ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
今回はジェダイ(仮)の日常編ですw
舞台はクローン戦争中となります。
クローン戦争中のアリスの日常と併せて、エピソード5後の日常もお送りしますww
これは、某ドロイドが記録したアリス・レインの日常譚である。
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21BBY 惑星コルサント
ジェダイ聖堂が陽の光を浴び、ジェダイ達の1日は朝早くから始まる。
ジェダイ・ナイトの1人、アリス・レインも同様、
「アリス!今日は授業があるだろう!」
「もう少し寝たい……」
「アリス!!!」
同様ではなかった。
アリスはオビ=ワンに叩き起こされ、フォース・プッシュして部屋の外に追い出す。
顔を洗ってジェダイ・マントを着た後、アリスはこの日に担当するクランの部屋へと向かった。
ジェダイ・ナイトの役割は、戦いだけではない。要人の護衛や平和調停もあり、次の世代を育てることも重要なものとされた。それは、戦場に立つジェダイも例外ではない。
アリスも、その一人だ。
「おはようございます、マスター・レイン!」
「おはよー………おやすみー」
「ええ!?」
「誰かマスター・ケノービを呼んできて!!」
真面目なクランに対して、アリスは冗談だと苦笑いする。
クランのイニシエイト達が席に座り、アリスはプロジェクターを起動する。そこには暗黒面について書かれていて、暗黒面とは何か、基本的な内容が映されていた。アリスは、それを丁寧に教えていく。
「暗黒面へ踏み込むことが、なぜ禁じられているか?正確に答えられる人はいる?はい、どうぞ。」
「破滅を招くからです。」
「正解。暗黒面は、身を滅ぼす。力を求めれば、大切なものを失うことになる。じゃあ、暗黒面で最も恐ろしいことは何だと思う?」
アリスの問いに、クランの子供達は答えられなかった。真っ先に答えた子供も、考え込んでしまう。アリスはそんなイニシエイト達に、優しく微笑む。
「まだ難しいよね。でも、これだけは忘れないで。暗黒面に呑まれたら、信じられるものがなくなってしまう。」
「マスター・レイン……?」
アリスは視線を宙に漂わせ、その呼びかけにハッとする。
「どうしたんですか?」
「何でもない。それで、暗黒面を極めた者、師と弟子の2人のシスが存在する。」
「どうして2人なんですか?」
「シスの掟で、暗黒卿は2人しか存在できないの。シスの教えを一人だけに教えることで、ずっと生き延びてきた。ジェダイからも見つからずにね。」
その時、アリスのコムリンクが点滅する。評議会からの連絡だと分かっているが、アリスは通信を無視した。子供達は心配そうな顔で、それを指摘する。
「マスター・レイン、出なくて良いんですか?」
「あー、いいのいいの。出たくないから。」
「任務の可能性も……」
「ケイレブ、時には息抜きも必要だよ?」
「でも……あっ」
「ん?どうしたの?」
ケイレブ・デュームの視線を追い、アリスは振り返る。
そこにはオビ=ワンが立っていて、彼女は顔を青ざめさせる。彼は息抜きという発言を聞いていて、爽やかな程に笑顔だった。逃げようとするアリスの襟首を掴み、任務だと静かに告げる。
「アリス、息抜きは必要なんだろう?私が付き合おう。」
「ノーセンキュー!!」
「待てアリス!!」
全力で逃げるアリスを、オビ=ワンが追いかける。クランの子供達は、そのやり取りを呆然と見送るしかなかった。ケイレブや他の子供達は、お互い顔を見合わせる。
そこへ、オビ=ワンが少しだけ戻ってくる。
「君達、授業は終わりだ。ランチの後はマスター・ヨーダから訓練を受けるんだ。」
『はい、マスター・ケノービ』
「お助けえええええええええ!!」
肝心のアリスはオビ=ワンに引き摺られ、任務へと連行されていく。
クランの子供達は、彼女の叫びをなかったことにしたのは言うまでもない。
2人が受けた任務は、要人の警護だった。警護対象は、ダンタム・ルード議員。婚約騒動や元老院人質事件の件で、アリスは彼の警護を任されるようになった。
ランチの後、アリスがルード議員に伴い、オビ=ワンが一歩離れたところで警護をする。
今回の任務は、ルード議員と彼の故郷の首長との会談の護衛だった。2人はレストランの個室で会合をして、アリスが個室の外で待機していた。
「レイン将軍」
「お断りします。」
ルード議員の誘いを、アリスは断る。その誘いとは、会合の同席を促すものだった。この応対も、よくあることだった。
「アリス」
「何?」
「随分慣れているな。」
「そりゃあ毎回あれば慣れるでしょ。」
コルサントの行政区画に夜が来て、アリスとオビ=ワンの任務が終わりを迎えた。
2人はルード議員に挨拶して、ジェダイ聖堂へと戻っていく。オビ=ワンは最高評議会の塔へ、アリスは夜の中庭へと向かった。
中庭に着いたアリスは、唐突に地面へ仰向けで寝転がる。
「アリス」
「あ、アナキン」
寝転がるアリスの顔を、帰還したばかりのアナキンが覗き込む。
「呆然となってどうしたんだ?」
「んー…ちょっとねぇ………」
「今日は授業だったんだろ?」
「うん。でも、嫌なことを思い出しちゃってさ……」
そう言うアリスの脳裏には、夢で頻繁に見る光景が浮かんでいた。ムスタファーのマグマと、シスに成り果てたアナキン、ライトセーバーで腹を貫かれる自分。それが記憶に焼き付いていた。
アリスの暗い表情に、アナキンは彼女を引っ張り起こす。
「なっ、アナキン!?」
「組み手をやろう。全部忘れられるぞ?」
「そういう問題じゃ、っ…!」
ライトセーバーの押収が始まり、アリスの表情は明るくなっていた。
次の瞬間、組み手のはずが、アリスはフォース・プッシュしてアナキンを押し飛ばす。
「っ!?アリス!今のは無しだ!」
「戦いにルールなんてないもーん。」
「この…!」
「あ、やべ。」
アリスはライトセーバーを収め、慌てて逃げる。
オビ=ワンとプロ・クーンが回廊で走る2人を捕まえ説教するのは、最早日常茶飯事だった。2人は説教された後、仲良く自室へと戻っていく。2人の後ろ姿を見るオビ=ワンとクーンは、溜め息を吐く。
「オビ=ワン、苦労しているな。」
「貴方程ではありませんよ。アリスは相変わらずですね。」
「だが、少しずつ成長している。スカイウォーカーも同様にな。」
「ええ。」
2人がそんな会話をしているとは、アリスとアナキンは知る由もなかった。
自室に戻ったアリスは、疲れている為にすぐ眠りに落ちる。
こうして、ジェダイ聖堂の1日が終わった。
「っ!!」
真夜中、アリスは悪夢で何度か目を覚ます。そして、頭の中を空っぽにして再び眠りに就く。その繰り返しだった。
皮肉なことに、彼女のその状態に気付く者はいなかった。
1体のアストロメク・ドロイドを除いて………
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R7-D4が、ルークにそう語った。
時折ホログラムを交えて、アリスの弟子であるルークに彼女の日常を話して聞かせた。
「じゃあ、アリスはずっと悪夢を……?」
R7は肯定する。
プロ・クーンの弟子であるアリスと、持ち主の間を行き来することはよくあった。
「柔な精神じゃ無理だろうな……」
R7は、悲しげなバイナリーを発する。
ルークも最近になってフォースによる夢を見るようになり、R7-D4に参考を求めていた。ルーク自身は夢に参っていて、マスターにも言えず、ドロイドのメモリーに頼ったのだった。
「アリスと父は
「何が?」
「っ!!ア、アリス!?」
「2人して何してんの?」
ルークを探しに来たアリスが、首を傾げる。
「アリスの若い頃を見せてもらっていたんだ。」
「若い頃?」
「R7-D4が見せてくれた。」
「………R7、アレ見せてないよね?」
「“アレ”?」
アレの意味を理解したR7は、悲鳴を上げて個室を出て行く。
「待ちなさい!ポンコツドロイド!!」
その後、煙を上げるアリスとR7-D4がホーム・ワンのブリッジにいたという。
continue……
誰しも、若気の至りは知られたくないですよねww