416がんばります!(中身はアラサーお兄さん)   作:UNAG3

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タイトルは気分で書いてるので、内容とまったくかみ合わないことがありますが仕様です。


第11話 私たち、ずっ友だよっ!

小隊の訓練というか俺のシステムテストなのかよくわからんが、始まってからもう2ヶ月が経過した。流石にそこまでぶっ通しで訓練させられるとシステムの使い方は嫌でも身に着いた。 …ここの人たちスパルタすぎんよ、バッテリー切れたら即充電からの即訓練。人間のように造られたのに人間扱いされてないんだが? 休日をよこせ! 俺ひとりでもストライキしてやろうか!

 

現状で分かったことは、①システムの燃費が悪い。②共有できる情報の種類はホストの俺が選別できる。③大きい情報量をリンクシステムで処理している最中、リンクが途切れたらその処理を誰かに押し付けてしまう。 ってところかな~?

 

①については共有する人数とデータ量に比例する。ただでさえ俺は人形として燃費が悪い部類に入るのに、聞いた話によるとシステム最大稼働+身体最大負荷状態だと10分で省エネモードに入るだそうだ… 汎用人型決兵器や光の国の戦士に親近感が湧いてきたよ。

 

②はそのまんま、思考から各種センサーから得た情報、ASSTの武器補正情報まで幅広くある情報を俺が選ぶことが出来る。その時その時に必要な情報のみを共有することでリンクしている人形のリソースや俺の燃費に気を使うことが出来る。これを上手く使わないとあっさりバッテリー切れを起こします。う~ん、難しいね…

 

③は訓練中の事故で知ることが出来たよ。ざっくりまとめると、5体の人形である情報を処理最中にリンクが切れて、1体の人形に情報処理を押し付ける形になってしまう。そのあとに再現性を確かめるため、故意にやってみたけど、押し付けられる相手はランダムだった… ちなみに、情報を処理できずにオーバーロードしたのはG36Cでした、改めてごめんなさい!

 

と、まぁこんな感じで探り探りで自分の性能やシステムの使い方を学んでいるが、博士含めてみんな教えてくれないのだ。教えを請うたところ、習うより慣れろだそう… 元人間としては備わっていない機能を使うのは難しい、『翼を授けたから飛んでみろ』みたいに言われてもって感じ~。

 

現在は定期メンテナンスのため、訓練はお休み。と言っても自由にお出かけすることはできない、休日より休憩だと思う。だいたい小隊メンバーと雑談やボードゲーム、トランプをして過ごしている。てか、それしかすることないしね… 

 

「なぁリーダー? チェスしようよ、チェス。」

 

「またぁ? ほかに何かないの? 頭使わないで遊べるものが良い~。」

 

「いいじゃん、頭使わなくても出来るぞ?」

 

メンテが終わっただろうXM8が部屋に入ってくる。 ちなみに俺の部屋でなく、プライバシーもクソもない、1部屋5人使用である。当初は「同性だから良いじゃない」と言って、みんなが半裸状態で目の前をウロチョロする姿を不可抗力により、目で追ってしまうことが多々あった。 …が、今は一切ない。女性の裸体にさえ、完全に反応しなくなった。元男だった感覚も消えてなくなって、知識として残っているレベルまでいってしまった。

 

とりあえず、とくにすることもしたいこともなかったので、XM8とチェスをしながら時間を潰していると部屋のドアが開けられた。

 

「先に戻ってたんですね。 え~、またチェス?もうちょっとレパトリー増やしてみるのはどうです?見てるこっちも飽きてきますよ。」

 

「うるさいなぁ、なんだかんだでMG4も後からまじってくるじゃん。」

 

「いいじゃないですか、目の前で遊んでるとまざりたくなるんですぅ。」

 

「お疲れさま~、リーダーのメンテ終わるの早かったね? 迎えに行ったらもう居なかったし。」

 

次にやって来たのはMG4とMP7だった。どうやらMP7は俺のことを迎えに来てたようだ、一時期は同じタイミングでメンテが終わることが多かったから、いつも一緒に部屋に帰ってたもんね~

 

MG4は俺とXM8のチェス勝負を観戦するのだろう、俺たちの近くに座って盤を覗き込む。

…ただコイツ、横から口出してくるだよなぁ、「ここ取れますよ」とか「ここでいいんですか?」みたいに横やり突っ込んでくる。しかも両者に… XM8の手で部屋から追い出されることがあるが反省の色はない。

 

「ねぇ? 今はどっちが優勢?」

 

「XM8かな~」

 

MP7のほうは、俺の背中から抱きつき、顎を肩に乗せて話しかけてきた。 こいつは俺がまだ初心だった頃、やたらと下着を見せて来たり、スキンシップで俺の反応を見て楽しんでいた。…そのおかげで今の俺が出来上がった、犯人はコイツです。

現在は俺が変わったというか馴れてきたことに気づき、からかうことをやめたらしく、普通のスキンシップに戻っている。たまに女性スタッフからファッション雑誌というかデータを貰って来るので、それをみんなで読むことがある。

 

そんな感じで観客二人をあしらいながらチェスを続けていたが、形成逆転叶わず、俺はXM8に負けてしまった。やはり邪魔者がいると集中しづらい…

 

「私の勝ちだ! よし、次はMG4だ。 ボコボコにしてやる!」

 

「いいですよ? まぁ私も日々成長してますからね、その証明を今からお見せします。」

 

「MG4ってよくあんなにイキれるよね? 最初の頃とは大違い。」

 

言ってやるな… あの子なりに自信を付けようとした努力の結果がアレなのだ。この件に関してはMP7とXM8が関わっているので俺は関係ない。 でも、本人が良いと思っているのならそれでいいだろう、それも立派な個性だと俺は思う。 さて、MG4を煽ってからかってやるか~

 

「あれ? それにしてもG36C遅くない? なにか予定あったか?」

 

俺はG36Cが部屋にいまだ戻ってこないことに疑問を感じた。いつもなら大体同じような時間で終わる、しかし今回はやたらと遅く感じた。 ――もしや、異常を発見したとか⁉

 

「G36Cならスタッフと話込んでいたよ? 話の中身は分からないけど。」

 

XM8がチェスをしながら俺の疑問に答えてくれた。 一体なんだろう…? 何もなければいいけど。

 

「心配しなくてもいいと思いますよ? 私たちは16Labでメンテを受けているんですし、何かあっても直してくれますよ。」

 

「それはそうだけどさぁ? やっぱり気になるよ~。」

 

MG4の言う通りで何かあっても、ここでは直せる設備も人材も豊富なので心配は確かにしなくてもよいだろう。でも、チームのリーダーとして隊員の状態を把握しておきたいんだよね。 やべぇ、超気になるぅ~!

 

「俺、やっぱ気になるわ。 ちょっくら出かけてくるよ。」

 

「「「いってらっしゃ~い。」」」

 

俺は部屋を出て、G36Cがいるメンテナンスルームへと向かう。 …勢いで部屋を出たがどこに行けばいいんだ?


 

ということで、周りのスタッフにG36Cの居場所を聞き続けて、ようやくその場所にたどり着いた。 すれ違いになって無ければいいけど、大丈夫だよね? お、お邪魔しまーす。

 

「あ、リーダーさんじゃないですか? どうかしましたか?」

 

「やぁG36C、ちょっといつもより遅いから気になってね、こうして来たんだよ。 …何かあった?」

 

部屋に入室すると、G36Cにばったり会った。 どうやらもう帰る様子だったようで、すれ違いにならなくてよかったよ。

とりま、単刀直入で遅かった理由を聞いてみる。

 

「あぁ、そのことですか… 私自身に不具合があったとかそういうことではないですから、安心してください。」

 

「あっそうなんだ。 いや~、良かった良かった、てっきり何かあったかと…」

 

「心配をお掛けしましたね、すみませんでした。」

 

「別に謝ることじゃないしょ? 俺たちは家族みたいなもんだし、心配するのは当然だよ。」

 

不具合とか異常はないのことでとりあえず安心。うちは健康第一、何をやるにしても健康な体が基本だからね。 でも、別の何かがありそうだな… もしや、アフターの誘いとかですか⁉ いけませんよ!うちの子を遊び相手に指名するなんて!

 

「あの~、遅くなった理由はですね… 私の性能向上を目的としたプランについてのお話があったからです。 このことは私だけの問題ではありません、ですから一旦部屋に戻ってからお話しましょう。」

 

ですよね~、流石にそんなことはないことは知ってたよ。 そんなことより、G36Cがパワーアップするのか… どんな風になるのやら、外見とか変わるのかな?

G36Cはみんなに話したいということなので、一緒に部屋へ帰ることにした。


 

「という訳で皆さん、ご注目! G36Cから大事なお話があります!」

 

「ちょっとリーダーさん⁈ そんな大事な内容ではないですよ!」

 

G36Cと共に帰ってきた俺は、部屋に入って早々、声高らかに傾聴するように命令する。 ほらっ、チェスは一時停止だぞ。

 

「あのですね、今回遅くなった理由は性能のアップデートについてのお話があったんです。」

 

「「「アップデート?」」」

 

「はい、私のような民生モデルはリーダーさんたちのような軍事モデルの作戦遂行能力に付いていけなくなるらしいです。ですから解決案として16Labの方たちが、既存の人形に対して改修を行うというプランが建てられたようで、私がテストベッドにならないか?というお話を受けた次第で…」

 

「で? G36Cはその話を受けたのかしら?」

 

「受けるとしても、いつからだとか期間とか色々あるね? そこのところはどうなの?」

 

「まさかG36Cの代わりに誰かが編入してくるとかですか⁈」

 

「あ、あのっ… そのっ…」

 

質問ラッシュを食らいフリーズしかけているG36Cを守るため、全員には静かにしてもらおう。

 

「はいはい、みんな静かに~。 G36Cが固まっちゃうよ。 ほら、話を続けて?」

 

「あ、ありがとうございます。このお話は、みなさんと話し合ってから決めたいということで保留にさせてもらってます。」

 

「まだ決めてないということね、G36C自身はどう考えてるの?」

 

「私はこのお話を受けようと考えています。 …ずっと皆さんと一緒に居たいですから。」

 

G36C、メッチャええ子やん…! 仲間思いの子と一緒に暮らせて、俺嬉しいよ!

 

「でもさぁ? それってすぐ終わるような内容じゃないでしょ?」

 

「テストベッドになるってことは当分戻ってこないのでは?」

 

XM8とMG4がG36Cに質問を投げた。「これから方法を確立させます」って言ってるようなものだから、そっちに付きっ切りになってしまう可能性は少なくないはずだ。

 

「その点は確かにあります。ですが今からという話でなくてですね? まだ発案されたばかりの内容なので方向性が定まってから、と伺いました。今すぐ小隊を離れるという点は大丈夫かと思います。」

 

「でもさ、なんでうちのG36Cが? 民生モデルって軍事モデルより多いからいろんなところに居るんじゃ…」

 

「それが、全部の民生モデルをアップデートすることは出来ないそうで、私なら拡張性が問題ないらしいです。」 

 

なるほどね~、うちのG36Cが目当てじゃないのか。でもどうしてG36Cのような民生モデルが俺たちのような軍事モデルに付いていけないと言われるのだろう? ここ以外にも混成部隊として運用されているところがあるのだろう、うちのG36Cは一緒に訓練してて特に問題ないしな~。

 

「で、みんなはG36Cの件について異論はあるか?」

 

「「「ないでーす」」」

 

「ということでG36CはOKの返事して良いよ。」

 

「あの~、私の意見に賛同してくれるのは大変ありがたいのですが… けっこうあっさりですよね?」

 

あっさりOKが出たことに戸惑ってるG36C。 べつにやりたいと思ってるなら反論はしないよ、嫌なら止めるし、文句も代わりに言ってあげるし…ね?

 

「やりたいなら良いじゃないですか、私は背中を押す人形ですので。」

 

「私も自分からやりたいと思っているなら邪魔する気はないしね~」

 

「私もそこの二人に同意見よ。」

 

「皆さん… ありがとうございます!」

 

やっぱりみんないい子たちだ、リーダー嬉しいよ。(大事なことなので2度言いました)

 

「でもさぁ? 私たちってリーダーの為に組まれた編成だし、用事が終わればお別れじゃなかったっけ?」

 

「「「「あっ…」」」」

 

良い感じの雰囲気になっていたのにXM8が余計なことを言いやがった! 空気を読め!空気をっ!

でも、私が違う部隊に配属されるって件はまだ来てないし、そもそも噂だから信ぴょう性はないはず… も、問題ないよね?

 




【オリジナル設定の解説コーナー】

・現在運用されている戦術人形の数は 民生モデル>軍事モデル になっている。コストパフォーマンスの問題で軍事モデルの受注が少ないのが原因。

・現在の話の時点だと、国家安全保障局の人形部隊とゴースト小隊だけが民生モデルと軍事モデルの混成運用をしている。しかし、国家安全保障局の人形部隊は基本的に分けて編成されており、混成運用することは滅多にない。

・民生モデルが軍事モデルの作戦遂行能力に付いていけなくなると分ったのはゴースト小隊の訓練データから。訓練中のG36Cの負荷が常に60%を超えてたことが判明している、そのほかは平均30%ほど。
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