ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
今回はエピソード7の《呼び声》の前日譚です。
これを最後に、そろそろ次の作品に向けて準備したいと思います(願望)
ビリー君、ちゃんと活躍するよ?
これは、アーミテイジ・ハックスがアリス・レインが隠遁していた村を襲撃した際の記録である。
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某年某日……
スプレマシーの玉座の間で、アーミテイジ・ハックスは最高指導者、スノークに跪いていた。
「ハックス将軍、この座標でアリス・レインが確認された。」
スノークがホログラムに映したのは、アリスが隠遁していると思われている惑星だった。更に拡大され、とある村が映される。
「レインを捕らえよ。」
「ついに……」
「レジスタンスを、あの女と接触させてはならぬ。レインは腐ってもジェダイ……レジスタンスに希望を与えるな。だが、決して殺すな。奴には利用価値がある。」
「はい、最高指導者。」
ハックスは玉座の間から退室すると、部隊を編成する。それも帝国軍とは違い、エリートを選び抜かれた部隊だった。更に、ハックスはエリート部隊に加えて、ストーム・トルーパーの中隊を引き連れてスターデストロイヤーに乗り込む。
戦いへのカウントダウンが、静かに始まった。
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ファースト・オーダーが台頭して、数ヶ月後。
私とダンタム、ウィリアムは、レイアの了承の下、共和国領を離れていた。
共和国領を離れた理由は、レイアからの警告があったからだ。
共和国の官僚が、私の情報をファースト・オーダーに漏らしている。そう聞いて、私は共和国領を離れることにした。共和国領の至るところに、防衛軍の目がある。共和国領にいては、ファースト・オーダーに所在が筒抜けだ。
予期通りに台頭したファースト・オーダーとの戦いに備えて、私達家族は外縁部の静かな村に移った。
「母さん、半日が過ぎてるぞ。」
瞑想をしていたら、ウィリアムに叩かれて現実に引き戻された。
私は半日も深く瞑想していたらしい。
「それで、どうしたの?」
「村長が話があるそうだ。急ぎみたいだぞ。」
「分かった。」
立ち上がって埃を払い、村の中心にある村長の家に向かう。
急ぎの用って何なんだろう。
ノックすると、村長は中に招き入れてくれた。
「マスター・ジェダイ」
この村はクローン戦争以前にジェダイが救った村で、その時のジェダイが私のマスター、プロ・クーンだ。この時代で私を“マスター・ジェダイ”と呼ぶのは、そういった所以だ。村長はマスターと面識があって、私がこの村に来たのもそれが理由だった。
更に言えば、村長は未だに解けない不老の術にも理解を示してくれた。
その村長は、村人からも慕われている。
「それで、お話とは……?」
「ここも秘密ではなくなった。」
「え?」
「オルデラニアンのお姫様から、貴女方を逃がすように指示を受けた。すぐここを離れてくれ。村人の中にスパイが紛れているやもしれん。」
「分かりました。ご忠告ありがとうございます。」
私の見解では、村人にスパイはいない。いるとすれば、ドロイドのどれかだ。そのドロイドが、私の所在をファースト・オーダーに伝えたんだ。
村長の家を出て、私は走って家族の下へ向かう。
家に着くと、ダンタムが村の手伝いから帰ってきていた。荷物をまとめるように言うと、何かを察したのか頷いてくれる。彼にウィリアムを呼び戻すように言って、私は隠してあるシャトルに駆け込んでエンジンを立ち上げる。
しかし、呼び戻す前にウィリアムが家に駆け込んでくる。
「母さん!スターデストロイヤーだ!!」
外に出て空を見ると、スターデストロイヤーが3隻浮かんでいた。スターデストロイヤーからは兵員輸送のシャトルが降りてきて、真っ直ぐこの村に向かってきている。唇を噛み、ウィリアムにシャトルに乗り込むように指示した。
「母さん達は!?」
「すぐに追いかける。行くんだ。」
「ビリー、大丈夫だから。私がシャトルのクローキング起動まで時間を稼ぐ。早くシャトルへ。」
何か言いたそうなウィリアムを宥め、シャトルへ向かわせる。
私とダンタムはブラスターを持って丘の上から、こちらに向かうトルーパーを狙った。
「2人で戦うなんて久しぶりじゃない?」
「ああ、懐かしい。クローン戦争を思い出すな。」
「行くよ、ダンタム。」
トリガーを引き、こちらに来るトルーパーを一人ずつ撃ち倒していく。
こうして2人で戦う時、昔を思い出す。
やがてトルーパーの足が減って、引き時が来た。ダンタムの手を引き、私達もシャトルを目指す。村長達を助けに行きたいけど、今助けに行けば村長の厚意を無駄にすることになる。
悔しさを抑え、私はひたすら走った。
「ダンタム!!」
隠れていたストーム・トルーパーの一人がダンタムを撃とうとする。
ところがブラスターを取り出す前に、誰かがトルーパーを殴り倒した。
「ビリー……」
ウィリアムが、ブラスターを掲げて立っていた。
我に返り、思わず息子に怒鳴る。
「ビリー!なんでシャトルにいないの!?」
「仕方ないだろ!俺一人で待てるわけないじゃねぇか!」
「やめるんだ2人共!シャトルへ向かうぞ!」
ダンタムに言われて、私達はシャトルへ走る。
どうにも嫌な予感がする。
ようやくシャトルが見えて、私は背後の気配に気付けなかった。
「アリス!!!」
「っ!?」
エレクトロプロッドが襲ってきて、私はライトセーバーで応戦する。
途中、ウィリアムをフォースでシャトルに押し込み、私とダンタムは背中合わせで戦う。
プロッドを押さえながら、フォース・プッシュでトルーパーを吹っ飛ばす。その後ろから、増援のトルーパーが現れる。一人二人ではなく、10人はいる。
ダンタムと2人で戦っているけど、いつまで保つか分からない。
私は覚悟を決めて、ダンタムを見る。
「ダンタム、ごめん。」
「アリス……?っ!よせ!!」
トルーパーに包囲される中、サーマル・デトネーターを起動する。
爆発から守る為に、ダンタムを包囲の外に押し飛ばした。
「っ……」
フォースで爆風から身を守った為、私は軽傷で済んだ。包囲していたトルーパーは爆発にやられて全員倒れている。ダンタムは無事だ。後は私が逃げるだけ。
「動くな!」
「っ!」
エリート部隊らしきトルーパー2分隊が、私を包囲する。
奴らはダンタムにブラスターを突き付け、攻撃しないように言う。
「アリス、逃げろ。」
「できない。トルーパー、彼を解放して。さもなくば、あんたを潰す。」
「我々の目的はお前一人だ。抵抗すれば、こいつは死ぬぞ。」
「彼を傷付けたら容赦しないから。」
「なら武器を置け。」
ブラスターとライトセーバーを地面に置き、両手を上げてダンタムの方へ蹴り飛ばす。
「取り押さえろ。」
「ちょっと……!何を着ける気!?」
首に何かを着けられ、膝をつかされる。
違和感に気付き、私はトルーパーの分隊長を睨んだ。
第二デス・スターの時と同じ首輪だ。私はフォース感応力を奪われた。フォースの技が使えなくなってしまった。
「将軍、アリス・レインを拘束しまし、ぐっ……」
「っ!?」
「奴を撃て!!」
丘の上から、ウィリアムが射撃したのが見えた。
奴らがウィリアムに気を取られている隙に、私は両手を拘束されたまま辺りのトルーパーを殴り倒す。
「走って!」
私の叫びに、ダンタムは走る。
トルーパーはダンタムに構うことなく、再び私を取り押さえる。エレクトロプロッドで電流を食らって、呻きながら蹲ってしまった。拘束を後ろ手に変えられ、私は引き摺られていく。
擦れる膝を気にする余裕もなく、フォース感応力がないせいで痛覚もコントロールできない。
初めて心の底から、苦しいと思った。
「ようやく姿を現したな。」
「ハックス……」
アーミテイジ・ハックスの前に引き摺り出されて、私は奴を見上げる。
捕虜か死か選ばされ、私は止む無く降伏した。
ハックスがまだ甘いと知ったのは、スノークと顔を合わせてからだった。
ファースト・オーダーのシャトルに乗せられ、私はどこかの基地に連行された。真っ先にスノークの前に突き出され、本当の不運はこれからだと感じた。ホログラムでさえ、スノークの威圧は背筋を凍らせる。
フォース感応力がない今、私は弱い人間だ。
『アリス・レイン、ルーク・スカイウォーカーはどこにいる?』
「………知らない。」
『お前が知らぬはずはない。未来を知るお前ならば、』
「未来は変わり始めてる。私が知る未来とは違う場所にいる可能性もある。聞くだけ無駄だよ。愛弟子は賢いからね。」
本当のことだ。私はオク=トーだけはやめておけと、ルークに言った。弟子がどう捉えたは分からないけど。
『嘘ではないようだな。』
「私は素直だからね。」
『生意気な……ハックス将軍!』
「はい。」
『レインを連れていけ。』
私は両脇を掴まれ、基地内を引き摺られていく。
ハックスが止まり、部屋が開けられた。暗くて良く見えず目を凝らしていると、トルーパーが部屋のシステムを立ち上げる。奥に見えたものに、私は逃げようと足掻く。
ただの人間になった私に抵抗は叶わず、タンクの前に連れていかれた。
「離して……!」
また電流を食らい、身体の痛みに力が抜ける。その間に鎖をタンクの底に繋がれて、私はタンクに閉じ込められた。ドロイドが私に酸素マスクを着け、次第に水が溜まり始める。
完全に水が溜まると、次第に酸素量が減らされていく。意識を保とうにも、強制的に切り離されようとしていて不可能だった。意識を奪われる直前、ハックスの冷めた表情を視界に収めた。彼は、私を人間として見ていない。
そして、白い空間に囚われてしまった。
孤独は怖ろしいと、眠る直前に思った。
私は、心の中で悲鳴を上げた。
continue……