諦めないのならもう俺からは何も言わない、ライセンス保有しているのだしそれで事故れば本人の過失である。

 

 因みにライナーはそもそも銃のライセンス自体保有していなかった為、そもそも銃弾造っても保有してるだけで罪になるのだった…お前なんで欲しがったし?

 

 兎に角、弾丸の出所について他所に漏らさないよう念を押した上でニールの分の弾丸を造る事にしたのだが、俺自身依頼でしか余り銃を使わない為、一般的な拳銃用と猟銃用の物としか仕入れておらず、ライフル、しかも対物用の物なんて一切なかったのである。

 

 取り敢えず必要な分だけ拳銃用の物を造ってやり、良い機会なので予備の対物ライフルの銃弾を一発参考資料に受け取り、フェンツ運輸に銃弾製造用の機材を取り寄せてもらい自分で作ってみる事にした。

 

 依頼をしてみると流石に物が物な為持ってくるまで時間が掛かるとの事だったが、それ位は待つしニールにも待ってもらう事にして、やる事なくて賢者の石が置いてある部屋を覗き見しようとしているライナーを一発シバいて止めさせ、残りの判明している転生者について質問する事にした。

 

 二人に聴いてみると、どうやらもう一人の転生者はライナーが初めて見つけた転生者であり、その後見つけたニールを転生者だと見抜いた(というかロックオンネタぶち込んだ)のはその転生者らしく、現在はウルサスに少し寄る形で転生者を探しているだろうとの事。

 

 現在見つかっている転生者は俺含め四人だけであり、俺含め全員シラクーザに居たという…確かにあそこも大分技術が発展しているとはいえ、そんな安全とは言い難いんじゃないのか? と思ったが、如何やら違う理由があったらしい。

 

 ライナーは転生者を探す為テラを巡っていて、偶々二人を見つけたのがシラクーザだったというだけであり、ニールはシチリアンのちょっとした抗争の時に雇われた傭兵であり、最後の一人はそもそも生まれも育ちもシラクーザであり、そこで生計立てていただけなのだという。

 

 他所で生計立ててる奴が仕事捨てて転生者探ししてると聞かされた時は、まだ見ぬもう一人に対して不安を覚えたものだが、拠点はあれど腕の良さを買われてシチリアンの間を転々としている生活をしており、生計を立てているといっても正直根無草に近い生活だった為、ライナーとニールとの出会いから思い切ってシラクーザを出る事にしたのだという。

 

 ってかシチリアンの間を転々とする力量ってなんだよっていうね…二人に聞いてもなんか苦虫噛み潰した様な顔してアレは直に喰らってみないと判り難いモノだから、会った時に本人から聞いてくれと言われてしまった。

 

 如何やら三人が出会ったシラクーザから手分けして探す事にしていたらしく、それぞれ転生者探索とは別に機械系に強いライナーは龍門で合流した際に使う為の拠点を確保する事を目標とし、ニールはカズデルで傭兵としての伝手を使い装備の補充を、最後の一人は力量を重視される為ヒョロい二人では入り難いウルサスへと向かい、それぞれ合流する日を決めて行動していたとの事。

 

 そしてその決めていた日は明日であり、転生者が見つからず予定より早く着いてしまったニールがライナーによって俺へ紹介されたとの事。

 

 また新しい同郷に逢えると聞いたのならこんな事している場合じゃねぇ、なんか矢鱈と強さが強調されてるからヤバイ奴なのかもしれんが、同郷であるなら関係ねぇ、パーティーしようぜ!! 明日に向けて今から準備じゃい!!




 サンクタにとっての銃=アーツ説、なんで攻撃属性が物理なのかは弾自体は普通の鉛弾だからとか考えてみる。

 そして読めば分かる通り次回も転生者回ですが、転生者を増やすのはそこで一旦終わり…というかそろそろ転生者以外の話をしたい…具体的には原作に入るかどうか決めかねてる感じですね。

 故にアンケートです(唐突)

原作突入…する?

  • 喧嘩の時間だオラァ!!(原作開始)
  • まだだ…まだ焦る時じゃない(日常見たい)

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