ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
前置き的な扱いなので、少し短めですw
お納めくださいm(_ _)m
これは、とある者達による外縁部での記録である。
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帝国が倒れて数年後。
私はとある事情で、辺境惑星のネヴァロに訪れている。ここに帝国の残党がいると聞いて、探りに来ていた。だけどタトゥイーン同様、ならず者のネットワークは深く、捜索は困難を極めた。
帝国の残党を追っている理由は、些細なことだった。
もしかしたら、その残党なら私の欲しい情報を持っているかもしれない。
「おいお前、見ない顔だな。」
酒場に入ると、賞金稼ぎの一人に声をかけられる。
私はフードを深く被ったまま、隠遁中だと答えた。間違いではないし、嘘も吐いていない。本当に隠遁している。
「そろそろ懐が空になりそうなんだけど、ここでは誰に仕事をもらえばいいかな?」
「お前も賞金稼ぎか!そうならそうと言え!」
「あー、えっと、元ね。それで、誰にもらえばいいの?」
「あそこに座っている男が、ギルドを回している。グリーフというエージェントだ。」
「分かった、ありがとう。」
その男に礼を言って、私はグリーフと呼ばれた男の前に座る。彼はマントを着て、フードを深く被る私を訝しげな視線を向けた。
「まずはフードを下ろしてくれないか?」
「できれば姿を見せたくないんだよね。諸事情で隠遁してる身なの。」
「そうか。俺はグリーフ・カルガ。気軽にグリーフと呼んでくれ。あんたは?」
「“アリー”と呼んで。」
もちろん偽名だ。隠遁している身で、素性は明かしたくない。バレたら別だけど。
「それで、仕事か?」
「申し訳ないけど、違う。情報が欲しいだけ。」
「何の情報だ?」
「帝国の残党がここにいるって聞いた。彼らはどこにいるの?」
私の質問に、周りの賞金稼ぎ達は一斉にこちらを見る。
「勘違いしないでほしいんだけど、私は共和国と無関係だから。」
「そんな保証はどこにもねぇだろ!やっちまえ!」
「よせ!!」
グリーフが彼らを止める。
「彼女は嘘を言っていない。そうでなければ、俺が撃っている。」
「随分はっきりと言うね。」
「この仕事をやっていくのは簡単じゃないからな。」
賞金稼ぎ達は、背を向けて離れていく。
グリーフはそれを見届けると、一つのビーコンを私に手渡す。
「奴らはクライアントだ。ギルドの規約で教えることはできない。だが、手掛かりなら渡せる。」
「これが手掛かり?」
「先日、ギルドとクライアントを裏切った男が、“獲物”を連れて逃げた。そのビーコンは獲物の位置を教えるものだ。」
ビーコンを懐に入れて、裏切った男の名を聞く。
私の記憶が正しければ、逃げた男はマンダロリアンだ。そして、獲物とは子供だ。それも、普通の子供じゃない。
まさか、ここで遭遇するとは思わなかった。
「男は、マンドーという名だ。」
「マンダロリアン?」
「ああ。知っているのか?」
「噂だけ、ね。情報ありがとう。」
席を立って酒場を出ると、ゴロツキ3人に囲まれた。
如何にもガタイが良さそうな男達は、周りの目を気にせず殴りかかろうとする勢いだ。だが周りも同じような連中ばかりで、乱闘など目にも止めないだろう。ここでは、乱闘は日常茶飯事だ。
リーダー格のノートランの男が、私の目の前に立つ。
「お前、ビーコンを受け取ったな?」
「受け取ったよ。それが?」
「奴は俺達の獲物だ!ビーコンを破壊しろ!」
「………断る。」
拒んだ瞬間、3人は同時に殴りかかってくる。
女だからと、ブラスターを使わないのが運の尽きだ。
背後から来た男を背負い投げして、右手から来る男に投げ付ける。男2人が沈み、ノートランの男が左手から拳を突き出す。その拳を避け、手の平で男の額を叩き、男は後ろに倒れた。
不意を突かれたノートランの男は、尻餅をつく。
「クソッ!!」
「商売敵なら商売敵らしく、仕事で勝ちなよ。あれ、意味が違うか。まぁでも、似たようなものだよね。」
「テメェ……何者だ!?」
「私?私はアリー。よろしく。それじゃあね。」
去ろうとした瞬間、男はブラスターを撃ってくる。そのレーザー弾を避け、隠し持っていたブラスター・ピストルで男のブラスターを壊した。武器を失った彼は、憎たらしい視線を私に向ける。
「引き際を弁えるのも、賞金稼ぎだと思うよ?」
「うるせぇ!くたばれ!」
「全く、品性の欠片もない。」
スタンモードにしてブラスターを撃ち、男を気絶させる。
注目を集めていることに気付き、私は慌ててブラスターをマントの中に隠した。
「失礼!通して!」
人混みを掻き分け、街の外側にあるシャトルへ戻る。
シャトルのナビにビーコンを接続して、座標をセットする。
もちろん、目的は子供じゃない。私の目的は子供を連れるマンダロリアンの方だ。だけど、彼を殺しに行くわけでもない。
彼と行動すれば、私の欲しい情報も得られるだろう。
「厄介なことになった……」
登録してある周波数にメッセージを送って、ハイパードライブを立ち上げる。
「怒られそう……」
ハイパースペースに入って、私は頭を抱えるのだった。
しかし、これは私の意志じゃない。そのマンダロリアンを助けることで、私も助けを得られる気がする。慎重に行動すべきだ。
あ、私に慎重という言葉は似合わないか。
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