転生したらカップルになりました!……私じゃなくて装者たちが   作:神咲胡桃

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シンフォギアのオリ主×装者の百合ものって結構ないんですね。

今回はちっちゃな錬金術師カップル。



小さなお母さん

 

どーもー。だんだんと自己紹介の前口上がなくなってきた凛菜さんだよー。

今私が何をしているかと言うと―――

 

「本当に分かっているのか?お前が無茶な使い方をするせいで、こちらの仕事が増えるわけでな……」

「はいそれはもう心の奥までしみこんでおりますはい」

 

とある研究室で絶賛お説教中でございます。最近お説教多いなー……どうしてこうなった?

 

「聞いているのか?」

「はいもちろんでございます……」

「はぁ……まったく、お前と言うやつは本当にだな!」

「まあまあキャロル。そこまでにしておきましょう?凛菜さんも反省してるみたいですし……ね?」

「むっ……まあいいだろう。今回はエルフナインに免じて許してやる」

「ありがとうエルフナインちゃん!あんたは天使様?」

「いえいえ……でも凛菜さん?昨日僕達徹夜だったんですよ」

「あ、あの?」

「だから、これからは……キヲツケテクダサイネ?」

「……………はい」

 

この子は小さな体のどこから、こんなにヤバそうなオーラを出しているのだろう?

普段は小さくて可愛くて思いやりのできる天使様だと言うのに。ひとたび怒ればまるで阿修羅をも凌駕する存在に……。

 

―――なんて、とても口に出せないことを心の中で呟きつつ、正座の状態から立ち上がる。

 

「何をやってるんだ、まったく。……そろそろ一息いれるか」

「じゃあ、紅茶でも入れましょう。少し待っててくださいね?」

「おい、なにしてる。お前も早くこんか」

 

いつの間にか私もお茶に同席する流れになってた。

まあ嫌ではないのでお邪魔することにし、研究室に置かれているテーブルに向かう。

 

「それで、だ。さっきも言ったが、お前は()()の扱い方が雑すぎるぞ。一応、不滅の剣が練りこまれているはずなんだがな。何でこうもしょっちゅう見なければならんのだ」

「これでも扱いの方には注意してるんだけどなぁ。やっぱり前線だと、どうにもそこまで気が回らなくてね」

 

私の言葉に目の前の少女……というより幼女はため息をつく。

この子の名はキャロル・マールス・ディーンハイム。世界の裏で活動する錬金術師であり、その中でも最強格の錬金術師。

かつては魔法少女事変と呼ばれる事件で敵対し、そして幾多の激闘やいろんな意味での数多のすれ違いを経て、響ちゃん風に言うなら手を取り合うことができた。

今ではS.O.N.G.の外部協力研究員という、立場上はエルフナインちゃんの助手という感じで落ち着いている。

性格は非常にテンプレなツンデレさんで、重度のファザコン。彼女の記憶を鑑みれば当然なのだが、それは今は言うまい。

 

「お2人とも、お待たせしました。どうぞ」

「ああ、ありがとう。エルフナイン」

「ありがとう。エルフナインちゃん」

 

そして今、トレーに3人分の紅茶とプリンを載せて持ってきたのは、エルフナインという子。

彼女もまた、魔法少女事変に深くかかわりのある人物。とは言っても、当時はこちら側に危機を教えてきてくれた味方だったのだけど。

そんな彼女は、S.O.N.G.所属の研究員として、魔法少女事変後も様々な事件でサポートしてくれた。

因みにキャロルちゃんとは、非常に瓜二つな見た目なのだが、これはキャロルちゃんの姿を模して造られたホムンクルスだから。錬金術師らしいよね。

なのに性格はキャロルちゃんとは正反対にとても優しい。いや別にキャロルちゃんが優しくないわけじゃないけど、比べてみればわかる。すごく優しいと。

その分本気で怒った時は、本当に怖い。たまにキャロルちゃんも逆らえない時があるらしい。

 

「………うん。美味い」

「ありがとうございます!」

 

キャロルちゃんが紅茶を一口飲み、素っ気ないながらも感想を言う。ツンデレだ。

感想を聞いたエルフナインちゃんは、花が咲いたように笑う。天使だ。

 

この2人。一度敵対関係となったわけだけど、現在はとても仲が良い。

ここでの立場は一応エルフナインちゃんが上司なのだが、公の場以外では基本こうだ。

なんでも、エルフナインちゃんにとって生みの親でもあるキャロルは、数少ない家族という事で変な壁を作りたくないとかなんとか。

原作を知っている私としては、この2人の絡みあいが見れるだけでも幸せですわ~。

 

「あむ……ほう。このプリンも美味いな」

「それは凛菜さんの差し入れだよ」

「お口にあったようで何より」

 

そう。このプリンは、あらかじめ怒られることを予測していた私が、機嫌を取るために買ってきた物だ。

驚くなかれ、このプリン。実は朝早くから並ばないと手に入らない、老舗和菓子店が出している一日限定百個の超激レアプリンなのだ。

しかも、日によっては売りに出されないこともあるという。

和菓子店がプリン?と思う人もいるかもしれない。実際私もそう思った。だけどこれは本当に美味しいの!

ソースがポピュラーなカラメルソースではなくて、和風な黒蜜というところに和菓子店らしさが出ている。容器も紙製の器だから、そこに日本らしさが出てる。

プリンの方も黒蜜に合うように作られているから、お互いがお互いの良さを引き出してるって感じ。いやー、朝から並んで良かったー!

 

「む……もう終わりか」

 

気づけば、キャロルちゃんはすでに完食していた。それだけ美味しかったのだろう。

 

「むぅ……」

「あはは……」

 

どことなく物足りなさそうな顔を浮かべるキャロルちゃん。多分、もう少しだけ食べたかったのだろう。

かすかに頬を膨らませる彼女を見て穏やかな気分になった私は、自分の分のプリンから気持ち大めに掬いキャロルちゃんに差し出す。

 

「キャロルちゃん。あーん」

「な、ななななななな何をしている!?」

「何って、キャロルちゃんもう少し欲しいんでしょ?だから、あーん」

「オレをあの大食いバカと一緒にするのか!?……だ、だが、まあせっかくだから…………あ、あーん」

「はい、あーん」

「はむ……お、美味しい」

「それは良かった」

 

あのキャロルちゃんが突っぱねないという事は、やっぱりそれだけ美味しかったのだろう。

確かこのプリンを売っている店が、行きつけのお好み焼きを経営しているおばあちゃんの親戚だったんだっけ?この情報もそのおばあちゃん経由だし。

世界は狭いものである。

 

今更ながらに顔を赤らめるキャロルちゃんを放って、私も食べるのを再開しようとした時、ふと視線を感じた。

視線の出所を見てみると、そこにはさっきのキャロルちゃん同様、物欲しそうな顔で見つめてくるエルフナインちゃん。

その手元には、空になった容器があった。

 

「お、おれは一体何を……////」デレデレ

「(可愛いなぁ……ん?)」

「……………」ジーッ

「……………………………いる?」

「ッ!………コクッ!コクッ!」

 

さすがにエルフナインちゃんにもあげたら、ほぼほぼ私の分がなくなるわけだけど……天使の瞳には勝てなかったよ……。

 

「はい、あーん」

「パクッ………パァアアア(*´∀`*)」

 

うん可愛い。というか、よく見たら口の端にプリンの欠片が付いてるじゃん。そんなに急いで食べたのかな?

まあ、今はこのエンジェルスマイルを微笑ましく眺めましょう。

 

 

 

 

「さて、一息ついた後には、お話しといこう」

「そうだね。OHANASHIだね」

「うん?まあいいか」

 

プリンを食べ終わった後、私たちは今回の本題ともいえる話を始める。

 

「それでは、とりあえずメンテナンスの結果を報告しますね。『不破』のチェックをしてみたところ、特に異常等は検知されませんでした。なので、明日にはメンテナンスも終了の予定です」

「お前もそれなりに武を嗜む人間だ。得物の扱いは心得ているだろうからな。そこは特に心配はしていない。だが、問題はそこではない」

 

2人の報告を聞きながら、今いる研究室の窓を覗く。そこから見える研究室に隣接されている部屋の中央には、一振りの刀が鎮座している。

 

OT(オートマチック)式回天特機武装『不破』。

キャロルちゃんが発案し、今現在、S.O.N.G.で開発されている新たな武装だ。シンフォギアの様に聖遺物から作られている。

大きな特徴は、シンフォギアと違い()()()()()()()()を使用していること。そして普通の人間でも扱えること。

聖遺物の欠片を使用しているという点ではシンフォギアと変わらないのだが、詳しく言うのなら最初から欠片だったのか、それとも起動した完全聖遺物から取った欠片なのかという違いだ。

 

そしてその試作型が、視線の先にある『不破』。

私が任務で用いる刀であり、完全聖遺物『デュランダル』の欠片が使われている。

 

「こいつはまだ試作段階だ。使用者にどんな影響があるかまだ分からん。ましてや、それがデュランダルなどと」

「確か響ちゃんが使用した際は、大きな破壊衝動が襲ったらしいね」

「ああ。それは『不破』の完成時にも、立花響を始めとした装者たちに協力してもらい、使用者には破壊衝動が襲われるという事も確認してもらっている」

「ですが、破壊衝動に呑み込まれなかった人もいた」

「……それが私……」

「偶然の産物だったがな。お前だけなのか、それとも何かしらの基準があるのか。他の人間で調べようにも、装者や規格外な風鳴弦十郎以外だと下手すれば人体実験だ。同意があろうともな」

「だから私が使用して、そのデータから答えを探ると。でも私の感じ的には何ともないんだよね~。破壊衝動とかも、初めて握った時にきたのを無理矢理押さえ込んでからは、全然感じないし」

「はぁ……それ自体がおかしいんだ」

 

溜め息をつくキャロルちゃんは立ち上がり、椅子に座っている私の傍に来ると、私の頭を自分の胸に抱き寄せた。

前世ではかなりの推しだったキャロルちゃんにこんなことをされるのはとても嬉しいけど、キャロルちゃんの表情は至って真剣そのものだった。

 

「本当に、何もないんだな?」

「……うん。私だってただの人間だ。不破がなければ、アルカノイズ一体も倒せない。だから、何かしら異常があったらちゃんと言うよ」

「信じるからな」

「そりゃあ、2人が手ずから整備してくれているんだから、心配はないけど」

「ふん。当たり前だ。お前には借り…恩があるからな。お前に危険な目に合わせたりしないし、何かあったら全力で助けてやるさ」

 

ああ…やばい。マジでキャロルちゃんにこうされると、お母さんに抱きしめられているような安心感がある。

なまじ今世だと親となる存在がいない_転生した存在だからね_から、こうやってされるのに結構弱かったりするのだ。

 

クリスちゃんやマリアちゃんたち元FIS組も、やっぱり寂しかったりするのかなぁ。もうちょっと気にかけてあげよう。

そんなことを考えていると、ふいに反対側から何かが抱き着く感じがした。

 

「エルフナイン……?」

「ボクだっていますからね?ボクも凛菜さんに恩返しがしたいですから。いっぱい頼ってください」

「ふふ……そうだね。2人ともぎゅぅ~~!」

「「ひゃあ!?」」

 

こうやって私を支えてくれる2人が頼もしくて、その気持ちが嬉しくて、つい2人を抱きしめる。

突然のことなのに、2人は微笑んで抱きしめ返してくれた。

 

私は自分の行いが、今を生み出せたことに深い感慨を抱きながら、この幸せで温かいひと時を満喫するのだった。

 

「凛菜、私がそばにいてやるからな」ボソッ

「凛菜さん、大好きですよ」ボソッ

「ん?何か言った」

「ふっ…いいや」

「えへへ…何でもないですよ!」

 

 

 




キャロルちゃんとエルフナインちゃんに甘えたい……。

次回はキャロエル回。キャロルちゃんとエルフナインちゃんの恩がメインです。

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凛菜さん一口メモ

魔法少女事変の際、キャロルに誘拐されたことがある。
これがキャロルちゃん生存の、ターニングポイント。





この小説の甘々度(砂糖基準にすると?←あんま気にしないでいいよ)

  • 砂糖が止まらないんだけど……
  • ふ~ん。甘いじゃん
  • おいどうした!もっと砂糖寄越せ!
  • 装者は元々砂糖溢れ出てるよね
  • 凛菜さん、もっと砂糖を恵んでくれ
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