ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
怒らせてみてと言われたやつ、書いてみました。
アリスがキレるって珍しいかもw
キレたら、静かに怒るんだろうなぁ、と。
某年、某所にて。
私はとある惑星のスラム街に留まっていた。こんな掃き溜めにいれば、帝国軍もすぐには気付かないだろう。少しの間だけでも、平穏を味わいたい。
「よぉ姉ちゃん、相変わらず暗いなぁ。」
ウィークウェイの男が絡んできて、思わず舌打ちする。私の苛立ちを感じ取ったのか、男はそそくさと逃げていく。
女の舌打ちに逃げる男も、どうかと思うけどね。
「っ!」
嫌な予感がして、表通りに視線を向ける。遠くから見るだけではなく、自分の目で確かめようと裏路地から表通りを覗く。
目に入ったのは、帝国軍の姿だった。
この星も、ついに掌握されてしまったらしい。
「………脱出しよう。」
外縁部も、徐々に帝国の影響が広がりつつある。ロザル宙域もそうだ。帝国軍がロザルに根を張っている。
平穏な惑星が、一つ、また一つと減っていく。
「おい、この女を見たか?」
その声に後ろを見ると、トルーパーがパネルを見せて、何かを町の人に聞いて回っていた。
パネルに映った顔に、私は寒気を感じる。
映っているのは、私だ。
スラム街に紛れ込み、隠れ家には戻らず森へ向かった。森には、小さなシャトルが隠してある。軌道を塞がれる前に脱出しなきゃ。
「止まれ!!」
トルーパーの制止に、私は立ち止まる。何も知らないふりをして、何事か尋ねた。下っ端なのか、トルーパーはまだ何も知らないようで、素直に教えてくれる。
「ジェダイがこの星にいると報告を受けたんだ。何か知らないか?」
「さぁ。じゃあ、私急いでるから。」
その時、私を素通りしたトルーパーが、誰かに撃ち殺された。
振り向くと、帝国の将校が立っていた。
「お前、ジェダイだな?」
「あんた誰?」
「私はガリアス・ラックスだ。」
「なんでトルーパーを殺したの?彼はまだ何もしてないのに。」
「何もしていないからだ。3度目の職務怠慢、処刑の理由には充分だ。」
最低な男だ。トルーパーを何とも思っていない。この男は、ただの道具のように使っている。
こんな奴が将校だなんて………
「惨いことを……」
「お前も同じ運命を辿るのだ、アリス・レイン。」
奴がそう言うと、森にトルーパーが侵入してきて、私を包囲する。
「悪いけど、今回は捕まるつもりはないよ。」
「逃げられると思うか?多勢に無勢だ。お前に勝機はない。」
「あんた、少し勘違いしてる。ジェダイにとって勝ち負けは重要じゃない。」
「ほぅ…?」
「生き残ることの方が重要、なのつ!!」
言葉を言い終わると同時に、手の平を地面に叩き付け、フォースの衝撃波を放つ。
ようやくできるようになった、フォース・ブラストだ。
包囲しているトルーパーは薙ぎ倒され、ラックスも吹っ飛ぶ。奴はすぐに起き上がり、ブラスターを撃ってくるが、私はそれを避け、懐に入りライトセーバーで銃を切り壊す。武器がなくなったラックスは、ナイフを下から振り上げてきた。
「この!死ね!」
「冷静さを失うなんて未熟だね。足元気を付けなよ。」
「なっ……!」
手元にしか意識がいってなかったのか、ラックスは足払いで簡単に倒れ込んだ。
尋問官と戦うより早く終わった。
「まだやる?」
「馬鹿も休み休み言え!帝国軍は決して負けないのだ!」
ラックスはナイフを構えて向かってきて、私は軽く避ける。だが、奴の狙いはライトセーバーの奪取だった。奪い取ったライトを起動させ、ラックスはあくどい笑みを浮かべる。
「ライトセーバーがなければ、お前は丸腰だ!」
「やめた方がいい。後悔するよ。」
奴は私の忠告を聞かず、ライトセーバーを振りかぶってくる。
仕方ない、手荒だけど沈めよう。
「いい加減にしろよ。」
「な、なん、だと…!?」
ライトセーバーの刃を、ツタミニスを駆使して素手で掴んだ。
「プラズマの刃だぞ!なぜ無傷で掴める!?」
「あんたは知らなくていい。」
低い声で答える。
せっかくジェダイとして忠告したのに、奴は聞かなかった。これで大怪我しても、私のせいじゃない。大人しく撤退すれば良かったのに。
フォースで強化したまま、拳でラックスの横っ面を殴り、奴は気絶する。
自分の怒りに溜め息を吐き、私は周りのトルーパーに問い掛ける。
「次は誰が来る?」
誰もブラスターを向けることはなかった。
トルーパーの横をすり抜け、私はシャトルに乗り込む。
軌道を塞いでいたスターデストロイヤーは指示がない為、攻撃してこなかった。ラヴェジャーの横を通り、私はハイパースペースへと入る。苛立ちを表に出してしまったことに、激しく後悔した。
嫌な感情が、私の中で渦巻いている。
シディアスがこうなると予見してラックスを送ってきたなら、腹立たしいことだ。大事なことだからもう一度言おう。ムカつく。
あ、同じじゃないや。
けど、腹が立っているのは変わらない。
continue……