ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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シーズン1の人質事件編です!
議員たくさん出てきて、その中にルード議員がいたのを思い出して書きましたw





捕虜になった経験者は語る

これは、元老院のオフィスビルで起きた事件記録である。

 

────────

 

惑星ライロスが解放された後、私は評議会の指示で元老院ビルへ来ていた。

 

苛立ちを感じながら、私はエレベーターに乗り込む。

 

憤る理由は、評議会の意図にある。これは、記録に残せない任務だ。過激派のとある議員を監視しろという指示に、当然私は反論した。

 

遡ること1時間前、私は評議会に呼び出され、出頭していた。

 

 

「ルード議員を監視?」

「そうだ。ルード議員は過激派だが、アミダラ議員の一派にいる。何かあってからでは遅い。近頃、ルード議員はラワイズと対立したばかりで、何が起きても不思議ではない。」

 

 

マスター・ウィンドゥの言葉に、私は唇を噛む。

 

評議会の言いたいことは分かる。だけど議員の監視なんて、ジェダイの領分じゃない。私達ジェダイは、平和の為に存在するのに。

 

ジェダイ・オーダーの傲慢さを見た気がした。

 

 

「議員は、そんな方ではありません。」

「お前がルード議員と親しいのは知っている。だからこそ、お前に任せるのだ。」

「最低……」

「言葉を慎め、アリス。」

 

 

私の罵言に、マスター・プロが諫める。

 

ただのナイトの私には、反論する権利はない。そんな慣例なんて糞食らえだけど、今逆らえば追放されてしまう。シディアスの思惑に乗せられたくはない。

 

渋々、評議会の指示を受け入れた。

 

 

「………分かりました。」

「では、下がれ。」

「失礼します。」

 

 

評議会の間から下がり、元老院のオフィスビルに来たに至る。

 

ルード議員のオフィスにノックして、私は了承を得て中に入る。予算案の見直しが終わったようで、彼は私に笑みを見せる。その笑みが本当に嬉しそうで、監視をすることを申し訳なく思ってしまった。

 

この議員のどこに、監視する要素があるのか分からない。

 

 

「議員、お久しぶりです。」

「レイン将軍、また会えたな。」

「評議会の指示で、貴方に護身術を教えに来ました。まさか……今回も貴方の指名ではありませんよね?」

「今回は違う。確かに護身術を教えてくれとは言ったが、誰とは指名していない。」

 

 

議員の言葉に安堵すると同時に、評議会への嫌悪感が増した。

 

ルード議員の求婚騒動で、私は元老院から関心を寄せているらしい。評議会だけでなく、元老院にも目を付けられているんだ。評議会のせいで、この上なく面倒なことになった。

 

評議会に報告したら、その評議会が元老院にまで言ってしまうなんて誰が想定するの?

 

 

「将軍、顔が恐ろしいことになっているぞ。」

「大変失礼しました……」

「それでは、護身術を教えてくれ。」

「分かりました………え…ここで……?」

 

 

ここ、オフィスだよね?

 

出て行こうとしたのに、議員は驚いた顔をしていた。

 

 

「構わない。ここで教えてくれないか?」

「あ、はい……」

 

 

出て行くことをやめて、オフィスで教えることにした。

 

 

「議員、護身術は教えますが、心得も聞いてください。」

「なんだ?」

「まずいと思った相手とは、絶対に戦わないでください。」

「その為の護身術だろう?」

「いいえ。護身術を覚えても、最終的には場数を多く踏んできた方が勝ります。それなら、捕虜になった方が長生きできます。」

 

 

そう言うと、ルード議員は疑いの目を向けてくる。

 

あれ、私変なこと言った?

 

 

「捕まる方が寿命が縮むと思うんだが……」

「ソンナコトナイデスヨ!」

「棒読みで更に信憑性が減ったな。」

「すみませんでした。しかし、無理に抵抗するよりかは遥かに生存率が高いです。と、経験者は語ります。とりあえず、護身術は基本から入りましょうか。」

 

 

まず基本的な動きを教えて、手本を見せる。そうして、議員は私と同じ動きをして、基本の型を真似て動く。直すべきところはしっかり言って、議員は真面目に覚えていく。

 

その時、オフィスがオーガナ議員にノックされた。

 

 

『ルード議員!』

 

 

議員がロックを解くと、オーガナ議員がオフィスへ入ってくる。彼は私を見て、少し驚いていた。挨拶をすると、オーガナ議員からここにいる理由を問われた。

 

 

「ルード議員から、護身術を教えてほしいと要請があったんです。」

「ほう……」

「オーガナ議員、その目は何ですか?」

 

 

私を蚊帳の外に、オーガナ議員は笑みを浮かべてルード議員を見る。

 

なんか既視感があるんだけど、気のせいかな。

 

 

「不思議ですな、ルード議員。貴方は確か、故郷で一、二を争う体術師範のはず。」

「オーガナ議員、少し黙ってくれないか?」

「え?ていうことは、私が教える必要はないんじゃ……」

「あぁ、なるほど!それはすまなかった!」

 

 

ルード議員がオーガナ議員を冷めた目で見るが、なんでそんな目を向けるのか私には分からなかった。

 

ん?待てよ?

 

議員が体術師範ってことは、評議会も知っていたはず。つまり、知っていて送り込んだということだ。ジェダイ評議会が更に嫌になってきた。

 

 

「ところで、オーガナ議員は何用で?」

「そうだった。プライバシー侵害法案の採決前に、会合があるんだ。」

「あの法案か。会合など必要なかろうに。」

「ルード議員、話し合いは重要です。」

「レイン将軍、良かったらご一緒にどうだろうか?」

「え?」

 

 

政治会合に同席しろってこと?

 

 

「お噂は予々聞いている。ジェダイではなく、貴女の観点からも意見を伺いたい。」

「私は一介のジェダイですよ?」

「オーガナ議員、それは、」

「構わないだろう、ルード議員。我々とは違った考察もあるかもしれない。議長が評価する程の、どうしました、レイン将軍?」

「いえ、ランプが脆かっただけです。」

 

 

議長という言葉を聞いて、思わずランプの電球を割ってしまった。事情を知らない議員2人は、私の行動に首を傾げる。そのまま知らないままでいてください。

 

オーガナ議員の押しに負け、私は会合へ同行することになった。

 

オフィスを出る際、何か忘れている気がしたけど、気にすることなくオフィスを後にした。

 

 

「わお……」

 

 

2人に連れられてくると、普段会うことはない議員達と顔を合わせた。

 

議員方に挨拶をして、戦場に立っていることを労われた。その中にはパドメもいて、彼女の周りには聡い方々が多いのだと再認識する。

 

久しぶりのパドメに、考えていたことが全て吹っ飛んだ。

 

あぁ、目の保養だ…!!

 

 

「アリス、貴女が会合に来るなんて思わなかったわ。」

「アハハ、私もです。」

「そんな柄ではないでしょう?」

「オーガナ議員の押しに負けまして。」

 

 

会合が始まり、議員方は意見を述べていく。

 

内容?全然分かりません。

 

 

「やっぱ政治は分からないわ。」

「レイン将軍、諦めるのが早いぞ。」

「仕方ない、うん、仕方ないです。」

 

 

会合で意見が満場一致した時、四方の扉が開いて招かれざる客が姿を現す。

 

 

「おはよう先生方。たった今から皆さんは、我が人質ということになる。良い子にしていれば、誰も怪我はしない。大丈夫、そう長くはかからない。」

 

 

キャド・ベイン始め、オーラ・シングなどの賞金稼ぎが、私達を包囲する。セネト・ガードが来ない辺り、この東棟は既に制圧されている。腰に手を伸ばそうとするが、そこに欲したものはなかった。

 

そうだった、必要ないと思って、ルード議員のオフィスにライトセーバーを置いたままだった………

 

 

「ふざけるな!こんな無礼な者に従う気もなければ、見過ごす気も、」

 

 

議員の一人がベインを無視して離れていく。予知した瞬間、私は彼をフォースで引き寄せて伏せさせる。その向こう側には、レーザー弾の痕が残っていた。

 

 

「君!何を、」

「手荒な真似して申し訳ありません。死にたくなければ、奴らに逆らってはいけません。」

「な、」

 

 

助けた議員は、レーザー弾の痕を見て顔を青ざめさせる。

 

議員を助けた私に、ベインはブラスターを突き付ける。

 

 

「どこかで見たような女だな。」

「そりゃそうでしょ。ジェダイだし。」

「思い出したぜ、アリス・レインか。」

「あら?私有名人?」

「ジェダイ将軍は全員賞金首だ。だが、警戒する必要はないらしい。お前は丸腰も同然。」

 

 

見過ごされると思えば、ベインが仲間の一人に何かを指示する。

 

 

「丸腰とはいえ、ジェダイだ。無力化させてもらおう。」

「は?何言って、あああああっ…!」

 

 

背中から電流を受けて、私は気絶させられた。

 

意識を飛ばす直前、ルード議員が駆け寄るのが見えた。もしかして、今回の護身術指導って、下心あるものだったり?まさか、ね?

 

そんなことを考えながら、意識を手放した。

 

目を覚ますとベイン達はいなくて、爆弾が張り巡らされていた。

 

隣にはアナキンが気絶していて、パドメが心配そうに見ていた。

 

 

「大丈夫か、レイン将軍?」

「ルード議員、ありがとうございます。これは……」

「レーザーに触れると爆発するそうだ。動かない方がいい。」

 

 

起き上がると、赤い線が私達の周りを張っていた。

 

思い出した。これはズィロを釈放させる為の人質事件だ。奴は既に釈放された頃だろう。

 

だけど、今は議員方が優先だ。

 

途中でベインが起動しないとも限らない。

 

 

「このまま待っていたらまずいです。アナキン、起きて、アナキン。」

 

 

起きないから、錠をされた手でアナキンの鼻を摘む。息苦しかったのか、すぐに起きてくれた。ていうか、アナキンもライトセーバー持ってない。

 

どうしたものか。

 

 

「何するんだ!?」

「気絶してるからだよ。ライトセーバー持ってないし。」

「貴女だって持ってないだろう!」

「いい加減にして2人共。ライトセーバーなら私が“拾いました”。」

 

 

本来の歴史通り、パドメがアナキンにライトセーバーを渡した。私も錠を壊してもらい、アナキンはライトセーバーを床に突き立てる。それから私達の周りを走り、円を描く。

 

爆弾が起動したのと、床が抜けたのは同時だった。

 

突然の落下に、議員方は呻く。

 

 

「アリス!大丈夫か!?」

「ジェダイ評議会なんてぶっ潰せ……」

「まずい、アリスが壊れた。」

 

 

つい本音が出てしまった。

 

結局ズィロとベインには逃げられてしまった。ベイン一派に至っては、共和国から指名手配された。捕まることはないだろうけど。

 

その後、ルード議員に謝罪された。思っていた通り、そういう魂胆だったらしい。評議会が私を寄越すと踏んで、依頼したという。議員も議員だが、評議会にも呆れたものだ。もう求婚することはなくても、一緒に過ごしたかったという単純な理由だった。純粋な気持ちだけど、私もよく考えるべきだった。

 

やはり、私には無理だ。

 

ジェダイでいる限り、彼の想いに応えることはできない。

 

 

continue……

 

 

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