ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
今回はミズキ・コウタ様のリクエストです。
アリスとシディアス卿のその後………
私の中では、アリスはシディアス卿と結婚しても性格は変わらないと思います(´・∀・`)
では、お楽しみ?ください笑笑
パルパティーン議長との結婚が成立して2日後、私は議長の代理だったり、議長と会食を伴ったり、ジェダイ評議会との会議だったり、忙しい日々を過ごしている。
議長関連ばかりなのは、この際良しとしよう。問題は、最高議長本人がほぼ暇人と化しているということ。議長が何をしているかと言うと、デスクワークのみ。
そう!忙しいのは私だけなの!!
だっておかしいでしょ!議長より議長の妻である私の方が忙しいって!デスクワークなんてすぐに終わるし!
私にもデスクワークをやらせろっ!!
「言いたいことはそれだけかね?」
「何、もっと聞きたい?」
我慢が限界に達して、私は直談判した。
「是非聞かせてほしいところだが……」
「何?」
「君の素顔をもっと見たいものだな。」
「………それだけの為に?」
怒る私が見たい。そう言われた。
議長と結婚する前は、ジェダイとして怒りを隠してきた。怒りは暗黒面へと繋がるから。それに、負の感情は本性を曝け出させるも同然だった。
だけど、もう怒りを抑える必要はない。私はシスだ。ジェダイだったのは、過去のことだ。
「本当に回りくどい。遠回しに言わないで、はっきり命令すればいいのに。私はあんたの弟子でもあるんだから。」
「それでは意味がない。意識していては、自然な感情が見られないだろう。感情は作るものではないぞ。」
確かに一理ある。
感情とは、心模様だ。天候と同じように、作るものじゃない。操作はできても、作り出すことはできない。
「振り回される気分はどうだ?」
「は?」
「マスター・ケノービやアナキンは、君に振り回されてきた。あれはさすがに同情したのだよ。インヴィジブル・ハンドに攻撃命令を下したのは君ではなかったかな?」
「待ってなんで知ってるの……」
しかも根に持ってやがる!!
年寄り面とか思ったのは、絶対に気付かないでほしい。
「そういうことだ。アリス、身の振り方は気を付けた方が良い。相手がアナキンでもな。」
「………分かった。」
「本題だが、君の仕事はしばらく変える気はない。」
「なんで!?」
「終わってからのお楽しみだ。」
そう言う旦那様の顔が、怖いくらいに優しい笑顔だった。
大事にされると、こうなるのか……
うん?大事にされてる?されてなくない?
「期待しているぞ、アリス。」
「まだ話は、」
終わってない!!
なのに、議長オフィスを追い出された。
納得できないから、しばらく無視することにした。
仕事はするけどアパートメントには帰らず、オーガナ議員が手配してくれたホテルに逃げた。連絡も、もちろん無視。でも仕事は黙々と熟した。
3日後、マス・アミダを介して議長指令が届いた。
さすがに無視はできず、アミダの連絡に出た。
「用件は?」
『議長が、今回ばかりは無視しないでほしい、と。』
「分かった、出……ちょっと!夫婦喧嘩してるって顔しないでよ!あ、逃げんな!!」
アミダは、慌ててホロ通信を切る。
憂鬱な気分で、旦那専用の通信回路を開く。応答は早く、ホログラム越しでも悲しみが伝わってきた。あえて言うと、悲しみというか、分かりやすいくらいに落ち込んでいる。
ウサギじゃあるまいし、大人気ないぞマイハズバンド。
『やっと出てくれたか。』
「で、何?」
『アリス、のんびりしていると戦争が終わってしまうぞ。君にご褒美だ。』
「ご褒美……?」
問い返すと、最高議長はある資料を送ってくる。
データを開くと、私にとって嬉しいものが詰められていた。
資料の中に入っていたのは、ムスタファー星系の所有権と、ダース・プレイガスのミディ=クロリアンを操る知識だった。それに加えて、以前私にかけた不老の術の仕組みも含まれている。旦那曰く、あの術は私達2人、私とダース・シディアスの為に作ったという。
シス・マスターの真意に気付き、私は“旦那”に微笑んでいた。
更に嬉しいのが、全クローン・トルーパーの指揮権に、分離派の保有する全バトル・ドロイドのコントロール権。
そして、ご褒美の答えが“クローンの指揮権と全バトル・ドロイドのコントロール権”だ。
「初めてあんたからの愛を感じたよ。」
『気に入ったか?』
「それはもう……大いに。」
『さぁアリス、終止符を打とうではないか。』
「はい、マスター・シディアス。」
通信を切り、私はもらったプレゼントでジェダイを粛清して、邪魔な分離主義同盟もサヨナラした。
この上ない喜びに、私も旦那の愛にしっかり応えることにした。
帝国誕生後、夫は統治を、私は生き残ったジェダイの逮捕と反乱分子鎮圧の為に奔走した。共和国時代と変わらず忙しい日々だけど、唯一異なるのはとても充実しているということ。その充実感は、他でもない皇帝である夫のお陰だ。
だけど、忙しいものは忙しい。
「待って、やっぱりおかしい。」
「何がだ?」
「どう考えてもおかしいよ!私の仕事は共和国の時と変わらないし、デスクワークが増えてる!」
「デスクワークをやりたかったのだろう?」
「そうだけどさ!?あんたは玉座の椅子でくるくる回るだけだからいいけど!私はフットワークもあるから!!」
「健康的ではないか。」
執務室のデスクを叩いて、いつかのように抗議する。これが普通の士官やストーム・トルーパーなら、フォース ・チョークされる。その後、二度と日の目を見ないだろう。
そんな文句は構うことなく、夫は静かな声で私の名を呼ぶ。
「頼みがある。」
「話聞いてた?」
「聞いているとも。違う仕事がある。だが余の願いを聞いてくれ、我が妻よ。」
コルサントのインペリアル・パレスにて、夫が私の前に跪く。シス・マスターは夫なのに、アプレンティスである私に跪くのは、私を愛してくれている証だ。紳士のような振る舞いに、こっちが照れそうだ。
「其方は嫌かもしれないが、“スカイウォーカー夫妻”を処してはもらえないか?」
「ねぇマスター、断れないって分かってて言ってる?」
「そんなつもりはない。言い訳は不要。其方が選ぶといい。」
「ご褒美は?」
「考えておこう。」
茶々を入れたけど、答えは一つ。
「YES」
事は、滞りなく終わった。
ジェダイは滅び、数ある反乱分子はなくなり、帝国はより崇高なものになった。
こうして、私はジェダイから完全に解放された。
アナキンとパドメ、ルード議員にも別れを告げ、受け入れてくれる人は夫だけになった。愛する旦那さえいれば、誰もいらない。
この平穏が、永遠に続きますように……
continue……