ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
リクエストの後編です!!
メインは前編なので、後編は後日談の扱いで短めです。
どうぞお納めくださいm(_ _)m
息子を出産して、3年が経った。
子育ては本当に大変だった。まず私が離乳食作れないし。ウィリアム本人も悪戯するわ、R7-D4をスクラップにしようとするわ……
当のウィリアムも、健全な3歳児。元気が有り余りすぎる。それはもう、苦労の連続だった。
「ママー」
「どうしたの?」
R7のメンテナンスをしていると、ウィリアムが抱っこを強請ってくる。メンテナンスを終えて、私は息子を抱き上げてソファーに座る。
「ママの魔法教えて!」
「魔法?」
「昨日の魔法!」
「あー……」
魔法とはフォースのテレキネシスのことだ。
先日レイアと計画の話をする為に、シャンドリラへと行った時のことだった。レイアを良く思わない元老院議員の一人が、賞金稼ぎを雇って襲ってきた。その賞金稼ぎを私が返り討ちにした時、ウィリアムも一緒にいた。
まさか、3歳児が教えてと言うなんて思わなかった。
「ビリー、ママの話を聞いて。」
「うん。」
「ビリーは覚えなくていい。ママとパパが守るから。」
そう言うと、ウィリアムは不貞腐れた顔をする。不貞腐れたというか、教えてもらえないことに拗ねている。頬を膨らます息子の顔を撫でて理由を聞くと、意外な答えが返ってきた。
「パパが、ビリーが大きくなったらママを守れって……」
ダンタムー、3歳児に何言ってんの?
「えっと、ママは大丈夫だよ?」
「ママの大丈夫は嘘だって、パパが言ってたよ?」
「ダンタムー!!」
子供になんてことを吹き込んでるの!?
タイミング良く帰ってきた夫が、私の詰問に笑顔で応対する。ダンタムに変なことを言うなと怒れば、事実だと軽く返された。訂正してほしい、事実じゃない。
立ち上がってダンタムに向き合えば、またソファーに座らされる。
「アリス、いつかは話さなきゃいけないんだ。ジェダイやシスのことも。そして、君の人生も。」
「けど……」
「決めただろう。フォースの導きに従う、と。その時になれば、ビリーも自分で選ぶ。親である私達に、止める権利はない。それに、ビリーを見てみろ。」
「え?」
ウィリアムはいつの間にか棚の上のホロクロンを手に取り、フォースを使って開けていた。
「子供は親の知らないところで成長する。」
「………」
「ビリー、おいで。」
ダンタムが呼ぶと、ウィリアムはホロクロンを閉じ、走ってきて彼の膝に座る。
「ビリー、パパとママは、これから大事な話をする。お利口なお前なら、ちゃんと聞けるな?」
「うん!」
「よし、良い子だ。」
そうして、ダンタムはウィリアムに昔話をする。
ジェダイとシス、スカイウォーカー、それから私とダンタムの物語を。良い想い出も、悪い想い出も、両方話した。子供のウィリアムはまだ全てを理解できないだろうけど、大人になれば分かるはずだ。
「パパとママも、ビリーが大切だ。忘れるな。」
「うん。ねぇパパ」
「なんだ?」
「ママは泣き虫?」
「なっ……ビリー!?」
ママのメンタルはボロボロです…
そんなに泣いた覚えはないんだけどなぁ。あれ?………結構泣いてる。しかも、ルークの前でも泣いた。ダンタムの前ではもっとだ。
………泣き虫かもしれない。
「ああ、泣き虫だ。だからママが泣いてる時は、お前が傍にいるんだ。分かったな?」
「分かった!」
「ダンタム、やめてよ。」
「だが、ビリーはやる気だぞ。」
ウィリアムは小さいながらも、女の子を守る騎士のようだった。その意欲を私ではなく、将来出会うであろう恋人に向けてほしい。私は自分の身を守れるのだから。
「ビリー!あーそーぼー!」
近所に住む子供達が、息子を遊びに誘う。
私を見るビリーに、外で遊んでくるように言った。
「遊んでおいで。」
「ママ、どこにも行かない?」
ウィリアムは出て行こうとするけど、振り返って心配そうに私を見てくる。
「行かないよ。パパとお家にいるから。」
「約束だよ!」
「うん、約束する。」
ウィリアムは元気よく走っていき、村の子供達の輪に入る。
私とダンタムは駆けていく息子を見つめて、幸せを噛み締めた。
「ダンタム」
「どうした?」
「フォースの意志は、ビリーを放っておかないと思う。」
「ああ、そうだな。」
ダンタムも、薄々思っていたらしい。
ウィリアムは、ジェダイである私の血を引いている。既にフォース感応力に目覚め、テレキネシスを見様見真似で使っている。フォースと繋がっているから、自然と導かれるだろう。
「その時になったら、ビリーに訓練を付ける。本当は嫌だけど……」
「アリス、ビリーは君にそっくりだ。ジェダイになりたいと言うだろう。だが、すぐに訓練するわけじゃない。」
「ファースト・オーダーなんて現れなければいいのに……」
「悪い事が続かないように、良い事も永遠ではない。その為の計画だ。今は前を向くんだ。」
「うん……」
妊娠、出産を経て、私の命は私だけのものじゃないと学んだ。
ダンタムと息子の為に。夫であるダンタムと、息子であるウィリアムが、私を必要としている。そして妻であり、母である私も、ダンタムとウィリアムが必要だ。誰か一人でも欠けてはならない。
私は、2人の愛を抱えている。
家族が、私の宝だ。
家族以上に大切なものはない。
continue……