ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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お待たせしました!
フォールン・オーダー編、後編です!

リコ様のご期待に添えられているかどうか……

どうぞお納めくださいm(_ _)m


真の敵は、自らの内に宿る。【後編】

私がカルの下へ辿り着いた時には、既に戦いは終わっていた。

 

マリコスはどこへ行ったのやら。

 

 

「マリコスは?」

「メリンがダソミアに埋めた。」

「え、埋めた…?」

「ええ。奴は冷たく息絶える。当然の報いよ。」

「メリン、もうマザーを冠してもいいんじゃない?」

 

 

メリン怖い。女の人って怖いね。あ、私も女か。

 

 

「アリス、俺はアストリウムを取りに行く。貴女はコルドヴァの助言に従うんだ。」

「うん。」

 

 

カルがアストリウムを探しに行き、私はメリンに協力をお願いする。

 

そう、この不老の呪いを解く為に。

 

 

「メリン、ナイトシスターの魔術で、このシスの秘術を解けないかな?」

「シスの秘術……?」

「そう。かれこれ5年もこの姿なんだよね。できそう?」

 

 

メリンは険しい表情をして、私の左手を握る。何かを見るように、彼女は目を閉じる。再び開いたメリンの瞳は、緑色に靄がかかっていた。

 

ところが次の瞬間、彼女は私を突き飛ばす。

 

その目に篭った感情は、恐怖。

 

 

「ごめんなさい。私には無理だわ。」

 

 

やっぱり簡単には解けないよね。

 

 

「いいよ、ありがとう。」

「けど、背後に人影が見えた。あれは誰なの?」

「………皇帝、パルパティーン。」

 

 

皇帝という言葉に、メリンは眉間を寄せる。

 

正体を知っているのか分からないけど、良い印象はないらしい。

 

 

「お気の毒に……」

「え?」

「いいえ、何でもないわ。私から言えるのは、解けるのは皇帝だけということ。」

「どういうこと?」

「貴女が皇帝に従うのが、大前提なの。シスの秘術を解けるのは、シスのみ。私はシスではないから、拒絶されたわ。」

 

 

メリンによれば、不老の呪いを解くには皇帝の血も必要だという。理由は分からないけど、他にもいくつか条件がある、と。あいつ、本当に面倒なことをしてくれたよ。

 

 

「私が無理に解けば、貴女は代償を払うことになる。」

「分かってるよ。皇帝は甘くない。」

 

 

解き方は分かった。しかしシディアスが自ら解かなければ、暗黒面の侵食は急速に広がる。無理矢理解くわけにはいかない。

 

奴の目的が分からないから、安易に解くこともできない。

 

こればかりは、恨まずにはいられない。

 

 

「アリス、アストリウムを見つけた。」

 

 

カルが戻ってきて、私とメリンにアストリウムを見せる。そのアストリウムを見て、メリンは悲しげな表情をする。理由は、何となく分かる。

 

 

「祝福するわ。けど、姉妹は帰ってこない……」

 

 

死者は生き返らない。例えナイトシスターでも。私にも、帰ってきてほしいと思う人がいるから、気持ちは痛い程に分かる。

 

 

「ねぇメリン、家族に血の繋がりは関係ないよ。新しい家族が欲しくない?」

「新しい家族……?」

「うん。私は最後まで見届けられないけど、」

「アリス!どういうことだ!?」

 

 

別れようとしていることに、カルは憤慨していた。

 

シアの元パダワンである、トリラとの戦いが見られないのはとても心苦しい。だけど、私が今表舞台に立てば、未来は翳る。私のワガママで、未来を悪い方に向かわせてはならない。

 

 

「フォース感応者には、それぞれ役割がある。私にもね。あんた達と旅を続けることはできない。」

「そんな、」

「こう見えて、寂しく思ってるんだよ?」

「ちょっ……やめろって!」

 

 

カルの頭を撫でて子供扱いしたら、思いっきり嫌そうな顔された。

 

パダワン可愛いんだもん。仕方ないよね?あれ?違う?若いジェダイは可愛いよね?あ、違うんですね、すみません。

 

嫌がるカルを見たせいか、BD-1に頭を叩かれる。

 

 

「痛い、ごめんってば!」

「BD-1、そろそろやめてやれ。」

「私、本当にドロイドに好かれないわ……」

「アリスが悪いと思うわよ?」

「なっ……メリン!?記憶覗いた!?」

 

 

まずい、口止めしなければ……!私の黒歴史がカルに知られてしまう!アナキンを弄ったことがあるなんて知られたら、後輩ジェダイに殺される!

 

 

「メリン?お願いだからあの記憶は言わないでね?」

「貴女の態度次第ね。」

「あれ?私の味方いない?」

 

 

しょんぼりしながらも船に戻り、メリンは後から合流することになった。

 

船に戻る最中、カルが走りながら私に話をしてくる。

 

 

「シスの秘術はどうなったんだ?」

「………無理だった。」

「何事にも永遠はない。ジェダイになければ、シスにも永遠はないはずだ。時は流れ続けるんだ。」

「そうだね……」

 

 

橋のない岩棚を乗り越えた後、私はポツリと呟く。

 

 

「やっぱりカルは可愛いよ……」

「え?」

 

 

口に出してしまい、それを聞いたカルは盛大に転ぶ。

 

 

「ご、ごめんカル!痛いよBD-1!マジでやめて!」

「可愛いって何なんだ!?」

「可愛いは可愛いだよ!私からすればカルはまだまだ子供だから!」

「その外見で言われてもな……」

「5年の差は分からないでしょ!?」

 

 

ようやく船に着いた頃には、メリンも追い付いていた。

 

3人揃って入ると、シアとドリタス船長がメリンの姿に驚く。敵意はないと彼女の肩を抱くと、シアが頭を抱える。ドリタス船長に至っては、少し怯えている。

 

 

「魔女だろ!?」

「ナイトシスターよ。何も怖がることはないわ。」

「お陰でアストリウムが手に入った。信用できる。」

「アリス、貴女の呪いは?」

「現状では皇帝にしか解けないって。でも、解き方は分かった。叶うことはないけどね。前に進めたのは、メリンのお陰。」

 

 

その言葉に、シアは納得したような表情をする。

 

 

「克服できたのね……」

「乗り越えられた。あんたも、過去を乗り越えて。もうお別れするけど、トリラが帰ってくることを祈ってる。」

「お別れ……?」

「シア、アリスは船を降りる。アリスには別の役目があるんだ。」

 

 

カルにそう言われて、シアはようやく私の言葉を理解した。

 

ダソミアを離れた後、私は外縁部の適当な星で降ろしてもらうことになった。ボガーノで、シアとカルには大きな壁が立ち塞がる。私が手を貸すことはできない。自分達で戦ってもらうしかない。私がその壁を壊したら彼らはその先を、敷かれたレールしか歩けなくなる。

 

その先が奈落だったらと思うと、耐えられない。

 

スティンガー・マンティスはダソミアを発ち、ハイパースペースへと入る。

 

メリンとカルから離れ、私とシアは静かに格納庫へと降りた。

 

2人だけになった理由は、シアに話があると言われたからだった。

 

 

「アリスとカルが中にいる間、外縁部の星から暗号通信を受け取ったの。」

「なぜ私に?」

「貴女を探している人がいるわ。アリスをよく知る人よ。」

「誰……?」

 

 

その人の名前を聞いて、私は自然と笑みを零していた。

 

 

「幸せそうな顔ね。」

「彼といる時はとても幸せだよ。」

「それともう一つ。カルのマスターは私よ。」

 

 

どうやら、私がカルを鍛えたことが腑に落ちなかったみたい。

 

ゲームでは見られなかったシアの顔に驚いた。少なからず、私の存在が影響したのかもしれない。良い影響なのか悪い影響なのか、分からないけど。

 

どう考えても、カルは可愛がられる要員じゃない?

 

 

「肝に銘じます、マスター・シア。」

「やめて、立場は貴女の方が上よ。」

「私は名ばかりのジェダイ・マスターだよ?」

「いいえ、アリスはジェダイ・マスターに相応しいわ。マスター・レイン、同行に感謝します。」

「やだ、そんな柄じゃないって……」

「顔が真っ赤なアリスは新鮮だな。」

「カルっ!?」

 

 

私達を見下ろすカルは、楽しそうに笑う。待って本当にそんな柄じゃない恥ずかしいからやめてえええええぇぇっ!

 

ていうかそういう台詞は旦那様から聞きたかった!!

 

 

「帝国が滅びる前に私が滅びそう………」

「カル、私には手に負えないわ。」

「え、酷くない?」

 

 

そして、ヨットは暗号通信が発信された外縁部の星に立ち寄る。

 

ハッチが開いて足を踏み出すと、シアが私を呼び止める。

 

 

「フォースと共にあらんことを。」

「フォースと共にあれ、シア・ジュンダ。」

 

 

それから、シアの後ろにいるカルに声をかける。

 

 

「フォースと共に、“ナイト”・ケスティス。」

「フォースと共に、マスター・レイン。」

 

 

ハッチが閉まり、スティンガー・マンティスは段々と遠退いて小さくなっていく。

 

予知してみたら、カル達が無事にホロクロンを手に入れるヴィジョンが見えた。私の存在がカル達を歪めることはないと分かって、安堵する。何度も予知したけど、それは変わらなかった。

 

後は、私が姿を消すだけ。

 

 

「アリス」

 

 

大好きな人の声に、私は笑みを浮かべる。

 

振り向いた先には、最愛の人がいた。

 

自分の闇を克服した今、気分は清々しい。

 

 

continue……

 

 

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