ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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皆様、お待たせしました。
大変…長らく……お待たせしました………

フォールン・オーダー編、中編です。

どうぞ、お楽しみ?くださいませm(_ _)m


真の敵は、自らの内に宿る。【中編】

ステーキを食べた後、カルからお願いされて、ダソミアへ着く前に手合わせすることになった。

 

私は腕が立つわけじゃないけど、若きジェダイの為にちょっとだけ手を貸そうと思う。それがフォースの意志の望みなら、大人しく従おう。これが未来の希望に繋がるか分からないけど、少なくとも後悔はしないはずだ。

 

何もせず後悔するより、何かを為して後悔する方が良い。

 

私とカルは、格納庫でプラズマの刃をぶつけ合う。

 

 

「カル、懐が留守になってるよ?」

「えっ、っ、アリス!」

「ガードが甘い。」

「っ!!」

 

 

軽くフォース・プッシュすると、カルは受け身を取って体勢を立て直す。

 

 

「フォームⅤは力で押す型だから、受け流して。そう、そんな感じ。」

 

 

その指摘に、カルは攻撃を受け流す。私の癖を見抜いたのか、カルはこちらの剣筋を受け止め始め、蹴りを入れてきた。不意を突かれた私は後ろに突き飛ばされ、倒れそうになる。私は慌てて身を捻り、宙で身体を反転させる。その勢いでカルのライトセーバーを蹴り上げ、一気に間合いを詰めた。

 

彼の首にライトセーバーを添え、勝敗が決した。

 

 

「一言いい?」

「ああ。」

「ごめん、つい夢中になっちゃった。」

 

 

フォースでカルのライトセーバーを拾い、彼に返した。

 

 

「アリス、受け流され始めると逆手になるのか?」

「うん。でも、フォームⅤって昔は逆手が主流だから。」

 

 

そう、私はカウンターを狙うように逆手持ちにしてしまう癖がある。その方が片手でもフォームⅤの特性が活かせるし、ガードが緩い脇も守れる。唯一の欠点は、動きを読まれやすいということ。

 

逆手に変えると戦い易くなるけど、同時に自分のスタイルを教えていることになる。

 

 

「対ライトセーバー戦が少なかった時代の所以だよね。」

「もう一度やらせてくれ。」

「いいよ。」

 

 

カルは構え、ライトセーバーを起動させる。

 

そこで、私は少し驚いた。

 

 

「双刃なんだ、いいね。」

「ジャロ・タパルも双刃だった。」

「知ってるよ。」

 

 

そう答えると、カルは真っ直ぐ切りかかってくる。上から振り被るふりをして下から振り上げ、私は動きを読んでライトセーバーで防ぐ。押し返して距離を詰めると、今度は上から刃を降り下される。

 

鍔迫り合いになり、ヒルトを両手で握る。

 

 

「っ…」

「集中しなよ?」

「………アリス。」

 

 

カルが私の名を呟いた途端、フォース・プッシュを食らった。私は予知する間もなく吹っ飛び、壁に背を打つ。子供だと思って、気を抜いていた。

 

体勢を立て直す前にライトセーバーを首に添えられ、2戦目が終わった。

 

 

「大丈夫か?」

「平気。恐ろしい集中力だったよ。」

「そろそろ上に戻ろう。シアが待ってる。」

「そうだね。あ、カル。」

「なんだ?」

 

 

先に梯子を上がるカルを呼び止める。

 

 

「帝国に私のことを聞かれたら、知らぬ存ぜぬで通して。」

「当然だ。他にも理由があるのか……?」

「帝国……皇帝は、私を欲しがっている。その為に、些細な情報すら求めてる。僅かな情報でも、“あいつ”に渡したくない。」

 

 

カルは頷くと、梯子を登っていく。

 

程なくして、スティンガー・マンティスはハイパースペースを抜け、ダソミアの軌道へと出る。

 

人の気配はほぼ感じられず、禍々しい瘴気が背を凍らせる。ダソミアは、私を歓迎していない。カルから聞いた話によれば、ナイトシスターの生き残りであるメリンは、私達ジェダイを恨んでいるという。

 

元凶は、タロン・マリコス。

 

こんな状況で、どうやって彼女に接触すれば良いのか。

 

マスターが私の今の状況を見たら、確実に説教コースだな。

 

 

「私も降りる。」

「貴女はナイトシスターと面識がない。ここにいた方が……」

 

 

ハッチを降りようとすると、カルに止められる。

 

 

「大人しくするつもりはないよ。」

「アリス、」

「シア、マスター・コルドヴァの言う通り、私はこの不老をどうにかしたい。ダソミアに何かあるなら、宛にしたいの。」

 

 

コルドヴァが私にダソミアへ行くように指示したのは、何かしら理由があるはずだ。ヴェントレスもいなければ、マザーもいない。何も手掛かりがないけど、ダソミアに降りてみるしかない。

 

 

「分かったわ。」

 

 

しばらく考えた後、シアは了承してくれた。

 

カルと一緒にダソミアへ降りて、メリンがいるという奥へと向かう。

 

 

「ナイトシスターの話はどれくらい知っている?」

「ジェダイ公文書館で読んだ程度。あとは、マスターから聞いた話くらいかな。」

「アリスのマスター?」

「そう。ケル・ドアのジェダイ・マスター、プロ・クーン。こんな私だけど、いろいろ叩き込んでくれた。」

 

 

何を叩き込まれたのかと言えば、クランで逃げてきた授業や、ライトセーバーの訓練だ。語学はともかく、私はライトセーバーを握ることに腰が引けていた。マスターがいなければ、ここまで成長できていない。

 

 

「ジェダイ粛清の時、マスター・プロは………」

「あの時、マスターはインターセプターに乗ってた。私には何もできなかった。いくら未来を予期していても……救えない。」

 

 

今の気持ちを言うなら、後悔だ。

 

クルーザーで、もっと強く引き止めれば良かったんだ。嫌な予感を気のせいにして、マスターを行かせてしまった。逃げずに行動していれば、多くを変えることができていたかもしれない。

 

アナキンのこともそうだ。

 

シディアスの言う通り、私が置き去りにしたも同然だ。

 

 

「後悔してる。でもね、後悔してもマスターは戻らない。カル、私と同じ間違いをしないでね。」

「貴女の間違い?」

「逃げないこと。私は、今も逃げてる。暗黒面からも。勇気を出して。」

「………ああ。」

 

 

ある程度中に進むと、赤い装束に身を包んだメリンが姿を現す。

 

彼女の目には、憎しみと怒りが満ちていた。ナイトシスターを滅したジェダイへの憎悪が、メリンを支配している。

 

カルといる私がジェダイだと気付き、メリンは蔑んだ目を私達に向ける。

 

 

「仲間を連れてきたのね。」

「私達に敵意はない。」

「そちらがなくても、こちらにはある。」

「やめろ!俺達は、」

 

 

メリンは問答無用で、緑色の炎を放ってくる。私達が慌てて避けると、カルは反論する。攻撃をやめたメリンに、私は手の平を彼女に見せた。

 

 

「仮に私達が敵だとしても、姉妹は戻らないよ。」

「ええ、分かってるわ。けど、姉妹は違う。復讐を望んでいる。」

 

 

メリンが木の膨らみに緑の炎を放つと、ナイトシスターの死者が落ちる。死者達は立ち上がり、各々の武器を振り被って襲ってくる。私とカルは後退し、ライトセーバーでアンデッドを切り倒す。

 

 

「カル!一時撤退!」

「アリス!危ない!」

「え?…っ!!!」

 

 

気を逸らしたせいで鈍器で殴られ、私はその場に倒れる。

 

遠退く意識の中、カルが必死にアンデッドを切り倒す姿を捉えた。私は動けず、ただそれを見ているしかない。最後に視界に捉えたのは、私に近付くメリンだった。

 

そして、意識は否応なく奪われた。

 

気が付くと、私はジェダイ聖堂の中庭にいた。

 

肩を叩かれ振り向くと、マスターが立っていた。

 

 

「アリス、どうした?」

「えっ、何、これ……」

「何を言っている?」

 

 

辺りを見渡しても、特に何も変わらない、いつものジェダイ聖堂だ。

 

 

「マスター………戦争は?」

「戦争?クローン戦争のことか?」

「はい…」

「アリス、戦争は終わった。分離派は皆裁判にかけられ、共和国の平和は保たれたのだ。」

 

 

そうか、戦争は終わったんだ。ガンレイ達は逮捕され、グリーヴァスもオビ=ワンに倒されて、アナキンはマスターに昇格。文字通り、平和が戻った。

 

あれ?私は何をしていたんだろう?

 

 

「マスター・プロ、マスター・ヨーダが呼んでいます!」

「ああ、すぐに向かおう。」

 

 

マスターが去り、私は一人になる。

 

長い戦争だった。多くの命が消えた。敵も味方も。死んだクローンやジェダイ達も、これで報われるだろう。

 

でも、私は何かを忘れている。

 

 

「マスター・レイン!マスター・ウィンドゥがここに来るように、と。」

「分かった、ありがとう。」

 

 

イニシエイトから場所を指示され、私はマスター・ウィンドゥの待つ個室へと向かう。

 

私、今度は何をやらかしたんだろう。

 

 

「失礼します、マスター。」

 

 

部屋に入ると、いたのはマスター・ウィンドゥだけではなかった。マスター・ヨーダとマスター・プロもいた。3人は、なぜか悲しげな表情をしている。

 

嫌な予感がする。

 

 

「アリス、暗黒面に手を出したというのは本当か?」

「え?」

 

 

衝撃の問いに、私は唖然となる。

 

 

「まさか……あり得ません!」

「正直に言え。お前が暗黒面に手を出したことは、ドゥークーが証明している。」

「私は暗黒面なんか、」

「では、なぜスカイウォーカーを殺したのじゃ?」

「アナキンを殺した……?」

 

 

マスター達は、私がアナキンを殺したと言う。

 

だけど、私は殺していない。親友であるアナキンを殺せるはずがない。アナキンを殺したなんて、何かの間違いだ。

 

 

「違う……私じゃない………」

「アリス!」

 

 

気付いたら、部屋を飛び出していた。

 

マスター達の心を読んで、事実だと分かった。私がアナキンを殺したんだ。全部私のせいだ。

 

涙が止まらず、私はひたすら走り続ける。

 

 

「アリス…」

 

 

その声に、思わず立ち止まる。

 

誰よりも忌み嫌い、嫌煙している者だ。クローン戦争の黒幕で、ドゥークー伯爵を操った張本人でもある。どうして今まで“奴”を忘れていたんだろう。

 

パルパティーン最高議長、もといダース・シディアスは不気味な笑みを浮かべる。

 

 

「よくやった、我が弟子よ。」

「弟子……?」

「左様。見事に我が期待に応えたのだ。其方はシスに相応しい。」

「嘘……」

「何を驚いている?アリス、これからジェダイは粛清される。シスの支配が始まるのだ。余と、其方でな。」

 

 

あのクローン戦争は何の為だったのか。多くの命が散り、数え切れない罪無き人々が巻き込まれた。共和国は勝ったけど、誰も喜ぶことはない。

 

 

「さぁアリス、その手でケノービを殺せ。」

「嫌……!」

 

 

そう言った瞬間、シディアスに気道を絞められる。息ができず、私は膝をつく。動揺する今の私に解除は不可能で、その苦痛に悶えるしかなかった。

 

 

「っ……」

「アリス、このまま死ぬか、再び従うか、どちらが良い?」

 

 

怖れてはいけない。シスはその恐怖に付け入る。私はジェダイだ。シスを怖れたら、ジェダイじゃない。

 

克服しろ、私。

 

 

「っ!な、に!?」

「思い出した……」

 

 

本当のことを思い出して、シディアスのフォース・グリップを解除する。

 

記憶が操作されている。ジェダイはとっくに滅んで、今は帝国が君臨している。アナキンは暗黒面に堕ちて、私は親友を失った。

 

それに、パドメは………死んだ。

 

 

「私はあんたの弟子じゃない。私のマスターは、プロ・クーン、ジェダイ・マスターだよ。」

「シスを裏切るのか!?」

「裏切る?私はあんたに……暗黒面に忠誠を誓ってない。私は自分への恐怖を克服する。」

 

 

そう宣言すれば、私のいる空間は光に満ちて、ダソミアに戻ってきていた。荒い呼吸をして蹲り、祭壇の上で息を整える。辺りを見渡すが、私のいる部屋には誰もいなかった。

 

いや、訂正しよう。

 

ナイトシスターのアンデッド達が、私を取り囲み拝んでいる。

 

 

「何これ……」

 

 

アンデッドは私が起きたことに気付くと、拝むのをやめてどこかへ消えていく。

 

ん?そういえば私……

 

 

「殴られたよね……」

「ええ、貴女は気絶していたわ。」

 

 

メリンの声に、ライトセーバーを構えて低く問う。

 

 

「幻を解いたのはあんた?」

「違うわ。抜け出せたのは、貴女自身の力よ。」

 

 

そこで、メリンはなぜか謝ってくる。

 

 

「ごめんなさい、私が騙されていたの。」

「カルに説得された?」

 

 

私の問いに、メリンは肯く。

 

ジェダイは平和の守護者だと、教えられたという。彼女に嘘を吹き込んだのは、マリコスだ。彼は、もうジェダイじゃない。

 

 

「私はこれからカルを手伝うわ。貴女は少し休んで。」

「待って。」

 

 

ライトセーバーを収め、カルの下へ向かう彼女を呼び止める。

 

 

「メリン、私はアリス、アリス・レイン。」

「よろしく、アリス。それと……アンデッドに殴らせてしまってごめんなさい。」

「あぁ、大丈夫だよ。」

 

 

メリンは微笑むと、再び背を向ける。その笑みは、とても穏やかだった。ナイトシスターとはいえ、マリコスは彼女を歪めた。ジェダイが手を出して良いことじゃない。

 

彼女は闇を克服した。私も、できることをしよう。

 

祭壇から降りて、私はフォースのぶつかり合っている方へ走る。

 

カルなら大丈夫。メリンもいる。私達は、マリコスとは違う。心配することはない。

 

さぁ、間違いを正そう。

 

 

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リコ様、遅くなってすみません……泣
例のアレは後編の予定ですm(_ _)m
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