【完結】私はプレインズウォーカー。   作:デーテ

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11.内容の説明

 デッキに新しいカードを加えて入れ換えたり枚数をいじったりしたら、実際に戦って様子を見て、その後アイちゃんに見せて相談したりする。

 昨夜は全身全霊で戦ってくたくただったので、アイちゃんとくっついてダラダラ過ごしてから寝た。アイちゃんはずっとニコニコしてた。

 

 朝。アイちゃんと一緒に起きて、手と顔と頬っぺたを洗った。昨日コンビニで買ったパンを食べて、アイちゃんの部屋でデッキを広げた。

 

「これがユーリちゃんのファイヤーズ。なるほどなるほど」

 

 アイちゃんはカードを土地と呪文に分け、呪文をクリーチャーとそれ以外に分け、それ以外をソーサリー、インスタント、エンチャントに分けた。

 それぞれをマナコスト順に、左から並べる。

 

「この《クロールの銛撃ち》を見つけてきたの、ユーリちゃん天才だなって思った。全然予想してなくて、唐突に5点持ってかれたのびっくりしたよ。フレイムたんとかマナクリと《紅蓮地獄》は相性悪そうだなって思ったけど、それを逆手にとってるのが素晴らしい。そもそも《紅蓮地獄》が辛かったのもあるけど。フェアリーにはフォールアウトって五輪の書にも書いてある」

 

 カード1枚からいろいろ推察するアイちゃんは本当に楽しそうだった。めっちゃ喋る。そして誉められたので嬉しい。

 

「えへへ、花からいっぱいフェアリーが出てくるから、まとめてやっつけれるカードとか、フレイムたんみたいなカードを探したの」と私は言った。

 

「うんうん、トークンにカードを使うと損をするからね。ETBで除去できて、しかもパワーが上がる銛撃ちはファイヤーズにピッタリだと思う。後半に引いてきても強い2マナクリーチャーが入ってるデッキは強いよ。強いから強い。真理。たしか現役時代のファイヤーズの2マナは《リバー・ボア》とかのはずだから、カードパワー100万倍くらい違う」

 

 アイちゃんはたまに早口モードになる。アニメとかゲームの話をするときに多い現象だ。めっちゃ楽しそうなので、私はこのアイちゃんも好きだ。

 そして、私とのマジックでこうなるのは昨夜が初めてだった。

 嬉しい。すごく嬉しい。

 私は相づちを打ったりしながらずっとアイちゃんの顔を見る。

 

 ふと目が逢ったとき、アイちゃんが急に黙った。

「どうしたの?」と私は聞いた。

「あ、たくさん、しゃべりすぎた、かな、って」

「めっちゃ楽しそうだから、アイちゃんの早口モード良いと思うよ?」

「早口モード!? もしかして私初めてじゃないの?」

「えっ、うそ気付いていらっしゃらなかった?」

「オタクな部分は抑えれてると思ってました。……引いた?」

「引かない引かない。楽しそうで良いと思うって」

「うぅ……」

 アイちゃんはすごく凹んでた。

「なんかあったの?」なんでこんなに落ち込むのか分からなかったので聞いた。

 

「……中学のとき、クラスの子と喋ってるときに、引かれた」

「えっ、なんで?」

「なんか、いきなり早口になって、びっくりした、って引かれた」

「んー?」聞いてもなんで引かれたのか分かんなかった。

「……」

「アイちゃん、私は引いてないよ。楽しそうで、見てると私も楽しくなってくるよ」

「その子も、そのときは同じような事……」

 たぶんその後、疎遠になったりしたんだろう。トラウマになってるんだと分かった。これは私も本気にならないといけないみたいだ。

 その中坊と私は違うって事、ガツーンと分からせてやるか。

 

 これからやる事に対して、自信はそこそこある。たぶんいけるはずだ。大丈夫だと思う。緊張はしてる。不安も、正直めっちゃある。でも、いける。いけると思うんだよなぁ。もし無理だったら今度は私が凹む。ていうか唐突だなぁ。最近やっと分かったんだけどなぁ。

 いや、しかし、やる。やるんだ。アイちゃんが落ち込んでる。なら、私が凹んでる部分を埋める。めっちゃドキドキしてきた。やばい。お願い、上手くいって。

 

「アイちゃん」声を出した。よし、やるぞ!「ここ座って!」

 アイちゃんをベッドに腰かけさせる。私はアイちゃんの正面から抱きつき、太ももの上に乗った。いつもみたいにぎゅっと抱き締めて、そのままゆっくりとベッドに押し倒す。

「ユーリちゃん……?」

 いつもと何かが違うと思ったのか、アイちゃんが耳もとで呟いた。私は両手でアイちゃんの頬っぺを挟む。至近距離でアイちゃんと目が逢う。瞳に涙が滲んでた。

「アイちゃん、私、アイちゃんの事、好きだよ」と私は言った。

「す、え、あ、私も、好きだよ」

 それじゃない。

「最近気付いたばっかなんだけど、私アイちゃんの事好きだよ」

「え、最近……? それまでは違ったの?」

 アイちゃんはショックを受けたような顔をした。

 

「大好き」

 私はゆっくり顔を近づけて、

 

「ぅえっ!? これ、そういう!?」

 

 私は目を瞑って、

 

「き、キス!?」

 

 目をひらいて、

 

「口と目を閉じて」

「は、はい」

 

 私はアイちゃんに口付けをした。

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