転生したらカップルになりました!……私じゃなくて装者たちが   作:神咲胡桃

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クリきりしら回だよ!
よく憶えていないって人は、前の話を読み返してみてね!


アナザーきりしら可愛いね!この小説でも、2人を書きたいよ……。

ただ、絶対後日談的なイベントくるよね、絶対。

だってキャロルちゃんのイベもあったし!なんか意味深な終わり方いっぱいだったし!


雪のように淡い恋の音/切っても切れぬ恩を歌に込めて/奉仕の調べは貴女の為に

「貴方が何者だろうと、私には関係ないよ」

「あたしが敵だったとしてもか?あたしはフィーネの――」

「ここじゃ貴女は敵じゃない。敵として戦闘に出てくるなら別だけど」

「………変な奴」

 

それは遠い安らぎの瞬間。この時少女は、”温かさ”を知った。

 

 

《クリスサイド》

 

いつからだろうな。あたしがあの人に恋心を持ったのは。

いや、いつだっていいか。

 

最初は、あたしにはって思っていたりもした。

でも、なんだかんだであの人への思いは捨てきれなかった。

そして今、その人が―――

 

「フハハハッ!勝負の世界は非情なのだよ!」

 

私の家で、あたしの後輩相手にイキってるなんて……!?。

……あたし、何でこの人のこと好きになったんだろう……?(困惑)

 

あたしの目の前で、後輩の暁とゲームをしてる女性が、あたしの好きな人、百合白凛菜。

突然あたしの家に来た凛菜さんを見てると、後輩の1人である月読が、あたしに耳打ちしてきた。

 

「……サプライズです」

「お前らってやつは……」

 

あたしの気持ちを知っている月読たちの気遣いを、嬉しく思い、頭を撫でてやる。

だけど、あたしは言う事は言わなければと思い口を開く。

 

「んぅ……」

「……お前たちの気遣いは嬉しいさ。でもな、さすがにいきなり連れてくるのはダメだろ。今日は凛菜さんが許してくれたから良かったにしろ、ちゃんとそういう事は事前に確認を取るんだぞ。いいな?」

 

家に来たときに、凛菜さんが「私もいて大丈夫かな?」と言ってきたという事は、おそらく凛菜さんからしても急なことだったのだろう。さすがにそれはいただけない。

私の言葉に、月読が小さくコクンッと頷いたのを見て、私は手を月読の頭から離す。

月読の物欲しそうな顔に、少しだけ揺れるが我慢する。

 

どうやらあたしは凛菜さんだけではなく、月読と暁のことも好きになってしまったらしい。

手のかかる後輩ぐらいにしか思っていなかったのに、いつの間にか好きになってしまった。

 

この気持ちは、まだ誰にも言ってない。だって、こんなの言われたって困るだろ?それに、好きな人が3人もいるなんて、誰か一人に決められるわけもないし…。

ただ、時々、その…あいつらのスキンシップがやけに過激な気がするんだよな……。

 

「……ってクリスちゃん、口の周りにクリームついてる。ちょっと動かないでね」

「ぐむ……!?」

 

月読が作ってきたらしいケーキを食べている途中、あたしの口の周りを凛菜さんが拭ってきた。

あたしの顔が赤くなる気がする。どっちかというと羞恥的な意味で。

 

あたしは過去の境遇からか、食べ方が汚い……いやまあ、前はそんなことは気にしなかったんだ。でも、一体いつあたしの気持ちがばれたのか、月読に「凛菜さんが好きなら、その食べ方、直した方が良いですよ」って指摘されたんだ。

 

「何で誰も言わなかったんだ?」と聞けば、「皆、クリスさんの過去を知ってるから」と言われてしまい、何も言えなかった。

そしてその日から、食べ方に気をつけるようになった。月読が手伝ってくれたおかげもあって、なんとか直せてきた。

 

なのに、好きな人がいるような時に限って、気が緩んでしまった。

うう……こんなの恥ずかしすぎる……。

 

それに加えて、みんなでホラーゲームをしたんだが、その時にゾンビに驚いて、思わず叫んで凛菜さんに抱き着いてしまった。

決して怖かったわけではない。違うからな!?

 

でも、凛菜さんに抱き着けたのは良かったな…。

昔を思い出した。

 

あれはまだ、あたしが了子さん―――じゃなくて、フィーネの手先として2課と戦っていた時だ。

フィーネに捨てられ、差し向けられた追手から逃げている途中に気を失ったあたしは、凛菜さんに保護されたんだ。

 

だけど、あたしは誰も信用することができなくて、凛菜さんは二課のメンバーだと知っていたあたしは、二課に引き渡すつもりだと思っていた。

ただ、あの人があたしを連れて行ったのは、凛菜さんの家だった。

 

『……おい』

『とりあえずお風呂に入ろっか。服は……どうしよう?』

『おい!』

『ん?どうしたの?』

『あんた……あたしを二課に連れて行くんじゃないのか?』

『そんなことより、まずは体を休めなさい』

 

無理矢理風呂に入らされ、凛菜さんが作ったご飯を食べ、いつの間にか敷かれていた布団で寝た。その間に、いろんな”音”が聞こえた。包丁がまな板を叩く音、お風呂の水が溢れる音、掛け布団と敷布団がこすれる音…いろんな音が聞こえた。

 

まるで”普通の少女”のような暮らし……そんな”暮らしの音”を長らく聞かなかった私は、こっそりと涙を零した。だけど、何でか心が温かくて、不思議な”音”が聞こえた気がした。

 

その後、いろいろあって二課の一員になった後、凛菜さんと接して、いつの間にか凛菜さんを好きになったってわけだな……。

なつかしいな……って―――

 

「「ギャアアアアアッ!?!?」」

 

頭を撫でられながら回想を終えた私は、再び画面いっぱいに現れたゾンビに、切歌と一緒に叫んだのだった。

 

そんなこんなで、今はまだ自分の気持ちにケリをつけられていないけど、あたしは、凛菜さんが大好きだ……!

 

《クリスサイド END》

 

 

「二人で……」

「……一人前デス?」

「うんうん。貴女たちは一人前になれないことを焦ってるみたいだけど、別に”一人”で一人前になる必要はないんだよ。だったら、”2人”でなってしまえばいい。誰だって、1人で全てをうまくなんてできるわけない。……だからさ、せめて2人なら、どんなことだってできる人がいたって良いと思わない?」

 

……少女たちの願い、今は愛しき人への思慕へと。

 

 

《切歌サイド》

 

今日はクリス先輩のお家でお泊り会デス!

クリス先輩が大学生になってから、全然できていなかったですから、すっごく楽しみデス!

 

「ふんふんふ~ん♪」

「切ちゃん……落ち着いて……」

「だってお泊り会デスよ!調、早く行くデス!……ってあれ」

 

うん?あそこに見えるのは、もしかして凛菜さんデス!?

 

「凛菜さーん!」

「ん?切歌ちゃんと調ちゃん?どうしたの、そんな荷物持って」

「こんにちは、凛菜さん。今からクリスさんのお家でお泊り会なんです」

「皆でゲームするんデス!」

「へ~」

 

それにしても凛菜さんと会えるなんて、嬉しいデスね!……そうです!

 

「凛菜さん!」

「なに?」

「凛菜さんも一緒に遊ぶデス!」

「私も?」

「ちょっと切ちゃん……いきなり誘うのは……」

 

およ?腕を調が引っ張ってきたデス。

凛菜さんから少し離れてないしょ話デス。

 

「調、どうしたデス?」

「いきなり誘うのは凛菜さんに悪いよ、切ちゃん」

「ですけど、きっとクリス先輩も喜ぶデスよ?」

「………誘ってみよっか」

「デス!」

 

というわけで、私たちは凛菜さんの下に戻り、あの人にクリスさんを誘ってみたデスよ。

そしたらOKが出たので、一緒に向かったのデス。

 

「クリスせんぱーい!」

「お邪魔します」

「ああ……って、なんでお前らだけじゃねえんだよ!?」

「はは……えっと、私もいて大丈夫かな?」

 

クリス先輩が驚いてるデスね~。サプライズデース!

 

それから私たちはゲームをしたのデスけど……凛菜さん強すぎデス!?

 

「デデス!?凛菜さん、そのハメ技は卑怯デス!」

「フハハハッ!勝負の世界は非情なのだよ!」

 

そうやってコテンパンにされた後は、調が作ったケーキを食べたデス!

その時に凛菜さんがクリス先輩の頭を撫でてた。その時のクリス先輩は可愛かったデスよ!

 

それから私たちの視線に耐えられなくなったのか、凛菜さんが話題を変えて料理のことになったデス。

 

「凛菜さんは料理とかするデスか?」

「まあ、それなりにはするよ」

「私、凛菜さんの料理食べてみたいデス!」

「別にいいけど…時間があったらね?」

「ホントデスか!?じゃ、じゃあ!お味噌汁作ってほしいデス!

「「ブッ……!?」」

 

はえ?クリス先輩に調もどうしたデス?

私はお味噌汁を飲みたいって言っただけデスけど……?マムがおいしいって言っていつも食べてますからね。

 

もし、もしも毎日(・・)、凛菜さんの料理を食べられるなら……と、その光景を想像してみるデス。

眠気の残る朝に、台所から香る美味しそうな匂い。同じく起きたばかりのクリス先輩とリビングに降りれば、そこにはエプロンをつけた凛菜さんと調が……これ以上はいかんデス。止まらなくなっちゃいます。

 

……コホン。もう分かる通り、私は調はもちろん、クリス先輩と凛菜さんのことが好きなのデス。あ、LikeじゃなくてLoveデスよ?最近この2つの違いを憶えたデス!調に言ったら呆れられたデスけど……。

調も同じ気持ちらしくて、私たちはこの好意を伝えるために、調の提案で外堀から埋めることにしたのデス!……外堀ってなんですかね?

クリス先輩に関しては今回、いや、今までのお泊り会の殆どがその”外堀を埋める”ための布石なのデス!そのために、クリス先輩に抱き着いてみたり、甘えてみたりしたデスけど、効果がはっきり分かんないデス。

あ!でも最近、よく頭を撫でてもらえるようになったデス。これが”外堀を埋める”デスか……さすが調デス!

 

しかぁし!凛菜さんの方は全くと言っていいほど伝わらないのデス!

最初はクリス先輩の様にしてみたデスけど、クリス先輩のように変化が分からないのデス!最近では妹のように思われているのでは?とまで感じてきます。

ですが今回、クリス先輩とのゲーム大会に誘えてラッキーデス!今日は調が読んで勉強してと渡してきた漫画で憶えたアプローチを試すデスよ!

 

そして、見てもらうんデス。私たちが2人で一人前になったことを(・・・・・・・・・・・・・)……。

 

 

凛菜さんと出会ったのは、私たちが2年前に起こしたフロンティア事変という大きな事件の時でした。

月が落ちることを阻止するために、世界に向けて宣戦布告したあの日、私たちの前に立ちふさがったクリス先輩たちの中に、凛菜さんはいました。

当時はとても驚いたデスよ。だって、私たちのようにシンフォギアを纏っている訳ではないのに、私と調の2人を相手に互角の戦いをしたのですから。

 

それからも二課と戦いながら、私たちはフロンティアを起動させました。そして私は、ドクターの思想に疑問を持ち離反した調と戦ったのデス。

あははは……今思い出しても恥ずかしくて……時々怖くなるデス。私はフィーネに覚醒したのはマリアではなく、自分だと勘違いした結果、調とすれ違ってしまったデス……。

そして闘いの中で、本当にフィーネとして覚醒したのは調だと分かった私は、自分が許せなくて、イガリマの鎌で自害しようとしました。

その時、調が私を庇おうとして前に立ち――――

 

『私、バカですね……もう、消えてなくなっちゃいたいデス……』

『切ちゃんッ!』

『……あ…しら、べ……?』

 

ガキンッ!!

 

『………』

『貴女は……』

『とんでもの人、デス…?』

 

―――間一髪で凛菜さんが鎌を弾き、私も調も助かったのです。一歩間違えば、凛菜さんも私たちもまとめて命を落としかねないのに、躊躇うことなく立ち塞がり、私たちを助けてくれたデス。

そして、私の前に立った凛菜さんは、驚いたことに私の頬を叩いたのデス。そんな痛くはなかったデスけど……。その後、私にこう言ったデス。

 

『痛い?……でもそれは、本来貴女の大切な人が負うはずの痛みより、貴女に負わされた痛みに比べればまだマシだよ』

『……そんなの、分かってるデス。貴女が鎌を弾かなかったら、調が……』

『それだけじゃない』

『え?』

『言ったでしょ。”負わされた痛み”って』

『切ちゃん……』

『調……』

『切ちゃんのバカ……!もうあんなことしないで!』

『でも私は、調を…』

『そんなの関係ない!お願いだから、もうこんなことしないで!私は許すから!決まってるから!自分が許せないなら、私がお仕置きしてあげるから!だから……もう、いなくなろうなんてしないでよぉ……』

『しら、べ……うう…うあああああッ!!調ぇえええ!!』

『切ちゃん…切ぢゃん……』

 

こうして私たちは無事和解、そしてS.O.N.G.の装者になったデス。

まあ、そこでほんとはフィーネはまだ生きてて調が覚醒したのも、ルナアタック事件でフィーネが一度死にかけたことによって、調の中のフィーネの遺伝子が反応してしまったからと聞いて、みんなで顔を赤くしたのは良い思い出デス。

特にマリアは、時々思い出しては悶えてるみたいデス。思いっきりドヤ顔でフィーネって名乗ってましたしね……。

マムもドクターの手によって危うく殺されかけたらしいですけど、凛菜さんが助け出してくれたようで感謝してもしきれないデス。

 

今こうして、マムやマリアと話すことができて、調と一緒に生きていることができて…そして、クリス先輩を好きになることができたのは、全て凛菜さんのおかげデス。命の恩人だとか、そんな言葉では言い表せないほどのものを、私たちは貰ったのデス。

だけど凛菜さんは、それが当たり前とでもいうように私たちを可愛がってくれて……そんな凛菜さんを好きになったのデス。

 

それに凛菜さんなら、私たちとクリス先輩も(・・・・・・)まとめて愛してくれそうデス!

だって、私と調が一緒なのは確定事項…いや、運命で定められているのですから、結婚相手とかだって調と一緒に愛してくれる人というのが前提デスしね。

それにクリス先輩だって、大好きなのですから仕方ないデス!

凛菜さんがどうかは分かりませんが……私と調とクリス先輩の魅力なら大丈夫に決まってるデス!

 

そして実は、私は凛菜さんにしてあげたいことがあるのデス。それは歌を歌ってあげたいという事デス。

正真正銘、凛菜さんの為だけに考えた、凛菜さんのことだけを思って、凛菜さんだけに向けた歌を、凛菜さんに歌いたいのデス。

 

私がどれだけのものを、凛菜さんから受け取ってきたのか。どれだけ凛菜さんを思っているのかを、この歌で知ってもらいたいのデス。

そのためには、まずは凛菜さんにこの思いを伝えなければなりません。

 

だから、覚悟しててくださいデスよ?なんたって私は、凛菜さんに調にクリス先輩が大、大、だーい好きですからねッ!

 

《切歌サイド END》

 

 

《調サイド》

 

……今日もクリス先輩に美味しいって言って貰えた。胃袋を掴んでしまおう作戦は順調中……。

 

「ふ~。美味しかったデス!」

「クリス先輩、どうでした?」

「ああ、美味かった」

 

今日はクリス先輩のお家でお泊り会。夕ご飯が先輩のお口にあったようで良かった。

 

私がお皿を洗おうと席を立つと、クリス先輩が声をかけてきた。

 

「皿洗い、手伝おうか?」

「いえ、お邪魔させてもらってますし、これくらいはさせてください」

「そうか……?手伝いいるなら言えよ」

 

やっぱり、クリス先輩は優しい。男勝りな口調のせいで、荒っぽいイメージを持たれやすいけど、実は気配りとかさりげなくフォローに入ったりとか、皆のことをよく見てる。

それに実は可愛いものが大好きで、可愛いぬいぐるみとか服とかを見て、お店の前で悩んだりしてることがある。ちなみにそういう時は、大体購入してる。

ただ、それをあまり知られたくないようで、こうして私たちが来たりすると、押し入れに隠している。ちなみに最近は、押し入れにも入らなくなってきているらしい……え?何で知っているのかって?……ナイショダヨ?。

 

話を戻して、クリス先輩のお手伝いをやんわりと断り、代わりにソファに寝転がっている切ちゃんに目を向ける。

 

「ほら、切ちゃん。お皿洗い手伝って」

「了解デース!」

 

切ちゃんの手を借りてお皿洗いを終え、私は今日の為に焼いて持ってきたケーキの残りを切り分ける。

クリス先輩のリクエストのコーヒーも淹れて一緒に出す。私と切ちゃんは紅茶派なので、紅茶を淹れる。

 

「今日は楽しかったデスね!」

「その事だけどな、暁」

「デス?」

「これは月読にも言ったけど―――」

 

クリス先輩は、私にもしたお説教を切ちゃんにもする。まあ、今回は私たちに非があるので、何も言い返せない。

そう思いながらケーキを食べていると、ふと、今日のことを思い出した。それは凛菜さんが、私のケーキを褒めてくれたことだ。

 

『……調ちゃんは良い奥さんになりそうだね~』

「………///」

 

今思い出しても、顔が赤くなりそう。だって想像しちゃうから。私と切ちゃんとクリス先輩と(・・・・・・)凛菜さんで、一つ屋根の下で暮らす光景を。

そして想像しては、胸の奥が温かくなって、どこかポワポワした気分になっちゃう。

 

私と切ちゃんは、凛菜さんとクリス先輩のことが好き…愛している。

このことをお互い打ち明けた時、私は運命を感じずにいられなかった。自分の一番身近で、離れたくても離れられないような人と、全く同じ人を好きになったんだから。

 

だから私は、選びたくなかった。凛菜さんかクリス先輩、この2人のどちらかじゃなくて、2人とも欲しい(・・・・・・・)。そう思ってしまった私は、いけないのだろうか?

とりあえず、そのために行動を開始することにした私は、切ちゃんと協力してクリス先輩とスキンシップを積極的にとることにした。

クリス先輩は大学生なのでなかなか会えないが、S.O.N.G.でなら任務とかもあるので会うことは出来る。

そうやってスキンシップを取り続けていると、ついにクリス先輩が私たちの頭を撫でてくれるようになった。いい傾向である。今まではこんなことはなかった。

 

次に私たちは凛菜さんとの仲も縮めようと考えた。だけど、ここで想定外のことが起きた。

どうも、凛菜さんは私たちを妹分のように見ているらしく、どれだけアプローチをかけても笑顔で対応してくる。まあ、嫌な反応を返されないだけ良い方だし、凛菜さんの笑ってる顔を見るのは嫌じゃない。

だけど、いつまでも進展がないことに焦りを覚えていた。

 

そんな時だった。

いつものようにクリス先輩に抱き着いていると、ふと、クリス先輩の目線がある方向に向いていることに気付いた。それが少し不満で、気になって視線を追いかけてみると、そこには凛菜さんがいたのだ。

 

これで一つの可能性が出てきた。実はクリス先輩も凛菜さんが好きなのでは?

そう考えた私だったが、今回のお泊り会で確信した。クリス先輩は凛菜さんが好きなのだ。

当たり前である。凛菜さんほど素敵な人なら、クリス先輩だって好きになってもおかしくない。

だから、まずはクリス先輩に好意を伝え、その後に凛菜さんを3人で落とそう。そうすれば……と、いろいろ妄想を膨らませている間にいつの間にか、切ちゃんへのお説教は終わっていた。

 

「ふぅ……」

「クリス先輩、お疲れですか?」

「ん。まあ、ちょっとな」

「仕方ないデスよ。今日はみんなで盛り上がったんデスから」

 

ソファに腰掛けたクリス先輩の両隣に私たちが座り、さも当たり前のように左右から抱き着く。

前ならクリス先輩は、顔を赤くして離れるように言ってくるだろうけど、私たちの長きにわたるアプローチのおかげで、私たちだけの時なら受け入れてくれるようになった。

試しに頭をもう少し近づけてみると、クリス先輩は私の頭に甘えるように自分の頭を乗せてきた。

普段からなにかと勝気なクリス先輩のこの行為に、私は自分の胸がときめくのを感じた。

 

「(そうです、クリス先輩。そのままどんどん甘えてください。クリス先輩に甘えるだけじゃなくて、私たちに甘えて貰えるように頑張りますからね?)」

 

元々、クリス先輩には先輩という風にしか見ていなかった。

好きになったキッカケがあるとするのなら、それはおそらく魔法少女事変の時だろう。

錬金術師キャロルが率いるオートスコアラーの一体、レイア・ダラーヒムとの戦い。

この戦いで私と切ちゃんは、クリス先輩の苦悩と私たちへの思いを聞いた。

だからなのだろうか。私はどうにも、クリス先輩を甘やかして、甘やかして、甘やかしてあげたいと思ってしまう。

 

疲れているのなら精一杯癒して、辛いことは一緒に乗り越えて、嬉しいことには一緒に喜び合う……そんな風に、一緒に生きていきたい。

 

「クリス先輩はあったかいデ~ス♪」

「ああ……あたしも、あったかいや……」

「「ッ……///」」

 

すっかり甘えた感じになったクリス先輩の言葉が、私たちの耳から入り頭で理解して処理し終わるまでに、私たちの恋心を蕩けさせる。

抱き着く手に無意識に力が入り、もっと体を密着させようとしてしまう。

クリス先輩でこれなのだ。凛菜さんとしたら、どうなってしまうのだろうか?

 

「(凛菜さんなら、きっと私たち3人を平等に愛してくれる。そこは凛菜さんがどう思うか次第だけど…もし愛してくれるというのなら、私は自分の全てをかけて、凛菜さんを愛してみせる。もちろん、切ちゃんやクリス先輩も)」

「クリス先輩、一緒にお風呂入りましょう!」

「ええッ!?い、いや、その……」

「だめ、デスか……?」

「うっ……べ、別にだめなんて言ってないだろ」

「(切ちゃんナイス!)」

 

切ちゃんが上目使いで、クリス先輩から一緒にお風呂に入る許可を取った。

ほんと、切ちゃんって(本人的には)無自覚に可愛い行動を取る……と言うより、”取るようになった”のだから、恋っておそろしい。

 

「調ー!お風呂入るデスよ!」

「まったく……おい、月読!行くぞ!」

「うん」

 

だから待っててくださいね?凛菜さん。私は切ちゃんやクリス先輩、そして貴女を、愛していますから。

 

《調サイド END》

 

 

 

「すぅ…すぅ…すぅ…」

「クリス先輩寝ちゃったかな?」

「そうみたいデスね」

「ふふ……可愛い寝顔……チュッ」

「ああ…!?クリス先輩のほっぺにチューするの、ズルいデスよ!私もするデス!……チュッ」

 

「んぅ……きり、か…しら、べぇ……」

「寝言、かな…?名前で呼んでもらえること、ほとんどないから、とても嬉しい……」

「そうデスね~」

「むぅ……」ガバッ!

「「ッ……!?」」

「引き寄せられただけ、みたい……」

「びっくりしたデス……」

「ん……はなれちゃ、やぁ……」

「大丈夫ですよ」

「離れたりなんて、絶対しないデス」

「「愛しています(デス)。クリス先輩……チュッ♡」」

 

 




調ちゃんって、好きな人には徹底的に尽くしそうだよね。

何か希望のシチュエーションがある場合は、どうぞリクエストしてください(書くとは言ってない)

カップルについてはすでに決まっていますので、ご容赦を。カップル一覧については一話目を参照してください。

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凛菜さん一口メモ

凛菜さんは……イガリマの鎌を弾いたことがある。
ちなみにこの行為は「2度目の人生で、マジで死ぬ”かもしれない”と思ったランキング」の第5位である。
ちなみに1位は、シェム・ハとの一騎打ち。




この小説の甘々度(砂糖基準にすると?←あんま気にしないでいいよ)

  • 砂糖が止まらないんだけど……
  • ふ~ん。甘いじゃん
  • おいどうした!もっと砂糖寄越せ!
  • 装者は元々砂糖溢れ出てるよね
  • 凛菜さん、もっと砂糖を恵んでくれ
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